Facebook広告とはどういったものなのか、また、Facebook広告をより良い結果につなげるためにはどうすればいいのか。本記事では、そんなポイントについて解説します。
Facebook広告を活用している企業の導入事例を中心に、注目されるデザインテクニックについてもまとめました。また、広告を配信する際の注意点や飽きさせない方法についても紹介しています。
自社でFacebook広告を配信する際に是非参考にしてください。
Facebook広告とはどういったものなのか
SNSの普及により、パソコンやスマホユーザーに対する広告が注目されています。その中で代表的なものがFacebook広告です。
Facebook広告とは、Facebookのプラットホームを中心にした運用型広告のことです。
この項目では、Facebook広告が具体的にどういったものなのかについて解説するとともに、成功事例や成功させるためのポイントを解説します。
ターゲティング精度の高い広告を打ち出すことが可能
Facebookでは、Instagram、Messenger、Audience Networkのアプリやサイトに広告を配信できます。代表的なAudience Networkとして「食べログ」や「Gunosy」などが存在しており、幅広い顧客に対応している点がポイントです。
ターゲティング精度が高く、Facebookに登録されている情報をもとにユーザーが求めている広告を発信することで購入やサービス契約に結びつけることができます。
成功事例から自社の活用方法につなげよう
この項目では、実際にFacebook広告を活用して成果を上げた企業の実例について解説します。それぞれ企業のジャンルが異なっており、自社に当てはめて考えることができるようになっているので、ぜひ参考にしてください。
メルセデス・ベンツ日本株式会社
メルセデス・ベンツ日本株式会社は、メルセデス・ベンツの正規販売店です。高価な車を販売していることもあり、少しでも安価に購入できる認定中古車に関する問い合わせが多かったそうです。
そこで、Facebook広告を利用して、「自動車イベントリー広告」を活用しました。この広告は、企業側で認定中古車のカタログをアップロードしておくことで、リアルタイムで在庫や価格情報が表示されるようになります。
最新の情報を知りたいユーザーにとって有効な広告であり、広告のクリック率も上がることがメリットです。
メルセデス・ベンツ日本株式会社では、このタイプの広告を導入したことで問い合わせ率やクリック率が上がり、販売実績も上昇しています。
株式会社フジボウアパレル
株式会社フジボウアパレルは、富士紡ホールディングスの参加で「B.V.D.」ブランドなどの企画・製造・販売を行っています。
自社製品に対してどういった人たちが興味を持っているのかを調べるために、複数の広告パターンを使って効果検証を行いました。そこから得られた情報を基に、ユーザーに最も興味を持ってもらえる商品を開発して販売することにつなげたのです。
効果検証の方法として、4つの異なる写真広告と動画広告を用意し、商品の特徴や文章も異なるものを使ってA/Bテストを行いました。検証の結果、最も効果のある広告と最も効果の低いものでは2.4倍の差があり、よりユーザーに響く商品を開発することの重要さがデータから得られています。
GANMA!
