Facebookの広告を作成するうえで、「画像」と「テキスト」の重要性は、はかりしれません。
特に画像については、出稿する広告の種類によって適切なサイズやアスペクト比(画像の横と縦の長さの比率)が異なるので注意が必要です。
そこで今回は、広告の種類ごとに推奨される画像サイズや画像・動画・テキストに関する注意事項、さらに広告の成果が出やすいコツについて詳しく解説します。
Facebook広告の効果

まずは、Facebookで広告を出稿する効果について解説します。
世界最大のSNSサービス
Facebookの全世界におけるアクティブユーザーは25億人以上、日本国内で見てもメタ社が提供する「Instagram」と合計するとのべ6,000万人近くのユーザーを抱えています。ゆえにその拡散力を考えると、広告を出稿する効果は絶大といってよいでしょう。
しかも広告の配置場所も、フィード、ストーリーズ、インストリーム、検索、Marketplace、インスタント記事と実に豊富です。加えて、掲載先も、上記2つのフォーマットに加えてMessengerやサードパーティーのAudience Networkもあるので、さらに認知度アップが期待できます。
また、最大の特徴として、ユーザーの属性や嗜好に合わせたターゲティングの精度の高さも見逃せません。特に、どこに重点的に広告を配信すれば良いか分からない初心者は「自動配信」機能が利用できるので便利です。自分で設定せずとも、予算の範囲内で最大限の効果が捻出できるように、メタの配信システムが自動で出稿先を決めて掲載してくれるので、大変心強いでしょう。
広告における画像とテキストの重要性

広告の主軸となるのは、「画像・動画」と「テキスト」です。というより、画面上の効果に関していえば、この2つの組み合わせが広告のすべてと言ってよいでしょう。
だからこそ、この2つの要素をどのように設定して効果の高いパフォーマンスにつなげるかが、クリエイティブ作成の要諦となります。
インパクトを最大にするための武器
Facebookに限らず、SNSのユーザーの多くはスマホを使って配信したり閲覧したりします。その場所も自宅とは限らず、電車やカフェ、公園などさまざまです。
そのため、じっくりと画面を見るというよりは、速いスピードで流し読みされるのがほとんどといってよいでしょう。その状況下でユーザーの目に留まる広告を配信しようと思えば、まずインパクトのある内容にすることが欠かせません。
その武器となるのが、クオリティの高い画像や動画、そしてテキストになります。
画像にテキストがかぶらないようする
画像のクオリティを向上させ、説得力のあるアピールをしようと思えば、画像にテキストが被らないようにするのが鉄則です。
せっかく見映えのする画像を使っても、それをテキストが邪魔してしまうと広告効果が目に見えて下がるからです。しかも広告には審査があります。画像の上にテキストが載る範囲が広すぎると、そもそも審査に通らない恐れもあるため、注意が必要です。
つまり、画像および動画とテキストを予算の範囲内でもっとも効率よく配置して掲載することが、クリエイティブ作成の肝となることを強く認識してください。
アスペクト比と解像度について

続いて、画像作成において欠かせない「アスペクト比」と「解像度」についてご説明します。
見た目を大きく左右する重要な数値
「アスペクト比」とは、画像の横と縦の長さの比率を意味します。例えば、16:9とあれば、横が16で縦が9となります。この場合、画面上に表示される画像は横長となりますが、1:1だと横と縦が同じ長さになります。
「解像度」は、1インチ(25.4mm)に含まれるドット(画素/ピクセル)の数です。ただ、PCやスマホ上では1インチではなく「1,920×1,080」というように、画面上の横と縦方向に並ぶそれぞれのピクセル数で表記されます。
解像度が高ければそれだけ画像がきめ細やかで鮮明になりますが、データ量が多くなるため画面上での動きが鈍くなるデメリットもあります。よって、ただ解像度が高ければいいのではなく、用途や操作性を考慮して適切な数値に落とし込むことが大切になります。
つまり、Facebook広告でも、ある程度の美しい画像を保ちつつ、スピーディーな閲覧を邪魔しない解像度の追求が求められるわけです。
広告別の適切な画像サイズと画像についての注意事項

この項目では、広告メニュー別の適切な画像サイズと解像度、さらに画像について注意すべきことを2点お伝えします。
画像広告
「画像広告」に使う画像の配置別推奨アスペクト比と解像度は、以下の通りになります。
・フィード
1:1→1,080×1,080ピクセル
・インスタント記事
1.91:1→1,200×628ピクセル
・インストリーム
16:9→1,920×1,080ピクセル
・ストーリーズ
9:16→1,080×1,920ピクセル
・Marketplace
1:1→1,080×1,080ピクセル
・検索
1.91:1→1,200×628ピクセル
動画広告
つづいては、「動画広告」の場合です。
・フィード
4:5→1,080×1,350ピクセル
・インスタント記事
1.91:1→1,200×628ピクセル
・インストリーム
16:9→1,920×1,080ピクセル
・ストーリーズ
9:16→1,080×1,920ピクセル
・Marketplace
4:5→1,080×1,350ピクセル
・検索
1:1→1,080×1,080ピクセル
カルーセル広告

次は、1つの広告内に画像や動画を10枚まで横並びに表示できる「カルーセル広告」の場合です。
カルーセル広告の推奨アスペクト比と解像度はすべて同じ「1:1→1,080×1,080ピクセル」となります。
コレクション広告

