最近CMや広告で見かけるようになったHisense(ハイセンス)やHaier(ハイアール)、Xiaomi(シャオミ)などの電化製品メーカーをご存知ですか?実はこれらの製品は全て中国のメーカーです。
以前は中国メーカーというと「安かろう悪かろう」の製品だらけだったのですが、今は圧倒的な安さと高品質を両立した“高コスパ”な商品がどんどん増えています。
ですから、Amazonや楽天で中国の電化製品の取り扱いも多くなっていますし、日本でのサポート体制も非常に良くなってきています。
そうなると、それほどまだ日本で有名ではないものの海外で高い評価を得ていたり、デザインが良かったり、めずらしい機能を持っていたりする他の中華家電も使ってみたくなりますよね?
今は海外の製品をネットで簡単に買って輸入することができるので、試してみたいという方も非常にたくさんいらっしゃいます。しかしいざ購入するとなると「買って日本で使えなかったらどうしよう?」と心配になってしまいます。
そこで今回は中国の電化製品をどのように日本で使えるようにできるのかをご紹介していきます。この記事を参考にしてぜひ中華家電の魅力を満喫してください。
中国の220V対応の電化製品を日本で使うには?まずはコンセントプラグの形状を確かめましょう
中国の電気製品を購入する際にまずチェックすべきなのは、コンセントの形状です。
日本のコンセントはA型で統一されているのでコンセントの形を気にする必要はまずありません。しかし、世界中では主なコンセント形状は8種類もあります。
そして広大な面積をもつ中国国内では、なんとそのうちの7種類ものコンセントの形状が使われているんです。
そのため、電化製品についているコンセントプラグの形状も様々ですので、日本で使えるかどうかを知るためにはまずそこを調べる必要があります。
ではこれから中国で主に使われているコンセントプラグの種類をご紹介していきます。
【220V対応の電化製品を日本で使う】B/C型のコンセントプラグ
中国で良く見かけるのはB型とC型のコンセントプラグです。
参考:日章工業株式会社
日本のように縦型の穴に対応したものではなく、2つの丸い穴が横に並んでいる形状のコンセントに対応したプラグです。B型もC型もほとんど同じように見えますが、B型のプラグの方が少し太くなっています。
購入しようとしている電化製品にこのタイプのコンセントプラグがついている場合には、変換プラグを使用して日本のコンセントに差し込めるようにする必要があります。
逆に日本の電化製品を中国で使う場合はどうでしょうか?中国ではコンセントの差し込み口がB型/C型の場合、A型のプラグを差し込む穴も開いている場合が多いのでそのまま差し込むことができます。
しかし、日本の電化製品を中国でそのまま使ってしまうと壊れる可能性がありますので注意が必要です。
これは後で詳しく説明していきます。
【220V対応の電化製品を日本で使う】O2型のコンセントプラグ
また中国では上に1本縦の平型のピンが付いており、その下に平型のピンが2本“逆ハの字”についているO2型のプラグも使われています。
この“逆ハの字”になっている2本のピンのみ通電しており、もう一本のピンは感電防止のためのアースとして機能しています。やはりこれも日本のコンセントには直接差し込めませんので、変換プラグを使用する必要があります。
中国では大抵はコンセントの差し込み口はB型/C型とO2型が一緒になっていますので、基本的には日本のA型コンセントプラグを指せる可能性が高いです。
しかし差し込み口がO2型のみだったり、もしくはB型/C型が使われていて空いていない場合などには変換プラグが必要になりますので、中国への旅行の際には念のためにO2型への変換プラグも準備しておくと安心です
【220V対応の電化製品を日本で使う】A型のコンセントプラグ
中国では日本と同じA型のコンセントプラグも使用されています。
この場合には日本でも問題なく使用することができますので安心です。
中国に行った際には「万能コンセント」に注意しましょう!