GANMA!は、オリジナル漫画を無料で読むことができ、新人や若手漫画家の作品をチェックできるのが特徴のスマホアプリです。GANMA!が使ったFacebook広告のスタイルはカルーセル広告です。
カルーセル広告とは1つの広告枠に複数のURL付き画像や動画を表示できる広告スタイルで、GANMA!で連載されている漫画を画面全体に表示することで、実際にアプリで漫画を読んでいるのと同じような状態を体感できるようにFacebook広告を活用しました。
最後に「この続きはGANMA!アプリで!」という形で続きが気になる新規ユーザーが、アプリをインストールするように誘導してクリック率やインストール率をアップさせています。
Felissimo
Felissimoは、兵庫県神戸市に本社を持つ大手通信販売会社で、主にファッション、生活雑貨、ホビー商品、美容関連商品、食品などを自社開発しています。同時にそれらの商品の通信販売業務を行っており、新規購入者を増やすためにFacebook広告を導入しています。
Felissimoの場合はFacebookとInstagramの両方に広告を配信し、一つの広告に複数の画像や動画を横並びさせられるカルーセル広告を採用しました。
スマホの場合はスワイプ、パソコンの場合は左右の矢印をクリックすることで複数のアイテムをチェックできるのがポイントです。色違いや似ている商品の比較が簡単にできることから、新規購入ユーザーが増えてFacebook広告の導入に成功しています。
ユビレジ
ユビレジは、簡単操作でホール業務の効率化につなげられるPOSレジアプリ「ユビレジ」を開発した企業です。新人スタッフでも簡単に操作が覚えられるPOSレジアプリになっており、会計と同時に集計や分析データを自動で作成してくれるのが特徴です。
より多くの人にユビレジを知ってもらうためにFacebook広告を活用し、興味を持ったユーザーが無料お試しを注文しやすいように設定しています。通常こういったタイプのサービスでは、資料請求のボタンを設定することが多いですが、無料お試しにしたことで体験や比較をしやすい状態になったのです。
C4株式会社
C4株式会社は、「施工管理求人ナビ」という施工管理技士向けの転職サイトを運営しています。特定の業種向けの転職サイトということもあり、メッセンジャー誘導広告を採用しました。メッセンジャー誘導広告というのは、広告をクリックするとbotまたは担当者とチャットが行える広告です。
転職を考えている人がスムーズに相談しやすいシステムになっているのがポイントです。また、C4株式会社の場合は「施工管理技士あるある」という言葉をメインメッセージにしており、ユーザーの共感を得やすい広告を展開しました。
笹すし
笹すしは鳥取県にある寿司店で、既存顧客だけでなく他の地方の新規顧客獲得のためにFacebook広告を導入しました。地元で知られているお店でも県外では知られていないお店というパターンは珍しくありません。笹すしは実際にお店で提供しているお寿司などの画像を掲載して、新規顧客の獲得に成功しました。
大手チェーンと異なり、地元に根づいた個人店に近い店舗は、Facebook広告を活用し、いかに新規の顧客を新しく得るかが重要と言えるでしょう。
リノベ不動産
中古住宅の購入とリノベーションをセットにして提供しているリノベ不動産では、Facebook広告を活用してリノベーション事例の発信を行いました。リノベ不動産のキャッチコピーである「いままでにないワクワクを!」を感じられるようなリノベーション事例を掲載したことで、中古住宅のリノベーションについて分かりやすく伝えられています。
また、写真だけでは伝わりにくいリノベーションの変化を動画広告を採用することで、新規顧客の獲得につなげました。
DOKODEMO
DOKODEMOは、日本で販売されている商品を世界中に販売しているオンラインショッピングモールです。幅広いジャンルの商品を免税価格で取り扱っている点が特徴であり、越境ECを楽しめるサービスになっています。少し珍しいタイプのサービスということもあり、認知度拡大のためにFacebook広告を活用しました。
メインに使ったのは、ユーザーのサイト閲覧履歴などを元に広告が表示されるダイナミック広告です。ダイナミック広告は、ユーザーに合わせて自動で広告が掲載されるのがメリットであり、ECサイトのように商品の種類が多い業界におすすめの広告方法になっています。
DOKODEMOはダイナミック広告を使ったことで、母国の関心に合わせた商品が表示され、結果的に新規アプリユーザーの増加に成功しています。
モスバーガー
マクドナルドなどと同じ人気ハンバーガーチェーン店であるモスバーガーもFacebook広告を活用しています。ハンバーガーチェーン店として高い知名度を誇るモスバーガーですが、店舗利用客を増加させるために動画広告を導入しました。
