Amazonで返品された商品の対応と返品を減らす方法

せどりでAmazonから商品を出品する場合、多くの方がFBAを利用しているのではないでしょうか。効率よく利益を出せる一方、購入者からの返品は、せどりを悩ませる問題のひとつでもあります。

今回は、AmazonでFBA商品が返品された際の対応についてご紹介します。せどりとしてAmazonを利用したいという方も、実際に利用して返品に困っているという方も、ぜひ参考にしてください。

目次

Amazonが発送する商品の返品・交換の条件とは?

Amazonの返品・交換の受付期限は、商品到着から30日以内です。全額返金を希望する際には、商品到着後30日以内に返品申請と対象物を発送する必要があります。商品到着後30日を経過した場合は、返品・交換はできません。

そのほか、「お客様都合」、「トラブルや不具合」、といった理由によっても返金額は異なります。では、それぞれの条件について確認していきましょう。

お客様都合による返品や交換の場合

お客様都合」とは、トラブルや商品不具合以外の理由にあたります。未使用かつ未開封である場合には、商品は全額返金されますが、開封済みの場合には返金額は商品代金の50%です。

メーカー既存の梱包を開封したり、商品タグを外した場合も開封済みとみなされます。「中身を開けてみたら、イメージと違ったので返品したい」といった場合にも、返金額は50%となってしまうので注意しなくてはなりません。

また、配送料や手数料およびギフトラッピング料は、開封・未開封にかかわらず購入者の自己負担となります。「他のサイトで安い商品を見つけたので、商品到着後すぐに返品する」といった際も、商品代金は全額返金されても、配送料や手数料は購入者側の負担となります。

トラブルや不具合による返品や交換の場合

Amazonでは、実際の商品を見ないまま購入するため、手元に届くまでは商品の状態を確認することはできません。そのため、実際に届いた商品を開封してみると壊れていたり、使用してみると不良品だったりというトラブルが発生する可能性があります。

その際には、「トラブルや不具合」といった理由で、Amazonへ商品を返品・交換することが可能です。お客様都合と異なり、トラブルや不具合を理由とする場合には、商品代金だけでなく、配送料や手数料、ギフトラッピング代すべてが返金の対象となります。

FBA商品の返品を悪質利用するケース

「お客様都合」と「トラブルや不具合」による返品・交換の大きな違いは、配送料や手数料の自己負担の有無となります。お客様都合の場合には、開封状態にかかわらず、配送料や手数料はお客様が自己負担しなくてはなりません。この違いが、FBA商品の返品が悪質利用される理由となっています。

2000円の商品を500円の送料で購入した場合、お客様都合であれば商品代金は全額返金されますが、500円の送料は自己負担のままです。更に、Amazonへの返品代金も自分で支払わなければなりません。支払うことになる金額をだしてみます。

2000円(商品代金)+500円(送料)+500円(返品送料)=3000円
3000円-2000円(商品返金額)=1000円

手元に商品がないにもかかわらず、1000円失った……という状況ができあがってしまいます。これが、トラブルや不具合による返品の場合はどうなるのでしょうか?

2000円(商品代金)+500円(送料)+0円(返品送料)=2500円
2500円-2000円(商品返金額)-500円(送料返金額)=0円

たとえ開封済みの商品であっても、トラブルや不具合が原因であれば、購入者の金銭的負担は「0円」になります。「損をしたくないから、商品を不良品だったということにして返品してしまおう!」と、購入者が商品を不良品として返品すれば、Amazonは返品を受け付け、返金していきます。

結果、出品者の手元には、売り上げが減ったという事実と、新品ではない商品だけが手元に残ってしまいます。出品者にとっては、一度は発生した売上金がなくなってしまうという、精神的ダメージも大きいです。

では、このような悪質利用を防ぐためには、一体どうすればよいのでしょうか?

