AmazonのFBAとは?手数料やメリット・デメリットを徹底解説!

Amazon上でセラーをしている人なら、FBAというサービスをご存じかもしれません。でも聞いたことはあるものの、いまいち仕組みがわからないという人も多いはず。

今回はAmazonFBAとは何か、利用する際の手数料やメリット・デメリットなどを詳しく解説します。Amazonでセラーとしてビジネスを成功させたい方は参考にしてみてくださいね。

目次

AmazonFBAとは?

まず、AmazonFBAの基本情報から解説していきます。

AmazonFBAの構造

FBAとは「fulfillment by Amazon(フルフィルメント・バイ・アマゾン)」の頭文字をとったものです。「フルフィルメント」という単語には、「業務実行」「業務遂行」といった意味があります。ECサイト業界では、販売する商品を発注し買い付けることから始まり、梱包、発送、在庫管理に返品対応に至るまでの業務すべてが「フルフィルメント」に含まれます。

実店舗で商品を販売する場合だと、以上の業務は全て自分で行わなければなりません。しかし、手数料を払ってAmazonの「FBA」サービスを利用すれば、Amazonがセラーに代わってこれらの業務を行ってくれます。例えば、在庫管理だけでなく、梱包、発送、クレーム対応まですべてAmazonが代わりに行ってくれるのです。

もちろん自分で行わなければならない業務もあります。商品を仕入れ、Amazonに出品、納品するところまではセラー自身が行わなければなりません。

AmazonFBAサービスを利用するメリット

次にAmazonFBAサービスを利用するメリットについて説明しましょう。

(1)取り扱い商品がAmazonプライム対象商品扱いに

一つ目のメリットは、あなたの取り扱い商品がAmazonプライムの対象商品になることです。

Amazonプライム会員は、いち早く商品を届けてもらう「お急ぎ便」や、地域限定の「当日お急ぎ便」をいつでも無料で利用できます。そこで、あなたの取り扱い商品がAmazonプライムの対象となっていれば、バイヤーは送料無料で、なおかつ通常より早く商品を手に入れることができるので、Amazonプライム対象ではない同一商品に比べて売れやすくなります。

配送スピードでバイヤーに喜んでもらえれば、顧客満足度指数に反映されますし、結果的にビジネスをより円滑に動かすことにも繋がります。

(2)取り扱い商品の出荷元が「Amazon」扱いに

二つ目のメリットは商品ページに出荷元が「Amazon」であることを記載してくれる点です。

Amazonを利用する多くのバイヤーは、発送元がAmazonかそうでないかを重視します。Amazonで販売されているからといって必ずしもAmazonの倉庫から発送されるわけではないところ、発送元を気にするお客さんは、商品掲載ページに出荷元が「Amazon」であることの記載があるかどうかまでチェックしているのです。そして、この記載があるほうが購入者に安心してもらえるため、売れやすいというメリットがあります。(PC環境の違いで「出荷元 Amazon.co.jp」と表示されている場合があります。)

(3)作業時間を節約できる

三つ目のメリットは、配送業務にかける時間を大幅に節約できることです。

FBAを利用すれば、梱包作業や発送業務など、本来自分で行うべき業務をAmazonが担ってくれます。おかげで、節約できた時間を商品のリサーチやトレンドの調査、企画会議などに使えるようになるのです。

(4)上位表示される

四つ目のメリットは、FBA商品は商品ページの上位に表示される点です。

あなたの商品が検索結果ページの上位に表示されていれば、多くのバイヤーの目にとまります。なおかつ送料が無料であれば、他の競合商品に比べて売れやすくなるのは当然ですね。

(5)Amazonカートが取得できる

五つ目はAmazonカートの獲得資格を得られることです。

Amazonカートを獲得できれば、Amazonのトップページにあなたの商品を表示させられるようになります。反対に、カートが獲得できなかった場合は、目立たない後ろの方のページに表示されることになってしまいます。したがって、売り上げを向上させるには、カートを獲得することがとても重要です。

