eBayを利用して海外輸出を行う際、出品作業や在庫管理はとても重要です。特に手元に商品を持たない無在庫転売を行っている人は、どうやれば効率的に、かつリスクが少なくできるかと、日夜悩んでいることでしょう。
出品作業やリサーチに時間を使いながら、在庫状態を見て、顧客と取引をしてなど、無在庫転売も大変です。そんな毎日を楽にしてくれるのが、出品作業や在庫管理、商品リサーチを一括で行ってくれるツールです。
今回は無在庫転売の基本的な内容やメリットとともに、eBay輸出で使いやすいツールを8個紹介します。今すぐ使える無料のものから、高機能で便利な有料のものまで、自分に合うツールを探してみましょう。
無在庫転売の取り組み方
eBay輸出を行う場合、大きく分けて有在庫転売と無在庫転売があります。今回は初心者でも取り組みやすい無在庫転売に焦点を当てて、基本的な作業内容と無在庫転売を行う意味について紹介します。
無在庫転売が自分の出品方法にあっているかどうか、考えながら読み進めてみましょう。
eBay輸出で無在庫転売を行う意味
eBayは海外購入者に向けて、日本から商品を輸出販売する際の出品サイトとして利用できます。ネット販売する際、商品を販売前から手元に所持しておく有在庫、サイト上で売れてから商品を仕入れる無在庫、どちらも利用可能ですが、eBay輸出など海外の方に向けて販売する場合、無在庫転売は初心者にとって大きなメリットが2つあります。
在庫リスクを減らせる
有在庫の場合、商品の管理費や賞味期限・消費期限の問題などがありますが、無在庫ならその心配がなく、在庫を抱え込むリスクもなくなります。また、商品が売れなくてもお金は一切失わないというメリットもあります。
資金が少ない状態でも商品を販売できる
無在庫転売では、実際に売れた商品のみを仕入れればよいので、必要最小限の仕入れ資本があれば十分です。
無在庫転売の手順
eBayで行う無在庫転売の基本的な流れは以下の通りです。
- 商品説明や写真、価格を入力して、出品する
- お客様が商品を購入する
- 販売元から商品を仕入れる
- 商品が手元に届いたら、お客様に向けて発送する
- お客様が商品を受け取る
無在庫転売ではお客様の購入確定後に商品を仕入れるため、実際に仕入れられるかどうかを随時チェックしておかなければなりません。
時には仕入れ元の値段や商品内容も変更されるので、販売状態や在庫の有無は定期的に確認しておきましょう。
在庫管理が重要な理由
在庫管理は有在庫、無在庫に関わらず重要な作業であり、在庫状況は日々チェックしなければなりません。購入確定後に、販売者側からキャンセルという手段を取ることもできますが、オススメしません。
eBayではセラー(商品販売者)を評価する制度があり、セラー都合のキャンセルや発送上の不備があったり、在庫管理が甘くて出品作業がもたつき、商品が届くまでに日数がかかりすぎていると、購入者から悪い評価を受けてしまいます。
セラーは評価によってレベル付けされ、レベルが上がるごとに出品制限が解除されるなど、良い待遇が受けられます。在庫管理は細かく行い、親切で素早い対応を心がけて、購買者から良い評価を得られるよう行動しましょう。
eBay輸出の注意点
eBayを利用して海外輸出を行う場合、eBay特有の設定や規約を守らなければなりません。Amazonやメルカリなどで転売に慣れている人も、eBayの特徴を確認しておきましょう。
出品手数料の高さ
eBayで商品を出品する際、無料プランでは出品数が250品を超えると、追加数に応じて1品あたり0.35ドル=約36円の出品手数料が徴収されます。Amazonや楽天では、出品するだけなら数に上限は無く、手数料も無料なので、今まで他のサイトを利用していた方は、eBay特有の手数料に注意してください。
手数料自体は1回の出品ではそれほど大きな損失にはなりませんが、数千もの商品を出品する場合、大きな出費になってしまいます。販売商品を厳選し、より利益の得られる工夫をしましょう。
有料プランに変更すると、無料出品枠(出品手数料がかからない上限)が上がり、手数料も下がります。本格的にeBay輸出を行う人は、有料プランに変更することも視野に入れておきましょう。
