Aliexpressの商品が発送されない!対応法と自動キャンセルについて

AliExpressは豊富な品揃え、商品価格の安さ、輸送料無料といった優位性を持つ中国の海外消費者向け通販サイトです。輸送手段は速さよりも低コストを重視するため荷物を受け取るまでに時間がかかります。

AliExpressでは商品が一定期間過ぎても発送されない場合は、自動キャンセルになり商品の代金は自動的に払い戻されるシステムになっています。また、消費者の権利を守るBuyer Protection(購入者保護)を採用し、商品が届かない、或いは欠損していた場合は責任をもって返品・払い戻しに対応してくれます。

本記事ではAliExpress で買い物したのに商品が発送されないときの対応方法、自動キャンセルに至るプロセス、Buyer Protection(購入者保護)の利用上の注意点などについて、詳しく紹介しています。

目次

Aliexpressで商品が発送されない場合は?セラーとの連絡・交渉方法

Aliexpressは中国の大企業アリババグループが運営する海外通販サイトです。Amazonを脅かす存在と言われる勢いで市場シェアを伸ばしている通販サイトです。

出店店舗は登録の際に営業許可証や法人身分証のチェックを受けた正規の事業者です。ブラックなサイトではないので、いたずらに不安に感じる必要はありません。また、商品が受け取れなかった場合、商品が欠損していた場合はAliexpressが仲介して消費者に返金を保障してくれます。

とはいえ、日本に拠点を持つAmazon通販サイトとは違って、Aliexpressは中国に拠点がある通販サイトです。購入した商品は中国の業者が中国から配送するのが基本のため、最低1週間、長いときは1カ月~2カ月かかるときもあります。

中国の国土は日本の約25倍、Aliexpressの経営母体であるアリババグループの本社がある杭州からシルクロードの最西端カシュガルまで5000キロあります。中国各地から出店しているAliexpressで商品を購入した場合、中国国内での輸送にも時間がかかります。Aliexpressで買い物をする最大の欠点が配送に時間がかかることだという点をよく理解して利用する必要があります。急ぎで必要な品物は国内の通販サイトを利用したほうがいいでしょう。

発送確認の手段とは

商品が発送されていない場合の対処法は以下のステップで行います。

1.事実確認。チャット・メールで発送連絡の有無を確認しましょう。
2.追跡情報の確認

追跡情報が表示されていれば、商品が配送ラインに乗っています。

3.追跡情報が確認できない場合、チャットでセラーに問い合わせます。

When will you ship the goods?
你准备什么时候发货?
商品をいつ発送してくれますか?

Please let me know if It’s out of stock.
如果没有库存的话,请跟我说一下。
在庫切れなら知らせてください

メッセージを入れたらセラーの連絡を待ちましょう。セラーによっては兼業や副業で忙しく即答しない場合もあります。しかし、商売熱心なセラーがほとんどなので、放置されることは滅多にありません。

セラーが「すぐ発送する」と言った場合

セラーがすぐに発送すると連絡をしてきた場合は随時、追跡情報を確認しながら待ちましょう。この間にやっておきたいことは下記の2点です。

1.Buyer Protection(購入者保護)の期間の確認
2.1で期間が足りないと判断した場合は、Buyer Protection(購入者保護)の期間の延長申請を行う。

Aliexpressでは商品が受け取れなかった場合、商品が欠損していた場合はAliexpressが仲介して消費者に返金を保障してくれます。これはBuyer Protection(購入者保護)と呼ばれる制度ですが、保証期間が2カ月から3カ月に設定されていて、期限を超過すると保障がされません。

保証期間が足りなくなる可能性がある場合は、延長申請をしましょう。延長申請にはセラーの承認が必要になるので、承認されたことを確認しましょう。

在庫が無い場合

セラーから在庫が無いと連絡を受けた場合は、購入をキャンセルしたほうが良いでしょう。もし、仕入れのめどが立っていれば、セラーもその日程を伝えてくるはずです。日程を明確に伝えないということは、仕入れの手配が難しい、期限を約束できないことを意味します。

