Amazon(アマゾン)のFBA出品で必要な商品保管料とは?長期在庫追加手数料にも注意が必要!

Amazonを利用して転売ビジネスを行っている方の悩みの1つに在庫問題があります。売れ残りの在庫を多く抱えてしまうと、利用料を出してレンタル倉庫を借りざるを得なくなりますし、FBA出品していた場合はFBA倉庫の長期保管料がかかってきます。

この記事では、転売ビジネスでネックとなる商品の保管料について、倉庫やガレージをレンタルする場合AmazonのFBA出品を利用する場合に分けてそれぞれ解説いたします。

目次

商品保管用の倉庫を利用するために必要な契約の種類

転売ビジネスでは、仕入れた商品が売れるまでその商品を保管しておく場所が必要です。商品を自宅の一室に保管しておく方もいらっしゃいますが、本格的に転売ビジネスを行うとなると、自宅以外に商品を保管するスペースが必要になってきます。そうなると、倉庫を利用するのが一般的でしょう。

そこで、まずは、倉庫を利用する上で必要となる契約の種類を解説します。

FBA出品のような寄託契約

AmazonのFBA出品を利用する場合だと、仕入れた商品はAmazonのFBA倉庫へ送っておけば、後はAmazonが管理してくれます。そして、商品が売れたときは、Amazonが商品を梱包して購入者の元へ送ってくれることになります。

FBA出品の場合、預けた商品をFBA倉庫で管理してもらうことになるので、Amazonと結んでいる契約形態はいわゆる『寄託契約』になります。

レンタル倉庫のような賃貸借契約

一方、倉庫をレンタルし自分で商品を保管・管理する場合は、『賃貸借契約』となります。マンションの個室を賃借するのと実質的には変わりません。

倉庫やガレージにかかる商品保管料の算出方法

現在では、倉庫やガレージなど、商品の保管先となるスペースには様々あります。そして、毎月の保管料も場所やサービスによって様々です。では一般的に、保管料はどのように算出されるのでしょうか。

ここからは、日本で一般的な倉庫やガレージ等を利用した場合にかかる保管料の算出方法を解説します。

1坪あたりで保管料が決まる

一般的に、保管料は1坪辺りの料金を基礎にして算出されることが多くなっています。この方式だと保管場所の広さのみを基準に保管料が決定されるため、荷物の大きさや量は保管料に影響しません。したがって、例えば、段ボール120サイズの大型商品から段ボール60サイズの小型商品までいろいろ取り扱っているといった場合に利用すると良い料金体系です。

商品1個あたりで保管料が決まる

商品または荷物の個数を基準にして保管料が決定される場合もあります。この方式だと、1個あたりの保管料が予め設定されるので、取り扱う商品または荷物が1種類しかないという場合に便利です。また、保管料を算出しやすい点も特徴です。

商品の容積あたりで保管料が決まる

商品または荷物の容積や大きさを基準にして保管料が決定される方式もあります。具体的には、商品の縦・横・高さそれぞれの寸法を測定し、計算した容積により料金を決定する方法です。ちなみに、海上輸送のコンテナは、重量と容積で料金を決める場合が多くなっています。

パレット1個あたりで保管料が決まる

大きな倉庫などでは、荷物をパレットと呼ばれる板に乗せて保管するのが一般的です。荷物を移動させる時もパレットごと持ち上げて移動させられるので便利です。そんなパレット1個あたりで料金を決定する方法もあります。

商品の重量によって保管料が決まる

商品の重量によって保管料を決定する方法もあります。商品の重さだけで料金が決定するので、段ボールのサイズは関係ありません。重量により保管料を決定する料金体系は、ぬいぐるみのような、ボリュームはあるけれど軽い商品の保管に適しています。

商品を保管する棚単位で保管料が決まる

レンタルスペースのように空間の中の1棚だけレンタルする方法だと、1棚ごとに利用料金がかかります。この方式だと、商品数があまり多くない場合に費用をできるだけ抑えて保管できるので便利です。

FBA出品を利用した場合の商品保管料

AmazonにはFBAという出品サービスがあります。FBA出品を利用すれば、商品の保管から管理・発送までをAmazonが代行してくれるので、転売ビジネスが一気に効率化します。

