今回は、ebayで禁止・規制の対象となっている製品についてです。
ebayで輸入・輸出を行う際、様々な法律や条約、ポリシーが絡んできます。
ポリシー違反を繰り返すと、アカウントの停止に繋がってしまいます。
具体的にどんな製品が対象となるのか詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
ebayの販売ポリシーを確認しよう
ebayでは国や州の法律・条例に基づき、出品ポリシーを設定しています。
そのため、日本では簡単に転売することのできる商品であっても、ebayでは出品が禁止されている場合があります。
例えば、アメリカの場合は中古の衣類に対して、厳しい規制がされています。
中古品であることを明記した上、必ず清掃(クリーニング)を行う必要があります。
その他にも、意外に思える禁止品が多くありますので、ebayで出品する際の参考にしてみてください。
eBay出品禁止品
ebayで禁止・規制されている製品
参考:Prohibited and restricted items 及び eBay prohibited and restricted items
ここでは、具体的にどんな商品が出品禁止となっているのか、紹介していきます。
- アダルト商品(Adult)
- アルコール類(Alcohol)
- 生き物、剥製および象牙(Animals and wildlife products)
- 芸術品(art)
- 工芸品、歴史的価値のある品 (Artifacts)
- サイン入りの商品(Autographed items)
- 触媒コンバーター、テストパイプ(Catalytic converter and testpipes)
- 携帯電話(無線)のサービス契約(Cell phone (wireless) service contracts)
- 募金をつのるような出品(Charity and fundraising)
- 下着、靴下(Clothing, used)
- その他、契約を伴う出品(Contracts)
- 偽装通貨、切手(Counterfeit currency and stamps)
- クレジットカード、デビットカード(Creditcards and debit cards)
- クーポン(Coupons)
- 通貨(Currency)
- 電子配信商品(Digitally delivered goods)
- 麻薬と麻薬道具(Drugs drug paraphernalia)
- 電子機器-ケーブルテレビのデスクランブラー、レーダースキャナー、交通信号制御装置など(Electronics equipment – examples include cable TV de-scramblers, radar scanners, and traffic signal control devices)
- 禁輸品と禁止国キューバからの商品(Embargoed goods and prohibited countries – examples include items from Cuba)
- チケット(Event ticket)
- 銃器、武器、ナイフ、唐辛子スプレー、レプリカ、スタンガンなど(Firearms, weapons, and knives – examples include pepper spray, replicas, and stun guns)
- 食品(Food)
- ギフトカード (Gift cards)
- 政府文書、ID、ライセンス(Government documents ID and licenses)
- 政府、輸送、輸送関連。マニュアルやユニフォーム、米国郵政公社の郵便袋など(Government, transit, and shipping-related items – examples include airplane operations manuals, subway employee uniforms, and U.S. Postal Service (USPS) mailbags)
- 危険物質、規制物質。バッテリー、花火、冷媒など(Hazardous, restricted or regulated materials – examples include batteries, fireworks and refrigerants)
- 遺体、体の部位(Human remains and body parts)(Human)
- 特定の国での配布のみを目的としたCDなど、米国への商品の輸入(Importation of goods into the US – examples include CDs intended only for distribution in a certain country)
- 違法行為を奨励する商品。メタンフェタミンの作成方法についての電子書籍など(Items encouraging illegal activity – examples include an eBook describing how to create methamphetamine)
- ピッキングツール(Lockpicking devices)
- 宝くじ、抽選権、コンテスト出場権など(Lottery tickets , Chance listings)
- メーリングリスト、個人情報(Mailing lists and personal information)
- マネージドペイメント登録者は、マネージドペイメントの禁止リストに記載されている商品(Managed payments restricted items)
- クーポン(Coupons)
- 医薬品、医療機器、ヘルスケア商品。処方薬、コンタクトレンズ、ペースメーカー、手術器具など(Medical drugs, devices, and healthcare – examples include prescription drugs, contact lenses, pacemakers, and surgical instruments)
- マルチ商法、ピラミッド商法、マトリックスプログラム(Multi-level marketing, pyramid and matrix programs )
- 攻撃材料。人種差別の攻撃材料、ナチスの記念品など(Offensive material – examples include ethnically or racially offensive material and Nazi memorabilia)
- 農薬(Pesticides)
- 植物と種子(Plants and seeds)
- 警察関連の商品(Policerelated items)
- 複製品を含む政治的な記念品(Political memorabilia (reproduction))
- 送料メーター(Postage meters)
- 禁止されたサービス(Personal relationships and services)
- 不動産(Real Estate)
- リコールされた商品、健康や安全上の問題を引き起こす可能性のある商品(Recalled items )
- 株式、およびその他の証券(Stocks and other securities)
- スロット(Slot machines)
- 盗難品(Stolen property)
- 監視機器、盗聴装置、電話盗聴装置など(Surveillance equipment – examples include wiretapping devices and telephone bugging devices)
- 煙草(Tobacco)
- 旅行(Travel)
- 使用済みの化粧品(Used cosmetics)
- 雑草(植物と種子を参照)(Weeds(see plants and seeds))
いかがでしょうか?
