Amazonというと企業が出品しているイメージがあるかもしれませんが、個人事業主や副業で販売することも可能です。
個人で一からEC販売をしようと思うと、サイトを構築し、集客も行う必要があるので非常にハードルが高いでしょう。しかしAmazonなら出品から販売、配送に至るまでフォーマットがあるうえ、知名度が高いので売れやすいという強みがあります。
今回は、そんなAmazonせどりのおすすめポイントや始め方、注意事項や稼ぐための秘訣について詳しく解説します。
Amazonせどりのおすすめポイント
最初にAmazonせどりのおすすめポイントを紹介しましょう。
具体的には、以下の3点になります。
・知名度が高い
・初心者でも出品しやすい
・FBAがある
知名度が高い
2023年のAmazonの国内売上高は、2兆5千億円を超えており、全国のすべての百貨店の売り上げの約50%に匹敵します。
今やその知名度の高さは言うまでもないでしょう。
例えば、ネットショッピングで日常使いするものを検索すると、多くの場合、検索結果の上位にAmazonの商品がヒットします。
これは、それだけ多くのユーザーから支持されている証拠ですし、自ら検索上位に表示される仕組みを作り出しているからに他なりません。
初心者であっても、他のECサイトに比べてこの知名度の高さと高い信頼度をバックに自身の商品を販売できるので、非常に優位性が高いといえるのです。
初心者でも出品しやすい
具体的な手順は後述しますが、初心者でも必要な書類を用意して審査にパスすれば、すぐに出品を開始することができます。
もし自分ですべて行おうとすれば、出品に始まり、ユーザーが問い合わせや購入手続きができるECサイトを構築し、さらに集客まで行わなければなりません。これには専門的なスキルと知識が必要になるため、初心者にとっては非常に難易度が高いといえるでしょう。
しかしAmazonならアカウントを作成することによって、こうしたことが決められた流れに沿って行えるので、おすすめです。
また、自動価格調整ツールやまとめ買い割引ツールといった、売り上げ増のために出品者をサポートするさまざまなシステムが用意されている点も非常に心強いです。
FBAがある
FBA(フルフィルメントby Amazon)というシステムも非常に便利です。
注文数が増えてくると、その度に商品を梱包のうえ発送し、場合によっては返品やクレーム処理までしなければならないというのは、かなり面倒でしょう。
専業で行っていたり、常駐のスタッフがいたりすればまだしも、一人で副業としてせどりをしているとすると、その負担は想像以上に大きいといえます。
しかし、FBAを活用すると、在庫管理から受注、梱包、出荷、カスタマー対応までをまとめて代行してもらえます。出品者は、商品を指定の倉庫に送るだけで済むので、かなり業務が効率化できるでしょう。
一連の作業をプロが請け負ってくれるため、梱包の不備などで商品が破損したり、配送先を間違ったりといった心配はほぼ必要ありません。
このシステムにより、多くの事業者が高い収益を上げているのです。
高く売れやすい
出品する商品やカテゴリーにもよりますが、ECサイトとしての知名度や信頼度の高さ、優れたシステムによって、比較的高い相場で商品が売れる点も、大きなメリットです。
たとえばフリマアプリやオークションサイトでは、値下げ交渉のシステムがあり、これによって売れやすくなる反面、利益が圧縮される点がデメリットです。それがない分、きっちりとした売り方をすれば高い利益を上げることも可能となるのでおすすめです。
Amazonせどりの注意事項
初心者の方が、実際にせどりを始める上での注意点について解説しましょう。
具体的には、以下の3点になります。
・出品制限商品がある
・費用が高い
・アカウント停止されることがある
出品制限商品がある
実は、出品が制限されている商品が意外と多くあるので注意が必要です。制限というのは、条件をクリアしている場合は販売できたり、そもそも販売自体が禁じられていたりということを意味します。
例えば、
・医薬品
・動物
・植物
・栄養補助食品
・タバコ
などです。その他にも多数あるので、詳しくは以下のページを参考にしてください。
参考:【Amazon】セラーセントラル ヘルプ:制限対象商品
費用が高い
