アマゾンフレックスの評判って実際どうなの?口コミやメリットデメリットも紹介
手軽に始められる仕事として、アマゾンフレックスが注目されています。近年では、コロナ禍で会社の業績が悪化したために、会社を辞めてアマゾンフレックスを始めたという人もいるようです。
しかしアマゾンフレックスの実情を調べてみると、良くない口コミも目立っています。アマゾンフレックスを始めたことを後悔するような声も見られました。果たしてこのような口コミは本当なのでしょうか。
今回は、アマゾンフレックスについて掘り下げていきます。実際の仕事の進め方や報酬形態、そして実際に働いている人たちの声を元にして、アマゾンフレックスの評判について見ていきましょう。
アマゾンフレックスの仕事とは何か?
まずは、アマゾンフレックスの概要を説明します。アマゾンフレックスの仕事内容から報酬の仕組みについての理解を深めていきましょう。
アマゾンフレックスの仕事は荷物の配達業務
アマゾンフレックスとは、アマゾンが発送する荷物の配達業務を個人事業主が請け負うシステムのことで、2019年から本格始動しました。現在は都市圏を中心に展開されていて、対応エリアは徐々に広がっています。
働き方は配達を行うエリアと時間を自由に決められるものなので、空いた時間にできる副業として謳われています。
アマゾンフレックスの仕事の進め方
アマゾンフレックスで仕事を始めるには、まず専用アプリをダウンロードして登録を行う必要があります。その際に、自分が働きたいエリアと拠点にする集荷ステーションを選択することになりますが、エリアによっては新規でドライバーを募集していないこともあるようです。
登録が完了したら、アプリを使ってオファーを予約します。オファーの内容は配達を行うエリアと時間で構成されていて、アマゾンフレックスではこれをブロックと呼んでいます。ブロックを確認して希望するオファーを選択し受託したら、予約は完了です。
当日は集荷ステーションへ到着したら、アプリで配達する荷物を確認して車に積み込みます。あとはアプリにて表示されるルートに従って配達を行えば終了です。集荷ステーションに戻す荷物がなければ、そのまま帰宅することも可能です。
アマゾンフレックスの報酬と実例
一般的な宅配業務やデリバリーなどは、配達した荷物の数に応じて報酬が支払われる配送単価制となっています。
それに対し、アマゾンフレックスではあらかじめ取得したオファーのブロックによって決められているので、荷物の量は報酬に影響しません。例えば1つのブロックが5時間あったとして、配達する荷物が10個に満たない場合でも、時間いっぱいの報酬が支払われる仕組みです。
報酬は地域によって微妙に違います。5時間のブロックの報酬は関東では1万185円ですが、関西では1万円。愛知では9,550円とされています。
例えば、関東で5時間ブロックの業務を22日行ったとすると、1ヶ月の報酬額は22万4070円となります。
アマゾンフレックスに登録するために必要な事とは
アマゾンフレックスは誰でも始められる仕事ではありますが、登録する前に必要な物があります。また登録のための必須条件もあるので、そちらも確認しておきましょう。
事業用ナンバーが付いている軽貨物自動車が必要
アマゾンフレックスでは、事業用のナンバー(いわゆる黒ナンバー)を装着した軽貨物自動車が必要となります。黄色ナンバーの軽自動車では配達業務を行えないので、必ず黒ナンバーに付け替えなければなりません。
また、アマゾンフレックスに登録するときは車両に関係する以下の書類を撮影してアップロードする必要があります。
- 運転免許証
- 車検証
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 任意保険証券
上から3つは、自動車に乗る際は手元にあるはずのものなので、入手の手間は実質ゼロです。また、任意保険への加入は必須ですので、登録前に加入を済ませなければなりません。
これらの書類の内、「貨物軽自動車運送事業経営届出書」は馴染みがない書類ですが、黒ナンバーを取得する際に管轄の運輸支局に提出する書類でもあります。手続きの際に控えを渡されますので、それを使ってアマゾンフレックスに登録することになります。
20歳以上である事が必要
アマゾンフレックスへの登録は、20歳以上であることが条件です。免許証を取得したときの年齢が20歳以下であったとしても、登録の時点で20歳以上なら登録できます。
アマゾンフレックスアプリが使えるスマートフォンが必要
アマゾンフレックスの業務は、スマートフォンアプリ上でオファーの受託から荷物と配送ルートの管理まで全て行うことになります。そのため、アマゾンフレックスのアプリが正常に稼働するスマートフォンが必要です。
アマゾンフレックスアプリはiOS版とAndroid版の両方がリリースされているので、どちらのOSでもダウンロードできます。ただし、スマートフォンのモデルが古かったり、スペックが必要な要件を満たしていなかったりすると、アプリが正常に稼働しないことがあります。
アマゾンフレックスで働くメリット