OK.I’ll cancel.
知道了,我要取消订单
わかりました。キャンセルします

キャンセルを通知したら、キャンセルボタンを押します。その後は返金されたか必ず確認しましょう。

配送ラインが混雑している

中国では旧正月の前は物流が大変込み合います。また、毎年10月1日は国慶節で2023年は9日間の連休となり物流も混雑します。

できれば旧正月前後1カ月、国慶節前後1週間の利用は避けましょう。または、時間に余裕をもって早めに注文しましょう。

混みあう時期でもないのに、注文をしてから商品がなかなか発送されず、配送ラインが混雑しているという連絡が入った場合は、理由と発送予定を確認しましょう。定期的に確認することで、セラー側も善処する姿勢を見せます。同時に、Buyer Protectionの期間を確認し、必要に応じて延長申請をしましょう。

既に配送ラインに乗った

セラーからすでに発送済みだという返事がきたならば、追跡情報で配達日を確認しましょう。同時にBuyer Protectionの期限が迫っていないか確認し、必要に応じて延長申請をしましょう。

「…。」ノーリアクション

Aliexpressにチャットで問い合わせをした場合、返信が遅くなることがあります。通販サイトのセラーは個人事業者も多く、兼業や副業のため忙しいということが考えられます。通常は1~数日で返信がくるのですが、もしからしたらメッセージの意味が理解できず放置されている可能性もあります。

先方が理解しやすいように、簡潔な短文で問い合わせましょう。

When will you ship?
准备什么时候发货?
いつ送ってもらえますか?

これがベストな問い合わせ文です。Googleの翻訳機能で中国語に訳して問い合わせてみましょう。

問い合わせをしても長期間、返信がないようであれば、キャンセルしましょう。通常で1週間、春節・国慶節・大型セール直後で2週間を目安にしてください。

どうしても必要な商品で、時間がかかっても待ちたいのであれば、定期的にチャットで確認しながら気長に待つのもいいでしょう。しかし、Buyer Protection(購入者保護)の保証期間の確認は怠らないように気を付けてください。

Aliexpressで商品が発送されないからと勝手にキャンセルすると問題が起こる?

中国は日本の25倍の国土を持つ広大な国です。Aliexpressには中国全土からの事業者が出店しているため、商品やショップによっては国内輸送でも時間がかかるのです。加えて、Aliexpressは日本への出荷の送料を無料にするため、コストがかからない輸送方法を選択しているので、余計に時間がかかります。

万が一、商品が届かない、或いは欠損していた場合は、Buyer Protection(購入者保護)の制度を利用すれば、Aliexpressが仲介して消費者の権利を守ってくれるので、いたずらに不安になる必要はありません。注文して代金を支払うと、ステータスがAwaiting Shipment(配送待ち)の状態に変わります。そしてステータスの下に発送までに最大何日間かかるか表示されます。

Processing Time remaining: 5 days 14 hours 53 minutesの表示が出ます。 これは、発送するまで最長で5日間14時間53分かかるという意味です。

商品が発送されるまでには時間がかかる

Aliexpressは悠久の国、中国の通販サイトです。一部大都市を除いては、発送作業に時間がかかる場合があります。また、地方小都市に拠点を置く事業者から購入した場合は、中国国内の輸送にも時間がかかります。

Aliexpressは日本までの送料が無料になる商品がほとんどですが、これは、低コスト重視の輸送手段を用いることによって実現しているのです。日本の通販サイトで購入した場合とでは、商品が届くまでにかかる時間が全く違います。

Aliexpressに出店している事業者も、出店資格を取り消されるようなルール違反はしません。Processing Time remaining(残りの発送時間)までには必ず発送するので、待ちましょう。

また、発注してすぐに発送されたからといって、早期に届くわけではありません。中国国内、航空便、日本の税関、日本国内輸送とたくさんのプロセスを経て輸送が完了するため、何等かのトラブルが発生する確率は国内通販よりも高いです。

順調に1週間で届く場合もあれば、1~2カ月かかる場合もあります。Aliexpressの優位性は商品価格が安く、商品が豊富で、輸送料が無料といった点にあり、この裏返しにある欠点として、商品がとどくまでに時間がかかります。理解して利用しましょう。

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商品が発送されないからと買い手からのキャンセルはトラブルの元

Aliexpressで買い物をして支払いを済ませると、Processing Time remaining(残りの発送時間)が表示されます。Processing Timeはセラーが発送を約束した時間であると同時に、買手が待つことを約束した時間でもあるので、慌てず騒がず待ちましょう。

期限が過ぎても商品が発送されない場合は自動キャンセルになり商品代金は自動的に払い戻されます。万が一、商品が手元に届かない、欠損していた場合は、Buyer Protection(購入者保護)の制度が発動して、Aliexpressが仲介して消費者の権利を守ってくれます。

