Amazonでキャンセルが続くと垢banになるの?垢banの基礎知識や復活の仕方を解説!

Amazon出品をしていると、突然、垢banになることがあります。垢banは、いっさい商品を販売できなくなるばかりか、売上代金までロックされて振り込まれなくなるためセラーにとっては何としても回避したいところです。購入者の場合も、キャンセルを繰り返していると垢banになる場合があります。

そこで今回は、Amazonで垢banされる理由や対処法についてまとめました。

目次

垢banとは

まず垢banの種類について解説しましょう。

垢banには、
・アカウントの停止
・アカウントの閉鎖

の2種類があります。

ちなみに「ban」には禁止するという意味があり、「」は「アカウント」の当て字で、Amazon以外の様々なサービスでも利用されるネット用語の一つです。

アカウントの停止

アカウントの停止は、アカウントを保持したまま利用できない状態になることを意味します。

具体的には、以下のような事態を招きます。
・出品停止
・販売停止
・FBA納品の停止
・売上金の振り込み停止

つまり自身のアカウントを通じた販売行為のいっさいができなくなるということです。こうなると定期的にあった売上がなくなり、すでに販売した分の売上金も入金されません。FBAを利用している場合は、ただちに製造や出荷をストップしなければ取引先を混乱に巻き込むことにもなりかねないので要注意です。

アカウントの閉鎖

実はAmazonにおいて、「アカウントが閉鎖」してしまうことはありません。

これはどういうことかというと、Amazonではアカウントが止められている状態は1種類だけなので、停止や閉鎖といった違いがないためです。

Amazonからの通知文面には閉鎖や削除、一時停止など様々な言い回しで「アカウントが止まっている状態」が表現されていますが、全てただのテンプレートの文面であって、何か状況が悪化するわけではないのでご安心ください。

多くの方がイメージするような閉鎖や削除は存在しないため、何年前のアカウントでも、何十回と改善策を提出したアカウントでも、それぞれ復活させることは十分に可能です。

垢banの基礎知識

垢banについてもう少し詳しく掘り下げましょう。

垢banの流れ

垢banは、事前にその可能性が予測できる場合もあれば、ある日突然くだされるケースもあります。

前者は、例えば、あるメーカーの商品を無許可で販売している場合などです。メーカーサイドから販売中止を求める通知が寄せられ、そのまま無視していると、その旨がAmazon事務局に通報されて垢banとなります。メーカーからの通知に気が付いていれば、垢banの恐れがあることは予測できるでしょう。しかし通知に気が付いていない場合は、突然の垢banに驚くかもしれません。

理由は様々

そもそもなぜ垢banされるのでしょうか。上記の例のようにメーカーに無許可の状態で出品した場合は、その対象となります。

しかしそれ以外にも理由は多岐にわたります。詳細は後述しますが、Amazonが非常に重要視する「ユーザーの利益」を大きく損なうか、損なう可能性がある場合は垢banリスクが高まるでしょう。また、法律違反をするなど公序良俗に反する行為が認められた場合もアカウント停止ではなく、即閉鎖という厳しい措置が下されると考えて間違いありません。

復活か新規アカウント作成を選択

垢banになると、その先は何らかの方法でアカウント復活を目指すか、新たに別のアカウントを作成するほかありません。

アカウントの復活が認められると、一時的に停止していた売上金の振り込みが再開されます。もちろん、以前のように商品を販売することもFBA納品することも可能となります。

しかし別アカウントを作成する場合、今後紐づいて再度停止になるリスクがあり、また完全に別名義として登録情報や接続Wi-fiを全て変更する必要があります。そのためアカウント停止や閉鎖になってしまったら、まずは後述の方法でアカウント復活に向けて最大限努力するのが賢明でしょう。

垢banになる理由9選

ここまでは、垢banについて基本的なことを解説しました。ここからは、垢banになる理由を9つ紹介しましょう。

コピー品の販売

法律を犯せば、アカウント停止や閉鎖の可能性が高まります。

もっともよくありがちなのは、偽造品の販売です。模造品のみならず、ブランドロゴを勝手に使用したり、アニメなどのキャラクターや有名人の顔をあしらった商品を作って売ったりすると犯罪になります。商標権、肖像権、意匠権、著作権、特許権などの知的財産権を侵害することになるので注意してください。

