Facebook広告の支払い方法は、クレジットカード決済かPayPalでの決済が一般的です。従って、Facebook広告の支払いを月額の請求書払いにできることを知らない人は多いことかと思います。
経費計算などの経理業務においては、クレジットカードやPayPalではなく請求書払いの方が便利なケースもあるでしょう。しかしながら、Facebook広告の請求書払いはある条件を満たした一部のアカウントにのみ行える支払い方法です。
今回の記事では、Facebook広告の請求書払いとは一体どんな支払い方法なのか、請求書払いに切り替える方法とは何かといった疑問にお答えするために、請求書払いに関するあらゆる設定の手順を紹介します。
【Facebook広告】月極請求書払いの基本情報
まずはFacebook広告の月極請求書払いについての基本情報から押さえておきましょう。先ほども少し紹介したように、Facebook広告の月極請求書払いは、ある要件を満たした一部のアカウントが利用できる支払い方法です。請求されるのは、その月の間に実際に発生した広告料金です。
Facebook広告ではキャンペーン毎に1か月あたりの広告料金の上限を、あらかじめ定めることができます。例えば、あるキャンペーンにおける上限を100万円に設定していたとして、課金額の合計が98万円だった場合は98万円が請求額となります。
このようなキャンペーンを3つ展開していた場合には、請求される金額は広告アカウント毎にひとまとめにされます。そのため、98万円の請求が発生した広告を3つ出稿していた場合は、請求金額は294万円となります。
支払期限はFacebook広告の請求(明細)書が発行された日から30日以内
請求書払いの支払期限は、発行された日から30日以内と定められているので、必ず期日以内に支払うようにしましょう。自分のアカウントに対して請求されている金額をオンライン上で確認したい場合は、ビジネスマネージャで確認することができます。
Facebook広告の請求(明細)書による決済方法は銀行振込のみ
Facebook広告の月額の請求書払いは、日本では銀行振込のみ利用可能です。振込先の口座は請求書に記載されていますので、内容に従って支払いをおこないましょう。
なお、自動決済はアメリカでのみ利用可能な方法で、日本では利用できない支払い方法ですので、留意しておいてください。
広告代理店でもFacebook広告の請求(明細)書による決済を可能にするために。支払い方法設定へのアクセスを共有する
広告の運用を広告代理店などに任せている場合は、支払い方法設定へのアクセスを共有させておきましょう。この設定をおこなうことによって、広告運用代行業者が支払い方法を月極請求書払いに設定することが可能です。支払い方法の設定についても、ビジネスマネージャから設定ページにて設定します。
この設定は、アメリカ、フランス、ブラジル、メキシコの4カ国とそれ以外の国とでは共有させることはできません。
【Facebook広告】月極請求書払いの申請方法
Facebook広告の月極請求書払いは、ある要件を満たしたユーザーが利用できるものであると述べました。その要件は、次の2つです。
- 過去3か月間に、毎月1万ドル以上の支払いをおこなっていること
- ビジネスアカウントのビジネスマネージャの管理者、またはファイナンスエディターであること
これを満たしたユーザーがビジネスマネージャにアクセスすると、Facebookから月極請求書払いが利用可能である旨の案内が届きます。この案内が届いたことを確認したら、ビジネスマネージャから月極請求書払いを申請してみましょう。
申請の手順
月極請求書払いの申請をおこなう手順は、ビジネスマネージャを使用する方法とMeta Business Suiteからおこなう方法の2通りです。まずはビジネスマネージャから申請する方法を紹介します。
- ビジネスマネージャーで「ビジネス設定」に移動し、「請求と支払い」をクリックします。
- 「クレジットライン」をクリックし、「申請」をクリックします。
- 申請のための入力フォームが表示されるので、必要な項目への入力をおこないます。※
- 「次へ」をクリックします。
- 「完了」をクリックします。
続いてMeta Business Suiteから申請する方法を紹介します。
- Business Suiteに移動して「すべてのツール」、「請求と支払い」の順にクリックします。