「コレクション広告」を使うと、メインの画像や動画の下に3枚の画像が表示されます。
・フィード
1:1→1,080×1,080ピクセル
・インストリーム
16:9→1,920×1,080ピクセル
注意事項1.画像推奨サイズから外れないようにする
上記の推奨画像サイズは、あくまでもFacebookが参考として提示している目安です。そのため、必ず守らなければならない規定ではありません。しかし、推奨サイズから外れると、画面表示された際に一部が見えなくなる恐れがあるので、よほど特別な理由がない限りは遵守するようにしてください。
注意事項2. 画像と動画の内容には十分気をつける
広告を出稿するにあたっては、広告ポリシーを必ず守らなければなりません。これに反した場合は、広告どころか関連するFacebookページも停止される可能性が高くなるので要注意です。
広告ポリシーに反するものとして、差別的な内容、タバコ・薬物関連、武器・弾薬、第三者の権利侵害、性的描写、不正や詐欺につながるものなどが挙げられます。詳しくは以下のページで確認してください。
効果の高い広告作成のコツ

この項目では、広告の効果を最大限に引き出すためのポイントについて伝授いたします。
テキスト20%ルールを重視する
かつては「20%ルール」というものが存在し、テキスト量が画像内の20%を超えると、広告のリーチ数が制限されたり、審査をパスできなかったりすることがありました。
現在このルールは撤廃されていますが、テキスト量が20%、つまり全体の5分の1を超える面積を占めると、あきらかに画像全体の見映えが損なわれます。よって、この割合を強く意識しつつ、可能であれば前述のように画像にはテキストを被せないように心掛けてください。
画像は複数の中から選択する
広告に使う画像は、できるだけ複数の中から吟味するようにしてください。
気に入った画像が撮れたとしても、撮影を続けるとさらに良い画像が撮れることが多いからです。プロなら別ですがそうでない場合は、自分の好みや考えだけでなく他のスタッフや信頼できる知人の意見を参考にするのもおすすめします。
動画は「3秒」と「30秒」を徹底する
Facebookで広告に出せる動画時間は、「1秒~241分」までとなっています。
241分はおよそ4時間なので、かなり長く感じるかもしれませんが、それ以上に目を引くのは、最低時間が「1秒」という点です。
「1秒で完結する動画なんて作れない」と思う方も多いでしょうが、たしかにそうです。しかし、SNSの閲覧者は動画、しかも広告動画をそう長くは見続けてくれないということを事実として強く認識しておかなければなりません。
パッと見た最初の印象で興味がないと感じると、すぐに離脱してしまいます。そこで重要なのが、最初の「3秒」です。
動画広告を作る際は、初めの3秒を目を引くインパクトのある内容やイメージにして、ユーザーに強く訴えかけるよう心がけてください。さらに、動画全体も長くて30秒までで完結させるようにします。できれば10~15秒で収める努力をしてください。それ以上はくどいと思われることの方が多いため、かえって逆効果となるので要注意です。
テキストにCTAは必須
テキストには、必ず「CTA」を入れるようにしてください。
「CTA」は、Call to Actionの略で日本語では「行動喚起」を意味します。
つまり、「詳しくはこちら」「今すぐ購入」「資料請求はこちら」といったかたちで、ユーザーに何らかの行動を起こさせるきっかけとする呼びかけと考えてください。
広告を見て、ただ「何となくいいなぁ……」で終わらせないための重要なポイントになります。
広告入稿の際の注意事項

この項目では、実際に広告を入稿する際の注意事項についてお伝えします。
プレビュー画面で確認する
クリエイティブが完成したら必ず想定通りの仕上がりになっているかを、必ず広告マネージャのプレビュー画面で確認してください。
まず、「広告マネージャ」にアクセスします。

「広告」をクリックしてください。

確認したい広告横のボックスにチェックを入れます。

アクションバーンの「プレビュー」をクリックすれば、実際の公開画面が表示されます。

プレビューで確認する項目
プレビュー画面が表示されたら以下の項目をチェックします。
- テキスト量は20%で、画像を邪魔していないか。
- 画像が見やすく枠内に収まっているか
以上を客観的に確認して、少しでも想定と異なる点があれば、すぐに修正作業に入りましょう。
まとめ

今回の記事では、Facebook広告の画像サイズや解像度、さらに効果の上がるクリエイティブ作成のポイントなどについて詳しく解説しました。
広告は、ただ完成して出稿すればそれでよいというわけではありません。どれだけ出来のよいクリエイティブが完成したと思っても、配信した瞬間から劣化が始まります。
それは、大企業をはじめとする一流のクリエイターたちが、おびただしい数の広告をリリースしては消えて行くという大海原に小舟を出港させるようなものといってよいでしょう。だからこそ、一旦出稿したら、それがどれだけの効果を生んだのか、しっかり検証する必要があります。
ターゲティングは的を射ているか、CTAは適切か、誘導の仕方に不自然な点はないか、ユーザーに疎まれる要素はないかなど、データ分析しながら客観的に評価していくシステムの確立が不可欠でしょう。そして、足りないと分かれば、すみやかに変更していく潔さと決断力も大切です。