Amazonは高度な機械学習システムを駆使して、悪質業者とその模造品を排除することに大変前向きです。全世界で、商品ページで不審な動きがないか1日80億件をスキャン、模造品を600万件以上一掃したと発表しています。すでに1,300件以上の犯罪に対して法的措置をとっています(2023年4月4日現在)。日本国内でも財務省関税局と覚書を調印し、知的財産権侵害行為の撲滅に向けて動いているので、くれぐれも偽造品販売には注意してください。

ちなみにEC販売の場合は、特定商取引法に基づく表記(以下:特商法)を必ず行わなければなりません。これに違反しても処罰の対象となります。

具体的には、
・住所
・運営責任者名
・店舗名
・販売業者
・お問い合わせ電話番号

などになります。

かつては、各項目について出品者が自ら入力する必要がありましたが、現在はアカウント作成時に必要な情報を入力すると特商法は自動的に記載されるようになっているので大丈夫です。

盗品の販売

いうまでもありませんが、盗品を出品するのも犯罪です。自身が知らなくても関与が疑われるだけでアカウントは閉鎖される可能性が高いので、商品は慎重に選ぶ必要があります。

禁止・制限商品の販売

出品が禁止・制限されている商品も数多く存在するのでよく把握しておく必要があります。

・自動車
・医薬品・医薬部外品・栄養補助食品
・医療機器とその関連商品
・動物・植物
・アダルト商品
・リコール対象商品
・農薬・肥料

などが該当します。他にも多数定められているうえ、それ以外の商品でも事務局が不適切と判断したものは、ペナルティの対象になりかねません。詳細は下記のページを参考にしてください。

参考:amazon seller central/制限対象商品

住所変更依頼を受けた

商品の購入者から出荷前に送付先の住所変更を求められることがあるかもしれません。しかしこれを素直に受けてしまうと、規約違反の理由で垢banになりかねません。この場合は、購入者自身にいったん注文をキャンセルしてもらうのが原則となっています。必要なら住所を変更した上で改めて注文し直してもらうようにしてください。

ちなみにキャンセルの場合も、購入者自身に画面上から行ってもらうのが原則です。メールなどで相談を受け、理由に納得したからといって出品者がキャンセル手続きをしてしまうと規約違反になるので注意してください。これによっていきなり垢banになることはないかもしれません。しかし後述する「重要指数」の一つである「キャンセル率」が上がり、結果として垢banの可能性を高める恐れは十分にあるので要注意です。

カスタマーレビューの操作

意図的にカスタマーレビューの内容を操作する行為も垢banの対象になります。

カスタマーレビューには、「商品レビュー」と「出品者評価」の2種類があります。

いずれもポジティブな内容が多ければ、他のユーザーへの訴求材料になります。一つでも星が多い方が安心感を与えるでしょう。しかし、自身やその関係者が意図的に高い評価をつけたり、好印象を与えるコメントを書き込んだりするのは規約違反です。高評価レビューを依頼したり、レビュー内容の変更や削除を要求したりする行為も禁止です。また、ライバルのカスタマーレビューにマイナスコメントを記入するのも多大な迷惑行為となるため、絶対にしてはいけません。このような行為が横行すれば、事実と異なる情報が氾濫し、Amazonの信頼を大きく損なう結果になるでしょう。よってカスタマーレビューの操作は極めて悪質とみなされ、見つかれば高い確率で垢banとなるのです。

顧客満足度の低下

Amazon出品をすると、常に顧客満足度の指数を確認することができます。この指数が悪化しても垢banの恐れが出てくるので注意しなければなりません。

指数は、緑・黄・赤の3段階で表され、それぞれ「良い」「危険」「悪い」を意味します。

よって緑色のうちは問題ありませんが、黄色が目立ってくると何らかの手を打って顧客満足度アップに努める必要があるでしょう。

重要指数の低下

Amazon出品では、顧客満足度指数を決める際の参考データとなる重要指数が複数設定されており、それらの規定範囲内を維持しなければ垢banリスクが高まります。

具体的には、
キャンセル率:2.5%未満
追跡可能率:95%以上
出荷遅延率:4%未満
注文不良率:1%未満

です。

注文不良率とは、購入した商品に対するユーザーの満足度が低いことを表す数値です。つまりこれら4つの指標は、質の良い商品を、常に商品のステータス(どこにどのような状態で存在するか)を確認できる状態を維持しながら、迅速・確実にユーザーの元に届けることをAmazonが重視している証といえるでしょう。