- 「クレジットライン」をクリックします。
- 「申請」をクリックします。
- 画面の指示通りに進み、必要な項目入力をおこないます。※
- 「次へ」をクリックします。
- 「完了」をクリックします。
※このとき、法人登記書類か納税書類をアップロードして添えておくと、審査にかかる時間を短くすることが可能となります。
申請が通ったら
審査結果は、スムーズに通ればすぐに承認されて通知されます。何らかの不備があった場合は、3営業日以内にメールで知らされるので、確認しておきましょう。
申請が承認されたら、ビジネスマネージャの「請求と支払い」の「クレジットライン」から支払い方法セクションにて支払い方法を設定しましょう。支払い方法を月極請求書払いに設定すると、その広告アカウントで請求書払いが利用可能となります。
Facebookの新しいアカウントで請求書払いにするには
一度月極請求書払いの申請が承認されると、新しい広告アカウントを追加した際でも請求書払いを利用することができます。新しい広告アカウントを作成したら、次の手順で支払い方法を設定しましょう。
- 「支払い情報を追加」から「ビジネスの支払い方法」を選択します。
- 「支払い方法を編集」ページにて、月極請求書払いを選択して次に進みます。
- 「請求情報を認証」セクションにて「追加の請求書送付先メールアドレス」と「PO番号」を入力します。
以上が新しい広告アカウントでの支払いを請求書払いにする方法です。別の支払い方法に変更する場合は、請求されている分の支払いを全て終えてから設定をしましょう。
既存のアカウントで請求書払いにするには
月極請求書払いの申請が承認されている場合は、既に広告を出稿している別の広告アカウントの支払い方法も請求書払いにすることができます。手順は以下の通りです。
- 広告マネージャから「支払い方法」に移動します。
- 「支払い方法を追加」をクリックします。
- 月極請求書払いのオプションを選択して「次へ」をクリックします。
- ビジネス情報を確認し「確認」をクリックします。
Facebook広告で請求書のダウンロードと支払い
この項目では、実際に月極請求書払いの請求書をダウンロードし、支払いを進めるまでの手順を解説していきます。
Facebook広告の請求書をダウンロード
まずはダウンロードする前に請求書の詳細を確認しましょう。手順は次の通りです。
- ビジネスマネージャの「請求書」セクションに移動します。
- 請求書の詳細を確認したい期間を選択してから、ドロップダウンメニューより請求書を選択します。
記載されている詳細情報は、請求書番号・発行日・金額などです。詳細の確認が終わったら、「アクション」の下にあるダウンロードのアイコンからダウンロードできます。ダウンロードした請求書は、使っているPCにPDFファイルで保存されます。
支払いについて
続いてダウンロード後の支払いについてです。上の項目でも紹介したように、日本国内から利用できる支払い方法は銀行振込だけです。自動引き落としや小切手払いは日本で利用できません。ダウンロード後の支払いの注意点は以下の通りです。
- 使用しているシステムに保存されている銀行口座の情報が正しいことを確認してください。口座番号などは請求書にて確認できます。
- 送金を指示する際は、請求書番号を正しく入力するようにしてください。なお、クレジットメモ番号がある場合はこれも添えておきます。
気づいた点などがあった場合には、支払期限の前にFacebookに問い合わせましょう。ダウンロード後、支払期限の前に支払いが終わらない場合、支払いされるまでの間、広告アカウントが停止されることもあるので注意してください。
その他の情報
続いて、Facebook広告の月極請求書払いについてのその他の情報について解説します。
請求書の見方
請求書に記載されている項目の意味は次の通りです。
状態
請求されている内容がどういう状態であるかを示しています。未払いであれば未払いであることが示されており、支払い済みである場合には支払いが完了した日付が記載されています。
支払いタイプ
支払い方法が記載されています。
Facebook取引ID
請求に割り振られている、Facebookの参照番号です。
請求理由
請求書が発行された理由が記載されています。通常であれば月次請求と記載されますが、内容によっては「請求単位額に達した」場合や「前回の広告料金の支払いに失敗した」という場合もあります。