商品を販売するためには、出品プランに応じた手数料や、販売手数料、FBA関連の各種費用、配送費など、さまざまなコストがかかってきます。
実際にスタートしてからその費用の高さに驚くかもしれません。そのようなことのないように、「料金シミュレーター」が用意されているので、上手に使ってコスト削減に努めるのがよいでしょう。
アカウント停止されることがある
出品者には、禁じられている行為が複数あり、それらに違反するとペナルティを科される可能性が高まるので注意が必要です。
禁止行為には、
・出品制限商品を出品した
・偽造品を出品した
・商品説明に嘘を記載した
・知的財産権を侵害した
・複数のアカウントを運用した
などがあります。
ペナルティには、
・出品制限
・アカウント停止
・アカウント削除
の3パターンがあります。
最後の「アカウント削除」は、完全にシステムから排除され、いっさい販売行為ができなくなるので十分に気をつけなければなりません。
Amazonせどりの始め方
それではここから、せどりの始め方について解説しましょう。
具体的には、以下の通りです。
必要書類を準備する
↓
出品プランを決める
↓
アカウントを作成して出品する
必要な情報と書類を準備する
まずアカウント作成にあたって必要な情報と書類を用意します。これらに不備があると、いっさい商品を販売できないので注意してください。
具体的には、以下の通りです。
・運転免許証やパスポートなど行政機関発行の顔写真つき身分証明書(マイナンバーカードが不可)
・メールアドレス・電話番号
・過去180日以内に発行された取引明細書(電気・ガス・水道料金など)
・クレジットカードと銀行口座
ただしこれらは、「個人」のケースです。法人の場合は、法人や法人番号など、個人の場合以上にさまざまな情報や書類が必要になります。詳細は、以下のページを参照ください。
出品プランを決める
アカウント作成の前に、出品プランを決める必要があります。
出品プランには、大口と小口の2パターンがあり、必ずどちらかを選択しなければなりません。
前者(大口)は、月額4,900円の定額料金に加えて、商品ごとに決められた販売手数料(例:本なら15%)が一品ごとにかかります。
後者(小口)は、一点につき100円と、商品ごとに決められた販売手数料がかかります。
月に49点以内の売れ行きであれば、小口が得でしょう。継続して50点以上が売れるなら、大口がおすすめです。
出品プランはいつでも何回でも切り替えることができます。よって初心者の場合は、小口からスタートし、売上が上記のように増加した場合は大口に切り替える方がよいでしょう。
アカウントを作成して出品する
出品プランが決まれば、アカウントを作成します。
作成にあたっては審査がありますが、最短で2日ほどで結果が出ます。パスすれば商品を登録して販売を開始します。
初心者におすすめのカテゴリー5選
それでは続いて、初心者におすすめのカテゴリーを5つ紹介しましょう。
家電
家電は非常に人気です。
大手家電量販店のアウトレットやディスカウントショップなどで安く仕入れて売るのがおすすめです。
書籍・コミック
Amazonはもともと古本販売からスタートしました。よって、書籍やコミックの販売力は非常に高いと考えてよいでしょう。
・受験や資格試験の参考書
・全巻そろったコミック本やシリーズものの小説
・絶版の書籍
・写真集
などはおすすめです。
コスメ
コスメ関連は、安価で大量に仕入れやすく、しかも人気があるため初心者におすすめです。
とくに人気ブランドの限定品は即売れすることが多いので狙い目でしょう。
ゲームソフト・ゲーム機器
ゲームソフトやゲーム機器も売れやすいです。
最新でなく昭和や平成初期といったレトロなものでも根強い人気があります。ゲーム機器も状態がよければニーズはあるので、安く仕入れることができるなら出品するのもよいでしょう。
ホビー商品・おもちゃ
フィギュアやカードゲーム、釣具、アイドルグッズといったホビー商品やおもちゃ類も人気です。
売れ筋をリサーチして、ブックオフやオークションサイト、フリマサイトなどで仕入れて売ると稼げる可能性が高いでしょう。
ありがちな失敗例
続いては、実際にせどりを行うなかで、よくありがちな失敗例を紹介しましょう。
リサーチ不足