ここで注意してほしいのは、上記の商品全てが禁止品というわけではないということです。
一部商品は、規制されている内容に抵触しない範囲で出品することができます。
知的財産権を侵害する製品
ebayでは、前項で紹介した商品の他に、知的財産権や商標権を侵害している商品も禁止しています。
具体的には、VeROプログラムというものがあり、違反している商品をebay側が削除することができます。
財布や衣類のブランドから、電子機器やキャラクター商品など、様々な商品が対象となり、
何度も禁止品をeBayに出品していると、アカウントを停止される場合もあるので注意が必要です。
eBayのVeROプログラムに関しては下記サイトから確認することができます。
ポリシー違反を繰り返した代償
eBayを利用している方にとって、一番困るのは「アカウントの停止」でしょう。
eBayでアカウントが停止されてしまうと、どんな品も出品することができず、取引中の購入者との連絡さえとれなくなってしまいます。
ポリシー違反が原因でアカウント停止に至った場合、アカウントが再び使えるようになる可能性はほぼ0に等しいです。
同時に、アカウントの再取得もできなくなってしまいます。
逆に言うと、ポリシー違反としてアカウントが停止になったが、全て「冤罪」だった場合は、停止が解除される可能性があります。
しかし、商品が削除される際に警告を受けるため、誤って停止されることは殆ど無いでしょう。
ワシントン条約で規制が行われている
また、ebayに限ることではありませんが、輸出の規制としてワシントン条約というものがあります。
ワシントン条約は、貴重な資源の輸出入を制限する条約です。
主な対象となるのは、ワニ革をつかったバッグなどの製品や、ギターを始めとした楽器に使われている木材などです。
ワシントン条約の対象となる製品
ワシントン条約で規制となっている具体的な品は以下のとおりです。
- ローズウッド(木材)※ブラジリアンローズウッド
ローズウッドという木材は、ギターやベースをはじめとする木製の楽器に多く使われています。
楽器類を出品する際は、木材の種類をしっかりと確認しましょう。しかし、全てが輸出ができないわけではありません。
輸出をするための許可証を申請し、受理された場合は輸出することができます。 - ワニ革
ワニ革を使用した製品は、規制の対象となっています。
また、同様にトカゲの革も規制の対象となっています。
これもローズウッドと同様に、許可証の発行を受けた場合は輸出できます。 - 象牙
近年、違法取引が多い象牙も規制の対象となっています。
アクセサリーや置物、種類を問わず、象牙を使用している場合は全てが対象となります。
また、象牙も許可を受けることで商品として輸出することができます。
ローズウッドとはどんな木材か
実はこの「ローズウッド」という木材がワシントン条約の対象となったのは、ごく最近のことです。ローズウッドとはギターであれば、指板部分によく使われているインド原産の木材で、ベースやその他木管楽器にも多く使われています。
ワシントン条約では2017年1月からローズウッド全種について、国際間取引の制限対象となり、非常に多くの製品が影響を受けていました。
現在は2019年11月より内容が改定されたため、ブラジリアンローズウッド以外のローズウッドの楽器や楽器部品については輸出入が可能となっています。
ブラジリアンローズウッドを使用した楽器は今も制限対象なので、全面的に輸出不可ではありませんが、輸出には申請手続きが必要です。
国内のメーカーやブランドなどの大きな会社にとっては、申請が必要になっても「多少の手間」程度で済みますが、個人のビジネスで輸出を行おうとすると非常に手間がかかってしまいます。
ebayに出品すること自体は規制の対象となりませんが、商品を発送する際に書類が揃っていないと、税関で戻ってきてしまいます。
楽器は送料も高くつきますし、余計な出費をしないためにも、事前に申請を行ってから出品するようにしましょう。
また、申請には時間がかかるため、購入者の要望ですぐに発送しないといけない場合になっても対応できるように準備が必要です。
個人での申請は、ノウハウがないと多くの手間と時間がかかります。
しかし、逆転して考えてみると、競合相手が少ない市場でもあるということです。
楽器についての知識があり、英語での申請も難なく行えるようであれば、挑戦してみてもよいかもしれませんね。
こんな物がワシントン条約に抵触した
意外な商品が、規制の対象になっている場合があります。
今回は例として、しばしば転売の対象として話題に上がる「高級腕時計」の話をします。
高級ブランドの腕時計は、多くの方が転売に利用しています。
しかし、そんな時計もワシントン条約によって輸出できない場合があります。
