Facebook広告は、ユーザーのプロフィール情報を活用した綿密なターゲティングが可能であるとして、高い人気を誇っています。ですが、便利なツールである一方、トラブルが発生したときにどうやって相談すればいいのか分かりにくいという側面もあります。
広告の審査落ちやアカウント停止など、自分だけではどうやっても解決しないようなトラブルの際には、Facebookを運営するMeta社からのサポートが必要となります。しかしながら、Meta社への問い合わせの方法は様々であり、中には一部ユーザーしか使用できないような方法も存在します。また、他のSNSサービスでは利用できるような問い合わせ方法が存在していない場合もあります。
今回は、Facebook広告を利用する上で、Meta社からのサポートが必要になったときに覚えておきたい内容についてご紹介します。
Facebook広告でよく問い合わせがあるトラブル
まずは、Facebook広告への問い合わせ内容としてよく挙げられるトラブルについてご紹介します。Facebook広告を利用している広告主がよく直面するようなトラブルも含まれているので、この記事をご覧いただいている方々にとっては経験済みのトラブルか、あるいはこれから遭遇する可能性がある内容となっています。
これから紹介する項目の中には、Meta社のビジネスヘルプセンターのぺージでも回答が紹介されているものもありますので、わざわざサポートを受けなくても答えが見つかる場合があります。問い合わせを始める前に併せて確認してみてください。
チャットサポートが使えない
チャットサポートと利用するためのページにアクセスできなくなった原因として考えられるのが、広告をまったく出稿していないか、あるいは直近で広告を出稿した実績がないかのどちらかであると考えられます。
Facebook広告のチャットサポートは全てのアカウントで利用できるわけではありません。きちんと広告を出稿しているアカウントだけがチャットを利用できる仕様となっています。
従って、アカウントを作成したばかりでまだ広告を出していないという場合では、チャットサポートを利用することはできません。どうしてもチャットを利用しなければならないときは、まず広告を出稿することから始めましょう。そのやり方が分からない場合は、別の方法を使ってトラブルに対処する必要があります。
また、Facebookの対応時間外でもチャットサポートのページが開けないケースも存在します。Facebook広告のチャットサポートは、月曜日から土曜日の8時15分~19時30分が営業時間です。
アカウントにログインできない
アカウントにログインできない理由は様々なものが考えられますが、以下の方法でアカウントの再開を試みてください。
まずは、以下のページにアクセスして、メールアドレスか電話番号などの情報を入力してアカウントを探し出します。
ログインしたいアカウントが見つかったら、パスワードのリセットコードをどうやって受信するかを選択することができるので、好きな方法を使ってリセットコードを受け取って見てください。
リセットコードを受け取ったら、画面の指示通りに入力をおこなってパスワードをリセットしましょう。これでアカウントの再開が可能となるはずです。
参考:パスワードを忘れた ログインできない – Facebook
広告アカウントが停止される理由
Facebook広告では、様々な理由で広告アカウントの停止に至ることがあります。セキュリティ上の問題や、未承認広告の放置なども理由として存在しますが、最も多いのはポリシー違反によるアカウント停止です。
ポリシー違反によるアカウント停止を防ぐ為には、Facebook広告のポリシーに遵守する必要があります。とくに、以下の項目に該当するような広告が該当しやすいので、頭に入れておきましょう。
- 許容されないビジネスの手法を用いている
- 誤解を招くような宣伝文句を使っている
- ランディングページが正しく機能していない
- 成人向けコンテンツが使用されている
- 個人の年齢・人種・宗教・不安定な経済状況・ジェンダーアイデンティティーなどを特定している
広告アカウントが間違えて停止された
Facebook広告でポリシー違反を取り締まっているのは人だけではありません。多くの場合では、自動化されたシステムによって管理されており、その結果として広告の審査の却下やアカウント停止が判断されるようになっています。このため、稀にシステムのミスによってポリシーに違反していると判断され、アカウント停止に至るケースも存在しています。