FBA商品の返品による出品者の負担額

Amazonには、出品者による出荷と、FBA出荷による二通りの発送方法があります。両者を比較すると、理由を問わず全額返金の対象となりやすいのは、FBA出荷です。

なぜなら、出品者出荷であれば、送料・配送料を差し引いた額で返金することを出品者側が選択できるのです。
全額返金の対象となり得るのは、商品に問題があった場合にのみ限られ、購入者都合で全額返金となることはありません。

一方、FBA出荷の場合には、様々な理由をつけ、ほぼすべてのケースで購入者側に全額返金されてしまいます。

この場合、FBA出品者が負担しなくてはならないのが「配送代行手数料」。小型の商品であれば、1件あたり290円程度が負担額とされています。

つまり、FBA出荷で1カ月に10件の返品があった場合、2900円の負担額が強いられる計算です。返品された商品は中古品扱いになり、2900円もの不利益が生じるというのは、出品者にとっては実に大きなダメージとなってしまいます。

購入者による破損も出品者が負担

FBA商品返品の補填対象となるのは、Amazonの倉庫内における破損や、輸送中のトラブルです。購入者側が商品を破損させた後の返品だったとしても、その負担は出品者が負うことになります。つまり、新品商品を開封した後に返品されたとしても、Amazon側から補填を受けることはできません

明らかに送った商品と違うものが返品された場合には、補填の対象となり得ますが、その多くが出品者側の負担となります。たとえ新品の本を発送し、傷をつけられて戻ってきたとしても、Amazon側からの補填はなく、購入者に請求をすることもできません。
そのような意味では、FBA出荷は出品者にとって返品負担の大きなシステムであるとも言えるでしょう。

AmazonFBAで返品された商品の対応方法

実際にFBAで返品された時には、どのように対応したらよいのでしょうか?ここからは、負担をなるべく減らすための対処法と、その実例を解説していきます。

返品理由をチェックする

FBA商品が返品された場合には、まずその返品理由をチェックしましょう。Amazonでは、原則として30日以内の返品・交換が可能となっています。つまり、購入したばかりの初期不良以外にも、使用してから満足いかなかったという理由で返品することができます

商品の返品理由は、Amazonセラーセントラル画面にあるフルフィルメントから閲覧可能です。返品レポートの画面でレポート期間に「過去30日間」とチェックを入れると、それまでの返品商品が表示される仕組みになっています。

ここで確認しておきたいのが「商品の状態」に表示される「販売可」、「破損」、「開封済み」といった項目です。「販売可」は、Amazonがもう一度販売しても良いと判断した商品です。FBAであれば、商品はそのまま在庫に復活することになります。

開封済み」の場合には、その横にある欄で、性能や品質が良くないといった返品理由を確認することができます。開封後の返品は、新品商品が中古品として手元に残ってしまうため、出品者側にとっては一番負担の大きなケースです。

Amazonや配送会社が破損した場合には「破損」と表示されています。この場合には、Amazonが商品代金を補填するので、出品者側の負担は最小限に抑えられるでしょう。

特にアカウント健全性ダッシュボードの画面に警告が表示された商品については、必ず購入者から届いた返品理由を確認しましょう。これらの苦情内容を放置してしまうと、最終的には知的財産権侵害や真贋調査などでアカウント停止になってしまう場合があります。

商品が再出品不可と判断された場合の対応

FBAの返品商品は、フルフィルメントセンターから再出品不可と判断される場合もあります。その場合、Amazonから「販売不可在庫商品発生のお知らせ」というメールが出品者側に送られます。

出品者はメールでは実際の商品の状態が判断できないため、一度フルフィルメントセンターから商品を返送してもらわなくてはなりません。期日内に返送依頼をしない場合には、商品は破棄され、出品者側が負担料を支払うことになります。

ここでは、具体的な返送方法とその後の対応について確認していきましょう。

返送依頼の手続きをする

Amazonに返品された商品は、返送依頼によって出品者の手元に戻ってきます。「再出品できないような商品は手元にあっても仕方ない……」といった理由でそのままにしておくと、在庫保管手数料がかかる他、廃棄の際に負担料が発生するので注意しましょう。

