Amazonでせどりをする際、出品方法として「小口出品」と「大口出品」の2種類があります。特に初心者で、最初からたくさんの商品を売るつもりがない場合は、小口出品が手軽で良いでしょう。ただし、小口出品にはデメリットもあるので注意が必要です。
そこで今回は、小口出品登録のやり方や登録にあたって用意するもの、また、大口出品との違いや注意点についても詳しくお伝えします。
小口出品登録の際に用意しておくもの
はじめに、Amazonで小口出品登録する際に必要なものについて説明しましょう。
銀行口座
Amazonでせどりをする際は、売上金を入金するための銀行口座が必要です。普段使用している口座とは別に、せどり用として準備しておくと見やすくて良いでしょう。プライベートや他のビジネス用の口座と一緒にすると見分けがつきにくくなり、先々で混乱を招く恐れがあるのでおすすめしません。
クレジットカード
Amazonでは、小口出品なら売れた商品1点ごとに、大口出品の場合は月額で定額の手数料が、成約金として請求されます。その支払いはすべてクレジットカードを使うことになるので、できればせどり専用で準備しておきましょう。
電話番号
せどり用に使えるものであれば、固定でも携帯やスマートフォンの番号でも結構です。
メールアドレス
せどりを始めると、Amazonとのやり取りはメールを使います。パソコンでもスマートフォンでも良いので、自分が使いやすいメールのアドレスを準備しておきましょう。
本人確認書類
小口出品登録に必要な本人確認書類は、以下の3点です。
・Amazonにアカウント登録する人の身分証明書…写真入りの運転免許証、パスポート、戸籍証明書のいずれか(マイナンバーカードは登録書類として使えないので注意してください)
・クレジットカードの利用明細か銀行口座の通帳…アカウント登録する本人名義のもので、登録時から遡って180日以内に発行されたものに限ります。クレジットカードは、せどりで使用する予定のものでなくても結構です。
身分証には顔写真があること、白黒でなくカラーであることが必須となります。明細については、名前や請求の宛先、クレジット会社情報が明確でなければなりません。いずれもスマホやデジカメで撮って送ります。
通帳については、登録時から遡って180日以内で、直近の取引が確認できるページと、表紙かその裏に記載された名前をスマホやデジカメで撮って送ります。
小口出品登録の方法
それでは、ここから小口出品登録の具体的なやり方について説明しましょう。
小口出品登録するために適当な商品を見つける
まず、下記よりAmazonのサイトにアクセスします。
はじめに、自分が出品したい商品と同じものをAmazonサイトから探します。なぜ自分が売りたい商品をサイト内から探さなければならないか、疑問に思う方もいるでしょう。
小口出品の場合は大口出品とは異なり、すでにAmazonで他のセラーによって売られている商品しか出品できません。自分で開発したり、製造したりしたオリジナル商品や、Amazonのカタログにないアイテムはいっさい扱えず、相乗り出品が原則となります。従って、売りたい商品と同じものをAmazonサイトから探し出す必要があるのです。
ただし、初期登録の際は、必ずしも売る予定の商品を検索する必要はありません。実際に売りたい商品が決まっていないケースもあるでしょう。その場合は正式に決まってから出品登録すれば良いので、最初は売るつもりがない商品でも構いません。好きなものを1点見つけて、形だけ登録を済ませます。
Amazonサイトで好きな商品を見つけて、そのページの右側にある「マーケットプレイスに出品する」をクリックします。
参考:Amazon
アカウント登録をする
「Amazon seller central」(Amazonセラーセントラル)のサインイン画面に変わるので、「今すぐ、ご登録下さい。」をクリックしてください。
遷移画面の「さっそく始める」をクリックします。