自分のアカウントでポリシーに違反した覚えがないときはこのケースが疑われますので、アカウント停止に関する審査を要求しましょう。システムのミスが認められた場合、直ちにアカウントが復旧します。
Facebook広告の問い合わせ方法
Facebook広告に関する問い合わせで注意したいのは、電話による問い合わせの方法が、一部ユーザーしか使用できないものに限られているということです。Facebookを運営しているMeta社の日本法人に対する、問い合わせのための電話番号は公開されておらず、Facebookユーザーなら誰でも電話できるという状態ではありません。Meta社からのサポートを受ける場合、通常のケースでは電話以外の問い合わせ方法を利用することになります。
では、Facebook広告に関する問い合わせはどのような方法が利用できるのでしょうか。ひとつひとつ見ていきましょう。
Facebookヘルプセンター
まずご紹介するのは、Facebookヘルプセンターです。こちらはFacebook全般に関するヘルプ記事を検索することが可能で、キーワードでの検索や、カテゴリ別に分けられたヘルプを見ることができます。
個人のSNSとしてのFacebookに関するヘルプセンターという役割も担っているので、ビジネス利用に特化したヘルプページは多くありません。しかしながら質問の量は膨大であるうえ、後述するビジネスヘルプセンターでは見つからないような質問と回答もありますので、まずはここから解決策を探してみましょう。
ご意見・ご提案の送信
ヘルプセンターなどで解決策が見つからなかった場合、ご意見・ご提案のページから、自分の文章でヘルプセンターにメッセージを送ることができます。
こちらのページは質問を投稿するフォームではなく、あくまでヘルプセンターの内容に関するフィードバックを目的としたページです。そのため、質問を直接的に入力しても解決策が示される可能性は極めて低いです。また、自分のアカウント宛に返信が返ってくるケースもほとんどありません。あくまで試行できる手段の1つとして心得ておくことをおすすめします。
Meta社のビジネスサイト、Metaビジネスヘルプセンター
Facebook広告に関する基本事項を確認したい場合には、Meta社のビジネスページを参照するのも良いでしょう。Facebook広告の基本的な使い方や、広告プラットフォーム、クリエイティブの仕様などを確認することが可能です。
また、ビジネスページやヘルプセンターからアクセスできるMetaビジネスヘルプセンターには、Facebook広告に関する専門的な疑問と解決策が集められています。Facebookヘルプセンターよりもビジネスに特化した内容が中心となっていて、ポリシー違反に該当するケースやトラブル解決の手段や手順が紹介されています。こちらでもキーワードを入力しての検索が可能であるほか、上の項目でも紹介したチャットサポートもここから利用することになります。
メール
ここまで紹介した方法で解決策が見つからなかった場合には、Meta社のスタッフに対して直接質問をする必要があります。しかし、上述のように、チャットサポートは広告を出稿している人が利用できるものであるため、広告を出稿する前やしばらく広告を出稿していなかったときでも利用できる手段を覚えておきましょう。
ビジネスページから問い合わせをするための入力フォームを利用できるので、質問内容などの必要事項を入力しましょう。返信は1営業日を目安に届きます。
Metaプロチーム
先述の通り、Facebook広告に関しては電話での問い合わせは不可能です。しかしそれは通常のユーザーに限っての話であり、ある条件を満たしたユーザーであれば電話での問い合わせも可能となります。その条件とは、Metaプロチームによるサポートを受けているアカウントであることです。
Metaプロチームとは
Metaプロチームとは、Meta社が独自の基準で選定した広告主に対して広告を中心としたビジネスをサポートするシステムのことです。プロチームからのサポートを受けるにあたっては追加料金などは発生せず、広告を出稿するための費用だけで利用可能です。2022年7月現在では対象となっている広告主は限られているようですが、今後は提供範囲が拡大される方針であるとのことです。
