Facebook広告は、豊富なユーザーのアカウント情報を元に綿密なマーケティングをおこなって広告を出せることが特徴です。そのため、多くの企業から利用されています。効果ある広告を出せるという評判がある一方で、アカウントが突然停止されることについて不安視する声も上がっています。
広告アカウントが停止されると、既に配信済みの広告に関しては表示されなくなり、新しい広告の配信もできなくなります。仮に一時的なものだったとしても、できればアカウント停止は避けたいものです。
そこで、今回はFacebookにおける広告アカウント停止について掘り下げてご紹介します。アカウント停止を受けないための広告出稿のコツについても解説していきます。
Facebook広告のアカウントが停止される理由
Facebookの広告アカウントが停止される理由はいくつかあります。自分のアカウントが停止されている場合には、どの理由が該当しそうなのかを確かめてみましょう。
まだ停止された経験がない場合にも、うっかり抵触してしまいかねないような項目も含まれているので、アカウントが停止されないように、原因についてしっかりと頭に入れておきましょう。
ポリシー違反
アカウントが停止される理由として最も可能性が高いのが、ポリシー違反を犯していると判断されてしまったケースです。Facebookに出稿される広告は、配信の前にFacebookによるチェックがおこなわれます。ポリシーに違反しているかどうかはこの時に判断されるのですが、アカウントが停止された場合は、知らず知らずのうちに違反していることが多いようです。
作成した広告に対して、アカウント停止までに至らないような違反が見つかった場合は、審査が通らなかった広告の配信ストップで済みます。その場合は修正さえ施せば、再度審査に出して、通過すれば配信が始まるという流れとなります。しかしこのようなことが連続して起きた場合は、ポリシー違反を繰り返す悪質なアカウントと判断されて停止に至る可能性も捨てきれません。
広告主としても、作成した広告に関しては配信前に確認をするはずです。しかしながら、Facebook広告のポリシーについては、どんな表現が違反と判断されるかははっきりしないこともあります。
セキュリティ上の問題
アカウントが停止される理由としてよくあるケースには、セキュリティ上に問題があると判断された場合も存在します。これはFacebookにおける「不審なアクティビティ」がアカウントの操作にて確認されたときに起きるもので、アカウントの不正な利用や乗っ取り対策のために講じられます。
不審なアクティビティとして検知されるアクションの1つが、いつもと違うデバイスからのログインです。機種変更したばかりのスマートフォンやパソコンからのログインなどが挙げられます。またいつも利用しているネットワーク外からのログインでも不審なアクティビティとして検知される可能性があります。自宅以外のWi-Fi経由でログインする際も注意が必要かもしれません。
稀にあるケースとしては、アカウントで示されている個人や会社が架空の存在であることを疑われたときです。これも犯罪抑止の観点から、セキュリティ上に発生した問題に該当します。
セキュリティ上の問題を理由としたアカウントの停止は、あくまで一時的なものに過ぎません。アカウントの認証、本人の確認さえできれば、アカウントはすぐに復旧することでしょう。
長期間放置している
Facebookに長期間ログインしていない場合も、アカウント停止の対象となります。アカウントを開設してから何もしていない場合や、広告を配信してから60日間放置し続けている場合などが該当するといわれています。
こちらもFacebook広告の不正利用や詐欺といった犯罪を防ぐことを目的として講じられている措置です。放置され続けているアカウントは、不正な乗っ取り被害に遭いやすいだけでなく、本来のアカウント管理者が乗っ取りに気づかないケースも想定されます。
アカウントの停止を防ぐなら、定期的なログインは必須です。
Facebook側のミス
ここまで紹介したどの項目にも該当しなかったとしても、突然アカウントが停止されるケースもあるようです。その場合に考えられる原因は、Facebook側の手違いです。