モスバーガーのFacebook広告の特徴として、若年層ユーザーがモバイル環境で広告を閲覧する機会が多い点に注目したのです。
モバイル環境に適した縦長フルスクリーン動画広告を採用し、見やすく分かりやすい広告で売上げアップにつなげています。
Facebook広告の効果を最大限に発揮させる3つのポイント
様々な導入事例を確認しましたが、Facebook広告の効果を最大限に発揮するためにはどういったポイントに注意すればいいのでしょうか。
この項目では、Facebook広告を導入する上で大切なポイントを3つまとめました。
広告を配信する目的やゴールを決める
広告を配信するためには費用や手間がかかるため、その費用対効果が重要になってきます。どれだけ便利なFacebook広告でも目的やゴールが定まっていないものでは、得られる結果もあやふやなものになるでしょう。
そのため、最初に広告を配信する目的やゴールを明確化し、広告期間などもしっかりと定めておくことが重要です。商品やサービスをどういったユーザーに届けたいのか、既存や新規開拓を目的にしているのかなどを決めることで広告の内容も定まってきます。
一定期間が経過しても広告効果が得られない場合は、画像広告だけでなく動画広告も採用するなど、様々な広告タイプを検討してみてください。
目を惹く広告を作る
スマホやパソコンで表示されるFacebook広告は、最初の数秒が重要だと考えられています。たとえば、動画広告を掲載する場合は冒頭部分に印象的な演出を持ってこないと、ユーザーに興味を持ってもらえないのです。
通常の広告タイプでも自社製品やサービスとユーザーがマッチしやすい文言や画像を使うことが求められます。広告の種類もどのタイプがユーザーに見てもらいやすいかを検討し、クリック数などのデータを元に適宜作り変えることも検討してください。
広告の鮮度を保つためにPDCAを頻繁に行う
広告は同じものを使い回すのではなく、新しいものに切り替えて鮮度を保つことでユーザーを飽きさせないことが重要です。
こういった新しいものに切り替えていくためにはPDCAという考えが重要になります。PDCAとは「Plan(計画を立てる)」「Do(計画を実行する)」「Check(行動を評価する)」「Action(改善し、次回に繋ぐ)」の4つの頭文字を取ったフレームワークのことです。
この4つのプロセスを循環させることで生産性をアップし、広告の鮮度を保つことができるようになります。特に広告市場は顧客のニーズが目まぐるしく変化するためPDCAを頻繁に行って、ユーザーに刺激を与える必要があることを覚えておきましょう。
Facebook広告で重視したいデザインテクニック
広告の種類やターゲティングについてPDCAを行いながら、よりFacebook広告の成果を出すためにはどういったデザインテクニックが必要になるのでしょうか。
この項目では、Facebook広告におけるデザインテクニックについて解説します。
ユーザーの視覚を刺激するデザイン
Facebook広告は様々な広告タイプがあり、文字だけでなく動画などを活用したものも配信できます。
シェアされやすいのは動画広告ですが、導入事例で紹介したような「あるあるネタ」をテキストで掲載したものも人気があります。
いわゆる「バズる」投稿とはどういったものなのかをSNSで研究してみると良いでしょう。ただし、個性的なものは注目される可能性がアップしますが、ユーザーの中には嫌悪感を抱く人もいます。
自社のイメージを大切にしながら、刺激があり注目されるデザインを考えてみましょう。
ランディングページも大切
広告を経由してはじめて訪れるページをランディングページと呼びます。ユーザーにとって広告とランディングページのイメージが異なることは、商品やサービスの購買欲を失う原因になるため、十分に気をつけて作成しなければなりません。
広告でメインにしている内容とランディングページは近いものにしておくことで、ユーザーはより詳しく情報を得ようと行動してくれます。
ランディングページは広告に近い形で分かりやすく、情報をあまり詰め込みすぎないものがおすすめです。商品の価格やサービス内容によって雰囲気を変えてみるのも良いでしょう。ランディングページをより良いものにすることが実際の結果につながるので検討を重ねてください。
シンプルで分かりやすいCTAにする
広告に「いまなら半額!」という風にボタンがついているものも多いです。こういったCTAという行動喚起を促すテキストやボタンは、シンプルで分かりやすいものにしておきましょう。
企業にとって、ユーザーにとにかくアクションを起こしてもらいたいときに重要な要素となります。
