日本とオーストラリアは昔から親交が深く、オーストラリア人の中には親日派が数多く存在します。日本からも観光やビジネス、留学でオーストラリアを訪れる人が多いので、日本とオーストラリア間で荷物をやり取りする機会も多いでしょう。そこで今回は、オーストラリアから日本との間で荷物を送る方法や送料について詳しくご紹介します。どの手段を選ぶかで送料もかなり変わってくるので、予算はもちろん、荷物の量や大きさ、配達希望日までの日数によって、うまく使い分けるのがおすすめです。ぜひ参考にしてください。
オーストラリアと日本間での荷物の送り方
まずオーストラリアと日本間で荷物を送る場合、どの運送業者を使えば良いかご紹介しましょう。
おすすめの業者は、日本からオーストラリアに送る場合は3社、オーストラリアから日本へ送る場合は2社あります。
日本からオーストラリアへ送る場合
日本からオーストラリアに荷物を送る場合、「日本郵便」「ヤマト運輸」「佐川急便」の3社がおすすめです。
海外へ輸送する方法としては、日本郵便がもっとも種類が豊富で、国際スピード郵便や国際小包、国際eパケットなど、送る荷物の重さやサイズ、日数、予算に応じて選べます。
ヤマト運輸は、自宅まで集荷に来てくれます。最大重量25kg、縦・横・高さ3辺の長さの合計160cmまで対応可能です。
佐川急便は、「飛脚国際宅配便」と銘打ち、国際配送サービスを行っています。一つのダンボールにつき最大50kg、3辺の合計260cmまで対応。複数小口で500kgまで送れるので、まとめてたくさんの荷物を送りたい場合に便利です。料金が500gごとに細かく設定されている点も、ほかにはない特徴です。
オーストラリアから日本へ送る場合
オーストラリアから日本に荷物を送る場合のおすすめは、「郵便局」か「CUBE iT!」です。
オーストラリアの郵便局は、平日に加えて土曜日の午前中も営業しているので便利です。日本への国際郵便は、最大1口20kgまで対応可能です。
CUBE iT!は聞き慣れないかもしれませんが、オーストラリアから日本へ限定で荷物を送ったり引っ越しサービスを提供したりしている会社です。36cm四方の指定の「キューブBOX」に一定料金で詰め放題のサービスや、45cm四方の「キューブGIANT」に20kgまで対応可能なサービスがあります。「キューブGIANT」については、追加料金を支払えば30kgまで送ることができます。サーフボードや自転車、ゴルフバッグを送るサービスもあるので、オーストラリアでレジャーを楽しみたい人にはうってつけでしょう。
関税について
オーストラリアに限らず、海外へ荷物を送る際には、基本的に関税がかかります。関税は、荷受けする側の国に納めます。つまり、オーストラリアから日本に送る場合は日本政府に、日本からオーストラリアに送る場合はオーストラリア政府に納税します。運送業者から送料とともに請求されるのが一般的です。
日本郵便でオーストラリアに送る場合
先ほどご紹介した運送業者を使って、日本―オーストラリア間で荷物を送る具体的な方法について、詳しく解説しましょう。
まず最初は、日本郵便を使ってオーストラリアに荷物を送る場合です。
国際郵便の種類
日本郵便で取り扱う国際郵便の種類は、EMS、国際小包、小形包装物、国際eパケット、国際eパケットライトと大きく5つに分かれます。
それぞれ、配送手段やかかる日数、送ることができる重さやサイズなどに違いがあるので、目的や予算に応じて使い分けましょう。
EMS(国際スピード郵便)
EMSとは、国際スピード郵便のことで、日本郵便の国際郵便サービスの中では最速で送ることが可能です。最大30kg、箱の大きさは、一辺が1.5m、幅と高さの4辺の胴回り(断面の周囲合計)が3mまでの荷物が送れます。
料金と日数の詳細は、下記のページから調べることができます。日数の目安は東京都内からなら3日です。他のサービスに比べると料金は高いですが、倍以上の速さで到着するので、急ぎの場合には便利でしょう。
また、国際間での荷物のやり取りは、どうしても荷物のステータスが心配になりますが、EMSには追跡サービスがあるので安心です。
参考:郵便局・EMS
参考:料金・日数を調べる
国際小包と小形包装物
国際小包は、最大30kgまで対応可能で、航空便、SAL便、船便の3種類から選択することができます。
航空便は飛行機を使うため、EMSほどではありませんが、国際小包の中では最速で届きます。
SAL便は航空便よりも遅いですが、船便よりは早く届きます。
船便は日数がかかりますが(1~3ヶ月)、急ぎでない場合は安く済むためおすすめです。
例えば、15kgの荷物をオーストラリアの首都特別地域に送る場合、
・EMS…3日(34,000円)
・国際小包
航空便…7日(31,200円)
SAL便…2週間前後(17,600円)(※2022/12現在 こちらの発送方法を停止しています。)
船便…2ヶ月前後(9,900円)(※2022/12現在 こちらの発送方法を停止しています。)
となります。