商品の自動返送を希望する場合は、セラーセントラルトップ画面の「設定」から、「FBAの設定」をクリックします。そのあと、「販売不可在庫の自動返送/所有権の放棄の設定」で「編集」を選択します。

「販売不可在庫の自動返送/所有権の放棄 」を「有効」に、「所有権の放棄、または返送」は「返送」にチェックを入れます。ここで「所有権の放棄」にチェックをすると、Amazon側で中古品として再販されるか、破棄されてしまうので気をつけましょう。「スケジュール」では、希望の返送スケジュールを週1回、月2回、月1回の3パターンから選択することが可能となっています。

商品を検品し再出品する

返送した商品が手元に届いたら、状態を確認しましょう。チェックする項目は、主に次の3点です。

  • 開封済みの商品か
  • 正常に動作するかどうか
  • 商品に傷が付いているか

未開封の商品である場合には、「新品」として再出品することができます。しかし、一度開封された商品であれば、正常に動作し傷がない場合でも、再出品時のステータスは「中古」となります。

販売不可から返金処理となった事例と対処法

FBA商品が返品された場合、基本的には出品者が返送依頼をかけ、返送された後に再出品する流れとなります。

しかし、返品商品が以下の場合は、Amazonからの補填を受けることが可能です。

  • Amazonフルフィルメントセンター内で破損した商品
  • Amazonフルフィルメントセンター内で、30日間連続で行方がわからない商品
  • 商品を購入者に配送するためにAmazonが使用している配送業者や卸業者によって紛失または破損した商品

購入者から返品された商品は、Amazonの倉庫内で点検の後、コンディションに相違が生じた場合に「販売不可」として計上されます。しかし、一時は「販売不可」と計上された後に、「梱包不備による損傷がある」という返品理由で、全額返金対応となった事例も見られています。

出品者にとっては負担の多いFBAの返品規約ですが、Amazon側で発生したトラブルによっては返金保証の対象となることを覚えておきましょう。

FBA商品が「販売不可」となった時に取るべき対応とは?

FBAで出品した商品が返品され「販売不可」とAmazonに判断された場合、出品者は「返送」か「破棄」かを選択しなければなりません。出品者側の手数料は、返送、破棄共に、サイズと重さにより1点につき30円〜350円程度となります。古い商品や低価格の商品であれば、そのままAmazon側に破棄を依頼するという選択肢もあるでしょう。

しかし、再出品や今後の取引のためにも、返送を依頼し商品の状態を確認するのがオススメです。Amazonの倉庫に保管されている間は手数料が必要となるため、返品手続きは早めにすませるようにしましょう。

返品理由が「梱包不備による損傷」の場合は早めにAmazon側に連絡を

「販売不可」として計上された商品の返品理由が「梱包不備による損傷」だった場合、出品者側は早めにAmazonに連絡をしなくてはなりません。なぜなら、商品自体の落ち度ではなく、Amazon倉庫内で発送時に生じたトラブルにより、返品された可能性があるからです。

前述したように、「販売不可」となった商品について、出品者は返送か破棄の依頼しかAmazonに連絡することはできません。しかし、ここで出品者の手元に商品が返送されてしまうと、Amazon倉庫内でのトラブルを証明することができなくなってしまいます。「梱包不備による損傷」が返品理由の場合には、Amazonテクニカルサポートに直接連絡し、返送前に倉庫内で商品を確認してもらうよう依頼しましょう

補填申請には返送時の輸送箱の状態が問われる

Amazon倉庫内でのトラブルが原因で返品された場合、出品側はAmazonに補填申請をすることができます。その際は「Amazonから返送された時の輸送箱の状態」を確認されるので、注意しなくてはなりません。

つまり、Amazon側が「商品は不良品である」と一度認めているにも関わらず、出品者側は「Amazonから返送されるまでに、商品が不良品になったわけではない」ということを証明しなくてはならないのです。出品者が不必要に補填申請をしないための策であると考えられますが、出品者側にとっては大きな負担となり得るでしょう。