有料プランの料金と出品条件については、下記のサイトを参照してください。
参考:料金について
出品作業量の多さ
eBayの出品ページは、商品の説明、写真、価格設定などの基本情報を、すべて一から設定しなければなりません。Amazonにはライバルセラーの出品情報が引用できる「相乗り出品」がありますが、eBayにはそのようなシステムがないため、Amazonに比べると手間がかかります。
また、トレンドジャンルなど価格変動が大きい商品は、価格改定を頻繁に行わなければなりません。当然、出品ページの販売価格は自分で変更する必要があり、取り扱う品数が増えれば増えるほど、大きな手間がかかります。
出品作業や確認作業が多くなると、そのぶんミスも増えるので、管理を楽にするツールを利用したり外注するなどして、作業を効率化する工夫をしましょう。
出品数の制限がある
eBayでアカウントを作成したばかりのときは、出品に関する制限がかかっています。eBay内でSelling limit(セリングリミット)と表記されている制限であり、新規アカウントは1か月間で品数で3品まで、または金額で200ドル(約22,000円)までしか出品することができません。
下記条件を達成することでレベルが上がり、それに合わせて月間の出品数・金額の上限が段階的に引き上げられます。
- eBayアカウント登録後の経過日数
- 出品制限まで実際に出品した回数
- 一か月の取引数
- 評価値(フィードバック数)
出品できる数が少ないうちは、むやみに商品を出品するのではなく、利益率のよい品物を厳選しましょう。
無在庫管理を行う2つの方法
無在庫転売を行う場合、商品の仕入れ元の在庫状況や販売価格は、頻繁に確認しなければなりません。販売元の在庫管理方法としては、下記の二通りがあります。
- 手動による管理
- ツールを利用した自動管理
それぞれの特徴を確認しておきましょう。
手動による管理
手動で商品状況を確認する場合、仕入れ元の販売サイトURLは専用のエクセル、スプレッドシートにまとめて管理するのがオススメです。定期的にURL先にアクセスし、仕入れ元の在庫状況や価格変更を確認しましょう。
Chromeの拡張機能「Pasty」を利用すると、エクセル上のURLをまとめて展開できます。作業の効率化のため、利用しましょう。
商品状況に変化があった場合、eBay上でも価格変更やEnd処理(出品取り消し)作業を行いましょう。
参考:Pasty
ツールを利用した自動管理
自動的に商品の管理状況を確認するなら、「HARU」や「MEGAMI」といった在庫管理機能を備えたツールを利用しましょう。
出品一体型ツールの一機能として在庫管理機能が含まれるツールは、多数販売されています。1つのツールで出品作業を一括で済ませつつ、在庫管理もソフトの力を借りて簡略化しましょう。
【HARU】
各在庫管理ツールは監視できるサイトに制限があるので、あらかじめツールの利用要綱を確認しておきましょう。
参考:HARU
eBay輸出でツールを使うメリット
eBay輸出で数多くの商品を取り扱うなら、作業を効率化してくれるツールを上手く利用しましょう。在庫管理や出品一括機能など、ツールを使うことでどんなメリットがあるのか確認し、自分の目的に合ったツールを選んでください。
作業時間を減らす
eBayでの商品販売には、数多くの作業が存在します。ツールを利用することで、今まで数時間かかっていた作業時間を、数十分の一にまで減らすことができます。
数種類のツールを併用すると、以下の作業手順を減らせます。
- 発送ラベル作成
- 商品説明、写真の入力
- 価格の改定
- 商品リサーチ
- 在庫管理
出品数が少ないうちは、1つ1つ手作業で入力したり、梱包したりすることも可能ですが、月に100以上の商品を取り扱う場合にはまず不可能です。数多くの商品を出品し利益を得たい人は、ツールを上手く組み合わせて作業の効率化を図りましょう。
リサーチ時間を減らす
eBayに出品する商品は、より多くの人が求めている(ニーズがある)ものでなければなりません。当然、売れる商品を見つけるためのリサーチ時間を確保して、利益率の高い品物を見つけ出すことになります。
