AmazonのFBAを利用して物販事業を行っていると、FBA納品時の送り状に記入する電話番号がわからない場合があります。これは、FBA倉庫に納品する際に多くの人が抱く疑問の一つです。
この記事では、FBAの利用方法やFBA倉庫に納品する際の送り状に記載すべき電話番号について詳しく解説していきます。そもそもFBAとは何か?FBA納品のやり方や疑問の解決方法も併せて解説するので、この記事を読めばFBAを使いこなせるようになるでしょう。
FBAとは?
Amazonで商品を出品する場合、配送方法は2つあります。
1 自分で発送する(出品者在庫)
2 Amazonに配送およびカスタマーサービスを代行してもらう(FBA出品)
以上の2つです。
初めて出品する場合は、どちらを利用した方が良いのかわからない人は多いでしょう。
結論から言うと、商品の在庫管理や発送の事を考えると、FBAを選択した方が正解です。
そこでまずは、FBAについてそのメリット・デメリットを交えて解説していきます。
自分で管理、発送を行う自己発送
自己発送とは、売れた商品を自分で発送する発送方法のことです。
フルフィルメントチャネルで、「私はこの商品を自分で発送します(出品者から出荷)」を選択すると自己発送する事が出来ます。
自己発送をするには、3つの作業を行う必要があります。
1 在庫管理
2 梱包作業
3 発送作業
商品が売れる度に、以上の作業が発生するのが自己発送です。
便利なFBA
FBAとは、Fulfillment by Amazonの略で、Amazonが提供する物流サービスの事を言います。
フルフィルメントチャネルで、「Amazonが発送し、カスタマーサービスを提供します(Amazonから出荷)」を選択すると、FBAを利用する事が出来ます。
Fulfillmentとは、商品の受注から発送、決済に至るまでの業務全般を意味します。つまり、FBAとは、Amzonがユーザーに代わり、受注・発送・決済に関する業務を行ってくれるサービスということです。
自己発送だと商品の在庫管理から梱包・発送に至るまで全て自分で行わなければならないのに対し、FBAを利用した場合は、Amazonに商品を納品するだけで終わりです。自己発送の場合に必要な作業をAmazonが代行してくれるので、効率的に商品を販売する事が出来ます。
FBAのメリット・デメリット
FBAには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。メリットとデメリットを正しく理解した上でFBAを利用することが大切です。
■FBAのメリット
・作業時間を大幅に短縮する事が可能
前述のとおり、自己発送だと、商品の在庫管理・梱包・発送に関する作業をすべて自分で行う必要があります。扱う商品が少ない場合は、さほど負担になりません。しかし、商品を何十個、何百個と扱う場合は、かなりの重労働です。この作業をすべてAmazonがこなしてくれます。おかげで余った時間を他の作業に費やす事が出来ます。
・自己発送より高値で売れる可能性がある
FBAを利用すると、ショッピングカートボックスが優先的に獲得できます。また、出品時にはPrimeマークが付与されますし、発送元がAmazonになるので購入者からの信頼を得ることもできます。
・お急ぎ便の使用が可能になるので、発送が早くなる
FBAを利用して出品した商品は、24時間対応でAmazon倉庫から発送されます。自己発送より、何倍も速く発送できます。また、お急ぎ便の選択も可能になるので、すぐに商品がほしいという購入者にも対応可能です。
■FBAのデメリット
・出品までの時間が自己発送に比べると長い
FBAを利用した場合の出品手続きは、商品を登録した上でAmazonに納品し、出品手続きを行う事で完了します。たしかに、自己発送の場合は、商品を登録するだけで出品が完了するので、こちらの方が早く出品手続きは終わります。しかし、計画的に商品を登録していけば、このデメリットはカバーする事が出来るでしょう。
・手数料がかかる
FBAはメリットが多いサービスですが、手数料がかかるのがネックです。
発送方法の選択は、ケースバイケースで
基本的にFBAを利用したほうが良いのですが、すべての出品者にとってFBAが最適なサービスとは言い切れません。自分に最も適した発送方法を選択しなければ、売上アップは望めません。以下に自己発送をした方が良いケースを紹介します。
・すぐに商品を出品したい時
FBAを利用した場合、商品をFBA倉庫に発送してから出品できるようになるまで3日ほどかかります。すぐに商品を出品したいのであれば、自己発送で対応した方が良いでしょう。
・単価の低い商品を出品する時
FBAを利用すると、手数料が発生します。商品単価が低いと、費用倒れになる可能性があります。したがって、単価の安い商品を出品するのであれば、自己発送で経費を抑えた方がベターです。
