組成表示とは?衣服の表示ラベルについて知ろう!

「組成表示とは何か?」
「表示者名とは?」
「衣服の表示ラベルの見方は?」

衣服の取り扱いについて知ろうとしている方はこのような悩みをお持ちではないでしょうか?

組成表示とは何かご存知でしょうか?服を選ぶ時にはデザインや着心地を重視する人が多いですが、意外と組成表示や表示ラベルに書かれた内容も衣服を選ぶ時のポイントになります。

そこでこの記事では以下の内容について解説していきます。

  • 組成表示とは
  • 表示者名について
  • 衣服の表示ラベルの見方

表示ラベルには衣服の取り扱いや洗濯方法など、大切な情報が記載されています。表示ラベルについて知ることで、購入する時や洗濯する時の失敗を減らすことができますよ。

目次

衣服は素材表示を見てから購入しよう

日本では「家庭用品品質表示法」という法律に基づいて、衣服に表示ラベルを縫いつけることが義務づけられています。これを見ることで消費者である私たちは、「どのように洗濯すればいいのか?」「乾燥機にかけて問題ないのか?」といった衣服の取り扱い方法を、あらかじめ知ることができます。

購入してから、「洗濯機で洗えない服だった・・・」「干し方を間違って、型崩れしてしまった・・・」といった失敗を防ぐためにも、購入前に必ず表示ラベルを確認するようにしましょう。

表示ラベルの見方を理解しよう

表示ラベルには「繊維の組成表示」「取り扱い絵表示」「はっ水性表示」「付記用語(取り扱い注意事項)」などの情報が記載されています。また衣服の分かりやすい位置に縫いつけるなど、外れないように取り付けることが法律で定められています。

表示ラベルは消費者を衣服のトラブルから守るためのものです。洗濯する時だけではなく、衣服を購入する時も表示ラベルを見て、その衣服の特徴や取り扱い方法を理解しておくことが重要です。また、表示ラベルだけではなく、販売員にも衣服の取り扱いについて確認してから購入するのがおすすめです。

組成表示とは?

組成表示とは「この衣服がどんな素材から作られているか」を百分率で示したものです。表生地と裏生地、衿や袖など、部分毎に異なる素材を使っている場合は、それぞれ百分率で表示されます。

例えば「表生地 綿100% 裏生地 ナイロン 80% アクリル20%」といった表記になります。

組成表示の混用率

混用率とは、複数の繊維を用いた衣服の、それぞれの繊維の割合のことです。表示方法は大きく分けて、2通りあります。

1.全体表示

製品に用いられている繊維を、製品全体に対する百分率で表示する方法

表示例

2.分離表示

製品の部分毎に、それぞれの繊維の百分率を表示する方法。分け方に明確な決まりはないが、表生地、裏生地、衿、袖など、消費者に分かりやすい表示にする必要がある

表示例

混用率の許容範囲は?

混用率には許容範囲が定められています。つまり、表示される混用率にどのくらいの誤差が許されるかということです。

表示が100%の場合、毛であれば-3%以内、毛以外であれば-1%以内となっています。他にも細かい規定はありますが、総じて誤差5%以内と厳しい規定になっています。

組成表示の特殊な表示

組成表示には、いくつか特殊な表示も見られます。

1.「○○%以上」「○○%未満」の表示

繊維のいずれか1種類の混用率が80%を超える製品は、その繊維を「%以上」、その他の繊維をまとめて「%未満」と表記することができる。

表示例

2. 10%未満の繊維が2種類以上含まれる場合

混用率が10%未満の繊維が2種類以上含まれる場合、それらの繊維を合計した%で表記することができる。

表示例

3.列記表示

・ブラジャーや靴下、水着、帽子など、百分率の表示が難しい製品

・混用率が5%以上の繊維が4種類以上含まれる製品

は列記表示が認められている。列記表示には百分率の表示が不要で、下の2通りのどちらかで表示される。

①混用率の大きい繊維から、順に表示

表示例

②混用率の大きい繊維から2つ以上表示、その他の繊維を「その他の繊維」あるいは「その他」とまとめて表示

表示例

4.裏生地の列記表示

裏生地を使用している コートやズボン、スカートなどの製品は、表生地の表記と分けて、裏生地のみ列記表示ができる。

こちらも百分率の表示は不要で、下のどちらかで表示される

①混用率の大きい繊維から、順に表示

②繊維が3種類以上の製品は、混用率の最も大きい繊維のみ記載し、他の繊維は「その他繊維」あるいは「その他」とまとめて表示

表示例

表示者名とは?

