Amazonで商品を出品している場合、検索結果が上位に表示されると売上アップが期待できます。しかし、Amazonの検索エンジンの「A9」で検索の上位に表示されるのは難しいとされています。
今回はAmazonの検索エンジン「A9」で、検索の上位に表示できる方法を解説します。
AmazonのA9について知ろう
Amazonの商品検索エンジン「A9」は、Amazonでの商品の検索を目的としています。2003年から使用が開始されて、長く使われている検索エンジンです。
A9では検索したワードからAmazon内にある商品を表示させ、購入してもらうのが目的となっています。A9では大きく分けて5つの特性があります。まずは、基本的な特性から理解していきましょう。
販売されている数
A9では、直近の販売数が多いものがヒットしやすくなっています。通常ならトータルの販売数が多い商品の順位が高いですが、A9の算出方法は少々違っています。
これまでに1万個販売されている商品でも、直近で5千個売れている同一商品のほうが上の順位に表示されることがあるのです。そのため、累計でたくさん売れているからといって、必ずしも上位に表示されるとは限りません。登録されて間がない商品でも、直近でたくさん売れている商品なら上位に表示されるチャンスがあるのです。
購入者によるレビュー件数
AmazonではAmazonで購入した人のレビューと、Amazon以外で購入した人のレビューが存在しています。Amazonで購入した人のレビューには「Verified Purchase」と表示して区別されています。
AmazonA9では、レビューの数と星の数のほかに、Amazonで購入したかどうかも判断材料になっています。購入した人にはレビューを書いてもらえるよう、積極的に宣伝していきましょう。
コンバージョン率
コンバージョン率とは、閲覧した商品を実際に購入された確率のことです。A9ではコンバージョン率を重要視しています。閲覧数が1万回のA店の商品でも、閲覧数が5千回でもコンバージョン率が高いB店の商品のほうが上位に表示されるのです。
商品のコンテンツ内容
AmazonA9では、ページ内の商品説明なども重要視されます。商品の検索結果上位に表示させるためには、以下の5つの項目が大切です。
・商品名(タイトル)
・商品の仕様
・検索用キーワード
・説明文
・画像
この5項目が充実するようにページを作りましょう。もし登録されている商品の売上が伸びない場合は、商品ページの内容を見直してみてください。
FBA販売商品
Amazonでは、FBA販売の商品はPrime商品として扱われます。FBA販売とは自社の商品をAmazonの倉庫に送り、Amazonから注文の処理や発送をしてもらえる商品のことをいいます。手数料はかかりますが、手間が省けて売れやすいのがメリットです。
Prime商品は、他の商品よりも上位で表示に表示される可能性が高くなっています。オプション料金の代わりに、売上アップにも貢献してくれるのです。
AmazonでのSEOの重要性とは
AmazonA9では、SEO対策が重要だといわれています。なぜそこまで重要なのでしょうか?理由とポイントをみていきましょう。
検索した人の動向
Amazonでは「検索結果が表示された2ページ目より先を閲覧する確率は約30%」といわれています。Amazonの公式マニュアル入門編にも記載されており、できるだけ検索結果の1ページ目に表示されるようにアドバイスされています。
もし、自分が出品している商品が2ページ目以降に表示されているなら、顧客の約70%を逃していることになります。閲覧すらしてもらえないと、売上アップにつながりません。商品ページを見直して、1~2ページ目に表示されるように書き直してみましょう。
顧客にクリックされる確率
Amazonに限らず、商品の検索結果で最初から3つ目までの商品がクリックされやすいとされています。確率はおよそ65%といわれているので、Amazonでは検索結果の上位3位までが目標とされているのです。検索トップは難しいですが、1ページ目に表示されれば閲覧数がグンと上昇します。
検索結果の最初の商品
検索結果で最初に表示される商品は、およそ35%の人がクリックすると言われています。購入をされるかどうかは別の話になりますが、クリックされる確率が高いほど購入される確率も高くなるため重要な要素になります。最終的にはキーワードの検索結果で、一番最初に表示されることを目標にしてみましょう。
SEOの攻略ポイント
ここからはAmazonA9を攻略するポイントを解説していきます。売上アップをするには商品ページの分析と、ライバル店舗の分析が重要です。詳しい方法をみていきましょう。
売上実績・件数
Amazonで検索結果では、直近で売れている商品が上位に表示されることは上でお話しました。ここで、もう少し細かく掘り下げていきましょう。
Amazonで売れている商品とは、注文件数が多い商品のことです。注文件数は直近の1週間で計算されています。累計ではなく、直近の1週間でよく注文された商品が検索上位に表示されています。
多くの販売者はセールと称して一時的に価格を下げる方法です。すると注文が相次ぎ、ランキングや検索の上位に表示させます。そして注文が大量に入ると、価格をもとに戻してしまうのです。
しかしこの方法は、すでに多くの販売者が実践しています。そのため他社との差別化を図るには難しいでしょう。一時的な効果はあるため実践するかは別として、このような方法があるということを覚えておくとよいでしょう。
ユニットセッション率
ユニットセッション率とは、商品ページで購入された確率のことをいいます。100回閲覧されて5回購入されたA店と、1000回閲覧されて100回購入されたB店では大きな差があります。