その原因は「ベルトの材質」です。
ベルトには金属や布など、様々な素材が使用されていますが、中にはワニ革を使用したベルトも存在しています。
それを知らずに輸出しようとすると、税関で止められて商品が戻ってきてしまいます。
時計のベルトは小さいから問題ないだろう、と思う方もいるかもしれませんが、立派な条約違反となってしまいます。
ベルトを付け替えて輸出するか、許可証を受けない限りは輸出できません。
ワニ革のベルト部分が純正であった場合は、付け替えることで大きく商品価値を下げてしまいます。
かといって、輸出許可証の交付を受けるには非常に時間と手間がかかり、基本的に個人で行えるものではありません。
多くの場合は外注で専門とする方にお願いして、書類を揃えてもらいます。
書類が揃うまで最低でも1ヶ月程はかかる、と見込んでおいたほうがよいでしょう。
そのため、ワニ革を始めとしたワシントン条約で規制を受けている商品の転売はあまりおすすめできません。
しかし、多くの方が書類を揃える手間を嫌うので、競合相手は少なくなります。
手間を惜しまずに申請を行える場合は、対商品を専門として転売を行うのもよいかもしれません。
日本の関税法について知る
ebayで輸出する際に気をつけたいのは、ワシントン条約だけではありません。
日本から輸出する場合、「関税法」という法律によって規制されている製品があります。
故意でなくても、輸出をした場合は処罰の対象となってしまうので、注意が必要です。
詳しくは財務省のHPから確認することができます。
また、輸出に関してはその他にも法令によって規制されている製品があります。
こちらもしっかりと確認しておきましょう。
参考:財務省(5501 税関で確認する輸出関係他法令の概要)
日本で輸出禁止になっている製品
当然のことではありますが、日本の法律によって輸出が禁止されているものは、販売をすることができません。
- 麻薬
- 向精神薬
- 大麻
- あへん
- けしがら
- 覚せい剤
- 児童ポルノ
- 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、育成者権を侵害する物品
- 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品
多くは、所持していること自体が違法となるものです。
また、偽物などのコピー品なども対象となるため注意してください。
詳しくは下記サイトから確認してください。
輸入を行う際の注意点
ebayを使って転売ビジネスを行う上で注意してほしいことがあります。
それは「輸出」だけでなく、「輸入」にも禁止されているものや規制を受けているものがある、ということです。
海外で安い製品を見つけた際、多くの場合は転売するために輸入しようとしますよね。
しかし、その輸入しようとした製品が禁止・規制の対象だった場合、時には罰則を受けてしまうこともあるので、注意が必要です。
そもそも、輸入・輸出する際に「禁止されている製品」と「規制されている製品」の違いとは何か?ここで整理してみます。
- 禁止されている製品
どのような場合でも、輸入・輸出共に禁止されている製品を指します。
「輸入・輸出許可証」なども存在せず、全面的に禁止となっている製品です。
殆どの場合、所持しているだけでも違法となるため注意が必要です。 - 規制されている製品
基本的には、輸入・輸出共に禁止されている製品です。
殆どの場合は、「輸入・輸出許可証」の交付を受けることで、購入・販売が可能となります。
しかし、時期やタイミングによっては交付が受けられないこともあり、全面禁止となる場合もあります。
輸入・輸出許可証の交付を受けるには、非常に長い時間と多くの手間がかかります。
そのため、一人で申請を行うことはおすすめできません。
また、その他にも
個人使用に限り輸入可
などの条件が課せられている製品もあります。
個人使用に限るとは、転売(ビジネス)が目的で輸入してはいけない、ということです。個人で輸入する際も、転売が目的の場合は規制の対象となります。
一般的には税関によって
- 輸入回数
- 一度に輸入する量
などでビジネス目的か、個人使用目的かを判断されます。
同じ商品を短期間に何度も輸入している場合、同じ商品を大量に輸入した場合などは規制の対象となります。
しかし、現状では厳密な線引きがされているわけではないようで、時期とタイミングによっても対象となるか否かが、分かれてしまう状態です。
それに比べ、日本から輸出する場合の法規制は非常に緩いものとなっています。
なぜなら、荷物の詳しい検査は日本の税関ではなく輸送先の税関で行われるからです。