表示者名とは、その製品に対する責任の在り処を明確にするための表示です。表示ラベルを記載した人の氏名(名称)住所もしくは電話番号の表示が必須となっています。

表示例(縫い付けラベルのみで表示の場合)

表示例(縫い付けラベルと下げ札を組み合わせた表示の場合)

表示者名のチェックポイント

中には表示ラベルに表示者名を記載しない悪徳業者もいます。また、社名と住所のみの記載で、電話番号の記載がない会社も多いのが実情です。消費者に対する説明責任を果たすという点から見れば、電話番号を記載してしかるべきですが、残念ながら電話番号を表示していないケースも多く見られます。逆に電話番号が記載されている業者は説明責任を果たそうとする、信頼のおける業者と言えるでしょう。

洗濯表示について知ろう

洗濯表示とは、衣服の洗い方や干し方、アイロンの温度やクリーニングの可否などを示した、いわば「衣類の取扱い説明書」です。

購入してからのお手入れのことを考えると、衣服を洗濯する前だけではなく、購入する前にチェックするのがおすすめです。洗濯表示を確認してから洗濯することで、型崩れや色落ちを防ぐことができ、衣服を長持ちさせることができます。

2016年12月から新しい洗濯表示に

日本の洗濯表示は2016年12月以降に生産される衣服から、新しい表示に変更になっています。今までの日本語表記は廃止され、世界共通のマークになったことで、誰にとっても分かりやすい表示となりました。

主な変更点は以下の通りです。

・記号のデザインが新しくなった

基本の記号に線「-」や点「・」、数字などを組み合わせる形になった

・記号の種類が増えた

新しい記号が増え、より細かい表示になった

・表示は取扱い方法の上限を示すようになった

表示よりも強い作用や温度で取り扱うと、衣類にダメージを与える可能性も

・参考情報は簡単な用語で追記されるようになった

例 「洗濯ネット使用」→洗濯用ネットに入れてから、洗濯

ただし、2016年12月以前に作られたものは旧表示のため、しばらくは新しい表示と古い表示が混在することになりますので、注意して下さい。

新しい洗濯記号の意味は?

今までのマークでは「洗濯機洗い」は長方形、「手洗い」は洗濯桶で表示されていました。それに対して、新しい記号は洗濯機でも手洗いでも洗濯桶のマークとなっています。

・洗濯桶の下の横棒は水流の強弱を表しており、横棒が多いほど水流を弱くする必要があります。

・洗濯桶の中の数字は「液温の上限」です。例えば、洗濯桶の中の数字が「30」なら、洗濯に使う水は30℃以下にする必要があるということです。

液温が高い方が汚れは落ちやすくなりますが、衣類にダメージを与えたり、色落ちしたりする可能性があるので注意して下さい。

洗濯処理記号 (100番台)

従来表示新表示
番号図柄番号図柄意味
160 液温は60 ℃を限度とし、洗濯機で処理が出来る
102161 液温は60 ℃を限度とし、洗濯機で弱い処理が出来る
150 液温は50 ℃を限度とし、洗濯機で処理が出来る
151 液温は50 ℃を限度とし、洗濯機で弱い処理が出来る
140 液温は40 ℃を限度とし、洗濯機で洗濯出来る
103141 液温は40 ℃を限度とし、洗濯機で弱い処理が出来る
104142 液温は40 ℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い処理が出来る
130 液温は30 ℃を限度とし、洗濯機で洗濯出来る
131 液温は30 ℃を限度とし、洗濯機で弱い処理が出来る
105132 液温は30 ℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い処理が出来る
106110 液温は40 ℃を限度とし、手洗いができる
107100 家庭での洗濯禁止

新しい漂白記号の意味は?

旧マークでは三角フラスコの形をしていた漂白記号ですが、三角形のマークに変更されました。

記号の種類も「塩素系漂白剤が使える」「塩素系漂白剤が使えない」の2種類のみだったものが、「塩素系漂白剤が使える」「酸素系漂白剤が使える」「漂白できない」の3種類になりました。

漂白処理記号 (200番台)

従来表示新表示
番号図柄番号図柄意味
201220塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白ができる
210酸素系漂白剤の使用はできるが塩素系漂白剤は使用禁止
202200塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止

新しい乾燥記号の意味は?