FBAを使った出品手続きのやり方は?手順を紹介
FBAの出品手続きは、自己発送と比べると手順が少し複雑です。
以下で出品手続きを詳しく解説していきます。
商品登録の手順
早速、Amazonでの商品登録の手順を見ていきましょう。
FBAでも自己発送でも商品登録は必ず必要です。今回は登録する商品をAmazonから検索して行う方法です。新規に登録していく方法もありますが、まずは検索してから登録する方法をマスターしてください。
Amazonのセラーセントラルにアクセスし、カタログから商品登録をクリックします。その後「Amazonのカタログから商品を検索する」のページから出品商品を検索します。
この時におすすめなのがJANコードを使用する方法です。JANコードとは、バーコードの下に記載されている商品毎にふられた固有番号のことです。JANコードで検索すれば、商品の取り間違えを防ぐ事が出来ます。わからない場合は、商品名で検索しましょう。
検索結果が表示されたら、出品商品をクリックし同じ商品か確認します。
同じ商品でも、パッケージ版・ダウンロード版・特典付きなど、種類は様々なので、必ず確認しましょう。ちなみに、JANコードでは、種類によっても番号が違うので出品商品が表示されます。
右側のコンディションを選択から、「新品」、「コレクター商品」、「中古」を選んで、下の「この商品を出品する」のボタンをクリックします。
商品登録ページが表示されるので、出品情報の項目をクリックします。
ここから商品登録ページに、必要な情報を書いていきます。まずは、商品の販売価格を入力します。
次はコンディションを選択します。新品と中古とコレクター商品があり、中古とコレクター商品は可・良い・ほぼ新品・非常に良いの4段階に分かれています。該当するものを選択してください。
コンディションの決め方がわからない場合は、Amazonマーケットプレイスコンディション・ガイドラインを参考にしてください。
参考:Amazonマーケットプレイスコンディション・ガイドライン
出品商品のコンディションの説明を記入してください。説明文の書き方が売れ行きを左右するので正確に、かつ丁寧に書きましょう。
コンディションが中古、またはコレクター商品の場合は、写真を掲載できるようになります。(上限枚数は6枚です。)中古品は写真がないと、購入者が不安になるので掲載する方が良いでしょう。
最後にフルフィルメントチャンネルの選択で、発送方法と配送オプションを選択し「保存して終了」をクリックして完了です。
FBA納品の手続き手順
商品登録手順の最後で、フルフィルメントチャンネルの項目をFBA在庫にしておくと、続けて納品手続きが行えます。終了後に以下の画面が表示されるので、「保存して次に進む」をクリックしましょう。
危険物情報の提供画面が表示されるので、右下にある「危険物情報を追加」をクリックします。
電池情報・製品規制情報の2つを入力する画面が表示されるので、それぞれ入力します。
電池情報にチェックを入れると、詳細情報の入力が必要となります。
出品商品が危険物に該当している場合は、製品規制情報の項目で「はい」を選択する必要があります。該当するかは、危険物確認ガイドを参照してください。
参考:危険物確認ガイド
保存して次に進むと、納品プランの選択画面が表示されます。「新規納品プランを作成」と梱包タイプの「個別の商品」を選択し、「続ける」をクリックします。
出品する数量を入力する画面が表示されるので、数量を入力し「続ける」をクリックします。
次に表示される画面に「誰が梱包準備をするか」選択をする項目があります。すべてに適応・出品者が行う・Amazonに依頼の中から好きな方法を選択し「続ける」をクリックします。
Amazonに依頼する場合には、FBA梱包準備サービスを利用するため有料になるので今回はすべてに適応を選択していきます。
続いて「商品グループの選択」をしてください。選択したら先ほどの画像の「続ける」をクリックします。
次に、「ラベルの印刷」をクリックし、ラベルをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを開き、商品ラベルをプリンターで印刷して貼り付けます。注意点は、印刷用紙は普通紙ではなく、ラベルシールに印刷する必要がある事です。
貼り付ける際は、商品にバーコードがある場合はそれを隠すように貼ります。無い場合は、どこに貼っても大丈夫です。
外箱がない場合は、商品を緩衝材などで包み、その上に商品ラベルを貼ると良いでしょう。
ラベル張りが完了したら、先ほどの画面の「続ける」をクリックします。
続く画面で「承認して次へ」をクリックし。
次の画面で「納品作業を続ける」をクリックすれば、納品プランの作成が完了します。