また、FBA出品されている商品は、最短で当日、遅くとも翌日には商品が届くので、購入する側にもメリットがあります。

ここからは、FBA倉庫を利用する際の月々の保管料について解説します。

FBA出品を利用した場合の手数料

FBAを利用すると、基本料金の他に、商品を梱包して購入者の元へ届けるための「配送代行手数料」と、商品を保管・管理するために必要な「在庫保管手数料」がかかります。どちらの手数料も商品の大きさによって異なりますが、「在庫保管手数料」は商品の預託日数が長くなるほど高額になっていきます。

FBA出品に必要な手数料をチェックできるツール

FBAを利用するなら、商品を仕入れる前にその手数料を計算しておく必要があります。手数料の計算は、Amazonのセラーセントラルにある「FBA料金シミュレーター」を使えば簡単です。

参考:FBA料金シミュレーター

すでにAmazonで販売されている商品と同じものを出品するのであれば、「FBA料金シミュレーター」の商品検索窓に商品名やISBNなどを入力するだけで簡単に手数料が算出されます。

在庫保管手数料の計算方法

FBA出品における在庫保管手数料は、「小型・標準サイズ」「大型・特大型サイズ」によって異なります。さらに、1~9月10~12月では保管料が大きく異なり、10~12月の方が少し高くなっています。

参考:在庫保管手数料

FBA長期在庫追加手数料に要注意

271日以上の長期間にわたり商品をFBA倉庫に預ける場合は、通常の手数料の他にFBA長期在庫追加手数料」もかかってきます。

ここからは、長期在庫追加手数料について詳しく解説していきます。

FBA長期在庫追加手数料はいくらかかるのか

長期在庫追加手数料は保管期間が271~365日の商品の場合、商品の容積1,000cm3あたり6.096円かかり、保管期間が366日以上の商品の場合商品の容積1,000cm3あたり23.570円がかかります。また、保管期間が366日以上のメディア商品は1点あたり10円の最低長期在庫追加手数料の対象になります。

以下の表に具体的な例がありますので、確認しましょう。

CDなどのメディア商品は、366日を超えても最低手数料が適用される場合もあるためそれほど負担にはなりません。しかし、液晶ディスプレイやプリンタといった大型商品になると、長期在庫追加手数料が大きな負担となる可能性があります。

FBA長期在庫追加手数料について詳しく解説

実は、先ほどご紹介した長期在庫追加手数料は2023年4月に適用されたばかりの手数料です。そのため、「まだイマイチ長期在庫追加手数料について分からないなぁ」という方のために、さらに掘り下げて長期在庫追加手数料について解説します。

FBA長期在庫追加手数料について

FBA倉庫では、毎月15日に在庫チェックが行われます。その時点で保管期間が271日~365日になっている商品に対しては「長期在庫追加手数料」がかけられます。2023年5月現在、10㎝×10㎝×10㎝あたり6.096円の料金が請求されます。

また、保管期間が366日以上になっている商品に対しては10㎝×10㎝×10㎝あたり23.570円「長期在庫追加手数料」がかけられます。

商品の1年以上の保管や、サイズの大きな商品は長期在庫追加手数料が高くなるため、できるだけ365日以内に販売する必要があります。

最低長期在庫保管手数料について

上記の「長期在庫追加手数料」はCDなどのメディア商品に対しては商品1点あたり月額10円の「最低長期在庫保管手数料」の対象になります。実際にかかる手数料は「長期在庫追加手数料」「最低長期在庫保管手数料」のうち、金額の大きい方が適用されます。

長期在庫追加手数料のチェック方法

たくさんの商品を取り扱っていると、長期在庫追加手数料が科される商品を把握しきれない場合がほとんどです。そこで、定期的にFBA倉庫に保管している商品とその長期在庫追加手数料を確認しておくと良いでしょう。

ここからは、セラーセントラルを活用して長期在庫追加手数料をチェックする方法を紹介します。

返送推奨レポートを利用する

セラーセントラルでは「返送推奨レポート」が利用できます。このレポートには、次月15日の在庫チェック日に長期在庫追加手数料が発生する可能性のある商品が掲示されます。出品者はこのレポートを見れば、商品をそのまま倉庫に残しておくか、自宅へ返送してもらうかを判断することができるようになっています。