リサーチと一括りにいっても、ニーズのあるジャンル、ライバルセラーの価格、海外の法律など、対象は様々で、海外転売を有利にする情報はなるべくたくさん集めておく必要があります。しかし、それぞれの情報を自分ひとりで集めていると、時間はいくらあっても足りません。
そんなとき、リサーチをアシストしてくれるツールを利用します。各ネットショップの売れ筋ランキングを一括表示してくれたり、ライバルセラーの販売価格推移をグラフ表示してくれたりと、商品販売に役立つ情報をわかりやすく提示してくれるリサーチツールを活用しましょう。
在庫切れのリスクを減らす
数多くの商品を出品していると、ひとつひとつの販売状態を常に把握することは困難です。特に無在庫転売の場合、仕入れ元の情報まで逐一確認していては、時間がいくらあっても足りません。
在庫一括管理ツールを利用すると、在庫が切れた商品はその都度管理ページやメールで通知してくれます。在庫切れ対象商品のみに対応すればよいので、他の出品作業に時間を充てることができます。
翻訳機能を使う
eBayでは、商品の説明も購入者とのやり取りもすべて英語なので、英語に慣れていないとストレスになるかもしれません。
そのようなときは翻訳ツールを利用してください。翻訳ツールはGoogle翻訳などネット上で簡単に利用できるツールから、文字数制限がなく精度の高いツールまで数多く存在します。
扱い方次第でライバルと差がつく
出品ツール、在庫管理ツールなどそれぞれの機能を使いこなすためには、何度もツールを利用して経験を積む必要があります。それぞれの特徴をよく理解している上級者と、使って間もない初心者とでは、作業時間も大きく変わるでしょう。
eBay輸出に限らず、何事も作業手順に慣れる以外に方法はありません。ツールの使い方をマスターし、ライバルと差を付けていきましょう。
eBay輸出で使いやすい無料ツール
この項目では、eBay輸出の際に便利な無料ツールを4つ紹介します。
- Seller Hub Reports(セラーハブレポート)
- オークタウン for eBay
- Pasty(ペイスティ)
- WUANTO(ワウント)
Seller Hub Reports(セラーハブレポート)
Seller Hub ReportsはeBayが公式に提供している、商品をまとめて出品、修正できるツールです。2021年6月にFile Exchangeから、Seller Hub Reportsと名前が変更されました。
Seller Hub Reportsには、以下のようなeBay輸出の際に便利な機能が搭載されています。
- 複数商品の同時出品
- 出品済み商品の説明・価格一括変更
- 出品済み商品の再出品
- 出品の取りやめ
eBay上では出品作業を行う場合、商品1つずつしか作業は行えません。そのため数多くの品物を取り扱う人は、多大な時間を要してしまいます。
Seller Hub Reportsは、出品作業や内容改定情報をエクセルで編集しeBayにアップロードすることで、eBay上で一つずつ行っていた手順をひとまとめで完了できます。
マニュアルは全て英語で、エクセル内の表記も英語なので難しく感じるかもしれません。しかし、手順を覚えたら作業時間を大きく削ることができるので、早いうちからツールに触れて、手順に慣れておきましょう。
少なくとも1回の販売実績があれば、利用できます。
オークタウン for eBay
オークタウン for eBayはオークタウン株式会社が運営しているサービスで、日本語対応なので英語が不得意な方でも簡単に作業できる点が良いポイントです。eBay認定セラーサポート企業が出しているサービスでもあるので、安心して利用できます。
商品の一括出品に対応しており、情報記入欄もすべて日本語表記なので迷うことがありません。出品した商品は、リストから削除・再出品が可能です。
出品用のテンプレートが用意されているので、初心者でまだよくわからないうちはテンプレートを利用するのも一つの手です。一度設定した内容は再利用できるので、何度も出品を繰り返す人は積極的に利用しましょう。
Pasty(ペイスティ)