次は、出品商品の梱包です。使用する段ボールは基本的にどのようなものでも大丈夫ですが、例外もあるので梱包要件を確認しておいてください。
参考:梱包要件
商品の梱包が終わったら、発送業者を選択します。「FBAパートナーキャリア」の中から「日本郵便」・「ヤマト運輸」・「他の配送業者」かを選択する事が出来ます。今回は「日本郵便」を選択する方法を紹介します。
次に、送る段ボールの数を選択し、
重量と寸法を入力し、「確認する」をクリック。
配達の見積もりで、「計算する」をクリック。
配達料が計算されるので、利用規約に同意して「請求額を承認」をクリック。
配達料は自身のアカウントから、自動的に引き落とされます。
配達ラベルをダウンロードし、印刷して段ボールに貼り付けます。印刷ラベルはPDFで2枚ダウンロードされます。宛名を記載したものは段ボールに貼り付け、もう1枚は配送票と併せて出荷してください。今回は普通紙で大丈夫です。
以上がFBA納品の手続き手順です。
FBA倉庫の電話番号は?記載がない理由と対応策を紹介
FBAの納品時に張り付けるバーコードラベルには、電話番号の記載がありません。下の画像を見ればわかるとおり、郵便番号・住所・フルフィルメントセンター名しか記載がないのです(納品画面にも電話番号の記載はありません)。
宅配便伝票には、必ず電話番号を記入する欄があります。電話番号がわからないと困ってしまいます。いったいどこを調べれば電話番号がわかるのでしょうか。
フルフィルメントセンター一覧を調査
Amazon公式のフルフィルメントセンターの一覧には、電話番号の記載がありませんでした。下の画像は、セラーセントラル・ヘルプページ内の配送・経路指定要件内の抜粋です。
表示されているのは、センター名・コード・住所のみです。
共通のフリーダイヤルを調査
共通のフリーダイヤルなら、表示されている可能性は高いです。調べてみると、Amazonのヘルプ&カスタマーサービスのページ内にありました。特定商品取引法に基づく表示に記載されています。
わかりにくいですが、Amazonサポートサービスのフリーダイヤルは記載されています。
FBA納品の納品時記載例
FBA納品を行うフルフィルメントセンターは全国に多数あります。以前は、フルフィルメントセンターを住所の近くに固定できるサービスがありましたが、終了してしまいました。現在は商品のジャンルごとに、指定されたフルフィルメントセンターに納品する必要があります。
フルフィルメントセンターは47か所あります。FCはフルフィルメントセンターの略です。氏名は納品時に書く宛名です。
例:Amazon川越FCの場合 | |
---|---|
郵便番号 | 〒350-1182 |
住所 | 埼玉県川越市南台1-10-15 |
氏名 | Amazon.co.jp NRT5 FBA入庫係 |
それぞれ名称・郵便番号・氏名を書きます。上記画像の安全ルール(川越FCの場合はNRT5)を記載します。
各FC倉庫毎に電話番号の記載がありますので、納品に対してわからないことがあれば、電話をしてみましょう。
Amazonでフリーダイヤル番号を案内しない理由
上記のようにAmazonはフリーダイヤル番号ですら、わかりにくい所に表示しています。なぜわかりやすいように表示しないのか、疑問に感じる人は少なくないでしょう。Amazonに問い合わせてみた結果が以下の画像です。
上のような理由から、Amazoはフリーダイヤル番号の露出を控えています。したがって、フリーダイヤルの表示場所は覚えておくと便利です。
FBA倉庫の直通電話番号は非公開
Amazonでは、フルフィルメントセンター各倉庫の直通電話番号は非公開です。その為、返品された商品の状態を確認したい場合は、テクニカルサポートを経由する必要があります。一例として下の画像は、テクニカルサポートを経由して、倉庫の商品状態の確認を依頼した時のものです。
メールは15通にも及び、大半のメールは確認中なのでしばらく待ってくれという内容です。しかも、解決までに1カ月半もかかっています。
上記の事より、Amazonの各倉庫では納品や発送の作業に集中している事が考えられます。倉庫で問い合わせに対応するだけの人員がいないとも考えられます。
24時間発送を可能にするために、FBA倉庫の電話番号は非公開にされている可能性が高いです。
FBA納品時の電話番号記入欄の書き方
FBA納品時の電話番号記入欄には、テクニカルサポートの電話番号を書くのが最適です。何か不都合があっても、テクニカルサポート経由で倉庫に連絡がいくからです。
Amazonテクニカルサポート 0120-899-543
また、多くの配送業者は、送り先の電話番号が未記入でも対応してくれます。
Amazonの疑問点を解決してくれるテクニカルサポートとは?