形式上、日本の商品を購入した外国の方が「輸入した責任」をとる、という図になっています。
だからといって、輸送先で規制を受けそうな商品を輸出して構わない、というわけではありません。
そういった「グレーゾーン」な取引は、できる限り避けたほうがよいでしょう。
購入者がどんなクレームを入れてくるかわかりませんし、信頼できない取引先として噂になってしまうかもしれません。
こういった、法律・条例・条約などは、ebayを使う上で必ず必要な知識となります。
もちろん外注化を行い、調査してもらうこともできますが、知識として知っていて損はありません。
コピー品の販売
コピー品、偽物の販売は、輸入や輸出に限らず犯罪です。
ebayで偽物の商品を出品すると、アカウント停止の処分を受けてしまいます。
たとえ偽物だと知らずに仕入れ、販売を行った際も同様です。
「知らぬ存ぜぬ」は通らないということです。
そのためにも、商品を仕入れる時から本物かどうかをきちんと確認するようにしてください。
また、本物の商品であっても、文面や写真などから誤って、偽物であると判断される場合があります。
その場合は、ebayのサポートへ連絡を入れることで、出品規制等が解除されます。
国によって禁止・規制品は大きく異なる
輸入規制や輸入禁止の対象となる製品は、国や州によって大きく異なります。
そのため、販売先として狙う国の輸入ポリシーは事前に確認することが必要です。
輸入に関する情報は、日本で言う財務省に当たる機関のHPに記載されている場合が多いです。
国ごとに調べるのは大変ですが、日本郵便のサイトでは分かりやすく情報がまとめられています。
詳しく調べたい際は、国別の情報を参照する必要があります。
各国の禁止・規制品を調べる方法
販売した商品が輸出され、販売先の国へ入ると、そこからは販売先の国の法律や条例が適用されます。
前項で述べたように、輸入規制製品を詳しく調べたい際は、国別の情報を参照する必要があります。
購入した方が「購入したのに、商品が税関を通過できなかった」ということにならないように、対象となる製品を販売する場合は、予め調べておきましょう。
具体的に調べる方法は、日本貿易振興機構(ジェトロ)のHPを参照すると良いでしょう。
HPからは以下のように、国別や地域ごとの情報を詳しく調べることができます。
また、簡易的な情報であれば、運送会社のHPにもわかりやすく掲載されています。
例として、以下はクロネコヤマトのヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社のサイトです。
参考:ヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社(アメリカへ輸出する際の注意事項)
禁止・規制品のチェックシートを作る
国によって禁止・規制されている製品が異なるため、販売を行う上でのチェックリストを作成することをオススメします。
- 日本の禁止・規制品に該当しないか、確認する
- (オークション形式の場合)落札者になりそうな方の国の禁止・規制品に該当しないか確認する
- 落札者の国が、禁止・規制の対象となる国だった場合、落札者にその旨を伝え、対処法を話し合う
事前に準備をしておくことで、柔軟な対応を行うことができます。
購入者のことを大切にする対応を続ければ、評価があがり、商品も売れやすくなります。
アダルトジャンルは判断が難しい
厳密には禁止・規制されていない製品でも、避けたほうが良いジャンルがあります。
それは「アダルト関連」の商品です。
アダルト関連といっても、アイドルの写真集なども含まれています。
アダルト製品は、具体的な規制の基準が明確にできないため、どんな商品が規制を受けるか分かりません。
そのため、とばっちりを受けないためにもebayでは、アダルト関連は取り扱わないようにしましょう。
配送の方法によって規制品が異なる場合
禁止・規制されていない商品でも、輸出できない製品も存在します。
それは「配送会社の規定」が原因です。
日本は島国ということもあり、海外へ商品を輸出する際は、ほとんどの場合空輸となります。
飛行機で運ぶために、多くの製品が規制を受けています。
日本郵便で取り扱いできない製品
配送会社の規定とは別に、郵便局にも規制が定められています。
郵便局からは国際郵便などの国際サービスがあり、ebayを利用する方は使用する機会があると思うため、ぜひ参考にしてください。
最近特に問題となっているのが、「リチウム電池」を含む製品です。
国際郵便でのリチウム電池の取り扱いは、
- 機器に取り付け又は機器に内蔵されていること
- リチウムの内容量又はワット時定格値等が一定限度内であること
- リチウム電池の数量制限(単電池の場合は4個、組電池の場合は2個)の範囲内であること