期限を定めて「本日中なら半額!」といった形にすれば、よりアクションを起こしてもらいやすくなるでしょう。ユーザーに興味を持ってもらい、行動につなげることが広告の効果をアップさせます。
トレンドを取り入れた広告にする
流行や季節ごとのトレンドを取り入れたFacebook広告もおすすめです。
朝の情報番組や昼のワイドショー、夕方のバラエティ番組などをチェックしてトレンドをすぐに取り入れることで、広告の効果アップにつながります。
競合他社に遅れを取らないように、常に流行に対してアンテナを張ってFacebook広告に取り入れましょう。
エンタメ要素はユーザーの興味を惹く
Facebook広告を見てみると、ユニークなエンタメ要素を取り入れた広告が多数あることがわかります。
たとえば、クイズ形式や間違い探しなどはついつい気になってしまう広告と言えるでしょう。こういったエンタメ要素はユーザーがクリックしやすい広告の一つです。
結果をうまくランディングページにつなげられるような広告を作成できると、商品購入やサービス契約数も増加します。
Facebook広告を配信する前に注意するポイント
この項目では、Facebook広告を配信する前に注意するポイントについて解説します。
いきなり広告を配信することもデータとして重要ですが、広告費用を無駄にしないためにも事前準備をしっかりと行いましょう。
広告の目的をしっかりと定義する
広告はただ配信するだけでなく、配信するための目的をしっかりと定義させておくことが重要です。
地元だけでなく他県に対しての認知度をアップさせたい、より多くの人にシェアしてもらいたいなどの目的を決めておきましょう。
目的をしっかりと定義できると、広告タイプや内容を自然と決められるようになります。
機械学習を用いた自動入札をうまく活用する
Facebook広告は機械学習を用いた自動入札を設定できます。
自動入札とはキャンペーンや広告でセットした内容に合わせて、Facebook側が予算を消化しつつ結果が最大化するように、自動で入札額を調整してくれる機能です。
「最小単価」「平均目標達成単価上限」「入札価格上限」などをチェックして、機械学習がうまく機能するようにしましょう。
一定のサンプル数が必要
先程の自動入札を最適化するためには、一定のサンプル数が必要になってきます。
サンプル数の目安として、1週間にWebサイトの成果指標であるCVが50件以上必要です。適切なCV数が確保できることで最適化が進み、Facebook広告がうまく機能するようになります。
CV数確保のためには、広告セットの分けすぎを控えて、サンプルが分散しないように注意しましょう。
クリエイティブの検証を行う
広告はビジュアルやフォーマットによって得られる結果が異なってきます。そのため、複数のクリエイティブを用意して検証を行っていきましょう。
パフォーマンスの高いクリエイティブだからといって、ずっと同じものを使い続けると成果は減少してきます。そのため、定期的にクリエイティブを新しいものにして飽きさせないことが重要です。
クリエイティブのリフレッシュ頻度は2週間~1ヶ月ほどがおすすめです。
ユーザーに「またこの広告が表示されてる」と不快感を抱かせないように、定期的なテコ入れを行ってください。
広告ライブラリで競合他社の情報を得る
Facebook広告には「Facebook広告ライブラリ」という機能があります。こちらの機能は、自社を含めた企業がどのような広告を出稿しているかをチェックできるものになっています。
該当するのはFacebook、Instagram、Messenger、Audience Networkに配信している広告全てで、誰でも閲覧することが可能です。
広告主のFacebookページや出稿された広告内容をチェックできるため、競合他社がFacebook広告をどのように活用しているかを知ることができます。配信期間なども知ることができるため、自社の広告と時期がかぶることを避けることも可能です。
競合他社の良いところを参考にしながら、自社の特徴をうまく反映させたFacebook広告を配信しましょう。
Facebook広告で自社の魅力を発信しよう
今回の記事では、Facebook広告の導入事例や広告効果をアップさせるポイントについて解説しました。
Facebook広告は様々なフォーマットがあり、企業ごとに合ったスタイルを見つけることが可能です。今まで自社の製品を知らなかったユーザーにも知ってもらえる機会になり、売上げアップにつながるのがFacebook広告の魅力です。
広告を発信する際は、目的を明確化し、トレンドを取り入れながら定期的にリフレッシュさせることが重要になります。広告ライブラリなどを活用して、Facebook広告でより注目される広告を配信しましょう。