Amazonを利用していると、トラブルに見舞われたり、疑問に思う事が出てきたりします。そんな時は、Amazonテクニカルサポートに直接聞くのが一番です。
現代はネット上に情報が溢れているので、自分で調べれば解決策が見つかる場合もあります。しかし、調べた情報が正しいという保証はないので、直接Amazonに問い合わせる方が無難です。
しかし、Amazonテクニカルサポートの連絡先や問い合わせ方法を知らないという人は少なくありません。そんな人のために、以下ではAmazonテクニカルサポートへの問い合わせ手順を紹介していきます。
悩みを解決してくれるAmazonテクニカルサポート
Amazonテクニカルサポートは、出品者向けのサポートサービスです。わからない事があれば、些細な事でも電話やメール、チャットで相談に乗ってくれます。
出品の仕方からお客さんとのトラブルの解決方法まで、正確な情報を教えてくれるので便利です。
なお、テクニカルサポートの受付時間は次のとおりです。
・電話 9時~21時 365日対応
・メール、チャット 24時間 365日対応
最適な問い合わせ方法
テクニカルサポートの問い合わせ方法は、電話、チャット、メールの3つです。どの問い合わせ方法が一番良いのかは、利用する人や状況によって変わります。3つの方法の特徴を紹介していきます。
・電話
電話で問い合わせるメリットは、なんと言ってもリアルタイムで問い合わせができる事です。また細かい内容も伝わりやすく、安心して問い合わせが出来ます。ただし、電話回線が込んでいると繋がらない場合もあります。対応時間も決まっていて、時間外だと急を要していても問い合わせが出来ません。
・チャット
チャットを利用するメリットは、文章での問い合わせにもかかわらずリアルタイムで行える事です。会話が苦手な人などに向いています。また、やり取りの内容が文章に残せるので、再確認が容易です。ただし、細かい内容が伝わらない場合があるので、文章の書き方には注意が必要です。
・メール
メールのメリットは、24時間365日いつでも行える事です。また、チャットと違いリアルタイムではないので、じっくり考えながら文章を作成できます。ただし、返信が遅くなることがあり、問題解決まで時間がかかる可能性があります。急いでいる人には不向きの問い合わせ方法です。
以上のようにそれぞれに特徴があります。基本的には、電話で問い合わせれば早く、確実に問題解決が出来ます。しかし、電話が苦手な人もいますし、状況によっては問い合わせ出来ない場合もあります。自分に最適な問い合わせ方法を利用しましょう。
テクニカルサポートの活用例
Amazonで物販ビジネスを行っているとさまざまな問題が生じます。中には、テクニカルサポートにしか解決できない問題も存在します。例えば、以下のようなものです。
・取引をキャンセルしなければならない場合
取引をキャンセルするなら、テクニカルサポートに連絡するのが最適です。Amazonの取引で出品者側からキャンセルすると、購入者から悪評をつけられる可能性があります。自分に非がある時は仕方がないのですが、不可抗力を理由とする場合などは、サポートセンターが悪評の投稿を防いでくれる場合もあります。キャンセル時は、一度テクニカルサポートに連絡してみるとよいでしょう。
・悪評を消したい場合
Amazonで悪評をつけられると、様々なデメリットが発生します。購入者は悪評が付いている出品者を避けます。また、カートの取得率が下がったり、最悪の場合はアカウントの停止や閉鎖に繋がります。
デメリットだらけの悪評ですが、テクニカルサポートに連絡すると悪評を消してもらえる場合があります。それは、出品者側に非のない場合です。例えば、FBA発送が原因で商品に不備が生じた場合や、理不尽な購入者のクレームなどで悪評が付いた場合です。このような理由が認められれば、悪評を消すことが出来ます。自分のアカウントを守るためにも、テクニカルサポートを活用しましょう。
テクニカルサポートの問い合わせ手順
Amazonのテクニカルサポートに問い合わせる方法には、セラーセントラルから行う方法とセラーアプリから行う方法の2つがあります。セラーセントラルとは、Amazonで販売を行う際の管理画面の事をいいます。またセラーアプリは、セントラルセラーのスマホ版です。
■セラーセントラルの場合
セラーセントラルのトップ画面右上にある、「ヘルプ」をクリックします。
下にスクロールし、「サポートを受ける」をクリックします。
画面が切り替わったら、「Amazon出品サービス」をクリックします。
問題の説明を書き、「次へ」をクリックします。
すると、問題に関係する内容が自動的に表示されます。
■セラーアプリの場合
トップ画面の左上にある、三本線をタップします。
「セラーサポート」をタップします。
「出品者サポートにお問い合わせください」を選択します。
「その他の問題」を選択し、「その他のAmazonのサービス」をタップします。
「問題の詳細を伝える」を入力し「Eメールを送信」をタップします。
FBA納品時は送り先に電話番号を書くのが正解
この記事では、FBAやFC倉庫について詳しく解説してきました。
FC倉庫の電話番号は非公開なので、送り状にはAmazonテクニカルサポートの電話番号を書いておけばOKです。
また、多くの配送業者は、送り先の電話番号が未記入の場合でも配送してくれます。しかし、配送途中でトラブルがあった時のためにも、送り状にはテクニカルサポートの電話番号を書いておいた方が良いでしょう。