【購入者向け】大量キャンセルと返品

垢banは、出品者に限ったことではありません。購入するだけの目的でアカウントを所有しているユーザーも垢banリスクがあるので注意してください。

具体的には、キャンセルをしたり返品を行なったりを繰り返すと危険です。中には、やむを得ずそうせざるを得ないこともあるでしょう。しかし何度も行うと事務局から確実に目をつけられます。

出品者からすれば、大量のキャンセルや返品は利益を圧迫する可能性があるため極力避けたいのが本音です。とくに規模の小さなショップの場合は、これらの行為を繰り返されると経営が厳しくなる恐れがあるでしょう。それを保護する意味で、悪質なユーザーについては垢banの措置を取ることがあるのです。

【購入者向け】不正ギフト券の利用

不正に転売されているAmazonギフト券を使って買い物をした場合も、垢banの対象となります。しかも該当するギフト券を利用した場合は無効化されるようになっているので、メリットは何もありません。くれぐれも正規のルートで入手したもの以外は使用しないようにしてください。

出品停止も要注意

垢banとまではいかなくとも、出品停止となることがあるので注意してください。その原因を主に3つ紹介しましょう。

値段が高すぎる

価格が相場に対して高すぎて適正でない場合は、出品停止されることがあります。自身の思い描くビジネスモデルがあるかもしれませんが、Amazon以外のサイトも参考にし、あまりに世間の相場とかけ離れている場合は修正を検討してください。

商品説明の不足

商品説明が不足している場合も出品停止になることがあります。ユーザーから見て必要な情報が記載できているかどうかをよく考慮して商品説明を作り込むようにしてください。なおこれが原因の場合は、適切に情報を追加することで停止が解除されます。

カタログと違う商品の販売

FBAを利用すると、ユーザーに送った商品がカタログと異なると指摘されることがあります。これはユーザーからのクレームで発覚することがほとんどです。この場合も問題が解決するまでは出品停止処分となります。

アカウント復活の方法

最後に垢banから復活する方法について解説します。

改善計画書の提出

アカウント停止や閉鎖などの垢banから復活するためには、改善計画書が必要です。

具体的には、以下の内容を改善報告書にまとめて事務局に提出してください。

・違反の原因とその改善内容
・いつから改善策を実施するか
・改善策を実施して得られる効果や問題解決状況

以上の内容を丁寧に謝罪する形で提出します。それでもまったく効果がないことも珍しくありません。中には10回以上提出してやっと認められたケースもあるくらいです。よって、一度や二度でダメでも時間が許す限りは繰り返しトライしてみてください。

新規アカウントの取得

アカウント閉鎖の場合は、新規アカウントの取得による復活しか方法がありません。

しかしその場合、
・以前とは別の身分証明
・以前とは別のクレジット情報と銀行口座
・以前とは別のストア登録情報
・以前とは別のIPアドレス

が必要となります。

復活は容易ではない

停止にしろ閉鎖の場合にしろ、アカウントの復活は決して容易ではありません。

だからといって無理にあがいて事務局にクレームを入れたり、嘘による言い訳をしたりすると逆効果です。垢banになると事務局の態度は非常に厳しくなります。理由はどうあれ、ユーザー利益を損なったり、プラットフォームの価値をおとしめたりする可能性が否定できないからです。よってくれぐれも感情的にならず、頭を下げて許しを請う姿勢を貫いてください。

まとめ

いきなり垢banをされると、だれしも戸惑ってしまうことでしょう。しかし大切なのは、冷静になってその原因を速やかに追求し、適切な解決策を講じることです。とくにアカウント停止の際は、事務局が納得する改善計画書の作成に最大限注力してください。時間がある限りは決して諦めず、何度でも提出して誠意を示すのがよいでしょう。

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この記事を監修した人

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