例えば自分のアカウントのIDと、Facebook側が停止させようとしたアカウントのIDが似ていた場合、間違いによって停止の処理がおこなわれる可能性があります。Facebookに登録しているアカウントの数は数多とありますので、スペルや数字の桁が違うだけのIDが存在することは充分に考えられることです。
アカウント停止に至る原因に心当たりがない場合は、すぐにFacebookに問い合わせて調査してもらいましょう。手違いだと分かってもらえれば、間もなく復旧に至るでしょう。
ネガティブ報告
Facebook広告は、ユーザーから寄せられるネガティブな報告に対して敏感です。従って、ネガティブな感情をユーザーに与えたと判断されるような広告を出稿したアカウントは、突然停止に追い込まれる事があるようです。これはポリシー違反を犯していない場合でも起こり得ることのようです。
この場合では、二次被害の巻き添えを食らう危険性を頭に入れておく必要があるでしょう。というのも、フリー画像を使用した広告に対してネガティブな報告を理由とした停止が施された場合、同じ画像を使用していたアカウントに対しても同様の措置がとられる可能性があるからです。
広告に使用する画像は、できるだけオリジナルの物を用意することをおすすめします。自分の広告に最適な画像を作成して使用することで、最大限の効果を発揮することでしょう。
未承認広告の放置
突然アカウントが停止される理由として見落とされがちな理由の1つが、未承認広告の放置です。これはたとえ配信に至っていない広告であったとしても、放置したままではアカウント停止のリスクを抱えたままになってしまいます。
Facebookとしては、未承認広告を保有し続けるアカウントを優良アカウントとは判断しません。Facebook広告のポリシーに反する可能性がある広告を持ち続けている、悪質アカウントと判断することもあるようです。これを防ぐ為には、配信可能なもの以外の広告を放置し続けないように気をつけましょう。
アカウントが停止した場合の対処方法
Facebookの広告アカウントが停止された場合でも、まずは慌てずFacebookにアカウント停止について審査リクエストを送りましょう。ポリシー違反での停止についてはなかなか難しいかもしれませんが、違反の判断が間違いだったとされる可能性も捨てきれません。またそれ以外の理由であればすんなりとアカウントが復活することも考えられます。
この項目では、審査リクエストを送信するまでの問い合わせ方法を2つご紹介します。また、アカウント復活の見込みがない場合の対処法についても併せて説明しましょう。
クオリティページから審査リクエスト
問い合わせ方法の1つ目が、アカウントのクオリティページからリクエストする方法です。自分の広告アカウントページにアクセスすると、アカウントが停止されていることが通告されています。この赤い通告の右側にある「詳細を見る」をクリックしましょう。
すると自分のアカウントのクオリティページが開きます。画面右側にある対処方法の欄の中に「審査をリクエスト」というボタンがあるので、ここをクリックしましょう。これで審査リクエストが送信できます。
専用フォームから審査リクエスト
もう1つが専用フォームから問い合わせる方法です。Facebookにログインしている状態で以下のURLにアクセスすると、「制限中の広告アカウントの審査をリクエスト」と表示されるページに移動します。
自分のアカウントであることを示すチェックを入れたあとで、停止されている広告アカウントと審査リクエストをおこなう理由として該当するものを選択し、「送信」をクリックしてください。
アカウントの再作成について
審査リクエストは、アカウント停止の理由によっては却下されることもよくあります。その場合は停止されたアカウントに関しては諦めて、新しいアカウントを作成するという手段を取りましょう。広告の出稿期間に穴を空けたくない場合には、審査リクエストのやりとりと並行して進めておくことをおすすめします。
新しく作り直したアカウントでは、停止されたアカウントで使っていた情報や素材は共有しないようにしましょう。アカウント停止された広告主によるアカウントであるとして目が付けられ、最悪の場合作ってすぐに停止という措置がとられる可能性があります。
停止アカウントから流用すべきでないものは以下の通りです。
- 広告費を決済するクレジットカード
- 広告に使用した画像・動画の素材
- 広告に使用した文章
- 広告からアクセスするURL