これは主に中国でコンセントを利用する場合の注意になります。中国には延長コードなどに「万能コンセント(万能插座)」というコンセント差し込み口が付いている場合があり、これまでに紹介したA/B/C/O2型のどれでも差し込むことができるようになっています。
非常に便利なのですが、実は安全性に問題があり発火の危険性が非常に高いために2016年に販売が禁止された・・・という代物です。
参考:国际电工86型插板万能一开八孔十孔插座面板8孔多功能10A16A通用-阿里巴巴
ですから中国に行った際には十分に注意して「万能コンセント」は使わないようにし、下の写真のように2又のプラグと3又のプラグの差し込み口が完全に分離しているものだけを使用した方が無難といえます。
参考:国际电工86型插板万能一开八孔十孔插座面板8孔多功能10A16A通用-阿里巴巴
中国の電化製品の電圧と周波数
コンセントのプラグをチェックした後に注意すべきなのは電化製品の対応電圧(V)と周波数(Hz)です。
どのように見れば良いのでしょうか?
中国と日本の電力事情の違い
まず中国では家庭用コンセントに来ている電気の電圧は220V(ボルト)、周波数は50Hz(ヘルツ)に統一されています。
それに対して日本はというと、家庭用コンセントの電圧は世界で一番低い100Vで統一されており、周波数は西日本が60Hz、東日本は50Hzとなっています。(静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を結んだラインを境にして変わります。)
まず電圧についてですが、中国の220V対応の製品をそのまま日本で使用しても壊れる心配はありません。ただし、消費電力が大きい家電などは電圧が低いと動かなかったり、動きが悪かったりする可能性があります。
逆に日本の100V対応の製品を中国でそのまま使用した場合には、電化製品は熱を発したりショートしたりして壊れる可能性が非常に高いです。壊れるだけではなく、火花等で火傷をしたり、発火して火事になったり、その建物の電気設備が壊れたりして賠償問題に発展する可能性もありますので決してそのまま使用することがないようにしてください。
次に周波数ですが中国の製品は50Hz対応となっていますので、東日本で使用する場合には問題ありません。しかし、西日本で使用した場合には本来の性能が発揮されない場合や故障の原因になる場合もありますので、注意が必要です。
電圧や周波数が違う場合にどうすれば良いのかは次の項目で説明していきます。
電圧や周波数が住んでいる場所に対応していない場合どうすれば良いのか?
海外の電化製品が日本の電圧では正常に動かない場合や、関西に住んでいて家庭用の電気の周波数が60Hzの場合にはあきらめるしかないのでしょうか?
それぞれの場合について詳しく説明していきます。
電圧の違いは変圧器で解決することができる
先ほどもお伝えしたとおり日本の電圧は世界の中で最も低い100Vに設定されていますが、海外で使われている電圧はそれよりも高くなります。電圧の違いは機械にとって非常な負担となり、故障や発火の原因にもなりますのでとても危険です。
ですから、日本国内で海外の電化製品を安全に使うためには「変圧器」が必要になります。
変圧器はトランス(またはトランスフォーマー)とも呼ばれており、電圧の高さを変換してくれる機械になります。高い電圧から低い電圧に変換してくれるものを「降圧変圧器(ダウントランス)」といい、主に日本の電化製品を海外で使う時に必要になります。
また、その逆で低い電圧から高い電圧に変換してくれる変圧器もあり、これは「昇圧変圧器(アップトランス)」と呼ばれています。海外の電化製品を日本で使用する場合に必要になるのはこの昇圧変換機になります。
その他に電圧を上げることも下げることもできる「昇圧降圧切替式変圧器(アップ/ダウントランス)」というものもあります。全ての変圧器に言えることですが、一度に使える電気の容量によって値段が変わってきます。容量が小さいものは安く、大きいものは高くなります。
周波数の違いはどうすれば良いのか?
