Amazonで販売をする際、FBAを利用すれば梱包・発送作業などをAmazonに代行してもらえるため、作業の大幅な効率化が図れます。
ただし、FBAの利用には手数料がかかります。扱う商品や取引量によってはFBAを利用することで利益が減ったり、赤字になるリスクもあります。
今回はFBAの魅力とリスクを解説します。
FBAとは?
FBA(fulfillment by Amazon)とは、Amazonの物流拠点であるフルフィルメントセンター(FBA倉庫)に商品を事前に納品しておくことで、商品の管理・注文処理・配送・返品を全てAmazonが代行してくれるサービスのことです。
ただし、FBAを利用するには注文前に商品を納品しておく必要があります。注文発生後にFBA倉庫に商品を納品することはできません。
何もしなくていいわけじゃない
ただし、FBA倉庫への納品や商品登録は自分でする必要があります。
FBAのメリット
FBAには「発送作業の手間が省ける」こと以外にもメリットがたくさんあります。主なメリットを3つ紹介します。
在庫を保管するスペースが不要になる
通常は仕入れた商品は自分で保管する必要があるため、そのためのスペース・倉庫が必要になります。
しかし、FBAを利用する場合だと事前にFBA倉庫に商品を納品することになるため、保管スペースを自分で用意する必要がありません。仕入れたそばからFBAに納品してしまえば、自宅が在庫で溢れることはなくなります。
梱包する手間が省ける
FBAは発送だけでなく梱包作業も代行してくれます。
しかも、Amazonは商品に合わせて最適な梱包方法を選んでくれます。例えば、小さい商品にはプチプチ入りの封筒を、大きな商品にはダンボールを使い、隙間がある場合は緩衝材も入れてくれます。素人がやるよりしっかりとした梱包になるため、配送途中に商品が破損する可能性が低くなります。
購入されやすくなる
同じ値段でも、自社発送とAmazon発送(FBA利用)とでは後者の方が購入率が高くなる傾向にあります。
理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は、FBAを利用すればAmazonプライムの送料無料サービスが利用できるからです。送料無料と表示されれば必然的に購入されやすくなります。
2つ目は、配達が早いことです。FBAから発送する場合、注文が発生した当日、遅くても翌日にはAmazon倉庫から発送されます。商品が早く届けば、顧客満足度も高くなります。
FBAのデメリット
しかし、FBAも良いことばかりではありません。主なデメリットを2つ紹介します。
商品状態がすぐには分からない
FBAを利用した場合、手元に商品が無いため、顧客から商品の状態について質問された時にすぐ答えられないというデメリットがあります。
出品までに時間がかかる
FBAを利用した場合、FBA倉庫への納品・受領の手続きが完了するまで出品することができないため、どうしても出品までに時間がかかってしまいます。
FBAを利用すると儲からないと言われる理由
FBAを利用すると儲からないと言われる理由は、手数料にあります。
FBAを利用するには、配送代行手数料と在庫保管手数料がかかるのです。もっとも、2019年2月に改定が行われ、現在は手数料が少しお得になりました。
配送代行手数料
配送代行手数料は商品の大きさや重量によって定められています。
2019年2月以前は、商品の大きさ・重量の区分が大雑把であったため、少し高く感じるという声も聞かれました。しかし、2019年2月の改定で商品の区分が細かくなったことで、特に小さい商品の配送代行手数料が安くなりました。
在庫保管手数料
在庫保管手数料は、商品の大きさと時期によって決まります。1~9月より10~12月の方が高く設定されています。
2019年2月の改定で料金が下がり、商品の区分が細かくなったため、以前と比べると保管手数料はお得になっています。
参考:2019年在庫保管手数料および長期在庫保管手数料の改定
AmazonのFBAに商品を納品する方法
FBAに納品するには、まず最初にAmazonの出品アカウントにサインインする必要があります。
サンインしてセラーセントラルを開いてください。
商品登録
FBAに納品する前に、商品登録が必要です。
セラーセントラルの「在庫」から「商品登録」を選択してください。
検索欄に「商品の型番」「JANコード」で出品したい商品を入力します。商品リストが表示されたら、自分が出品したい商品を探し選択してください。
出品者SKUをつける
商品を選択したら、まずはSKUを設定しましょう。SKUは商品の管理コードです。自分で設定しなくてもランダムで番号が割り当てられますが、在庫管理画面ではSKUの番号順に表示されるため、自分で設定した方が管理がしやすくなります。
必要事項の入力
あとは商品価格やコンディションなどの必要事項を入力しましょう。
商品のコンディションは、Amazonの規約に従って正確に入力してください。
フルフィルメントチャンネル
商品登録の最後に「フルフィルメントチャンネル」という項目があります。ここでFBAを利用するかの選択をします。「商品が売れた場合、Amazonに配送を代行およびカスタマーサービスを依頼する(FBA倉庫)」の方にチェックを入れてください。
FBA納品手続き
商品登録が完了したら、セラーセントラルの在庫管理をクリックしてください。
上記の手順通りに商品登録ができていれば、登録した商品が停止中(出品終了)として表示されているはずです。
FBAに納品したい商品にチェックを入れて、「在庫商品を納品/補充する」を選択してください。
納品プランなどを選択してFBA納品手続きしてください。
FBAで損をしない方法
Amazonで販売するならFBAを使った方が稼ぎやすいです。稼げないと言っている人は損益計算がきちんとできていないのです。
FBAの手数料の計算は確かに面倒ですが、FBA料金シミュレーターを使えば簡単に損益計算ができます。
FBA料金シミュレーターとは?
FBA料金シミュレーターは、商品価格や原価、FBA倉庫への送料を入力するだけで、出品手数料やFBA利用にかかる手数料などを自動で計算してしてくれるツールです。
これを使えば、出品する前に利益が出るかどうかを判断することができます。
FBA料金シミュレーターの使い方
まずはFBA料金シミュレーターのページを開いてください。
参考:FBA料金シミュレーター
商品名やASINコードで検索して、商品を選択してください。
下の方に代金の入力フォームが表示されるので、「FBA発送の場合」の列にある商品代金・Amazonへの納品料金・商品原価を入力して、下の「計算」ボタンをクリックしてください。
すると、出品手数料・FBA手数料が自動計算され、純利益・利益率が表とグラフで表示されます。
Amazon FBA Calculator Widgetを使えばもっと楽
Google ChromeでFBA料金シミュレーターを使用する場合は、拡張機能「Amazon FBA Calculator Widget」を導入すると便利です。
参考:Amazon FBA Calculator Widget
Amazon FBA Calculator Widgetを導入すると、ブラウザ右上にニコちゃんマークのようなアイコンが表示されます。
Amazonの商品ページでそのアイコンをクリックすると、自動でFBA料金シミュレーターのページが開き、勝手に商品情報が入力されて計算結果が表示されます。
FBAを利用しても儲けることは可能
FBAを利用すると手数料が発生するため、事前に損益を計算しておかないと損をする可能性があります。しかし、きちんと計算した上で利用すればむしろ稼ぎやすくなります。ぜひご利用ください。