Amazonで商品の出品をしている人は、万が一利用規約に違反してしまうと、出品停止処分を受けてしまいます。一切の出品ができなくなってしまうため、収入が途絶えてしまう非常に由々しき事態です。
出品停止処分を解除するためには、改善計画書の提出が必要です。規約違反の原因や対策を伝えることで、出品停止を解除してもらえる可能性があります。
今回は、改善計画書が必要になるケースや、書き方について紹介します。再度出品できるようになるためにも、ぜひ目を通してください。
出品停止処分を受けてしまうケース例
出品停止になってしまう最大の原因は、利用規約に違反してしまうことです。Amazonの利用規約を破ってしまうと、アカウントが停止されてしまい一切の出品ができなくなってしまいます。
意図的に規約違反することはもちろん、偶発的に違反した場合でも、アカウントが停止されるリスクは高いです。あらかじめやってはいけないことを把握しておき、規約を順守することが大切です。
ここでは、出品停止処分を受けてしまうケースについて、いくつか例を紹介します。
ユーザーからの評価が著しく低い
商品配送のパフォーマンス指標が悪化すると、アカウントが停止になる場合があります。
例えば配送商品や顧客対応に問題があると、低評価やマーケットプレイス保証申請を通じて、注文不良率が上昇してしまいます。
それ以外にも、商品の配送が配送予定日より遅れてしまうと出荷遅延率が上昇します。また配送商品を出品者都合でキャンセルしてしまうと出荷前キャンセル率が上昇します。さらに追跡番号なしで配送してしまうと追跡可能率が下がってしまいます。
各項目ごとにそれぞれ目安となる基準値があり、それらを下回ってしまうとアカウント停止のリスクが上昇していきます。そのため商品配送や顧客対応は常に丁寧さを意識しましょう。
出品規約を破った
Amazonは、出品物に対して様々な規約が設けられています。出品禁止物や出品時の表記の規制、条件付きで出品できるものなどはすべて把握しておく必要があります。
最初はAmazonから規約違反の通知がくるため、すぐに直せば問題ありません。しかし、警告を無視したり気づかず放置してしまったりすると、アカウントが停止してしまう可能性が高いです。
出品に関する規約は、ガイドラインを確認してください。ガイドラインは不定期に更新されるため、ある程度定期的に目を通すことをおすすめします。
参考:出品に関するガイドライン
法律違反をした
Amazonのルールになかったとしても、大前提として法律は順守が必要です。万が一法律違反を犯してしまうと、アカウント停止にとどまらず二度とAmazonを使えなくなってしまう可能性も考えられます。
意図せず法律違反をしてしまう例としては、薬機法に違反した表記で商品を販売したり、商標権を侵害してしまったりといったケースが多いです。販売したい商品が取り扱い可能かどうかは、ガイドラインを見ながら慎重に判断してください。
カスタマーレビューを意図的に操作した
購入者の評価は、カスタマーレビューとして残ります。これを意図的に操作すると、重大な規約違反としてアカウント停止処分を受けてしまいます。
たとえば、サクラを雇って高評価のレビューを書かせたり、評価数を水増しさせたりといった行為です。万が一発覚すれば、アカウント停止は免れません。
たかがレビューと思っている人もいますが、レビューを参考に商品を購入する購入者も多いです。そのため、商品をよく見せようとして高評価を自演する行為は、購入者視点では非常に悪質な行為として扱われてしまいます。
商品の状態が表記と異なる
Amazonの商品は、状態に応じて新品やほぼ新品、中古などの表記をおこなって販売します。しかし、購入者が商品を見た際に、表記した状態と異なる状態だと判断した場合、出品が停止されてしまうケースがあります。
たとえば、新品と表記した商品が開封済みになっていたり、ほぼ新品だと表記した商品に大きな傷がついていたり、といった具合です。この事例では、商品が一時的に削除されてしまい、改善計画書を提出しない限り再販ができません。
ただし、商品の状態に関するクレームは、発送時の状況や購入者の意図など様々な要素が加わるため、出品者側だけでは完全に対策は不可能です。出品前に写真を撮ったり、梱包の様子を撮影しておいたりすることで、万が一悪質なクレームが来た際にも対応できるようにしておきましょう。
商品ページの記載に問題があった