Aliexpressは消費者に多彩な品揃えを提供するため、今年から出店店舗に対する年会費の徴収を廃止し、出店店舗の新規参入拡大を図っています。

一方では消費者の権限を守りながら、出店店舗の拡大をも重要視しています。安く豊富な品揃えという優位性を強化したいのです。

セラー側が明らかなルール違反を犯したら、ペナルティが課せられます。セラーもこのような事態を避けるために、ルールを順守した運営を心掛けています。買手はセラー側がルールの範囲内で業務を行っているのであれば、協調姿勢で見守りましょう。

Processing Time(発送期限)迄まだ時間が残っているのに、待ちくたびれたからと勝手にキャンセルをすると、トラブルのもとです。特に、期限内なのに「発送が遅かった」ことを理由にキャンセルすると、セラー側は納得できません。

セラーに対する評価も下がってしまいます。トラブルを回避するためには、売り手だけでなく、買手もルールを守る必要があります。

欠品のためセラーが故意に自動キャンセルに持ち込む場合

Aliexpressでは品揃えを豊富にするため出店のハードルを下げています。こうしたなか、質の悪いショップの悪質な行動が報告されています。

サイトに表示した商品が欠品で販売できなくなった場合、セラーが買い手側に「商品をキャンセルしてほしい」と頼んでくる場合があります。これは欠品で販売が成立しなかった場合、ショップ側にペナルティが課せられるからです。

キャンセルという対応をしても買い手に実害は無いため、これを受けても問題はないのですが、待たされて不愉快に感じ、キャンセルを拒否する選択肢もあるでしょう。すると、ショップ側はペナルティを避けるため、出荷を偽造します。買手側には出荷の通知が届きます。しかし、偽造出荷のため商品は届くわけもなく、買い手はOpen Disputeで返金を請求し、売り手は配送トラブルが原因で商品が届かなかったと説明します。

60日間は長いです。忙しさに紛れて忘れてしまう可能性も高いでしょう。買い手が忘れてくれたら、セラーにとっては好都合です。自動的に取引は終了し、支払った金額はセラーが受け取ります。

こういった事態を避けるため、注文をしたら、商品を受け取るまで追跡情報の定期的チェックを怠らないようにしましょう。

Aliexpressで注文した商品を待つ時は、Buyer Protectionの期限に注意する

Aliexpressで商品を購入して一定期間内に発送されない場合は自動キャンセルになり商品が払い戻されるシステムです。発送された商品が届かない、欠損している場合はAliexpress のBuyer Protection(購入者保護)の制度により返品や払い戻しが保障されます。この制度は購入者の利益と同時にセラーの業務の遂行を保障します。

なぜなら、Aliexpressは商品の豊富さと価格の安さ、輸送料無料を売りにした国際通販サイトだからです。この3つのポイントを売りにした時点で、商品の到着に時間がかかるという運命からは逃れられなくなります。

商品が届くのを今か今かと待ち続ける消費者の不安や焦りを解消するために不可欠な制度がBuyer Protection(購入者保護)の制度です。生命保険と同じで実際に必要になることは少ないかもしれません。しかし、Aliexpressで商品を購入して品物が無事届くのを待つ消費者にとって、Buyer Protectionの制度があるとないとでは安心感が全く違います。

商品が発送されない時点で自動キャンセルに進まず、発送期限の猶予を与える

Aliexpressで支払いを済ませると、ステータスがAwaiting Shipment(配送待ち)の状態に変わり、「Processing Time remaining(発送期限): 10 days(発送までの期限が10日)」などと具体的な期限が表示されます。

10日の期限が過ぎても発送されない場合、消費者側には二つの選択肢があります。発送期限の猶予を与え、引き続き発送を待つという方法です。

もし、待ちたくないのであれば、そのままにしておくと、自動キャンセルで返金処理されます。Aliexpressで買い物をして商品が期限内に発送されない場合は、自動キャンセルになり、商品代金は自動で払い戻されるというシステムになっています。

Buyer Protection(購入者保護)期間の延長申請を忘れない

商品が無事発送されても、届くまでに通常よりも長く時間がかかる場合があります。しかし、Buyer Protection(購入者保護)の有効期限は、通常、長くても商品発注から75日以内(最大90日)と決められています。Buyer Protectionの有効期間内に商品を受け取れない恐れがある場合は、事前にBuyer Protectionの延長申請を行う必要があります。