その点、AmazonFBA利用をしているセラーは自動的にショッピングカートボックスの獲得資格を得られる仕組みになっているのが魅力的です。

(6)支払い方法の選択肢を増やせる

六つ目は、バイヤーが利用できる支払い方法を増やせることです。

具体的には、AmazonFBA商品となれば代引きによる支払いが可能になります。そうなればクレジットカードを使用しないバイヤーも購入可能になるので、売り上げの向上につながります。

AmazonFBAサービスを利用するデメリット

AmazonFBAサービスを利用するデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?

(1)AmazonFBA手数料が発生する

一つ目のデメリットはサービス手数料がかかることです。

付加的なサービスなので当然といえば当然ですが、「基本料金」に加え「配送代行手数料」、「在庫保管手数料」がかかります。

さらに、Amazonに商品を預ける期間が1年を超える場合は「長期在庫保管手数料」、バイヤーとの間に生じる問題やクレームを処理するための「返送・所有権の放棄手数料」、さらに各商品を梱包してもらうのに「FBA梱包準備サービス代金」がそれぞれ必要となります。

参考:Amazon 出品にかかる手数料

(2)倉庫にある商品を自分の目で確認できない

二つ目は、一度商品をAmazonの倉庫に入庫すると、以後は商品の状態を確認できなくなってしまうことです。

お客さんから商品の色味や形状、状態に関する問い合わせがあった場合、手元に商品がなく自分の目で確認できないため、少し面倒なことになります。

商品の状態を確認したければ、自分で配送料を払ったうえで商品を手元に戻し、状態を確認した後、もう一度配送料を払ってAmazonの倉庫に送る必要があります。しかも、この方法を利用しても送り返された商品のみ確認できるだけで、すべての商品の状態が確認できるわけではありません。

上記の点を踏まえると、コンディションの変化に影響されにくい商品がAmazonFBAに向いているといえるでしょう。

(3)手間や費用か掛かる

三つ目は、AmazonFBAの利用を開始するために手間や費用が掛かるという点です。

これはデメリットというほどのことではないかもしれませんが、Amazonの倉庫に送る前に自分で一通り行う作業があり、多少の手間が生じます。例えばAmazonの倉庫に配送料自己負担で商品を送り、納品準備に必要な資料や商品ラベルを準備し、さらに商品一つ一つに張り付けていく作業などです。ここまではセラーが自身で行う必要があります。

(4)預けることのできる商品に制限がある

四つ目は、預けることのできる商品に制限があることです。

例えば以下の物品は預けることができません。

  • 常温管理不可の商品
  • 動植物
  • 危険物および化学薬品
  • 医療機器
  • 医薬品および酒類
  • 金券、商品券
  • ネオジウム磁石、磁気が他の商品に影響を及ぼす恐れのある強力磁石
  • ゴールド、プラチナ、銀などの貴金属バー、インゴッド、地金
  • 金貨、銀貨、銅貨、記念コイン
  • 古銭、古札

出品前は、販売予定の商品が預託可能荷物に該当するかを確認しておきましょう。詳しくは以下の参考リンク(FBA禁止商品)をご確認ください。

参考:FBA禁止商品

AmazonFBAの納品方法

ここではAmazonFBAを利用する際に取扱商品をAmazonヘどのように納品すればいいのか、その納品方法を解説します。

取扱商品を登録

最初に行うことは、取り扱う商品の登録作業です。

まず取扱商品をトップページから検索しましょう。この際JANコードを利用して検索すれば、扱う商品と異なる商品を登録してしまうミスを避けることができます。

次に「マーケットプレイスに出品する」をクリックします。

商品登録画面に移動するので、商品価格、商品のコンディションやコンディションの説明などの必要情報を入力していきましょう。この際、AmazonFBAを利用するのであればフルフィルメントチャネルの項目にある「Amazonが発送し、カスタマーサービスを提供します(Amazonから出品)」を選択し、「保存して終了」をクリックすれば取扱商品の登録は完了です。