Amazonでは、ユニットセッション率をセラーセントラル(販売管理画面)から分析できます。セラーセントラルからレポート→ビジネスレポートを見てみましょう。
左側のメニューから「詳細ページ売上・トラフィック」を選択すると、ユニットセッション率が確認できます。さらに、セッション数(訪問数)も確認可能です。
もしユニットセッション率が低いときは、販売価格・画像・説明文を見直しましょう。ランキング上位のライバル商品を参考にしてみるのも良いです。売れている商品を分析して、どこが違うのかを見つけてみてください。
価格や画像を一度に変えるのではなく、1つずつ試すのがオススメです。少しずつ変えていくことにより、どの要素が良くなかったかの参考になるからです。
商品のレビュー
商品のレビューはSEOに影響を与える確率は高くありませんが、レビューの内容で販売者の評価が大きく変わります。Amazonは「地球上でもっともお客様を大切にする」という企業理念で経営されています。レビューを多く獲得する方法もみていきましょう。
商品レビューを多く獲得するために裏技的なものが出回っていますが、Amazonの規約に反しているものが多いのでオススメはできません。販売者の力でレビューを獲得できるようにしましょう。
たとえば、メールでレビューを書いてもらえるようにお願いしたり、レビュー記入をお願いするよう記載した手紙を同封するなどして工夫しましょう。登録されたばかりの商品はレビューがないため、売上はほとんど見込めません。地道に努力していきましょう。
SEO最適化のポイント
次は、商品ページのSEO対策のポイントをお伝えします。コストも時間もかからないので、ぜひ参考にして実践してみてください。
商品画像
商品の画像はSEOに大きな影響を与えるわけではありません。画像の数が多くてもSEOのランキングは変わらないのです。
しかし、画像は商品のコンバージョン率を左右させます。画像が良いとクリックされる率が高くなるため、SEOが結果的に向上するのです。直接的ではありませんが、間接的に影響を与えている要素なのです。
Amazonでは画像が7枚まで登録できます。
とくに1枚目の画像は検索結果にも表示されるので、クリックされるかどうかの重要な要素となります。
1枚目の画像はAmazonから厳しい基準が設けられているので、必ず従いましょう。コンバージョン率を上げるには、以下のポイントを押さえてください。
・画像の最長辺サイズは1000px以上。(拡大することで顧客が商品の細かいところまで見ることができる)
・画像は7枚以上使用する。(1つの商品に対して多くの情報を知ってもらうため)
・説明文の内容が画像で分かるようにする。(顧客は説明文よりも画像を参考にする傾向があるため)
・実際に使っている画像を使用する。(使用イメージがわきやすいため)
・商品のPRになるような画像を使用する(ランキング1位・○○賞を受賞など、事実を画像で表す)
商品名
商品名は、SEOに直接影響を与えます。「セラーセントラル→在庫管理→詳細の編集→重要情報」で編集してください。
商品名はSEOに重要なキーワードの順に作成していきます。Amazonでは商品名にも厳しい基準が設けられています。ガイドラインを確認しながら商品名を決めていきましょう。
商品名はブランド名・表示名を記載し、その後に商品名・仕様・型番などを記載するルールです。各キーワードの後にスペースを入れたり、全角・半角の指示があったりもします。主観的なワードを入れられない、薬事法などに触れないなどにも注意が必要です。
なかには、「セール中」などのワードを入れることが禁止されています。ガイドラインを守って商品名をつけてください。
タイトルにキーワードを入れすぎると、商品名がごちゃごちゃしてしまいます。クリックが減る原因にもなるので、気を付けましょう。
商品説明の書き方
商品説明は、タイトル下部やスマートフォンの詳細部分に箇条書きで表示されます。コンバージョン率にも影響されるので、しっかりと記載していきましょう。
セラーセントラルから在庫管理→詳細の編集→説明で編集できます。5つまで登録できるので、できる限り5つの登録をしておきましょう。
登録する際には、文字数が多すぎないようにしてください。文字数が多いと、顧客に読まれなくなります。1つの説明でたくさんの要素を詰め込みすぎないようにします。
商品紹介文
商品紹介文は、SEOに直接影響は与える要素です。商品紹介文には基本スペックをはじめ、他社商品との違いや実際の使用例などを記載しましょう。とくに、実際の使用例はコンバージョン率を上げる要素なので、ぜひ力を入れて編集してください。
実際の使用例は重要な要素とされています。顧客は購入した後のイメージを重要視しているので、顧客が求めている要素にいかに応えているかが大切なのです。
検索キーワード
セラーセントラルから、在庫管理→詳細の編集→キーワードで編集します。
検索キーワードは顧客から見えません。しかし、A9でのキーワード検索でヒットさせるための部分になります。たとえば、iPadをipad・アイパッドを入れるなど、検索するときに使われやすいキーワードを入れることです。
商品説明文
商品の詳細を説明する文章です。「セラーセントラル→在庫管理→詳細の編集→説明」で編集できます。
商品の説明文は、検索結果から直接見ることはできないので、SEOの重要度としては下の方になります。空欄でもかまいませんが、影響が全くないとは言い切れないので入力しておいた方が良いでしょう。
まとめ
AmazonのA9では、SEO対策がどれだけされているかによって売上が変動します。AmazonのA9の特徴やSEO対策のポイントを理解して、一つひとつを見直してみましょう。そして少しでも売上がアップするように意識して編集してみてください。