従来は衣類の形でつり干しか平干しか、日陰で干すかといった表記のみでした。新しい表示は四角形になり、縦線がつり干し、横線が平干しを意味しています。

また乾燥機の普及にともない、「タンブル乾燥」のマークが新しく作られました。タンブル乾燥とは、衣服を熱とともに回転させて乾燥させる方法です。コインランドリーの乾燥機や近年人気のドラム式乾燥機もこのタンブル乾燥に該当します。

乾燥処理記号:タンブル乾燥(300番台)

従来表示新表示
番号図柄番号図柄意味
320タンブル乾燥ができる(排気温度上限80 ℃)
310低い温度でのタンブル乾燥ができる(排気温度上限60 ℃)
300タンブル乾燥禁止

乾燥処理記号:自然乾燥(400番台)

従来表示新表示
番号図柄番号図柄意味
601440つり干しがよい
602445日陰のつり干しがよい
430ぬれつり干しがよい
435日陰のぬれつり干しがよい
603420平干しがよい
604425日陰の平干しがよい
410ぬれ平干しがよい
415日陰のぬれ平干しがよい

衣類の干し方の種類

つり干し・・・ハンガーなどにかけて、つって干す方法

平干し・・・平らなところに広げて干す方法

ぬれ干し・・・洗濯機の脱水を使わない、手で絞らない方法

陰干し・・・直射日光が当たらない日陰で干す方法

なお、新しい洗濯表示では従来あった「絞り方」のマークは廃止されています。

絞り方記号

従来表示新表示
番号図柄番号図柄意味
501
502

新しいアイロン仕上げ記号の意味は?

アイロン仕上げ記号の形は従来とほぼ変わりません。温度の高さの表記は「低」「中」「高」という日本語表記から、点「 ・ 」の数での表記に変わりました。点の数が多いほど、温度が高いことを表しています。

アイロン処理記号(500番台)

従来表示新表示
番号図柄番号図柄意味
301530底面温度200 ℃を限度としてアイロン仕上げができる
302520底面温度150 ℃を限度としてアイロン仕上げができる
303510底面温度110 ℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる
304500アイロン仕上げ禁止

クリーニングに関する表示について知ろう

洗濯表示の中には、クリーニングに関する表示も含まれています。ドライクリーニングとウエットクリーニングの2種類の表示です。

ドライクリーニングに関する表示

パークロロエチレン及び石油系溶剤による、ドライクリーニングができる

パークロロエチレン及び石油系溶剤による、弱いドライクリーニングができる

石油系溶剤による、ドライクリーニングができる

石油系溶剤による、弱いドライクリーニングができる

ドライクリーニングはできない

ウエットクリーニングに関する表示

ウエットクリーニングとは、有機溶剤を使わず、特殊な技術で水洗いするクリーニング方法です。

ウエットクリーニングができる

弱い操作による、ウエットクリーニングができる

非常に弱い操作による、ウエットクリーニングができる

ウエットクリーニングはできない

表示ラベルのその他の表示

衣服の表示ラベルには、今まで紹介してきた以外にも表示されていることがあります。表示ラベルの他に下げ札という形での表示もあるので、注意して下さい。

はっ水性の表示

はっ(撥)水性とは、水をはじきやすい性質のことです。レインコートなどはっ水性を持つ製品に表記されます。

法律で定められた処理を行った上で、試験で規定水準以上のはっ水度があると認められた場合に「はっ水(水をはじきやすい)」あるいは「撥水(水をはじきやすい)」という表記が可能になります。

表示例

その他の付記用語

付記用語とは、表示ラベルだけでは伝えられない重要な情報を表記した下げ札のことです。単に短い文章を表記したもの、「取扱い上のご注意」という形で長文になったものなどもあります。

細かい字で書かれていることも多いので見逃しがちですが、製品の特徴や取扱いについて書かれた重要な情報なので、購入前には必ず確認するようにしましょう。

表示ラベルを理解して、かしこく買い物しよう

表示ラベルは2016年12月以降の生産分から、従来の記号とは大きく変わり、新しい記号も追加されました。最初は戸惑うことも多いと思いますが、表示ラベルの意味についてしっかりと理解して下さい。

購入前に表示ラベルを確認するようにすれば、かしこくお買いものをして、お気に入りの洋服を長く楽しむことができるようになりますよ。

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この記事を監修した人

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