印刷した商品ラベル貼付作業

商品登録の次に行うことは商品ラベルの貼り付け作業です。

まずAmazonサイト上の商品ラベルの発行ページから商品ラベルを必要数量印刷しましょう。

次いで商品のバーコードの上にバーコードを隠すように貼り付けます。

ラベルがはがしにくくなっていると商品にはがし跡が残ったりして不必要なクレームにつながる可能性が出てくるので、できるなら商品にビニールなどのカバーをかけてその上からラベルを張り付けるようにしましょう。

※なお、有料サービスですが商品ラベルの貼り付け作業をAmazonに委託することもできます。

商品ラベルの貼り付け作業が終われば、商品ラベル発行ページに戻り、「納品を続ける」をクリックしましょう。

納入商品の梱包

商品ラベルの貼り付け作業が終わったら、次に商品の梱包作業を行います。

これはあくまでもAmazonへの納入であって、バイヤーへ配送するわけではないので、外箱自体は新品のものを用意する必要はありません。しかし、販売商品が壊れてしまっては元も子もないので、緩衝材を用いるなどして安全にAmazonに納入できるように注意しましょう。

送り状を貼り付け発送

取扱商品を梱包できれば、使用する配送会社の送り状を準備しましょう。

Amazonへの送り状を発行するには配送業者を選択する必要があり、AmazonFBAのパートナー配送業者は日本郵便です。したがって、日本郵便を利用すれば何の問題もなく納入することができます。ただし、日本郵便以外の配送業者を利用することも可能です。

配送業者を選択したら、次に荷物の寸法等、必要情報を入力して送り状を発行しましょう。

送り状が発行できたら、それを荷物に張り付けて発送しましょう。

AmazonFBAを利用するにはいくらかかる?

AmazonFBAのサービスを利用するのに必要な料金は、「月額基本料4,900円(税抜)+手数料・保管料」です。基本料とは、サービスを受けるために最低限必要な料金のことです。

この基本料のほかにも、配送費やカスタマーとトラブルが生じた場合にこれを処理するための手数料などが必要になります。

また、保管料としてAmazon倉庫に商品を保管するための料金も発生します。送料や保管料は商品の大きさや期間などで変わってくるので、その都度料金表を見て確認するようにしましょう。

配送代行手数料

AmazonFBAの「配送代行手数料」は配送する商品の大きさや重さによって異なり、料金は17区分(2023年4月1日からは19区分に変更)に分けられています。そのうちの二つの手数料を例に挙げてみましょう。

  • 一番小さいサイズ 25cm×18cm×2.0cm以内/ 250g以内:288円(税込)
  • 一番大きいサイズ 260cm以内(最大寸法)/ 50kg以内:5,625円(税込)

詳しくは以下の参考リンク(Amazon 出品にかかる手数料)をご確認ください。

参考:Amazon 出品にかかる手数料

在庫保管手数料

「在庫保管手数料」は、Amazon倉庫の使用料のことです。Amazonが所有する倉庫で荷物を保管してもらうのにも料金が発生するのです。保管したい商品のサイズや保管する期間によって値段が変わってきます。お歳暮やクリスマスシーズンに入る年末は在庫保管手数料が格段に上がるので要注意です。

「在庫保管手数料」は一日当たりの金額です。商品を置くために一日あたりどれくらいのスペースを利用するかに基づいて料金が設定されているので、手数料を計算する際は、「値段×日数」としなければなりません。

一例を挙げてみます。

・小型商品(服&ファッション小物、シューズ&バッグカテゴリーを除く)
1月~9月:5.676円×[商品サイズ(cm3)] / (10cm×10cm×10cm)×[保管日数] / [当月の日数] 10月~12月:10.08円×[商品サイズ(cm3)] / (10cm×10cm×10cm)×[保管日数] / [当月の日数]