広告費の決済方法は、別のクレジットカードにするかPayPalを利用しましょう。それ以外の物については、1から作り直すことをおすすめします。
URLについては、末尾に何らかの文字を1つ加えるだけでも有効です。
ポリシー違反を犯さないためのポイント
この項目では、Facebook広告のポリシーに反しないためのポイントについてご紹介します。
許容されないビジネス慣行の宣伝をしない
1つ目は、Facebookにおいて許容されないビジネス慣行を宣伝しないことです。Facebook広告では、誤解を意図的に招くような販売方法や、消費者の意図しない形で個人情報などを盗み取る行為は禁止されています。そしてこれを目的とした商品やサービスの宣伝がポリシー違反と判断されるようです。
誤解を招かない
2つ目は、誤解を招くような文言は使用しないことです。非現実的な利益を消費者に与えるような内容を主張することは、ポリシー違反と判断される可能性があります。
これを避けるためには、万人に必ず当てはまる宣伝文句を目指すことが必要です。
不明瞭なランディングページを使わない
3つ目は、消費者にとって不明瞭なランディングページを使用しないことです。広告をクリックした先のページが、完成していないページである場合や、すでに削除されていて機能しないページである場合が該当します。
これを避けるためには、ランディングページを広告の内容と高い関連性を持つページをリンク先に設定しましょう。
成人向けコンテンツと判断されるような素材を使わない
4つ目は、成人向けコンテンツを使用しないことです。これはイメージしやすいことかと思いますが、露出が禁止されているような身体の部位が隠れていればいいというものでもありません。性的な行為を想起させるような姿勢や服装も、成人向けコンテンツとして判断される可能性があります。
アカウント停止後も広告を出稿するためには
Facebookの広告アカウントが停止されてしまうと、新しい広告を出稿することは困難です。Facebookでは、1つのビジネスアカウントに最大25個の広告アカウントを作成できるのですが、1つでもアカウントが止められていると、別の広告アカウントでも広告が出せなくなります。アカウント停止に対する審査リクエストの結果が出るまで待てないときは、どのようにして広告を出せばいいのでしょうか。
なお、作成できる広告アカウント数はどれだけ広告運用をしているかによって上限が異なります。上限数の確認方法はビジネスマネージャのビジネス設定→ビジネス情報で確認することが出来ます。
新しいアカウントを開設する
上述したように、新しいアカウントを作ってしまう方が早いです。停止されたものとは別のビジネスアカウントを用意すれば、新しく広告を出稿することが可能になります。
ただし、作成可能なビジネスアカウントは2つまでとなっているため、注意が必要です。
アカウントを作り直した後の注意点
新しくアカウントを作り直した場合、広告を出稿するにあたって注意しなければならないポイントがあります。上の項目でも少し紹介しましたが、再度項目ごとにおさらいしておきましょう。
URLを流用しない
広告に紐付けていたURLは、必ず変更するようにしましょう。同じURLにアクセスできる広告が配信されると、Facebookは広告主を停止アカウントの保有者と判断します。そのため、ポリシー違反が疑われてアカウント停止に至る可能性があります。
素材やファイル名の流用を避ける
広告に使用していた画像や動画なども流用するのは避けるようにしましょう。どうしても同じ画像を使わないといけない場合には、ファイル名を変えれば何とかなります。1文字でも構わないので変えて使用しましょう。
支払い方法を変える
支払い方法も同じ方法を使わないようにしましょう。クレジットカードの場合は、カードを変えれば大丈夫です。クレジットカードが2枚以上ない場合にはPayPalを利用してください。
アカウントが停止されないように注意するのが一番
Facebook広告のアカウントは、ポリシー違反によって停止してしまうと復旧は困難です。新しいアカウントを作って広告を出稿することは可能ですが、多大な手間がかかります。できることなら、アカウントが停止されないままでいることが一番です。
Facebook広告のポリシーにはくれぐれも抵触しないよう、健全な広告運用を心がけましょう。