物販は、非常に人気の高いビジネスです。特にインターネットを活用した物販は初心者でも取り組みやすく、多くのユーザーに好まれています。また、さまざまなライフスタイルに合わせて働くことができるため、他に本業がある人や子育て中の人などからも高い支持を得ています。
ただし、ビジネスを成功させるためには、その利点と欠点についてよく理解しておくことが重要です。この記事では、物販の主な特徴と、失敗を避けるためのコツを紹介していきます。これから物販ビジネスを始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
物販を始める際の大まかな流れ
物販ビジネスを始めるには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここからは、物販の大まかな流れについて解説していきます。
品物を仕入れる
物販ビジネスを始める際には、まず品物を仕入れなければなりません。事前に市場の調査を行い、需要が高い品物を見極めましょう。仕入れ先には国内の小売店や卸売業者、海外のショップなど、いくつかの選択肢があります。その中から信頼性の高いものを選んでください。
また、家にある不用品を活用するという選択肢もあります。不用品を売りに出せば、新たに品物を仕入れる必要がなく、経費を削減できます。例えば、使用しなくなった家電や家具、着なくなった洋服など、需要がありそうなものを探して売りに出してみましょう。
販売先を決める
物販を成功させるためには、販売するプラットフォームの選択が重要です。ECサイトはそれぞれが異なるユーザー層をターゲットにしています。例えば、手作りの品やアート作品を販売するサイトには、オリジナリティーのある品物を求めるユーザーが集まります。一方、生活用品を取り扱うサイトには、趣味嗜好や年齢にかかわらず、幅広い層のユーザーが集まります。
つまり、品物の特徴に合わせた販売先を選ぶことが、売り上げを最大化するポイントとなります。どのプラットフォームを選ぶか検討する際には、まず取り扱う品物がどんな層のユーザーに求められているのかを調べましょう。
品物を売りに出す
品物を売りに出す際には、画像の作成や価格設定、説明を適切に行うことが重要です。これらの要素は、買い手が品物の購入を決めるうえで重要なポイントとなるからです。まず、画像は可能な限り高品質で、かつ実物にできるだけ近い色のものを選びましょう。併せて違う角度から撮影したものや、サイズ感が分かりやすいものなど、複数枚の画像を掲載してください。これにより、実際に使用する場面がイメージできます。
なお、画像だけでは伝わらない情報は、テキストで補足します。品物の特徴や使用感、材質、ニオイなどについて丁寧に説明し、情報を充実させましょう。
また、価格は相場を考慮し、競合の品よりも高すぎず、かつ安すぎない範囲で設定します。あまりに高額な価格設定では買い手の購買意欲を損ない、かといって安すぎると利益が減ります。相場の範囲内で、最大限の利益が見込める値段を設定しましょう。
物販の長所
物販は、他のビジネスに比べてどんな点が優れているのでしょうか？ここからは、物販の長所について、詳しく解説していきます。
初心者でも取り組みやすい
物販ビジネスを始める際、何か特別な資格や許可が必要なのではないかと不安になる人もいるのではないでしょうか？しかし実際には、物販を始めるにあたり、特別な資格や許可は基本的には必要ありません。
たしかに、扱う品物によっては、無許可での販売が禁止されているケースがあります。例えば、食品や中古品を売りに出したい場合は、しかるべき手続きを行って許可を取ったり、資格を取得したりしなければなりません。しかし、それ以外のものに関しては、特別な資格がなくても売りに出すことができます。
また、ビジネスを始めるにあたり、特別なスキルや経験を必要としないという点も大きな魅力です。たとえ初心者でも、基本的な知識さえ身に付ければ大きな失敗をすることなく、ビジネスをスムーズに進めることができます。
ライフスタイルに合わせて自由に働ける
物販は、自分の生活スタイルに合わせて柔軟に働ける点が魅力です。例えば、朝型の人は早朝に作業を行ったり、夜型の人は夜遅くに作業を行ったりなど、自分が活動しやすい時間を選んで働くことができます。また、自宅やカフェなど、場所に縛られることがなく、旅行中や移動中でも自由に業務を行うことが可能です。
上記のように、時間や場所にかかわらず自由な働き方ができるため、本業や家事、育児などでまとまった時間が取れない人でも、効率的に稼ぐことができます。
資金に余裕がなくても始められる
実店舗を構える場合には、家賃や光熱費など、多額の初期投資が必要です。しかし、ネット上でビジネスを行う場合は、これらのコストが必要ありません。そのため、必要最低限の資金さえあれば始めることができます。
しかも、ネット上での物販であれば、かなり小規模からでも始めることができます。その結果、品数が少なくてもビジネスが成立し、倉庫を借りる必要がありません。自宅の一角などで品物を管理することができます。
物販の短所
物事にはよい面もあれば、当然、悪い面もあります。では、物販における悪い面とは一体どんな点でしょうか？ここからは、ビジネスの短所について詳しく解説していきます。
競合が多い
買い手は、同じ品物を複数の店舗で比較し、最も安い価格のものを求めます。そのため、競合の売り手が多いジャンルでは、価格競争が頻繁に発生します。競争が激化すると、売り手はできる限り価格を下げて、顧客を得ようとします。その結果、相場価格が下落し、利益率が低下します。
価格競争を避けるためには、品物に独自の付加価値を付けることです。例えば、他の売り手よりも丁寧な対応を心がけたり、他よりも早い対応を売りにしたりなど、他の選択肢では得られない魅力があることをアピールしましょう。
調査に時間がかかる