FBA在庫健全化ツールを利用する

同じくセラーセントラルで利用できる「FBA在庫健全化ツール」を使えば、個々の商品の在庫日数が簡単に確認できます。同時に、倉庫保管にかかる諸費用の推定額も表示されるので、在庫を整理する際の参考になるでしょう。

FBA長期在庫追加手数料を支払う以外の方法

「返送推奨レポート」「FBA在庫健全化ツール」で確認した結果、長期在庫追加手数料がかかる商品があることが判明した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

ここからは、長期在庫追加手数料を支払って保管を続ける以外の方法を紹介します。

値下げして売り切ってしまう

長期在庫追加手数料を支払いたくない商品は、Amazonでの販売価格を下げて売り切ってしまうのがおすすめです。ただし、人気がなく検索順位も低い商品に関しては、値下げしただけでは売れないこともあるので注意が必要です。値下げするのと長期在庫追加手数料を支払うのとどちらが良いか、見極めなければなりません。

返送してもらう・所有権を破棄する

商品の保管日数が365日を越えそうになった時に、一度商品を自宅へ返送してもらうという方法もあります。返送には送料がかかりますが、それほど高くはありません。小型・標準サイズなら1個当たり30~100円、大型サイズでも1個80円~350です。

長期間販売を続ける場合は、少し手間はかかりますが、手数料を負担して返送してもらい再度FBA倉庫へ送った方が得になります。

商品の返送依頼はセラーセントラルから行えます。ただし、返送を依頼しても受け付けられない場合もあります。例えば、危険物を取扱っている場合は返送依頼の方法が通常とは異なり、Amazonのサポートに問い合わせなければなりません。

また、返送依頼の提出後、受理されるまでの間に商品が購入された場合は、返送依頼が取り消されます。

なお、返送依頼を出した後でも依頼のキャンセルは可能です。返送を依頼するにしても、返送をキャンセルするにしても、FBA倉庫にどの商品が保管されているかは日頃から確認しておきましょう。

FBA倉庫に保管している商品は、所有権を放棄することも可能です。いわゆる損切りのような方法です。売れ残り商品を抱えて長期在庫追加手数料を払い続けるよりは、所有権を放棄して赤字を食い止める方が賢明な場合もあります。

所有権の放棄に関しても手数料がかかり、返送と同じく小型・標準サイズでは1個あたり30~100が、大型サイズだと1個あたり80円~350がそれぞれ必要です。

また、規定の重量を超えた商品の場合は追加料金が必要になります。下記の表を参考にしてください。

参考:Amazonセラーセントラル

長期在庫追加手数料を回避するポイント

FBAを利用するにあたっては、長期在庫追加手数料という余分な手数料支払いを回避するために心得ておくべきポイントがあります。

まず、当たり前のことですが、売れやすい(回転の早い)商品を取扱うのがポイントです。とはいえ、転売ビジネスを始めたばかりの頃はどんな商品がどれくらいの頻度で売れるのかは分かりませんよね。

そのため、まずは、売りたい商品を2・3個出品してみて、その値段と売上頻度をチェックしましょう。まずまずな頻度で売れて利益が得られる商品だと確認できてから、まとめて購入しFBA倉庫へ送るのがおすすめです。

手数料や保管料をよく理解して転売ビジネスを成功させよう

Amazonを使った転売ビジネスの場合、FBA出品を利用して半自動的に利益を得られるシステムを作り上げることが成功への近道です。しかし、FBAを利用した場合、FBA倉庫で商品を保管してもらうのに手数料がかかるだけでなく、さらに保管期間が271日以上になると長期在庫追加手数料も支払わなければなりません。

そのため、長期在庫追加手数料という出費を抑えるためには、271日以上売れなかった商品一度自宅へ返送してもらった上で再出品するか、所有権を手放すかする必要があります。

Amazonを利用した転売ビジネスで利益を上げるには、FBAの利用が欠かせません。FBA出品に必要な手数料や保管料についてよく理解した上で、ビジネスを成功に導いてください。

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この記事を監修した人

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