「Amazon seller central」のログイン画面に変わりますので、Amazonに登録してある「Eメールまたは携帯電話番号」と「パスワード」を入力し、「次へ」をクリックします。
Amazonのセキュリティ強化のため、携帯電話番号を登録する画面に変わります。携帯電話番号を入力し、「携帯電話番号を追加する」をクリックしてください。この時点で登録しなくても結構ですので、後で追加したい方は「後で」クリックしましょう。
事業についての詳細を入力する
以下の画面からは、今からはじめようとしている販売についての詳細を登録する必要があります。所在地である「国名」を選択するところから、順に選択または入力していきましょう。
以下の手順に沿って、登録を進めましょう。
・「事業所の所在地」を選択する…日本で販売を行うのであれば「日本」を選択します。
・「事業区分」を選択する…「個人・個人事業主」を選択します。
・「氏名」を入力する…ここでは「ローマ字」で入力してください。「名」、「姓」の順で入力するように注意してください。
選択や入力をし終えたら、「同意して続行する」をクリックしてください。
個人情報を入力する
ここでは個人情報を選択または入力します。
・国籍…「日本」を選択します。
・出生国…生まれた国を選択します。
・生年月日(日/月/年)…生年月日を選択します。
・本人確認書類…「パスポート」、「運転免許証」、「戸籍証明書」のいずれかを選択します。また、「番号」の欄には、各証明書に記載されている番号を入力します。
・有効期限日…上で選択した本人確認書類の有効期限日を選択します。
・発行国…上で選択した本人確認書類が発行された国名を選択します。
・身分証明書に記載されている名前…上で選択した本人確認書類に記載されている名前を入力します。
・会社住所…個人で販売する場合は、居住地の郵便番号および住所を入力してください。
・住所が正しいことを確認し、住所確認が完了するまでこの情報は変更できないことを理解しています。…この項目をクリックします。また、アカウント登録が済む前に登録した住所などの情報は変更しないように注意してください。
・ワンタイムパスワードの取得方法…「SMS」もしくは「電話」を選択します。「確認のための電話番号」に電話番号を入力します。なお、電話番号は国際番号(日本は+81)に続けて入力します。最初の0を除いた番号を入力するよう注意してください。例えば、携帯電話番号であれば「080-****-****」ではなく、「80-****-****」と入力してください。
・SMSで本人確認する際の言語…既に「日本語」が選択されています。問題なければこのままで構いません。
以上、選択または入力し終えたら「SMSを送信する」をクリックしてください。登録した電話番号にSMSが送信される、もしくは電話がかかってきます。ワンタイムパスワードを確認し、入力してください。最後に「次へ」をクリックして、個人情報の登録は完了です。
請求先情報を入力する
Amazonで販売する際に発生する販売手数料の請求先について情報を登録します。
支払いに用いるクレジットカードの番号、有効期限、所有者名をそれぞれ入力します。また、請求先住所は、先ほどの個人情報の登録画面で入力した住所と同一のものでよければ、改めて入力する必要はありません。最後に「次へ」をクリックしましょう。
ストアおよび商品情報を入力する
次に店名や商品の情報について入力します。
「ストア名」は入力すると、使用可能かどうかを自動的に判断してくれます。使用可能であればストア名の記入欄の右上に「✓使用可能」と表示されます。逆に使用できないストア名の場合、赤文字で「!使用不可」と表示されますので、別のストア名を考えて入力してください。
「UPC/EAN/JANコード」とは、バーコードのことを指します。販売する商品すべてにバーコードがある場合は「はい」を選択しましょう。
最後に出品する商品のメーカーもしくはブランド所有者である場合は「はい」を、一部の商品が該当する場合は「一部」を、メーカーもしくはブランド所有者ではない場合は「いいえ」を選択してください。