物販ビジネスにおいて、リサーチは非常に重要です。世間の需要を把握し、適切な品物を選定するためには、多くのデータを分析しなければなりません。また、より確実に稼ぎを上げるためには、競合ユーザーの動向を調査し、価格の設定やビジネスの戦略についてよく考える必要があります。
上記のような作業は、非常に手間と時間がかかります。必要な情報を見つけるため、精神的にも肉体的にも負担が大きくなるのです。
ルール違反になるケースがある
物販を行う際には、各プラットフォームの利用規約や法律を守る必要があります。特に、規約はプラットフォームごとに内容が異なり、無視するとアカウントの凍結やサービスの利用停止などの処分を受ける可能性があります。サービスの利用を始める前に、あらかじめどんな規則があるのかを確認しておくことが重要です。
併せて、販売する品物が法律に違反していないかも確認する必要があります。特に、著作権や商標権の侵害に関しては注意が必要です。例えば、ブランド品の偽物を販売してしまった場合は、偽物であると知らなかったとしても罰則の対象となります。トラブルに巻き込まれないようにするため、仕入れの際には信用できるショップを利用するようにしてください。
悪いイメージを持たれる場合がある
物販ビジネスは、しばしば転売やせどりと混同されることが多く、その結果、悪いイメージを持たれることがあります。近年では、不正行為や迷惑行為を伴う転売行為が横行しており、ネガティブな印象が先行しているためです。そのため、たとえ真っ当なビジネスとして物販を行っていたとしても、家族や知人には公表しにくいと感じる人は少なくありません。
自由に使える資金が増えにくい
物販ビジネスでは、利益が発生しても、そのうちの何割かは再び仕入れに回さなければなりません。また、ビジネスの規模が拡大するにつれて、一度に必要とされる仕入れの額が増加します。
上記のような特徴があるため、ひと月の稼ぎが増えても、それに比例して必要とされる投資額が増えていきます。その結果、自由に使える資金がなかなか増えないという状況に陥りがちです。
ビジネスを成功させるコツ
せっかく物販を始めるのであれば、なるべく失敗は避けたいところです。では、トラブルを避けるためには、一体どんな点に注意する必要があるのでしょうか？ここからは、リスクを回避し、ビジネスを成功させるためのコツについて解説していきます。
需要の高い品物を扱う
物販ビジネスで成功するためには、需要の高い品を見つけることが重要です。世間のトレンドをよくリサーチし、それに合った品物を選びましょう。この際、販売先として用いているECサイトは、よい情報源となります。ランキングなどを参考に、人気を集めている品物の特徴を分析してみてください。
丁寧な説明を心がける
買い手は画面越しに品物を見て購入を決めるため、丁寧な説明が必要不可欠です。例えば、家電製品を販売する際には、品物の基本機能はもちろん、性能の良し悪し、付属品などについて詳細に記載することが求められます。
また、文字による説明だけでなく、画像でイメージを伝えることも重要です。複数枚の画像を掲載するよう心がけましょう。
複数の決済方法が利用できるようにする
買い手は利便性の高いECサイト、または、売り手を好みます。そのため、いかに快適に買い物ができるかが、競争に勝つポイントとなります。
快適に買い物をしてもらうためには、決済方法の種類を充実させることが重要です。複数の決済方法を提供することで、買い手は自分の都合のよい支払い方法を選択できます。その結果、より快適に買い物をすることができ、高い満足感を得ることができます。
安く仕入れられる品を選ぶ
品物の売り値は、相場価格を参考に設定します。そのため、同じ品物であれば、仕入れ時の値段が異なっていても、売り値は変わりません。つまり、最大限の利益を出すためには、できる限り安い値段で仕入れることが重要となります。複数の仕入れ先を比較し、より安く手に入れられる手段を選びましょう。
買い手の立場に立って考える
物販ビジネスを成功させるためには、常に買い手の立場に立って考えることが重要です。自分が買い手だったら、どんなサービスを求めるのかという視点で考えれば、自ずとすべきことが見えてくるはずです。需要のある品選びや迅速な配送、丁寧な対応など、買い手の視点に立って、どんなサービスを提供すべきなのかを考えてみましょう。
迅速な対応を意識する
品物の購入を考えている買い手に対しては、できるだけ迅速に対応するよう心がけてください。大抵の場合、買い手は競合の売り手の品にも関心を持っており、より安いほう、便利なほうを選ぼうとしています。対応が遅れると競合の売り手に顧客が流れ、取り引きの機会を逃します。
データの分析をする
物販ビジネスを成功させるためには、リサーチが重要であることはもちろんですが、それと同様に売り上げのデータ分析も欠かせません。売れた品物の傾向から買い手の好みなどを分析し、今後のビジネスをどう進めていくべきかを考えましょう。
ビジネスの特徴を理解すれば失敗のリスクを最低限に抑えることができる
物販ビジネスは、リスクが少なく初心者でも気軽に始められる点が魅力です。ECサイトを活用すれば、特定の店舗を構える必要がなく、自宅でも作業を行うことができます。
しかし、物販ビジネスには、当然デメリットも存在します。例えば、同じ品物を扱うライバルが多ければ、価格競争が激化して利益が減ったり、調査のために多くの時間を費やす必要があったりなど、さまざまな課題があります。これらの問題をどう解決していくのかが、成功へのカギとなります。
大切なのは、ビジネスの特徴をしっかり理解することです。物販ビジネスでは、販売する品物の選定や仕入れ、在庫管理、買い手への対応など、多くの要素が結果に影響します。買い手に喜んでもらうためにはどう行動すべきなのかをしっかりと把握し、計画的に進めることで、失敗のリスクを最小限に抑えることができます。