まず出品する上で、もっとも重要なことは「何を売るか」です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、出品商品の選択は、せどりの成否を大きく左右するので慎重に行う必要があります。
この際のリサーチが不足していると、まったく売れないという残念な状況に陥る恐れがあるので要注意です。
大事なことは、「売りたいものを売る」のではなく、「Amazonで売れるものを売る」ということです。
先ほど紹介したように、売れ筋の商品やカテゴリーがあるので、それらをしっかりと売れ筋ランキングなどでリサーチするのが先決です。同じカテゴリーでも売れやすいものとそうでないものが存在します。これは時期によっても異なります。
何を売るかの次は、「どこで仕入れるか」です。売れそうな商品が見つかっても、自分が仕入れることができなければ意味がありません。仕入れルートの確保、そこにかかるコストの計算、そして利益をどれくらい上乗せするのかをシミュレーションします。
上記のプロセスを細やか、かつ現実的にできれば失敗のリスクが大幅に軽減できるでしょう。
コストの増大
せどりが続けられなくなる要因の多くは、コスト増大による赤字です。そして手元の資金がショートしてしまうと、続けることが困難になるでしょう。
そのため、
・仕入費用
・送料
・梱包代
・Amazonに支払う各種手数料
などを1円でも安く抑える工夫が必須です。
出品のタイミングが悪い
同じ商品でも、出品のタイミングによってずい分と売れ行きが変わることが珍しくありません。
わかりやすい例で言うと、夏に使うものを真冬に売ってもあまり売れないでしょう。クリスマス関連のアイテムをお正月に売っても、恐らくほぼ見向きもされません。
通年で必要なものは別ですが、それ以外のものなら、
・新入学、進級、就職シーズン
・ゴールデンウィーク
・夏休み
・ハロウィーン
・クリスマス
・お正月
・バレンタイン
といった具合に、国内の消費行動やイベントを先取りして出品計画や仕入れ準備をするのがよいでしょう。
ただし、仕入れについてはむしろ季節外れの方が、安く収まる可能性が高いので、出品とは考え方を変えてみてください。
売るための対策が不足している
ユーザーの約80%は、検索を入口として商品を購入しているといわれます。
したがって、検索にヒットしやすくするための対策が必要でしょう。
そのためには、
商品名に、ヒットしやすいキーワードを上手く盛り込むことです。しかもできるだけ左側に入れると効果的です。
他にも「商品説明」や「商品紹介コンテンツ」で、メリットや特徴を詳しく丁寧に記載するのもよいでしょう。もちろんその中にキーワードを適宜盛り込むこともおすすめです。
Amazonせどりで稼ぐ秘訣
最後にせどりで確実に稼ぐ秘訣を紹介しましょう。
カートボックスを獲得する
Amazonでは、同じ商品は相乗りという形で同じページ内にまとめて出品される仕組みになっています。
検索の際に表示されるのは、「カートボックス」の商品一点のみです。最上位に表示されるカートボックスの商品は、必ず最初に全ユーザーの目に入るので、他の商品に比べると格段に売れやすくなります。よって、このカートボックスを目指すことが非常に重要となるのです。
そのためには、
・最安値
・大口出品
・出品の実績と評価が高い
・FBAを利用している
・在庫が豊富
といった条件が審査対象になります。これらの条件を1日でも早く満たせるように努めてください。
仕入れを見直す
利益を増やすには、仕入れコストを下げるのが有効です。そのため、仕入れ先は一つに絞らず、複数の中からもっとも安いところを選択するように心がけてください。
競合の少ない商品を狙う
売れ筋商品は常に変動します。競合が多いと、価格競争に巻き込まれて利益が出ないのに疲弊してしまうリスクが高まります。
そのため、競争が激しい商品は避けて、常に競合が少ない商品を見つけて出品するのがよいでしょう。
まとめ
Amazonせどりはメリットが多いので、初心者にもおすすめです。
ただし、最初からお金をかけすぎると長続きしない可能性があるため注意してください。
売れない限り手数料がかからない小口プランでスタートしたり、過度な価格競争に巻き込まれそうもない商品を選んだりして、少しずつ慣れていくのがよいでしょう。