・小型商品(服&ファッション小物、シューズ&バッグカテゴリー)
1月~9月:3.10円×[商品サイズ(cm3)] / (10cm×10cm×10cm)×[保管日数] / [当月の日数] 10月~12月:5.50円×[商品サイズ(cm3)] / (10cm×10cm×10cm)×[保管日数] / [当月の日数]

仕入れる商品や在庫の数に応じてその都度プランを変更していくと無駄なく管理できます。

AmazonFBA料金シュミレーター

親切なことに、Amazonは「FBA料金シミュレーター」というFBAを利用するのに必要な費用を計算するためのツールを提供してくれています。上述した通りAmazonFBA手数料は細かく分類されているため自分で必要料金を計算するのは大変です。しかし、この料金シュミレーターを利用すれば、必要な費用を正確に知ることができます。

料金が分かれば、自分でバイヤーに配送した場合の経費との比較もできますし、あわせて利益計算もできるようになるのでぜひ活用しましょう。

参考:FBA料金シミュレーター

その他手数料

ここからは、上述した必須手数料以外に必要となる手数料も見ていきましょう。

返送・所有権の放棄手数料

これは、AmazonFBAに保管している商品を返送又は廃棄してもらう時に必要な手数料です。

参考:FBA返送/所有権の放棄手数料

長期保管手数料

商品をAmazonの倉庫へ預けている期間が1年を超えた場合は、「長期在庫追加手数料」がかかります。

具体的には、保管期間が271~365日の商品と、1年を超えた商品に対してそれぞれ「長期在庫追加手数料長期在庫保管手数料」がかかります。
保管期間が271~365日の商品に必要な手数料は、税込6.096円(10cmx 10cm x 10cmあたり)です。

保管期間が1年を超えた商品に必要な手数料は、税込23.570円(10cm × 10cm × 10cmあたり)です。
在庫商品一つにつきこれらの費用が必要となるので、不必要に在庫を抱えることがないよう注意しましょう。

参考:FBA長期在庫保管手数料

納品不備受領作業手数料

AmazonFBAに取扱商品を納入する際、商品ラベルや梱包に何らかの不備があった場合、納品不備受領作業手数料という手数料を請求されることがあります。

参考:納品不備受領作業手数料

商品ラベル貼付サービス

商品ラベル貼付サービスは、AmazonFBAに商品を納品する際に行うべき商品のラベルの貼り付け作業をAmazonが代行してくれるサービスです。

商品一つごとに手数料が必要で、商品のサイズによって料金は変動します。

さらにこのサービスを利用するには、以下の利用条件を満たす必要があります。

  • 特大型に分類されていないこと
  • 全てのコンディションを満たせること
  • FBA禁止商品やFBAのポリシーで制限された商品、または高額商品ではないこと
  • スキャン可能なバーコード(GCID、UPC、EAN、JAN、ISBN)が1つ使用されていること、および、パッケージに記載されているすべての他のバーコードが隠されていること

参考:商品ラベル貼付サービス

FBA梱包準備サービス

FBA梱包準備サービスとは、Amazonが商品の梱包を代行してくれる有料サービスです。FBA梱包サービスを利用するには納品プランの作成時に「商品の梱包ページのどこで梱包しますか?」という表示下で「Amazon」を選択する必要があります。

取り扱う商品によって必要な料金は変動します。詳しい料金体系は以下の参考リンク(FBA梱包準備サービス)をご確認ください。

参考:FBA梱包準備サービス

まとめ

AmazonFBAを利用すれば、ECサイトを使った物販ビジネスに必須の配送業務や管理業務に必要な時間を節約できるので、空いた時間をトレンドの調査や商品のリサーチなどに使えるようになります。そうなれば、よりスムーズにビジネスが拡大していくことは間違いありません。

ぜひ今回ご紹介したFBAのメリット・デメリットを把握した上で、AmazonFBAを活用してみてください。

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この記事を監修した人

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