時間と料金を比較して、最もコスパの良い方法を選んでください。
参考:国際小包
国際eパケットと国際eパケットライト
国際eパケットは、2kgまでの比較的小さな荷物に限って日本からオーストラリアまで送ることができます。航空便扱いのため、早く到着する上、EMSより安いのが特徴です。100g/790円~2kg/3,070円となっています。
対応可能な大きさは、縦と横、高さの合計が90cm以内で、もっとも長い辺が60cm以内のもの。また、巻き物については、縦が104cm以内で巻いたときの直径が90cm以内のものです。
国際eパケットは、6,000円を限度に損害賠償がつきます。
国際eパケットライトは、重さやサイズなどは国際eパケットと同じです。SAL便のため時間がかかりますが、その分だけ安く送れます。具体的には、100g/690円~2kg/2,495円です。
参考:国際eパケットの料金表
ヤマト運輸と佐川急便
国内の宅配便でもお馴染みのヤマト運輸と佐川急便を使う場合について説明しましょう。
ヤマト運輸の「国際宅急便」の場合
ヤマト運輸は、国際宅急便というサービスで、世界200を超える国と地域にドア・トゥー・ドアで荷物を届けるサービスを行っています。
発送方法は、自宅での集荷か直営店持ち込みのどちらかになります。直営店に持ち込むと1品につき100円引きとなります。コンビニや宅配ロッカーは使えないので気をつけてください。また、国内宅配のように時間指定や届け日指定はできません。
参考:国際宅急便国別ガイド・オーストラリア連邦[Australia] ゾーン2
ヤマト運輸の料金と日数
ヤマト運輸の国際宅急便では、ボックスのサイズが縦・横・高さの合計が60cm以内、重さ25kgまで対応可能です。
具体的には、
・60cm以内2kgまで…2,750円
・160cm以内25kgまで…26,050円
日本郵便と比較すると
・120cm以内15kg…15,050円
となります。
所要日数は、最短(水曜日申し込み)で6日以内、最長(木曜日申し込み)で11日以内です。
日本郵便のEMSよりは遅いですが、国際小包とほぼ同じ速さで、料金が約7,000円安い計算になります。
佐川急便の「飛脚国際宅配便」
佐川急便では、世界220以上の国と地域への配送サービスを提供しています。ただし、個人の場合は「お客様コード」を取得していることが前提になります(下記ページ参照)。
利用したい時は、担当営業所に電話で申し込むと、担当セールスドライバーが集荷に来てくれます。ただし、海外に送れない商品がかなり細かく指定されているので、下記の「飛脚国際宅配便ご利用上の注意」をご参照ください。
参考:お客様コードの取得
料金
取り扱いサイズは、1品につき縦・横・高さの合計が260㎝以内、重さは50kgまでとなっています。料金区分が500gごとに細かく設定されており、15kgの場合は36,400円です。日本郵便やヤマト運輸と比べると割高ですが、日本郵便が30kg、ヤマト運輸が25kgまでしか取り扱いがないので、重い荷物を送る場合は便利です。
参考:料金表
オーストラリア郵便局
オーストラリアから日本へ荷物を送る場合について説明しましょう。
オーストラリアの郵便局の場合、日本への荷物は1個20kgまでの制限があるので、それを超える場合は複数に分けてください。
エコノミー
エコノミーは送料が最も安く、10.10ドルからとなっています。2022年12月14日現在でオーストラリアドルが1ドル=92.80なので、約937円~が目安となります。
最大重量が2kg以内、サイズは縦・横・高さの合計が140㎝以内で、日本郵便の国際eパケットと似たサービスといえます。荷物の追跡はできず、約15日くらいで日本に届きます。
スタンダード
スタンダードは、重量20kg、大きさが縦・横・高さの合計が140cm以内まで送ることができます。送料は18ドル(約1,670円)からとなっています。日本までの到着の目安は6~10日です。
5kgまでなら郵便局で売っている専用パッケージが、大・中・小・BOXと4種類あるので、手元に適当なケースがない場合は便利です。ただし、5kgを超える場合は自前のケースを用意する必要があります。
エクスプレス
エクスプレスは、いわゆる速達になります。重さ20kg、縦・横・高さの合計が140cm以内の長さの荷物が送れます。
郵便局で売っている専用パッケージがあり、
・小(500gまで)…38.50ドル(約3,572円)
・中(1kgまで)…49.50ドル(約4,593円)
・大(2kgまで)…71.50ドル(約6,635円)
・BOX(5kgまで)…106.0ドル(約9,836円)
です。
5kgを超える場合は、自前のパッケージに梱包することになります。
CUBE iT!(キューブイット)
日本海外引越協会(JIMA)の会員である「FAST LINK CUBE PTY」が提供する「CUBE iT!」は、オーストラリアから日本への荷物の運送や引っ越し業務を専門としたサービスです。
参考:CUBE iT!