アマゾンフレックスで働くことのメリットはこちらになります。
働く日や時間を自分で決められる
アマゾンフレックスは、自分でオファーを選択して業務を行うシステムなので、自分で働く時間を決めることができます。1つのオファーのブロックは最短で2時間からあるので、昼間の空いた時間や夜の仕事終わりにちょっと働くというやり方も可能です。
また、ガッツリ働く月や週を決めて、他の週では別の仕事をやったり自分の時間に充てたりする事もできます。希望するライフスタイルに合った働き方ができるのは大きなメリットです。
報酬は週払い
アマゾンフレックスの報酬の支払いは、月単位ではなく週単位で行われます。そのため、常にまとまったお金が手元にある状態を維持できます。月払い制のように、給料日前になるとお金がなくて困るということにもなりません。
人間関係でのストレスが少なく済む
人間関係に起因するストレスやトラブルのリスクが少ないことも、メリットの1つとなっています。
アマゾンフレックスでは、他人との接触機会は最小限になっています。集荷ステーションで他のドライバーと挨拶をするぐらいはあるでしょうが、荷物の積み込みはアプリに従って行いますし、配達を置き配指定にするお客も増えているので、人との関わりが大きなストレスになることは少ないです。
配達の遅れや荷物の破損などが生じた時にはクレームが来ることがありますが、そういったトラブルは配達業務がしっかりとできていれば避けられるはずです。また、クレームが発生したことで上司から叱責を受けるということもありません。
特別な技能や資格は必要なし
アマゾンフレックスを始めるにあたって必要な資格は、運転免許証に限られています。特別な技能や資格は必要ないので、登録のハードルは低いと言えます。運転する自動車も軽自動車ですから、多少不慣れでも運転しやすい大きさです。
仮に必要な能力があったとしても、それは経験を積み重ねる内に自然と身につくものになります。継続する心持ちさえあれば問題ありません。
アマゾンフレックスで働くデメリット
メリットがあれば、当然デメリットもあります。アマゾンフレックスで働くにあたってのデメリットを紹介します。
業務委託契約である
アマゾンフレックスで働くといっても、あくまでアマゾンと荷物配達の業務委託契約を結ぶことに終始します。アマゾンの社員になるわけではないことを承知しておかないといけません。
従ってオファーの予約を取らない限り、報酬は発生しません。また、規約に違反するような行動を行うとアマゾンフレックスとの契約を解除させられてしまいます。
報酬は一定以上にならない
上記で説明したように、アマゾンフレックスの報酬はブロックあたりで定められた金額になるので、オファーさえ取れれば一定以上の額は稼げます。それは同時に、一定額以上の稼ぎはできないことを示しています。
ブロックあたりの報酬は、荷物の数ではなく稼働予定の時間によって決められます。考え方によっては時給と同じです。仕事の内容を評価されて単価が上がるということが起こりません。昇級の見込みが無いとすれば、稼ぎを増やすには稼働時間を長くするしかありません。
しかし、アマゾンフレックスは肉体労働ですので、稼働時間を増やすには体力との勝負になります。仮に無理をして働いたとしても、体調を崩してしまえば元も子もありません。稼ぎを増やすには限度があることを理解しておく必要があります。
また、後述するデメリットによってこの稼ぎはもっと少なくなってしまいます。大きく稼ぎたいと考える人にとっては大きなデメリットです。
経費は全て自分で支払う
先ほど少し触れた稼ぎが少なくなるデメリットとは、経費は全て自分で支払わなければならないということです。
まず業務に必要な車やスマートフォンは、自分で用意しなければなりません。車は自分で購入するか、リース契約を結ぶかのどちらかになります。車に関係する出費は、他にガソリン代や駐車場代があります。また、オイル交換や法定点検などのメンテナンス費用もかかります。
最近ではカーリースの料金の中にメンテナンス費用を含むサービスも増えていますが、いずれにせよ月々の料金は自分持ちなので、月数万の出費がかかります。
スマートフォンに関しては、配達ルートのナビゲーションで常に通信し続けることになるので、通信費が必要です。
教育制度がない
アマゾンフレックスには、新人ドライバーを教育する研修が存在しません。登録の時点で仕事の進め方を説明する動画を視聴することにはなるのですが、登録が完了したらすぐに業務を開始できるようになっています。
はじめの内は、ナーサリールートといって慣れない人向けに荷物量が少ないルートが割り振られます。そのルートでの配達を行いながら、配達の手順やアプリの操作を学ぶようになっているようですが、人からやり方を教えてもらう機会はありません。
アマゾンフレックスドライバーの声
実際にアマゾンフレックスで働いている人たちの声を集めてみました。現場にいる人たちの声なので、アマゾンフレックスの実情が窺い知れるでしょう。
報酬と荷物の数が割に合わない
「報酬と配達する荷物の数を比べると、割に合わない」という声が多数上がっているようです。
