Amazonは転売の販売先として非常に優れたプラットフォームです。月間利用者数が約5,000万人と集客力は申し分なく、カテゴリ数も多いため、幅広いジャンルの商品を転売できます。
しかし、Amazon転売にはアカウント停止や閉鎖のリスクがあります。違反行為や迷惑行為を通報されてアカウントが閉鎖されれば、それまでに積み上げてきた実績や評価がリセットされてしまいます。新しくアカウントを作成できたとしても、ゼロからのスタートとなるため、売上はガクンと落ちるでしょう。
今回はAmazonに不利益措置を課されないよう、通報される原因と対策を解説します。
Amazonに通報される原因
Amazon規約に違反するとペナルティが課せられます。主な規約違反行為を5つ紹介します。
出品禁止商品の販売
以下の商品はAmazonへの出品が禁止されています。
- 偽ブランド品
- 商標権、意匠権を侵害する物
- 非合法の製品
- リコール対象商品
- 不快感を与える資料
- アダルト関連商品
- 仮想ゲーム内通貨、アイテム類
- Amazon.co.jp限定商品(同人グッズ、ゲームソフトなど)
- 輸入食品、飲料
- 動物、ペット
- 動物用医薬品
- 医療機器、医薬品、化粧品の小分け商品
- 海外製医療器具、医薬品
- 海外直送のヘルス&ビューティ商材
- ペダル付電動自転車
- ピッキングツール
- 盗品
- 銃火器、弾薬、兵器
詳しくは以下のページをご参照ください。
参考:Amazon出品禁止商品
商品説明の偽り
Amazonで商品説明の内容が偽りであると通報される恐れがあります。よくある勘違いとして、メルカリやオークションなどから新品未開封という商品を購入し、Amazonで新品として出品することです。
いくら新品未開封でも一度購入者に渡った時点で、中古品です。新品で出品してしまう時点で商品内容の虚偽に該当し、違反していることになります。どんなに新品同様な外観でも、中古品として出品することが大切です。
無在庫転売
無在庫転売とは、在庫を持たないまま出品しておき、注文が発生してから実際に商品を仕入れて発送する転売手法です。
無在庫転売(ドロップシッピング)自体は、Amazon規約で禁止されているわけではありません。しかし配送手順によってはアカウント停止の可能性があります。
例えば別の業者から商品を購入して、そのままその小売業者から直接購入者に出荷してもらうことは禁止されています。さらに同封されている請求書や納品書も全て出品者名義にしている必要があります。
また発送遅延を繰り返したり、在庫切れによる注文キャンセルが連続すると、Amazonのパフォーマンス指標が悪化してアカウント停止になる可能性があります。
自演レビュー
自分が販売している商品をよく見せるために、自分で星5つのレビューを書いたり、人を雇って良いコメントを書かせたりしてレビューを操作したことが判明すると、アカウント停止処分になります。
悪い評価が多い
上記のような明確な違反行為をしていなくても、カスタマー評価が悪ければ注文不良率が悪化してしまい、アカウント停止処分の対象となることもあります。
Amazonで転売対策を講じず、禁止行為をして通報された時のペナルティー
Amazonで転売対策をせずに規約違反していることを通報されると、以下のペナルティが課せられます。
警告メール
まずは違反内容が記載された警告メールがAmazonから届きます。場合によっては修正・改善を要求する文言が併記されていることもあります。
転売対策などをしなかった場合、ペナルティの種類は以下の通りです。下に行くほど重いペナルティになります。
- アカウント審査
- アカウント停止
アカウント審査
これは売上額が多い、もしくは取引数が多い新規アカウントに課せられることが多いペナルティです。審査対象となるアカウントの基準は明確にされていません。
最初に、審査を開始する旨の警告メールが届き、それから30日間アカウントが監視されます。審査中でも取引をすることは可能ですが、売上の入金は保留されます。
審査中に問題のある取引を行わなければ、30日で解除されます。問題があると判断されると、30日を超えて審査が続いたり、アカウントの停止に発展する場合もあります。
アカウント停止(ロック)
転売対策などせずに、利用規約に違反していると判断されるとアカウントが停止されます。これは一時停止処分です。売上金の入金が保留されることに加えて、販売ができなくなります。
またアカウント停止より前に72時間以内に改善計画書を要求される「レビュー中」という状態があります。こちらは商品販売は引き続き可能ですが、売上金の入金は保留されており、解決難易度もアカウント停止と変わらないため、実質アカウント停止状態と変わりません。
メールでは「再発防止策の提出」を求められます。
なおメール文面には17日以内という時間制限が記載しておりますが、17日を超えても何かが発生するわけではないため、特にこちらのテンプレート文章は気にする必要はありません。
アカウント閉鎖(永久停止)
Amazonではアカウント閉鎖という文言はよく出てきますが、実際にアカウント停止より悪化した状態は存在しないので誤解しないようにしましょう。
Amazonからのメール文面では、閉鎖や削除など様々な文言が使われていますが、全て「アカウントが止まっている状態」一つのことを指します。
つまり「完全閉鎖」「永久停止」といった状態はなく、有効な改善計画書を提出することができれば、どんなアカウント停止からでも再開させることは可能です。
閉鎖されると再登録もできない