PastyはGoogle Chromeの拡張機能の一つで、エクセル上のURLをまとめて展開できます。展開したいURL1つを指定すれば、希望のサイトだけを開くことも可能です。
転売ビジネスでは数多くの情報(仕入れ先の在庫状況、トレンドジャンルのリサーチ結果など)を取り扱い、URLも合わせて管理します。情報管理を行う際、ひとつひとつのURLをクリックで開いていると時間がかかるので、まとめてサイトを表示できるPastyで時間短縮しましょう。
展開したいURLをコピーして、Chrome画面右上の緑色アイコン(十字マーク)をクリックすれば、コピーしたURLがすべて展開されます。タブを一度に開きすぎると、PCが重くなる原因になるので、開きすぎには注意してください。
参考:Pasty
WUANTO(ワウント)
WUANTOは、eBay内の売れ筋商品、ウォッチリストに沢山登録されている注目商品など、検索条件ごとに一括確認できるツールです。パソコン、スマホ、タブレットなどあらゆる媒体で利用できるので、出先の隙間時間にもリサーチができます。
WUANTOはeBayに特化した商品検索ツールなので、eBayの商品販売に真面目に取り組みたい方にとっては必須ツールといっても過言ではないでしょう。eBay内の流行ジャンルを見極めて、売れやすい品物の仕入れに役立てましょう。
参考:WUANTO
eBay輸出で使いやすい有料ツール
この項目では、eBay輸出の際に便利な有料ツールを3つ紹介します。
- SAATS Commerce(サッツコマース)
- Boost listing(ブーストリスティング)
- HARU
SAATS Commerce(サッツコマース)
SAATS CommerceはeBay、ヤフオク、Amazonに対応した出品管理ツールです。サポート体制も整えられており、作業上の疑問点を直接聞いて解決することもできます。
出品テンプレートが豊富に用意されており、装飾鮮やかなネットショップのような商品紹介画面が、テンプレートを選ぶだけで簡単に再現できます。
また、海外輸出を行う際、通常は国際郵便ラベルを自分で印刷しなければなりませんが、SAATS Commerceは商品情報の入力などのラベルの設定を自動的に行ってくれるので、発送作業の手間を省くことができます。
Boost listing(ブーストリスティング)
Boost listingは商品出品と在庫管理に特化したツールです。データはエクセルで管理されており、「Seller Hub Reportsを日本語でわかりやすくしたツール」とイメージするとわかりやすいでしょう。
物販を効率化する会員制サービス「トラバホ」の会員になると、このツールを利用することができます。ツールを利用して出品、在庫管理をしつつ、物販の勉強をしたい人は、参加してみてはいかがでしょうか。
参考:トラバホ会員サービス
HARU
HARUは在庫管理に特化したツールで、Amazonやヤフオク!など通販サイトを自動的に検索し、商品の価格変化や在庫状態を逐一チェックしてくれます。特に、無在庫転売で仕入れ元の販売情報を度々確認する必要がある人は、利用しておきたいツールの1つです。
HARUの自動チェックを利用すると、1日に決まった回数(6時間おきに4回)商品チェックが行われます。販売情報に変更があった場合、商品項目の色が変わるので、一目でわかります。
また、HARUとeBayを連携させることで、商品の出品停止・再出品も行えます。仕入れ元の在庫が切れた場合は、即出品停止させておきましょう。
参考:HARU
まとめ
今回の記事では、eBayで無在庫転売をする際に、作業を効率化できるオススメツールを7つご紹介しました。無料で手軽に使えるツールから、便利機能を備えた有料ツールまで、それぞれが特色あるものばかりです。
無在庫転売は出品する品数が多く在庫管理も大変になるので、ツールの力を上手く借りて、時間短縮を図りましょう。商品説明のコピー機能や写真の最適化機能、国際郵便のラベル作成機能など、ちょっとした作業が短縮されるだけでも、ずいぶんと楽になるものです。
今まで出品作業に手こずっていた人は、一度ツールを利用してみて、効率の良い転売ビジネスをしましょう。