それぞれ選択し終えたら「次へ」をクリックしてください。
本人確認
登録まであと少しです。ここでは個人情報の入力の際に登録した本人確認書類と、その他の書類のアップロードが必要となります。スマホなどで書類を撮影し、アップロードしてください。
本人確認書類は例えば運転免許証の場合、表面と裏面の両面が必要となります。両面をそれぞれ撮影し、「アップロード」をクリックしてください。すると注意事項が表示されますので、すべて確認し、チェックをしてからアップロード作業を行ってください。
その他の書類は、「銀行口座の取引明細」か「クレジットカード明細書」のどちらか一方が必要となります。どちらかを選択し、スマホなどで撮影して、「アップロード」をクリックしてアップロード作業を行ってください。
各書類がアップロードできたら、最後に「送信」をクリックします。
ID認証
Amazonテクニカルサポートの担当者とビデオ通話し、本人確認が行われます。ビデオ通話は後日行うか、もしくは当日行うか選択できます。
後日行う場合は「スケジュールされたビデオ通話」を選択しましょう。当日行いたい場合は、「インスタントビデオ通話」を選択してください。ただし、テクニカルサポートの営業時間は、表示されている通り、9:00~17:45となっているので注意してください。
選択したら「次へ」をクリックしてください。
「インスタントビデオ通話」を選択された方は、テクニカルサポートの担当者と通話がつながるまで待ちましょう。「スケジュールされたビデオ通話」を選択された方は、遷移画面で日程調整を行います。電話対応可能な日にちと時間を選択し、「次へ」をクリックしてください。後日、ビデオ通話がかかってきますので、必ず対応するようにしましょう。なお、面談はおよそ20~30分かかります。
本人確認が終了したら、これで登録は完了となります。
Amazonの小口出品で注意すべきポイント
Amazonについてよく知らないうちは、思い思いのやり方で何をどれだけ売っても良いと、多くの方が考えがちです。ところが、Amazonで出品するには、細かい制約が数多くあり、それに違反するとアカウント停止処分となる可能性があるので、注意が必要です。とくに小口出品については、思いのほか規制があるので、事前にしっかりと理解しておいてください。
そこでこの章では、Amazonで小口出品をする際の注意事項についてお伝えします。
小口出品は1点の売上げごとに手数料がかかる
Amazonで小口出品をすると、商品を1点売り上げるごとに、100円(税別)の手数料を支払わなければなりません。つまり、10点なら1,000円が請求されます。一見少ないように感じるかもしれませんが、もし1日に10点ずつ、30日間売れ続けたらどうなるでしょう。わずか1ヶ月で30,000円もの手数料を支払うことになります。これが1年間続くとなると、かなりのコストアップとなるでしょう。しかも、実際はこれに10%の消費税が加算されるので、決して侮れません。
一方、大口出品の場合は、1ヶ月にどれだけ売れても、手数料は4,900円(税別)の定額制となっています。つまり、小口出品での売上が1ヶ月に49点までなら、大口出品と同じ手数料かそれ以下、50点以上売った場合は大口出品の方が手数料は安くなります。継続して1ヶ月に50点以上売れるようなら、大口出品に切り替える方が良いでしょう。
小口出品は相乗りが基本
先にも述べたように、小口出品の場合、Amazonのカタログにある商品以外は売ることができません。普通の商売なら、他の人が目をつけていない商品や、まだあまり市場に出回っていないレア商品を売りこむ手法が評価されることが多いでしょう。しかし、これができるのは大口出品のみ。小口出品では、ハンドメイドのオリジナル作品や国内未入荷のアイテムなどは、売ることができないので気をつけてください。
小口出品の場合は、あくまでも他の出品者との相乗りでの販売が基本です。
出荷の遅れは要注意!