次に周波数について説明していきます。結論から言うと周波数は変圧器では変換することはできず、別途「周波数変換器(コンバーターまたはインバーター)」が必要になります。(変圧器と一体になっている機器も販売されています。)
選ぶ際に注意したいのは家庭用電源で周波数変換器を使用する場合には交流電源(AC)を交流電源(AC)に変換するタイプものを購入する必要があるということです。というのは周波数変換器には他にも直流電源(DC)を交流電源(AC)に変換するものや、その逆で交流電源(AC)を直流電源(DC)に変換するものもあるからです。
中国の電化製品の周波数は50Hzに統一されていますが、日本は東日本が50Hzで西日本は60Hzです。ですから中国の電化製品を東日本で使う場合には問題ありません。
しかし西日本で使う場合にはAC50HzをAC60Hzに変換してくれる周波数変換器が必要になります。
参考:三相 インバータ 2.2kW 220V 単相入力 三相出力 VFD 可変周波数ドライブ 簡単小型 AT1-2200X
ただし、製品によっては上の写真のように50Hzにも60Hzにも対応しているものもありますので、その場合には周波数変換器は必要ありません。この周波数変換器にも一度に使用できる電気の容量によって値段が変わってきます。
最後に1点付け加えたいことがあります。それは“電化製品によっては対応周波数が違っていてもそのまま使えるものもある”ということです。
例えば、テレビやラジオ、エアコン、掃除機、電気ストーブなどは周波数が違ってもそれほど支障なく使える可能性が高い製品になります。
しかし、冷蔵庫や洗濯機、扇風機などモーターを使用した製品に関しては動作に影響があり、性能が変化する場合がありますし、電子レンジや蛍光灯などそのまま使うことができない可能性が高い製品になります。
どの製品が周波数の違いに対応できるのかを詳しく知りたい方は、東京電力のホームページや家電会社のホームページなどに書かれている情報をご覧ください。
参考:TEPCO
参考:SHARP
もちろん製品メーカーが推奨していない使用方法に関しては何が起きても全て自己責任になりますので、十分にご注意ください。
電化製品の消費電力(W)をチェック
中国の電化製品を日本で使うために最後に確認したいのは「消費電力(W)」です。
中国の電化製品を日本で使用する場合には、この消費電力(W)に対応した容量を持つ変圧器や周波数変換器を使用する必要があります。
これらの機器を選ぶ際に注意したいのは、特に変圧器に言えることですが、購入する際には製品の消費電力(W)ピッタリか少し超える程度の容量ものではなく、消費電力容量に十分余裕があるものを選びましょう。
30分以内など短い時間の使用であれば容量に余裕がなくても問題ない場合が多いですが、長時間連続使用する場合や熱を発する製品を使用する場合、またモーターを内蔵する製品などを使用する場合には機器に負担がかかりすぎてしまいます。
そうなると危険ですし、機器の寿命を著しく縮めてしまうことも考えられます。各メーカーの説明書をよく読んで、使用する電化製品に適切なものを選ぶようにしてください。
どのように選ぶことができるかは後でさらに詳しく説明していきます。
中国の220V対応の電化製品を日本で使うには?日本で使えない可能性がある電化製品とは?
中国の220V対応の電化製品の中には変圧器や周波数変換器を使用しても日本で使えない可能性があるものも存在します。それはなぜでしょうか?
日本の一般的な家庭に供給されている電気は、1コンセントあたり「100V/15A」(100ボルト/15アンペア)になります。
使用できる電力量(W)は「電圧(V)×電流(A)」で計算できますので、1コンセント当たりで使える電力量は以下のようになります。
100(V)×15(A)=1500(W)
昇圧変圧器はあくまでも電圧(V)だけを上げるもので、使える電力量が1500W以上になるわけではありません。ですから、海外の電化製品で使用電力量が1500Wを超えるものに関してはブレーカーが落ちてしまい使うことができないのです。
ではどんな製品は使用でき、どんな製品は使用できない可能性があるのかをご紹介していきます。
中国の220V対応の電化製品:日本で使える製品の例
日本の一般家庭のコンセントで使えるのは、基本的に消費電力が1500W以内の製品になります。例として使える製品と目安の消費電力をご紹介します。
製品 | 消費電力の目安 |
---|---|
スマートフォン | 15W (充電時) |
テレビ | 50-250W (大きなサイズではそれ以上) |
デスクトップパソコン | 150-300W |
ノートパソコン | 50-150W |
ミキサー | 100-200W |
冷蔵庫 | 150-500W |
加湿器 | 300-500W |
洗濯機 | 200-900W |
ドライヤー | 600-1200W |
掃除機 | 1000-1200W |
同じ製品でもメーカーによって消費電力が違う場合がありますので、中国の220v対応電化製品を使用する際は参考として考えてください。
中国の220V対応の電化製品:日本で使えない可能性が高い製品の例
使えない可能性が高いのは消費電力が1500Wに近い、もしくはそれ以上の製品で、安全に製品を使用するための電力的な余裕が取れなかったり、もしくは正常に動かなかったりする可能性があるものになります。例を紹介していきます。
製品 | 消費電力の目安 |
---|---|
電子レンジ | 700-1500W |
アイロン | 1200-1400W |
乾燥機 | 1200-1400W |
ホットプレート | 1300W |
食器洗浄機 | 1200-1300W |
ランニングマシン | 1000-3000W |
電気オーブン | 1200-2000W |
IH調理器 | 3000W |
主に熱を発する製品やモーターで動く製品などが多数を占めています。日本の1500Wのコンセントでは電力量が不足し、安全に使用できない可能性が高い製品です。
消費電力が大きい製品をどうしても使いたい場合は?