Buyer Protection(購入者保護)の延長申請はセラーの承認を得る

Buyer Protection(購入者保護)の延長申請はセラー側の承諾が必要になります。申請して安心するのではなく、承認されたことを確認しましょう。セラーによっては副業や兼業で応答に時間がかかる場合があります。Buyer Protection(購入者保護)の延長申請は少なくとも、期限の10日前には済ませましょう。

商品の欠損はOpen Dispute(公開紛争)を経て解決する

ステータスが発送に変わってから75日を経て商品が届かない場合は、Open Dispute(公開紛争)を経て払い戻しの申請を行うことができます。

また、商品に欠損があった場合、チャットでセラーと返品や払い戻しの交渉をします。交渉しても問題が解決しない場合は、Open Dispute(公開紛争)を申請して、払い戻しを求めることも可能です。

Buyer Protection(購入者保護)は保険と同じ

Buyer Protection(購入者保護)は生命保険と同じで、滅多に発動するものではありませんが、これがあると安心できるというありがたい制度です。しかし、保険同様に有効期限があります。商品を買ってから1年後、2年後まで保障されるわけではありません。

日本では消費者の権利を守る制度の履行について、販売者側が責任をもって対応するのが基本です。しかし、ここまで消費者の権利が守られる国は世界的にみると少数です。多くの国では、制度を整えるのは政府やサービス提供者側であっても、確実な履行を促すのは消費者自身です。

AliExpressで買い物をして一定期間内に商品が発送されない場合は自動キャンセルで商品代金は払い戻しになるシステムです。しかし、発送した商品が届かない、或いは商品が欠損している場合は、セラーと交渉するかOpen Dispute(公開紛争)を申請して自分で払い戻しを要求します。

Buyer Protection(購入者保護)はありがたい制度です。しかし、確実に履行してもらうためには、消費者本人が注意する必要があります。保護期限の延長等は確実に行いましょう。

AliExpressで商品が発送されない場合のOpen Dispute(公開紛争)申請方法

AliExpress で買い物をしても商品が発送されずに自動キャンセルになった場合は、支払った代金は自動的に返金されます。もし発送した商品が届かない、受け取った商品が欠損していた場合は、買い手はセラーに状況を説明して返品あるいは払い戻しに対応してもらいます。

セラーとの交渉が決裂したらAliExpressのサイトでOpen Dispute(公開紛争)を申請し、商品欠損の証拠を示し、AliExpressの仲介で代金の払い戻しを受ける方法があります。このように、買い手の権利を守るためにAliExpressが仲介してセラーに払い戻しを求める制度をBuyer Protection(購入者保護)と言います。

ここでは、セラーが商品の発送を偽造して買手の権利を侵害しそうになったケースについて取り上げます。買い手はOpen Dispute(公開紛争)を申請してBuyer Protection(購入者保護)の制度のもと、商品代金の全額払い戻しに成功しています。具体的な方法について解説します。

セラーが商品発送を偽造する

本ケースの概要は、セラーが商品を出荷していないのに、出荷通知を送信し、偽のトラッキングナンバー(配送追跡番号)を買い手に通知したという事件です。

セラーが出荷を偽造した理由は2つ考えられます。1つ目は、商品が在庫切れで発送できなかった。しかしセラーが欠品を理由にキャンセルすると、AliExpressの規定によりなんらかのペナルティを課せられる、或いはAliExpressからの評価が下がるので、発送を偽造して輸送中のトラブルで商品が届かないという状況をでっちあげた。

2つ目は、AliExpressは輸送に時間がかかるため、買い手の中には買い物をしたことを忘れてしまう人がいる。商品が発送されないで一定期間を過ぎて自動キャンセルになれば代金は自動的に払い戻される。しかし、商品が発送されてから一定期間を過ぎて買い手が買い物したことを忘れて無反応であれば、代金はそのままセラーに支払われる。

後進国の売り手は長期的な信用を築くよりも、目先の利益を優先する場合があるため、買い手が最後まで緊張して商品の検収を行う必要があるということを示す事例です。

出荷通知を受けたのに追跡情報の確認ができない

本ケースについてOpen Dispute(公開紛争)に至る経過を追ってみましょう。買い手は注文してから数日後、EMSで出荷したという通知を受けるが、1週間たっても追跡情報の確認ができません。そこでセラーにチャットで追跡番号に間違いがないか確認します。