日本人スタッフがいて安心
CUBE iT!は日本人スタッフが常駐しているので、日本語が通じる点が安心です。集荷に来てくれるうえ、ダンボールやテープなどを事前に届けてくれるサービスもあります。オプションで梱包作業も依頼できるので、荷物が多い場合や女性には特におすすめです。
「キューブBOX」と「キューブGIANT」
CUBE iT!では、「キューブBOX」と「キューブGIANT」の2種類のサービスが基本です。
「キューブBOX」は、縦・横・高さすべて36cmの専用キューブBOXに、重量制限なしで入れたいだけ詰め込んで230ドル(約21,344円)均一で送れるサービスです。本など重い物を送りたい時に便利でしょう。ただし、鉄材や石材などは送れません。
「キューブGIANT」は、縦・横・高さすべて45cmの専用キューブGIANTに20kgまでの荷物を入れることができ、1個につき250ドル(約23,200円)均一で送ることが可能です。キューブGIANTは、キューブBOXの約2倍の量が入ります。
くわえて、
・スーツケース1個250ドル(約23,200円)
※一人で運べる大きさであれば、大きさに制限なしで20kg までOK
・ゴルフバッグ1個250ドル(約23,200円)
・サーフボード1枚400ドル(約37,120円)
・自転車1台450ドル(約41,760円)
など、オーストラリアらしいユニークなサービスもあります。
お得セットもある!
「CUBE+CUBE SALE」と「パッケージ・スペシャル」の2種類のお得セット価格があります。
「CUBE+CUBE SALE」は、2個以上の荷物を送る場合で、1個目が「キューブBOX」「キューブGIANT」「スーツケース」のどれか一つを230ドルで、2個目が「キューブBOX」「キューブGIANT」「スーツケース」のどれか一つを220ドル、3個目が同210ドルと10ドルずつ安くなります。1個につき、重量は20kgまでの制限がありますが、1kg につき12ドル(約1,113円)追加すれば、30kgまでOKです。
「パッケージ・スペシャル」は、1個目が「キューブBOX」「キューブGIANT」「スーツケース」のどれか一つと、ゴルフバッグ・サーフボード・自転車との組み合わせで、ゴルフバッグを210ドル、サーフボードを320ドル、自転車を350ドルと若干安く送ることができます。
その他のおすすめポイント
日本への送料は、沖縄と離島を除いて全国一律です。何らかの理由で荷物をすぐに送れなくても、3ヶ月は無料で保管してもらえるので安心です。
オーストラリア国内で発行されたクレジットカードで決済する場合は、手数料がかかりません(日本国内発行のクレジットカードの場合は3%かかります)。
まとめ
オーストラリアと日本の間で、荷物のやり取りをする方法と送料などについてご紹介しました。
オーストラリアは日本との交流が深いため、今後もビジネスや観光、留学などで行き来する機会が多いでしょう。荷物を送る際には、ご紹介した中から目的や予算に合わせて最適なサービスを選択してください。時期によって価格やサービス内容が変更する可能性もあるので、よく確かめてから利用しましょう。