- リチウム電池の輸入を制限していない国・地域宛て等に差し出すこと
といった、詳しい条件があります。
- 火薬類
- 引火性液体
- ガス類
- 可燃性物質
- 酸化性物質
- 毒物
- 放射性物質
- 腐食性物質
- 麻薬類
- 生きた動物
- わいせつな物品
などは、国際郵便では送ることができません。
(上記の品は、他の配送会社でも扱わない場合が多いです)
詳しくはこちらのサイトから確認することができるので、国際郵便の使用を考えている方は一度、目を通しておきましょう。
配送会社で取り扱いできない製品
配送会社(ヤマトや佐川など)を発送に利用する際には、各会社によって禁止・規制品が異なりますので注意が必要です。
例として、SAGAWAの飛脚国際宅配便での取り扱いができない品は以下のようになっています。
- 化粧品(石鹸や口紅など)
- 文書・雑誌(ポルノ関連の製品、再発行不可の文書)
- 動植物
- 食品(腐敗しやすいもの等)
- 貴重品(現金や証券、重要文化財など)
- 危険品(引火性のもの、ライター、エンジン、マニキュア、香水)
- 化学品(薬、劇薬など)
- 知的財産権を侵害するもの(偽造通貨、模造品など)
- ワシントン条約に抵触するもの
- 楽器、タバコ等、その他
いかがでしょうか?
危険の少なそうな、マニキュアや香水、楽器類なども取り扱っていません。
このように、運送会社によって取り扱いできない品が異なるため、発送する際は十分に注意してください。
SAGAWAの飛脚国際宅急便について、詳しくは以下のページより確認できます。
PayPalによって禁止されている製品
ebayを利用する場合、支払い方法に「PayPal」を使用する場合がほとんどです。
しかし、そんなPayPalが販売を禁止している製品も存在します。
といっても、殆どの禁止品はebayや、配送会社のポリシーと重複しています。
また、ebayではアダルト関連の製品を販売することを認めていますが、PayPalではアダルト関連の製品を販売することを禁止しています。
PayPalを使用しないわけにはいかないため、実質的に取り扱いができません。
- 輸入や輸出をする国の法律
- 条約での規制品
- ebayのポリシー
- PayPalのポリシー
- 配送会社のポリシー
これらのうち1つでも規制対象にひっかかってしまうと、販売を行うことができないため、面倒ですが一つ一つ確認する必要があります。
禁止・規制品の種類
日本では気軽に転売できる製品でも、輸出や輸入となると、ポリシー違反になる場合があります。
そのため、どんな品が禁止・規制されているか、事前に知っておきましょう。
禁止・規制されている具体的な製品
ここでは、多くの方が見落としがちな禁止・規制品を具体的に紹介していきます。
・ZIPPO(ライター)
ZIPPOといえば、様々な彫刻が施されている高級なものから、アニメキャラクターとのコラボ商品など様々な種類があります。
日本のアニメが好きな海外の方に需要がありそうですが、空輸が禁止されているため輸出することができません。
ZIPPOはそもそも可燃性の液体を入れて使用するため、中古品はどんな場合でも送ることはできません。
たとえ新品の状態であっても、危険性があるとみなされ、税関で戻ってきてしまう場合が多いようです。
そんなZIPPOですが、「新品の品で分解した状態」であれば、送ることができます。
もちろん、購入者の方に到着後は組み立てを行ってもらう必要があるため、組み立て方の説明を英語で加えなければなりません。
・電気シェーバー
国内の販売では電気シェーバーは家電製品のなかでも、比較的売れやすい商品ですが、海外への輸出はできません。
洗浄用のアルコールが引火性の液体のため、禁止されているようです。
・リチウム電池やリチウム電池を内蔵した機器
リチウム電池は空輸する際に、規制品に指定されています。
同時に送ることのできる個数や種類なども、細かく指定されているので、送る際は注意が必要です。
例として、日本郵便ではリチウム電池の取り扱いポリシーをPDFにて、用意しています。
・食品や化粧品
食品や化粧品は、輸出が規制されていますが、許可を取ることで輸出できるようになります。
化粧品をアメリカへ輸出する場合は、
- 輸入申告書(entry notice)
- 通関保証(entry bond)
の書類を自動積荷目録システム(Automated Manifest System: AMS)を通じて米国税関国境警備局(Customs and Border Protection)へ提出する必要があります。