数日後、セラーから配送会社に追跡番号を確認して再度連絡をするといった返信がありました。その後セラーからの連絡が途絶え、Open Dispute(公開紛争)の有効期限が3日後に迫ったため、買い手はOpen Dispute(公開紛争)を申請する、といった経緯です。

Buyer Protection(購入者保護)制度を発動するためOpen Dispute(公開紛争)を申請する

AliExpressはBuyer Protection(購入者保護)制度があり、商品の欠損、商品が届かない場合には購入金額の一部または全額払い戻しを保障します。

Buyer Protection(購入者保護)には2カ月~3カ月の有効期限が設定され、EMSなど配達期間が短い輸送手段で配送される場合の有効期限は2カ月に、輸送に時間がかかると判断された場合は3カ月に設定されます。

その後、AliExpressは、Buyer Protection(購入者保護)の有効期限が配送期間+15日、あるいは物受け取りの確認期間(注文詳細に記載)の最終日までに変更になっています。

期間延長により、荷物を受け取ってから不備が無いか丁寧に確認する時間的余裕が与えられました。

Open Dispute(公開紛争)を申請する際には、いくつかの質問に答える必要があります。「荷物を受けとったか」「トラブルの内容を下記から選んでください」「お客様が望む解決方法を教えてください」といった質問項目です。

本ケースでは、商品が届いていないので、全額払い戻しを申請しています。理由としてセラーが通知した追跡番号が存在していなかったこと、商品を受け取っていないこと、セラーからの連絡が途絶えたことを説明しています。

このように、Buyer Protection(購入者保護)の制度を利用するため、Open Dispute(公開紛争)を申請する際は、AliExpressが状況を把握し、適切に対応するための証拠を提出する必要があります。

AliExpressが2015年6月に公布した購入者保護期間延長のお知らせによると、買い手がBuyer Protection(購入者保護)の制度を悪用して不当に金銭を要求する事件も発生しています。セラーと買い手双方に詐欺行為がみられるため、AliExpressとしても対応が難しいという点を利用者は理解しておく必要があります。

参考:全球速卖通订单保护期延长通知(AliExpress購入者保護期間延長のお知らせ)

Aliexpressで商品が発送されない場合は自動キャンセルになるのかーAliexpressのメリットとデメリット

AliExpressは中国のアリババグループが2010年に始めた国際的な通販サイトです。主に中国で生産した商品を海外の消費者に販売するプラットフォームとして躍進しています。スタート当時は主にB2B企業間取引を扱うプラットフォームとして利用されていましたが、その後、消費者への販売業務を始めました。

AliExpressのシステムは、小売業者と消費者を結ぶプラットフォームの提供です。小売業者に販売の、消費者に購入の場所をオンライン上で提供するシステムです。AliExpressが自社で商品を仕入れて販売するシステムではありません。

豊富な品揃え、レアで求めにくい商品を低価格で提供する優位性を担保するため、出店側のシステム利用にかかる費用を下げ、出店店舗の拡大を図っています。このため出店のハードルが下がり、珍しい商品やコスパの良い商品が目白押しです。同時に品質の劣る商品や模造品も紛れ込んでいる場合があり、消費者は注意が必要です。

Amazon同様に、消費者は商品を選ぶときに、購入者の口コミをチェックできるシステムになっているので、目を通すと参考になります。また、自分が購入後評価を記録することができるので、問題があった場合は他の消費者と情報を共有するとサービスの向上にもつながります。

過剰に警戒する必要はない

AliExpressを運営するアリババグループ(中国語:阿里巴巴集团)は、中国の杭州市に本社がある情報技術(IT)関連企業で、世界最大の流通総額を誇るオンラインモバイルコマースカンパニーです。

同社は1999年の創立で、B2B、B2Cのオンライン・マーケットを運営しており、190以上の国や地域で5000万人以上が会員登録しています。

アリババグループが2003年に開設した淘宝網市場は中国のオンラインショッピング市場の70%という圧倒的シェアを誇ります。淘宝(タオバオ、Taobao)は「見つからない宝物は無い、なんでも揃う」といった意味合いで、スタート当時から豊富な品揃えを目指していたことが伺えます。