オフィスや工場などのコンセントは業務用の機械に対応している場合が多いので、消費電力が大きい海外の製品も変圧器や周波数変換器を介して使用できる場合があります。
また、最近ではIH調理器やエアコン用に200Vのコンセントを後から設置できるような設備になっている家も多くなってきました。
そのような設備が備わっているのであれば簡単な電気工事をして比較的安価に(1万円前後~)で200Vの専用コンセントを設置したり、ブレーカーから直接電源をとったりすることによって1500W以上の製品を使用できるようになります。
それぞれのご家庭によって工事内容が変わってきますので、詳細については専門の業者にお問い合わせください。
正しい変圧器の選び方
ではこれから正しい昇圧変圧器(アップトランス)の選び方をご説明していきます。
(1)海外の製品が対応している電圧(V)を調べる
まず商品を購入しようと思っている国で使われている電圧(V)を調べましょう。中国であれば220Vで統一されています。
そして欲しい商品があった場合には、製品の本体や説明書についている仕様欄をみて、製品が対応している電圧に220vがあるかもチェックします。
参考:yoycart.com
製品が「AC100-240V」対応だった場合には、変圧器は必要ありません。
(2)消費電力(W)を確認する
次に製品が対応している電圧(V)と消費電力(W)をチェックします。
参考:1688.com
この消費電力(W)が変圧器の容量を選ぶ際の基準になります。
同時に製品の周波数とコンセントプラグの形状もチェックして、それぞれに変換器が必要かどうかも考えておきましょう。
(3)変圧器の種類と容量を選ぶ
日本の100Vの電源で使えるようにするためには「昇圧変圧器(アップトランス)」を選びます。
参考:楽天市場
選ぶ際には変圧器の電気使用可能容量が重要です。連続して30分以上製品を使用する場合や、熱を発する製品である場合には、基本的に製品の使用電力の1.25倍~1.5倍の容量を持つ変圧器を選ぶ必要があります。
さらにモーターを使用した製品の場合には、使用電力の2倍以上の容量を持つ変圧器を選んでください。
もちろんメーカーによって変圧器の性能も違いますので、購入の際には使用上の注意をよく読んでから適切な容量の変圧器を購入しましょう。
まとめ
この記事を通して中国の電化製品を日本で使うにはどうしたらいいのかが分かっていただけたと思います。
大型の製品の場合には変圧器や周波数変換器、変換プラグなど全てそろえるとそれなりの金額になってしまうので、手が出しにくいかもしれません。
しかし、電子機器(パソコンやスマホ、タブレットなど)はほとんどの場合変圧器も変換機も必要ありません。また、消費電量が低い商品などは変圧器や変換機も安価に手に入れることができるでしょう。
オリジナリティ豊かな中国の電化製品を使えば、あなたの生活ももっと楽しいものになるはずです。この記事を参考にして、ぜひあなたも中華家電にチャレンジしてみてくださいね!