Amazonでは、売りたくても出品できない・出品禁止商品が数多く存在します。それらを事前に確認しておかなければ、せっかく仕入れても売れない、という大変残念な思いをすることになります。しかも、あるセラーは出品できても、他のセラーは出品できない、というケースもあるので、仕組みをよく理解する必要があるでしょう。
そこで今回は、Amazonの出品制限と出品できない商品を確かめる方法、さらに制限を解くための申請方法についても詳しく解説します。これからAmazonでせどりをしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Amazonの出品制限とは?
最初に、Amazonではどのような場合に出品に制限がかかるのか、について解説しましょう。Amazonでセラーを続けるうえでとても大切なポイントのため、しっかり理解しておいてください。
アカウントによって出品できる商品が違う!
多くの初心者が不思議に感じることは、Amazonでは同じ商品でも、出品が許可されるセラーとそうでないセラーがいるということです。不公平に感じるかもしれませんが、それがAmazonのルールです。そのため、Amazonでいう出品制限商品とは、すべてのセラーが販売できない商品のことではなく、何らかの理由で自分のアカウントで売ることをストップされている商品である、と理解しましょう。
ただし、そもそもAmazonでは制限ではなく、すべてのセラーに出品自体を禁止している(出品禁止)商品も数多くあるので、それらについては別枠で把握しておく必要があります。
どんなセラーが出品許可されるの?
Amazonで出品が許可されやすいのは、ある程度の販売実績があるセラーです。つまり、Amazonでまだセラーを始めて間もない、という場合は、扱える商品やカテゴリーが限定されている、と考えてください。
ただし、Amazonはこの販売実績について基準を明らかにしていないので、最初から諦める必要はありません。厳密には各商品について確認してみなければ、制限されるかどうかは分からないのです。
出品制限は新品だけ?
Amazonで出品制限を受けるのは、圧倒的に新品が多いです。理由は、メーカーの正式な許可を得ていなかったり、ブランド品の偽造品が含まれていたりする恐れがあるからです。これらの場合は、後々大きなトラブルに発展する可能性が高いので、Amazonは事前にその芽を摘むことに注力しています。
しかし、中には中古品でも出品制限がかけられるケースがあります。とくにゲームやホビー系などの超人気商品やレアアイテムについては、その可能性を否定できないので注意が必要です。中古だから大丈夫と決めつけていると、後で出品申請が必要になる場合があるので気をつけてください。
Amazonの出品禁止商品について
先ほど述べたように、Amazonでは、出品そのものを禁止している商品も多数存在します。
例えば、有害植物や希少野生動植物、麻薬や向精神薬、タバコまたはそれを含むすべての商品、盗品などが出品禁止にあたります。。詳しくは下記のページを参考にしてください。
また、Amazonの出品禁止リストにはありませんが、CDの販売も実質禁止というレベルで制限されています。DVDは良いのですが、CDは一切出品できないと理解しておきましょう。
参考:制限対象商品
出品制限の確認方法
それでは、ここから出品制限がかかっているかどうか確認する方法をお伝えしましょう。スマホとパソコンのどちらからもチェックできるので、好きな方法を選んでください。
スマホでチェックする方法
スマホでチェックするには、「Amazon Seller」というアプリを使います。自宅やオフィスではなく、店舗でのリサーチ中など、外部で制限を確認したい場合に便利です。
アプリを立ちあげたら「商品登録」を選びます。
制限されているかどうか知りたい商品の名前を入力して検索します。
該当商品の制限状況についての情報が表示されます。もし、「出品許可が必要な商品」と表示されたら、制限がかかっている証拠です。
新品と中古品についてそれぞれチェックできます。
新品について「出品できません」と表示されたら、新品では販売不可となります。
中古についても同じ表示が出たら、中古での出品は不可です。
以下のように「出品できます」という表記ならOKです。
パソコンで確認する方法
パソコンでは、セラーセントラルから制限を確認することができます。
セラーセントラル左上のメニューバーで「カタログ」から「商品登録」を選びます。
商品名を入力して検索してください。
下記のように「出品許可を申請」となっている場合は、出品許可の申請が必要です。その場合はそのまま申請承認となる場合もあれば、メーカーからの請求書や販売許可証が必要になる場合もあります。
下記のように「利用できません」となっている商品は、様々な理由で現在は出品不可の商品です。出品申請もできません。
下記のように、そのまま「この商品を出品する」ボタンになっている商品は、出品申請の必要はなく、そのまま該当ASINに出品することが可能です。
「出品する」との表示が出たら制限はありませんので、販売できます。
Amazonの出品制限を解除する方法
ここからは、Amazonの出品制限を解除する方法です。基本的には、自分から出品したい旨を申し出て、許可されたら販売可能になります。
必要書類を揃える
Amazonで出品する場合、大半は他のセラーが出品しているところに、相乗りという形で出品することになります。自分でオリジナル商品を開発・製造している場合は例外ですが、せどりの場合は相乗りが前提でしょう。この場合、すでに出品許可が出ているので、自分のアカウントでも許可される可能性は高いです。しかし、誰もまだ売っていない商品の場合は、Amazonに出品許可申請をする必要があります。