淘宝(タオバオ、Taobao)の支払いは支付宝(AliPay)を通して行われますが、AliExpressの取引の安全も支付宝(AliPay)の国際アカウントが担保します。

AliExpressに小売業者が事業者登録をするときは、支付宝(AliPay)の国際アカウントを必ず開設する必要があり、このときに小売業者の営業許可証、法人身分証もチェックされます。

運営母体はアリババグループであり、出店業者はライセンスを持つ正規の事業者なので、過剰に不安を感じる必要はありません。

AliExpressで商品を購入して一定期間発送されないと自動キャンセルになり支払った商品の代金は自動的に払い戻されるので安心です。

そして、消費者を最も安心させるポイントは、AliExpressは商品が発送されても届かない、欠損している場合にはBuyer Protection(購入者保護)が発動し、AliExpressが仲介して返金を保障してくれる点にあります。購入は個々のショップからでも、商品が届かない等のトラブルにはAliExpressが責任をもって対応してくれます。Amazonは日本で通販業務を始める時点で日本のサイト運営拠点であるアマゾンジャパン合同会社を設置しました。しかし、AliExpressは運営拠点が中国にある通販サイトです。出店事業者は中国の店舗であり、発送業務のほとんどが中国で行われます。ですから、商品が届くまでに早くても1週間、遅いと1~2カ月かかります。急ぎで必要な商品を購入するには不向きなサイトです。

AliExpressを利用するデメリット

AliExpressを利用するデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

・商品を受け取るまでに時間がかかる。ショップや商品によって配送日数は異なる。
・予約商品(Preorder)の配送には時間がかかる
・偽造品や欠陥商品がある(価格が安すぎる商品には注意が必要)
・キャンセルにはショップに理由を示して承認を得る必要がある。
・サイトの日本語が間違っていて商品を探すのに時間がかかる。
・海外の通販サイトのため、輸入扱いとなり、関税がかかる場合がある。

参考:1204 主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー)

AliExpressを利用するメリット

AliExpressを利用するメリットには以下の点が挙げられます。

・豊富な品揃え
・日本では手に入りづらい商品が手に入る
・価格が安い。日本の半額近い場合も。
・日本までの送料はほぼ無料
・気に入ったショップを登録できる
・商品が決められた期間内に発送されない場合、自動キャンセルされ支払った商品代金は自動で払い戻される
・商品が発送されても届かない、届いた商品が欠損している場合は、Buyer Protection(購入者保護)という制度があり、AliExpressが仲介して返金を保障してくれる。
・セラーとチャットで連絡が取れる。購入前の商品に関する質問、購入後の受取に関する対応もチャットでできる。チャットは英語か翻訳機能を利用する。

まとめ

ニューヨークに拠点を置くビジネスや技術に関する専門的なウエブサイトBusiness Insider(ビジネスインサイダー)は、アリババはAmazon最強のライバルと指摘し、その理由としてAliExpressの世界的な人気の高まりを上げています。AliExpressは、2020年から年会費を廃止して保証金だけを徴収するシステムに変え、出店店舗の新規参入拡大を図っています。こうした努力が功を奏して、2021年3月AliExpressに新規加入したショップは前月比132%に達しました。

中国でもますます多くの企業が越境ECを展開しており、AliExpressはこうした企業の出店のハードルを下げ、中小企業が小ロット商品を販売する手助けをしています。AliExpressのたゆまぬ努力の結果、同サイトの豊富な品揃え、求めやすい価格、他ではみつからないレアな商品が買えるといったサイトの優位性が確立されました。

商品が決められた期間内に発送されない場合は、自動キャンセルされ商品代金は自動的に払い戻されるシステムになっているので安心です。また、消費者の不安を取り除くためのBuyer Protection(購入者保護)制度は消費者に安心を、セラー側に滞りなく業務を遂行する環境を与えています。

同サイトには克服すべき課題も多いため、品質や配送の速さを求めるのであれば国内の通販サイトを利用したほうが良いかもしれません。安さや品物の豊富さを求めるなら、AliExpressの通販サイトの利用価値は高いと言えます。

世界のネットショップの普及率は先進国でやっと10%、発展途上国となると5%に過ぎないと言われています。今後もまだまだ発展の余地を残す通販サイトですが、利用の際は各通販サイトの優位性や課題等を知り、有利な制度を活用して、買い手と売り手のwinwinの関係を目指したいものです。

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この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

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