誇大広告や法律に違反した表記がある商品ページは、発覚した時点でページを削除されてしまいます。この場合、ページの修正をおこなったうえで改善計画書を提出しないと、ページが復活しません。
たとえば、効果が未確認のものを断定してしまったり、内容がわかりずらく購入者に誤解をさせやすい文章だったりは、問題になりやすいです。
特にサプリメントや化粧品などは、薬機法をはじめとした法律で細かくルールが決まっています。商品ページを作成する際は、購入者が誤解したり効能を誤って記載していないかなどを、十分に確認してください。
偽物の販売をしてしまった
ブランド品を販売する際に、注意すべきは偽物の存在です。最近の偽物はクオリティが高く、偽物とわからず販売してしまうケースも少なくありません。
偽物ブランドを販売してしまうとアカウント停止になってしまうため、有効な証明書類もしくは改善計画書の提出が必要です。
万が一偽物が購入者の手に渡ってしまうと、故意でなかったとしても大きく信用を下げてしまいます。仕入れ先を厳選し、絶対に偽物をつかまされないよう注意することが大切です。
改善計画書が必要な事例
出品停止処分を受けてしまったら、基本的にはどんなアカウント停止であっても、改善計画書の提出が必要です。
アカウント停止になると「パフォーマンス」→「アカウント健全性」ページの右上に黄色ボタンが表示されるので、そちらから停止原因や状況に応じた改善計画書を提出する必要があります。
請求書や領収書も求められる場合
偽造品販売や知的財産権侵害の場合、Amazonからの通知文面には請求書や領収書などの証明書類の提出を求められる場合もあります。
一見すると、有効な証明書類がなければ再開できないように見えますが、これらのケースでも有効な改善計画書を提出できればアカウントは再開可能です。そのため証明書類が存在しない場合や不備があると判断された場合は、代わりに改善計画書を提出してアカウントを再開させる必要があります。
このように、基本的にはどんな出品停止処分であっても、アカウント再開のためには全て改善計画書の提出がベースとなります。
請求書がなくとも再開させることは可能ですが、何段階か踏みながら数千文字の改善計画書が必要になってきます。
改善計画書の書き方
改善計画書は、主に下記の内容を盛り込んだうえで文章を作成します。
1.Amazonに対しての謝罪
2.処分の原因
3.具体的な改善案
4.改善案が効果的な理由
5.改善内容の効果がでる時期
改善計画書に対してAmazonが納得してくれないと、商品の出品は停止したままになってしまいます。各項目ごとに具体的な内容を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1.Amazonに対しての謝罪
最初に必要なのは、Amazonに対しての謝罪です。理由はどうであれAmazonや購入者に迷惑をかけて処分を受けてしまったことは事実なので、誠心誠意謝ることが大切と言えます。
出品停止が解除されるかは、改善計画書の内容次第なので、適当な態度はNGです。必ず謝意が伝わる文章をこころがけてください。
ただし、長々と感情的な文章を書き連ねても、それはそれで評価を下げてしまいます。冒頭に一言で十分な点は、頭に入れておきましょう。
・例
この度は、規約に抵触する出品をおこなってしまい、ご迷惑をおかけしたこと、誠に申し訳ありませんでした。
2.処分の原因
今回処分を受けた原因について、理解している範囲で明確に伝えます。このとき、どんな事情であれ言い訳をせず、正直に伝えることが大切です。
・例
出品した商品に関する規約を正しく理解しておらず、薬機法に抵触してしまう内容の文章を記載してしまいました。
3.具体的な改善案
今回の違反を踏まえたうえでの、改善策を明記していきます。抽象的な内容ではなく、具体的になにをどうするのかまで詳細に記載することが大切です。
・例
出品前に商品のガイドラインを熟読し、規約に違反しない商品説明を徹底します。商品説明の文章は、完成後複数の人に確認をとることで、公平な目線から規約に抵触していないことを確認します。
4.改善案が効果的な理由
今回明記した対策が、規約違反をしないためにどう効果的なのかも併せて記載します。こちらは長々と説明する必要はないため、簡潔に影響を記載するだけで大丈夫です。
・例
規約を正確に把握することで意図しない規約違反を防止する他、客観的な視点からも確認することで主観では気づけない部分も対応可能です。