Amazonでは出品方法に関わらず、出荷の遅れは厳しく評価されます。Amazonが最も嫌う、ユーザーの損失に直結するからです。特に小口出品は、セラーとして初心者である場合が多いので、出荷の遅延リスクが大きいと言えます。商品の手配が遅れたり、配送業者への依頼が要領を得ないなど、様々なケースが考えられます。加えて、クレームを始めとするカスタマー対応に苦慮することもあるでしょう。しかし、理由はどうあれ、特に出荷の遅れは絶対に避けなければなりません。
もし、その自信がない場合は、AmazonFBA(フルフィルメント by Amazon)を活用する方法もあります。AmazonFBAなら、受注、梱包及び発送、さらにカスタマー対応まですべてAmazonが代わりに行ってくれます。大口出品で注文数が多い場合に多用されるシステムですが、小口出品でも利用可能です。
小口出品では売れる商品に制限がある
大口出品では出品できても、小口出品では売ってはいけない商品があるので注意しましょう。
具体的には、以下のカテゴリーになります。
・ペット商品
・コスメ
・ヘルス&ビューティー
・ジュエリー・時計
・時計
・シューズとバッグ・アパレル
・食品・飲料
大口出品と小口出品の違いをさらに詳しく
最後に、小口出品と大口出品の違いをさらに詳しくまとめましょう。どちらが今の自分に適しているか、よく検討してから出品作業に移ってください。
月額の手数料が違う
繰り返しになりますが、小口出品と大口出品では、月額の手数料が異なります。
小口は1点の売上につき、100円(税別)が、大口は販売数に関係なく月額で4,900円(税別)です。
Amazonせどりでは、最初から手を広げすぎず、スモールスタートが成功の秘訣といわれます。よって、小口出品から手堅く始めるのは悪くありません。しかし、月の売上点数が50個以上となる場合は、手数料の負担が増す一方のため、全体のコストバランスを考えて、本当に小口出品でよいのか検討する必要があります。
在庫ファイルの一括商品登録
Amazonでは、小口でも大口でも、出品商品についてはすべて登録作業が必要となります。
その際、小口出品の場合は、以下の7項目について、一つずつ登録しなければなりません。点数が増えると非常に手間と時間がかかります。
【登録項目】
・リードタイム(注文から商品到着までの時間)
・コンディション(新品or中古)
・コンディション説明(登録しなくても良い)
・販売価格
・ポイント
・出品者SKU
・在庫の数量
一方、大口の場合は、商品をひとまとめにして登録することができるので、大幅に手間が省けるメリットがあります。
細かなデータ分析
Amazonせどりでは、巧みなデータ分析がものを言います。売上額や顧客数、サイトの訪問者数やコンバージョン率など、各種データを常にチェックし、マイナスがあればその原因を探ったり、新たな対策を考えたりする必要があります。
大口出品の場合は、上記のデータに加えて、決済状況やAmazonFBAの在庫数や返品、複数に及ぶ手数料の数々についてもすべてレポート形式でダウンロードできます。しかし、小口出品ではこれらのデータをいっさい取得できません。独自でデータ管理や分析をしなければならない点は、デメリットといえるでしょう。
売上向上のポイントとして、Amazonには「カートボックスの獲得」システムの活用があります。カートボックスを獲得すると、商品画面に「カートに入れる」「今すぐ買う」というメッセージが目立つ箇所に表示されます。買おうかどうか迷ったときに、とりあえずその商品をカートにキープして、後からまとめて購入することは、よくあります。また、「今すぐ買う」というメッセージがあると、ついすぐに買っておこう、と衝動的に購入手続きに進む可能性も高まります。ただ、この「カートボックスの獲得」も大口出品者にしか許可されないため、小口出品者にとっては不利になります。
配送日と配送時間の指定・配送料金の設定
Amazonでは大口出品の場合、配送料金を「重量課金制」「商品個数制」「購入金額制」という3種類から自由に選択の上、設定することができます。一方、小口出品については、商品カテゴリーごとに配送料金が決められているので、不利に働くことがあります。
また、配送日時の指定ができるのも、大口出品に限ります。小口出品の場合は、お届け日も時間も選べないため、ユーザーからは不便と思われ敬遠される可能性があります。ECサービスが増加し、数多くの質の高いサービスが提供される中、配送日時が指定できないのは、大きなデメリットとなりかねません。
参考:小口出品の配送料
まとめ
Amazonの小口出品登録方法やその注意点などについてまとめました。
小口出品は、取り扱う商品数が少ない場合は良いですが、月に50点以上になるようなら、早めに大口出品に切り替える方が得です。最初は小口出品で様子を見て、少しでも手数料を抑え、売上が増えて自信が持てるようになったら、大口出品に変更するのも良いでしょう。自分の現状に合った方法を活用しながら、効率よく利益向上を目指してください。