例えば8時間の稼働時間に対して荷物が120個とすると、1時間あたり15個配達する計算になります。しかしこの時間は、集荷ステーションから配達エリアまでの移動時間を考慮していません。仮に配達エリアまで1時間かかるとしたら、配達に割ける時間は7時間です。1時間に17個以上配達しないといけません。
また、配達先がエレベーター無しの集合住宅では、階段を上り下りする必要があります。その時の荷物が重たいものだった場合、配達するときに時間がかかるばかりか体力も奪われてしまいます。
副業として始めるのはおすすめできない
「手軽に始められるからと言って、副業でやろうとするのはおすすめできない」という口コミもあります。
まず、副業で働きたい時間のオファーが空いていないことがあるようです。それでも粘ってオファーを予約できても、副業で稼働しているドライバーは配達や運転に慣れていないため全て配達しきれないケースになるという、負の連鎖です。
副業に関してはこんな口コミもありました。
アマゾンフレックスに登録するには、まず使用する自動車を手配しなければなりません。そのためにかかる費用は決して安くはないですが、始めてみたら自分とは合わなかったので辞めることになり、カーリースの契約期間だけが残ってしまったというケースです。
カーリースの途中解約は原則として不可能です。この点もよく考慮して、副業として始めるかを検討する方が良さそうです。
ドライバーが多い
コロナ禍以降、需要が高まり続けているネット通販のドライバーは安定した収入源になるとして、新たにアマゾンフレックスを始めた人が増えました。そのために「ドライバーの数が爆発的に増え、オファーが取りづらくなった」という口コミも出ています。
個人事業主という自覚を持って仕事をするべき
ここまではネガティブな口コミばかりでしたが、それに対する反論のような口コミもありました。「個人事業主として配達業務を請け負っているのだから、荷物の量に文句を漏らす前にできる限りの努力をする方が先ではないか」と。
実際に、大量の荷物を時間内に捌いて稼いでいるドライバーもいます。そういった方達に上手いやり方を教わるのも解決策の1つです。個人事業主として活動している以上、やり方も自分で考えて効率化させないといけないということですね。
アマゾンフレックスで働くときに覚えておきたい4つのポイント
最後に、アマゾンフレックスで働くときに覚えておきたい4つのポイントについて説明します。
ポイント1 便利グッズ
配達するときにあると業務がはかどるグッズをいくつか紹介します。
スマートフォン関連では、車に装着するタイプのスマートフォンホルダーと、シガーソケットから給電するタイプのスマートフォン充電器を用意しましょう。
配達中はスマートフォンのナビゲーションに従って走行するので、手で持たずナビを確認できるスマートフォンホルダーが必要になります。
また、業務中は常にアプリが動作し続けることになるので、スマートフォンの電池切れは防がないといけません。車から充電できる充電器があれば、一日中電池を保ったままにしておけます。
他には、集合住宅で複数の荷物を持ち出すときに使える台車や、日没後に荷物のラベルを確認するためのライトがあると便利です。
ポイント2 アーリーアクセス
アマゾンフレックスには、長時間稼働するドライバーには優先してオファーを受け取れるようにするアーリーアクセスという制度があります。この制度の対象者が取得できるオファーは30日先までとなるので、自分に都合がいいオファーがより取りやすくなります。
ポイント3 アカウントの停止を防ぐ
上記でも少し触れましたが、荷物の未配やオファーの直前キャンセルなど規約に反する行動を取ったドライバーは契約解除となってしまいます。アカウントの停止が通告されても、異議申し立ての結果、アカウントが復活した例もあるようです。しかし、停止している間はオファーを予約できないので、アカウントの停止は避けたいことです。
「予約したオファーはきちんと完遂させる」、これを行っていればアカウントの停止という事態を招くことはありません。
ポイント4 ナビはアマゾンフレックス以外も用意する
アマゾンフレックスのナビは地図が読みにくいという声もあり、中には自動車が通れない道をナビゲーションするという事例もあるようです。
ドライバーの中には、アマゾンフレックスアプリとは別のナビアプリを使用している人もいるようです。
アマゾンフレックスを続けられるかは人による
アマゾンフレックスについて深掘りしてきましたが、やはり実際に働いている人たちの声をみると、決してメリットばかりの仕事とは言えないのが実際のようです。誰でも始められる仕事とは言え、人を選ぶ仕事であるというのが結論とすべきでしょう。
しかしながら、宅配の仕事で歩合制ではないのは珍しい報酬形態です。時間内に終われば早帰りや直帰もできる宅配業務は他にないのではないでしょうか。この点に魅力を感じた方は始めてみてもいいかもしれません。少しでも不安に思われたなら、SNSなどに上がっている口コミをもっと深掘りしてみましょう。