また、市場流通前の食品医薬品局(FDA)への登録や販売許可の取得は必要ありませんが、食品医薬品局は市場流通後に化粧品自主登録プログラム(Voluntary Cosmetic Registration Program: VCRP)に自主登録することを推奨しています。
食品をアメリカに輸出する場合は、バイオテロ法や食品安全強化法などの厳しい規制があります。
そのため輸出した食品をアメリカの税関を通過させるには、食品医薬品局(FDA)へ事前通告(Prior Notice)を行い、事前通告確認番号(Prior Notice Confirmation Number)の取得が必要となります。
食品をアメリカへ送る際に、日本郵便では注意事項をHPに掲載しています。
また、同時に事前登録番号の取得方法も掲載されているため、ぜひ参考にしてみてください。
事前登録を行うには、
- 差出人と受取人の住所氏名
- 食品名
- 食品製造者名
- 食品が製造された住所、国
- 数量
などを記入する必要があるので、予め調べておくとスムーズに申請を行うことができます。
・液体を含んだ製品
液体を含んだ製品は、近年の取締強化によって税関を通過することが難しくなっています。
X線を用いた検査で液体が写ってしまった場合、多くの場合は止められ、戻ってきてしまいます。引火性の液体かどうか、調べる前に、リスクヘッジの観点から送り返すそうです。
主な例として、
- 香水や化粧水
- シャンプー
- 体温計
- ガリレオ温度計
などが挙げられます。
税関の規制に関しては、外務省のHPから確認することができますが、日々規制内容が変化しているため、思わぬ製品が送り返される可能性があります。
また、輸出したものの返ってきてしまった商品でも、もちろん送料が算定されています。
その送料は出品者である私達が負担する必要があります。
そのため、送れるかどうかわからないグレーな製品を扱う場合、大量に仕入れを行うのは非常にリスクが高いということになります。
ebayで食品の輸出許可を貰うには
食品をebayで売ることは可能ですが、あまりおすすめできません。
理由は単純で、
- 多くの手間と多くの時間がかかる
- 販売単価が安い
というものです。
・多くの手間と時間がかかる
アメリカで食品を販売する場合、FDA(Food Drug Association)の認証を受ける必要があります。
食品の販売承認を行うには、ある程度の英語が理解できなければなりません。
また、日本語で書かれた商品のラベルも、全て正確な英語に翻訳する必要があります。
前項でも述べた事前登録番号の取得も行う必要があるため(こちらも全て英語)、自分で1つ1つ行うには手間と時間を犠牲にしなければなりません。
・販売単価が安い
多くの手間と時間がかかるのなら外注で申請をすればいい。
と考える方もいると思います。しかし、食品の販売で外注の方を雇うのはあまり効率的ではありません。
もともと単価の安い食品を扱うのですから、必然的に利益も少なくなります。
そこに外注費用まで加算されると、殆ど利益が残らないといった事態に陥ってしまうのです。
そのため、食品の販売許可などの申請を外注で行う場合は、膨大な数を出品しなければいけません。
上記二点の理由から、ebayで食品を扱うことはおすすめできません。
しかし中には、認可や許可証の交付を受けずに食品販売を行う方も、ebayでは多く見受けられます。
申請を行わないだけで、圧倒的に出品コストは下がりますので、利益も多くなります。
もちろん、ebayのポリシーやアメリカの法律に違反することになりますので、アカウントの停止を受けるリスクも高いです。
例として、
や
などの日本製食品が出品されています。
見て分かるように、原価が安い食品ばかりです。
そのため、「認可を受けない」という場合は美味しいビジネスとなっています。
食品の輸出ビジネスは正に正直者が馬鹿をみるジャンルです。
メーカーによる輸出規制
メーカーによって輸出・輸入が禁止されている製品というものもあります。
特にハイブランドの製品や電子機器などに多く見られ、知らずに輸入・輸出してしまうと、ebayによって商品ページを削除されてしまう場合があり、アカウントの停止に繋がります。
たとえ輸入できたとしても、メーカーの保証が受けられないといったデメリットがあります。
メーカーによっては、一部地域を対象として個人輸入(並行輸入)を規制している場合があり、その他の地域では個人輸入を行える場合もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本国内での転売・販売とは異なり、輸出や輸入を行うには多くの禁止・規制品を事前に知っておく必要があります。
アカウント停止という最悪のシナリオにならないためにも、定期的に更新されている各ポリシーの確認を怠らないようにしましょう。