支払いに失敗したら
支払いをしないまま請求書の支払期限を迎えてしまうと、広告アカウントが停止されてしまいます。そういった場合には、決済プロバイダーに問い合わせて相談してみてください。どのようにして問題を解決すれば良いのかを示してくれるでしょう。
広告アカウントが停止されている期間は、広告の配信がおこなわれません。そのため、追加で請求が発生してしまうということも起こりません。支払いが完了してアカウントが復旧したら、元の通りに広告の配信が再開されます。
請求書グループとは
月極請求書払いで支払いをしている広告アカウントが複数ある場合、その請求書を全て1通にまとめて受け取れます。これを請求書グループと呼びます。
請求書グループを作成すると、グループにまとめたアカウント分の請求書がひとまとめになるので、複数のアカウントを運営していたとしても受け取る請求書は1通で済みます。請求書の中身は、広告アカウント毎の金額が広告主名と共に記載されています。
1つの請求書グループでは、円で決済しているアカウントとドルで決済しているアカウントを同一にまとめることも可能です。ただし、決済の通貨が異なる請求を1通の請求書にまとめることは不可能で、その場合の請求書は通貨の数だけ発行されることとなります。
請求書グループの作成・編集
請求書グループはビジネスマネージャから作成します。手順は以下の通りです。
- 「ビジネス設定」の「支払い」セクションに移動します。
- 月極請求書払いのオプションから、「請求書グループ」をクリックします。
- 「請求書グループを追加」をクリックします。
- 利用規約を確認し、「同意する」をクリックします。
- 必要事項の入力画面が表示されるので、請求書グループの名前や送信先のメールアドレスなどを入力します。
- 請求書グループにひとまとめにする広告アカウントを選択し、「確認」を押して作成完了です。
請求書グループを編集する場合は、手順2から分岐して以下のように進めます。
- 編集する請求書グループの横に表示されている「グループの編集」をクリックします。
- 編集画面が表示されるので、変更したい項目を選択して変更します。
- 全ての変更が終わったら、「確認」を押して終了です。
facebook広告で支払い明細書を受け取るメールアドレスの設定
この項目では、請求書を送付する先のメールアドレス設定方法について紹介します。Facebook広告の月極請求書は、複数のメールアドレスで受信することが可能です。これは運用を代行している業者と請求内容について共有させる際に活用できる設定です。何かと利用する機会がある設定ですので、覚えておくようにしましょう。
既存のアカウントでメールアドレスを編集する
既に広告を配信しており、請求書での支払いもおこなっているアカウントにメールアドレスを追加・削除する際は次の手順で進めます。
- ビジネスマネージャからメールアドレスを編集したい広告アカウントを選択し、「編集」に進みます。
- 「追加の請求書送付先メールアドレス」を確認し、追加・削除をおこなってください。
- 「変更を保存」で設定完了です。
新しい広告アカウントでメールアドレスを編集する
新しい広告アカウントの請求書を受け取るメールアドレスを設定する際には以下の手順で進めます。
- ビジネスマネージャから「新しい広告アカウントを作成」を選択して進みます。
- 作成の手順通りに情報を入力し、「追加の請求書送付先メールアドレス」に請求書を送信するメールアドレスを入力します。
- そのままアカウントの作成が完了すれば、設定は終了します。
Facebookは請求書をダウンロードして業務の効率化を目指す
ここまでの内容を見てお分かり頂けたかと思いますが、Facebook広告の月極請求書払いは、Facebook広告に月額100万円単位で広告を出稿している、大口の広告主向けのサービスです。こういった広告主はある程度の規模を有する企業であることが多く、その経費の処理をおこなう際に請求書は便利に利用できるものと思われます。
請求書払いができるようになる条件も、このような広告主であれば簡単に達成できるかと思います。業務効率化のためにも、請求書のダウンロードなどをぜひ活用してみてください。この記事でダウンロードのやり方など参考になれば幸いです。