アカウントが閉鎖された場合、そのアカウント情報では新規アカウントの作成もできなくなります。仮に作成できたとしても、すぐ閉鎖されることがほとんどです。
また、別の情報を使って新規アカウントを作成しても、閉鎖されたアカウントを利用していた時に使っていた端末やIPアドレスと同じ端末やIPアドレスからログインしてしまうと、アカウントが関連付けられて閉鎖されてしまいます。
全てはAmazon次第
ペナルティの程度は、Amazonのアカウントスペシャリストの判断に完全に委ねられています。明確な基準は公開されていません。
Amazonに通報されない方法
転売屋はアカウントの停止・閉鎖を避けるためにも、以下に挙げる注意点を守って誠実な取引を心がけてください。
他の出品者を見る
出品する前に必ず他のライバル出品者を確認しましょう。自分が出品しようとしている商品を出品している人が一人もいない場合は、規約に違反する商品である可能性があります。規約を再度確認し、分からない場合はAmazonに問い合わせましょう。
迅速な対応を心がける
レスポンスが遅いとクレームや悪い評価の原因となります。
問い合わせが来た場合は、必ず24時間以内に対応しましょう。また、商品もできるだけ即日発送するように心がけましょう。
CtoCから仕入れた新品は中古品として出品する
ヤフオクやメルカリなどの個人間取引(C to C)のECサイトで仕入れた商品は、全て中古品として出品しましょう。仮に新品・未使用品と書かれていても、一度消費者の手に渡った物は全て中古品として出品してください。
有在庫転売する
無在庫転売は、不良在庫を抱えるリスクがないため赤字になりません。そのため、転売初心者には魅力的な転売手法です。
しかし、前述の通り、Amazonでは無在庫転売が禁止されています。もちろん、直接在庫の有無を確認されることはないため、無在庫転売をしたからといって必ずしもバレるわけではありません。しかし、露見したら終わりです。転売屋は安易に無在庫転売をせず、有在庫で販売するようにしてください。
Amazonに通報された場合の対処法
Amazonで誠実な取引を心がけていても、悪質な利用者に通報される危険は常につきまといます(ライバル出品者が嫌がらせ目的で通報することもあります)。
通報されてAmazonから警告メールが届いた場合は、すぐに違反行為の有無を確認してください。身に覚えがなかったとしても無視しないで、とにかく謝罪と再発防止策を提示するようにしましょう。
Amazon規約違反者を通報する方法
通報された場合の対処法は上記のとおりですが、ライバル出品者の商品を眺めていると、逆に規約違反・マナー違反をしている出品者を見つけることがあります。
その場合は、すぐにAmazonに通報しましょう。
ここからはAmazonで規約違反等を発見したときの通報手順を説明します。
メールで通報
規約違反等の報告は、メールで行います。
メールには、
- 商品を特定するための情報(商品名、販売ページのURL)
- 違反についての詳細な情報
を記載して報告専用のメールアドレス(seikatsu-anzen@amazon.co.jp )宛にメールを送信すれば報告完了です。
参考:Amazon不安全、不快又は法令違反の恐れがある商品の報告
Amazonセラーセントラルから通報する
Amazon出品アカウントを持っていれば、セラーセントラルへログインして違反者の通報ができます。手順は以下の通りです。
1.セラーセントラルにログインする
2.メニューバーをクリックし、「パフォーマンス」、『アカウント健全性』をクリック
3.『不正または違反を報告』を選択
4.不正または違反の種類を選択します。
5.表示されたフォームに情報を入力し、「送信」をクリックする
Amazonの商品ページから通報
Amazonで規約に違反する商品説明や画像が掲載されていた場合には、商品カタログの商品説明の下にある『不正確な製品情報を報告』から通報することができます。ここでの通報は、出品者ではなく、Amazonに通報内容が送られます。
Amazonに意見を通す通報の仕方
Amazonにただ「自分が困るから」という理由で通報しても、相手にしてくれません。Amazonに動いてもらうには、伝え方にコツがあります。
出品規約を引用して伝える
例えば、「このメイン画像は、“ノーブランド品に対し、不適切に商標を付して商品画像に掲載する行為、および、ブランドとの不適切な関連付けの言葉を商品詳細ページに含める行為”に当てはまるため、『カテゴリー、商品、出品の制限事項』に違反しています」など、どこが何に違反しているのか、Amazon出品規約に書かれている言葉を引用して説明することにより、担当者に伝わりやすく、自分の通報に関心を持ってもらいやすくなります。
参考:Amazon出品者の禁止活動および行為、ならびに遵守事項
購入者のための通報だと印象付ける
Amazonは、「顧客至上主義」というほどユーザーが第一優先のため、購入者にとっての不満や混乱はすぐさま対応してくれる傾向があります。
それを上手く利用して、「この商品はユーザーが誤解して購入してしまうおそれがある」など、あくまでも購入者のための通報だと印象付けることで、説得力が増します。
Amazonの転売屋は通報されないよう注意してしっかり対策をとろう
転売屋は通報されてAmazonのアカウントが停止になってしまったら、まずは客観的な事実と具体的な再発防止策を提示して、アカウント再開を目指しましょう。
そして、定期的に規約を確認して、誠実な取引を心がけましょう。