3つのプロチーム
Metaプロチームは、サポート内容によって3つに分けられています。
「Metaマーケティングプロ」は、広告の最適化を中心としたサポートをおこなってくれます。FacebookやInstagramの広告の連携などを駆使するなどの新しいマーケティング手段を提案。広告によってもたらされる成果を最大限とするための戦略が立てられます。
「Metaテクニカルプロ」は、広告の設定面を中心としたサポートをおこなってくれます。Metaピクセルなど、広告の効果測定の設定、商品カタログの内容や設定などの最適化によって、広告の成果を向上させるだけでなく、広告の効果に関するデータを効果的に収集できます。
「Metaサポートプロ」は、各種トラブルへの対応を中心にサポートをおこなってくれます。広告アカウントに発生した問題についても、対処法などを伝授してくれます。
問い合わせの際に用意しておくもの
Facebook広告に関する問い合わせをおこなう際は、Meta社側と認識を合わせるためにこちらの状況などを正確に伝える必要があります。そのためにも、必要な情報はあらかじめ手元に用意しておきましょう。この項目では、メール・入力フォーム・チャットのスムーズな進行のために用意しておくべきものを紹介します。
アカウントの情報
問い合わせをする際には、実際に問い合わせする人の名前とメールアドレス・電話番号、そして問題が発生しているアカウントのIDを正しく伝えるようにしてください。これらの情報は、Meta社側にアカウントを正しく把握してもらう上で必須の情報です。
Facebookの利用者は、全世界では約29億人、日本では約2,600万人いると言われています。それだけの数のアカウントからたった1つを特定するためには、これらの情報が必要不可欠です。迅速な対応を求めるなら、Meta社が早めに状況を把握できるよう、こちら側でもできることをやるようにしましょう。
問い合わせ内容のメモ
問い合わせのやりとりをスムーズに進めたい場合には、あらかじめ問い合わせたい内容を文章にしておくことをおすすめします。
特にチャットや電話のような、リアルタイムで問い合わせが進行するような方法をとっている場合には、スムーズなやりとりのために用意しておくようにしましょう。
問い合わせの注意点
この項目では、Facebook広告に関する問い合わせをするときの注意点について紹介します。注意点を無視した問い合わせをおこなっても、望んだ成果は得られません。問い合わせを検討する前に、これらの内容については承知しておいてください。
問い合わせできるのはトラブルの解決策のみ
Metaプロチームのサポートを除けば、Facebook広告に関する問い合わせはあくまでトラブルへの対処が主です。ですので、広告を活用した企業戦略の相談や、最適化に関するアドバイスを求めることはできません。
Meta社側としても、全ての広告主に対して相談に乗れるようなキャパシティは有していません。広告の戦略については、自分達で解決するか、Facebook広告を得意としている広告代理店に相談しましょう。
問い合わせの結果に期待しすぎない
元も子もない話ですが、必ずしも望んだ形の回答を得られると思って利用しない方がいいでしょう。そのぐらいの心構えで臨まないと、肩透かしを食らったときの落胆が大きくなってしまいます。
特にポリシー違反によるアカウント停止の問い合わせでは、スタッフも機械的な返答しかしてくれない可能性も考えられます。Facebook側のミスによるアカウント停止であれば真摯に対応してくれることが期待できますが、こちらがポリシー違反を犯してしまっているときは、非はこちらにあると思うぐらいの姿勢で臨んでみてください。
Facebook広告のトラブルは自分でも解決できるようにしよう
Facebook広告に関する問い合わせは、Metaビジネスヘルプセンターで解決策を探す方法が主な手段となります。電話での問い合わせはほぼ不可能であるうえ、スタッフによる対応も万全とは言い難い部分があります。
Facebook広告に関して何らかの問題が起きたときには、できるだけ自分で解決策を探し出すことをおすすめします。自力で解決できるようになれば、トラブルに直面したときの対応がより確実なものとなるでしょう。