返送依頼後はAmazon側のトラブルの証明が困難となるので気を付けて

前述したように、補填申請時には「返送時の輸送箱の状態」を問われることになります。しかし、返送依頼をし、手元に商品がある状態で補填申請した場合、一体どうなるでしょうか。

その商品が、Amazonから購入者へ発送される際に破損したのか、それとも、今回返送される際に破損したのか、判断しかねる状況に陥ってしまいます。そのため、セラーセントラルで「梱包不備による損傷」を理由に返品される商品を見つけた際には、早めに対処することが必要です。

Amazon側では、一度「販売不可」として計上した商品について、再度調査することを渋るケースが多く見られます。しかし、そのままでは出品者側にのみ負担が強いられることになります。

「一度商品が返送されては、トラブルがどの段階で起きたのかこちらには証明しようがない」、ということを基本に、返送依頼の前にAmazon倉庫内で商品を再検査してもらうよう、直接連絡しましょう。

補填申請が受理された後に注意したいポイント

一度「販売不可」として計上された商品でも、Amazon側のトラブルが認められた際には、出品者側に商品代金が返金されることになります。しかし、調査を依頼したとしても、結果が出るまでにはある程度の日数が必要となるでしょう。

また、注意しなくてはいけないのは、返金処理がされた後のFBA商品の扱いです。

Amazon側のトラブルで不良品と判断し、商品代金を補填した商品は、出品者側としてはそのまま在庫から処分されるものだと考えるはずです。しかし、Amazon側では返金手続きはするものの、商品は「販売不可」としてそのまま倉庫に保管されます。

つまり、出品者側は「販売不可」の商品の在庫保管手数料を負担し続けることになります。出品者としては、Amazonのトラブルで不良品となった上に、商品管理まで負担するのは納得いかない話でもありますが、この場合には速やかに「返送」または「破棄」の手続きを取るようにしましょう

FBA商品の返品を減らす方法とは?

FBA商品の返送は、利益が出ないばかりか、仕入れ値が全てマイナスになってしまう場合もあります。少しでも返品を減らすためには、以下の点に注意してみましょう。

返品不可の商品を中心に出品する

Amazonでは、すべての商品が返品対象となっているわけではありません。食品や飲料、化粧品やサプリメントといった商品は、Amazon内ではお客様都合での返品ができません。

明らかに自己都合でない商品は返品対象であるものの、家電と比べると返品率は低いのが特徴です。このような商品を中心に出品すれば、FBA商品の返品を減らすことが可能となるでしょう。

説明に「返品不可」と付け加える

商品のコンディションの説明文に「お客様都合での返品は受け付けません」といった一文を加えることも、返品率低下に有効的な手段です。

明記しても、規約的にAmazonでは返品可能となってしまうのですが、このような説明文はせどりのコツのひとつでもあります。購入者からの苦情は見られないものの、利用する際はあくまで自己判断で対応するようにしましょう。

FBAではなく自己発送を利用する


商品をFBAではなく自己発送にした場合、返品条件は独自で設定することができます
。FBAでは受け付けない「未開封のみ返品可」といった設定も、自己発送であれば可能です。ただし、その場合は返品時のお客様対応も出品者側で請け負うことを忘れてはいけません

すべての商品を自己発送にしてしまうと、返品の度に時間と労力が必要となります。そのため、返品時の負担が大きな高額商品のみを自己発送にするといった工夫が必要となるでしょう。

まとめ

FBAを利用したせどりの返品は、仕入れ額がマイナスになるだけでなく、精神的なダメージも大きなデメリットです。

こまめに返品商品とその理由をチェックし、素早く対応すれば、返品があっても効率的に利益を上げることが可能です。

FBA商品の返品を恐れず、どんどん商品を出品し、せどりとしての売上を伸ばしていきましょう。

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この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

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