この申請に必要な書類は
・メーカーか卸売業者の請求書
・メーカーの販売許可証
・出品希望商品の画像
の3点です。
それぞれについて詳しく説明しましょう。
メーカーか卸業者の請求書
メーカーか卸売業者からの請求書は、確かにその商品をメーカーや卸売業者から仕入れたという証拠になります。
請求書は
・原則として申請する日から数えて180日以内に発行されたものであること
・そこから買った商品が10点以上であること
・自分とメーカーの住所と名前が明記されていること
という条件付きになります。
メーカーの販売許可証
メーカーの販売許可証は、いわば正規代理店として販売を許可された証拠になります。
販売許可証は、
・原則として申請する日から数えて180日以内に発行されたものであること
・自分とメーカー(ブランド)の住所と名前が明記されていること
という条件を満たす必要があります。
出品希望商品の写真
出品希望商品の写真は、
・実際に自分が仕入れた商品の写真であること
・パッケージなどのすべての側面が写されていること
・メーカーやブランドのネームと住所が書かれていること
・商品の名前か型番のどちらかが表示されていること
という条件を満たさなければなりません。
申請手続き
上記の3点が準備できたら、いよいよ出品申請を行います。
セラーセントラル「出品申請」の画面に遷移します。
「出品許可を申請する」ボタンを押します
たとえば任天堂の場合ですと、下記のようにメーカー・卸業者発行の請求書や販売許可証の提出が必要となります。所定の欄に提出書類一式を移動するか、ファイル選択で添付し、メールアドレスや最も連絡がつきやすい電話番号などを入力して、「送信」をクリックすれば申請手続きは終了です。
逆に必要書類がなく、そのまま出品が承認される場合は、下記のような画面となります。
商品によっては、下記のように偽造品に関する「動画視聴」と「簡単な小テスト」だけで出品申請が通る場合もあります。全て拝聴して正しいものにチェックをつけた上で、メールアドレスや最も連絡がつきやすい電話番号などを入力して、「送信」をクリックすれば申請手続きは終了です。
どんな商品が制限されているのか
実際に出品できないメーカーやブランドは数多く存在します。これらの商品は、とくに新品の場合、メーカーからの正式許可がなければ絶対に出品できません。
カテゴリー別に見ると、
「家電・デジタル機器」
Apple
Canon
FUJIFILM
Panasonic
SONY
など。
「ファッション」
adidas
COACH
dunhill
GUCCI
LOUIS VUITTON
など。
「ホビー系」
バンダイ
LEGO
アンパンマン
ガンダム
ディズニー
トーマス
など。
これらは一部に過ぎませんが、ハイブランドや有名メーカーがたくさん含まれているので、仕入れる際は十分に気をつけてください。
出品許可が得られない場合
何度トライしても、どうしても出品制限が解除されないケースもあります。その際は、頃合いを見てメルカリやラクマなどのフリーマーケットサイトかオークションなどに出品する方法や、中古買い取り専門店で売るというのもおすすめです。
出品許可申請にあたって知っておくべきポイント
最後に、出品許可申請の際に心得ておくべきポイントについて解説しましょう。
メーカーの許可証の入手は可能か
先ほど、出品申請にはメーカーやブランドの許可証が必要と述べました。しかし、これは正規代理店として認めてもらうことに等しいため、かなりハードルが高いといえます。というより、よほど特別なコネクションがない限りは、ほぼ不可能です。あまり無理はせず、まずは相乗りから実績を積むのが無難でしょう。
ただし、例外もあります。ある程度セラーとしてのキャリアを積んでいる場合、「出品許可を申請する」ボタンをクリックすると、そのまま出品が許可されるというケースです。その基準は、Amazonからは全く明かされていませんが、許可が下りれば出品は可能です。どうしても必要書類が揃わない場合は、すぐ諦めずに、何度かこの方法で試すのも良いでしょう。
無効な請求書もある
出品許可申請の際にAmazonに提出する卸売業者の請求書については、ネットショップを経営する卸売業者の物は認められない場合が多いです。実際にどこかでお店を構えて経営している業者の請求書の方が通りやすい傾向があります。
また請求書が通らないからといって、自分で作成したり第三者に依頼して、偽造改ざんした請求書を提出してしまうと、アカウント停止になる場合がありますので要注意です。
Amazonから直接連絡が入る
出品許可申請で提出した許可証を発行したメーカーやブランドには、稀にAmazonから直接電話が入る場合があります。Amazon側が請求書や販売許可証の内容に違和感を感じたり、不明点があった場合に、許可証の偽造などがないかどうか、確認するためです。もし運悪く電話が入ってしまった場合、ここでメーカーサイドから許可したという確認が取れなければ、出品許可はおりません。
まとめ
Amazonで出品制限がかかるかどうかの確認方法や、出品許可申請の方法について詳しく説明しました。
自分で開発・製造した商品でない限り、誰も出品していない商品をAmazonで売るのは、かなり難しいでしょう。出品許可を得るには必要書類を提出することになりますが、そもそもその書類を全て揃えるのが困難です。
まず相乗りから地道にスタートし、ある程度実績を積んでから、オリジナリティのある商品を手がけるのがおすすめです。そのためにも、一人でも多くのセラーから喜んでもらえるショップ作りに努め、Amazonからの信頼を確実に勝ち取りましょう。