5.改善内容の効果がでる時期
改善策をいつからおこなうのかについて明記します。基本的には、既におこなっていたり、出品が再開した直後に実施できる状態でないと、認められない可能性が高いです。
・例
既に出品している商品については、規約の確認を済ませました。今後出品する商品についても、もれなく実施していきます。
感情に訴えない
Amazonが改善計画書に求めているものは、あくまで出品者が原因と対策を正しく理解して、今後同じことがおきないよう徹底できるかどうかです。どんな事情があったとしても、具体性がなく情に訴えかけるような内容の改善計画書は、絶対に通りません。
ただひたすら謝罪したり、自分が悪くないと伝えるために言い訳をたくさん述べたりしても、Amazonが情けをかけてくれる可能性は全くないです。それどころか、反省の意志がないと判断され、出品停止解除までの道のりがさらに遠のいてしまうケースも珍しくありません。
対応が厳格過ぎると感じる人もいますが、それをAmazon側に伝えるのは建設的とは言えないので、具体的な改善計画書の作成を心がけてください。よほど悪質な違反でもない限り、具体案のある改善計画書を提出すれば処分の解除はそこまで高難易度ではありません。
改善計画書を作成する際の注意点
改善計画書の内容次第で、自分が今後もAmazonで出品ができるのか、二度と利用できなくなってしまうのかが決まってしまいます。そのため、改善計画書を作成する際にはいくつか注意点を理解しておくことが大切です。
ここでは、改善計画書を作成する際の注意点について紹介します。どれも大事な要素なので、必ず頭に入れておきましょう。
とにかく具体性を意識する
適当に書いた改善計画書は、ほぼ確実に通りません。違反者に対するAmazonのチェックはかなり厳しく、具体性がないと絶対に認めてくれないからです。
改善計画書には、原因と改善内容、改善期間を必ず記載してください。改善内容は必ず具体的に記載し、「しっかり」、「ちゃんと」といった抽象的な表現はあまり使わないことをおすすめします。
また、感情的な表現も控えてください。感情論ではAmazonを納得させられませんし、内容が薄くなって具体性が薄れてしまう危険性もあります。謝罪は最初に一言あれば十分なので、解決策に具体性を持たせることを優先してください。
テンプレートの文章は使わない
インターネット上に出回っているテンプレートの文章を少しいじった程度では、アカウントが再開することはありません。
これらのテンプレート文章は、個々の停止原因や状況に全く合っていないためです。アカウント停止の状況に合致していない文章であったり、曖昧で誰でも書けるような文章になってしまうと、年々難易度が上がっているAmazonアカウント停止を再開させることは難しいです。
先述の通り、Amazonは個々の状況に合わせた具体的な改善計画書を求めています。そのため、個々の規約違反の内容に合った改善計画書を作成するようにしましょう。
1回では通らないケースも多い
真剣に自分の言葉で文章を考えて改善計画書を提出したとしても、Amazon側が納得いく内容でなければ、再提出を要求されます。どんなに真剣に取り組んだとしても、連続で書き直しをさせられるケースは珍しくありません。
もちろん1回で完了できるように、内容を作りこむことは大切です。ただし、それでダメだった場合は、どこかしらに不備があることを意味します。
原因を正しく理解していなかったり、改善案に具体性がなかったりと、再提出になった理由がどこにあるのかじっくり考えてみましょう。改善計画書は通るまで時間がかかる場合もあるので、焦らずじっくりと内容を精査していくことが大切です。
まとめ
Amazonの利用規約を違反してしまったり、法律に抵触してしまう販売をしてしまったりすると、アカウントが停止されてしまいます。アカウントが停止すると商品の販売ができなくなってしまうため、一刻も早く改善計画書を提出し、再出品を可能にすることが大切です。
改善計画書には、原因や改善方法、実施期間などを具体的に記載してください。ただ感情に訴えかけても、審査に通ることはまずありません。
しっかりと改善計画書を書いたつもりでも、再提出を求められるケースは多々あります。その際は、原因の把握や対策の具体性が不足していた可能性が高いです。今回紹介した内容を参考にして、Amazonが納得してくれる改善計画書の提出を目指しましょう。