Facebook広告には、動画を活用するのがおすすめです。Facebook広告は、画像だけより動きがある動画の方が、ユーザーには刺激があって、広告の内容も印象にも残りやすいからです。
ただしFacebook広告の動画広告には、複数の種類や動画サイズがあり、どのプラットフォームで配信するかによっても効果が異なります。
そこで今回は、Facebook動画広告の種類や推奨サイズ、またメリットや効果の上がる動画広告作成のポイントについてまとめました。
Facebookの動画広告とは
Facebook広告の動画広告について、基本的なことから解説しましょう。
認知度とコンバージョン率を上げるのが目的
Facebook広告で動画を利用する目的は、ブランドやショップの認知度を高め、購入やサービス利用にいたるコンバージョン率をアップさせることです。
そのために、ポイントをおさえて訴求できる仕組みが、Facebook広告の動画広告には数多く備わっているのです。
後述しますが、Facebook広告の動画の種類は大きく分けてフィード、インストリーム、ストーリーズの3種類で、動画広告が配置できるフォーマットサイズは4種類あります。
Facebook広告は、ただ希望すればだれでも配信できるものではありません。オークション形式となっており、そこで落札できた場合にのみ出稿できることになっています。
その決定に際しては、
- 入札額
- アクション率
- 広告品質
の3要素が総合的に考慮されることになっています。アクション率とは、過去に配信したFacebook広告で「いいね!」や「クリック数」といったユーザーに何らかのアクションを促したり、受けがよかったりした割合を表すものです。
ただし、自分の広告のアクション率や広告品質がどの様に評価されているかを、知ることはできません。Facebookのシステムは、各広告のニーズが高いと考えられるターゲットに向けて最適なタイミングで配信することを最大の目的としており、その判断については、あくまでもシステム内のアルゴリズムにお任せとなっているのです。
【facebook広告】動画広告の種類と動画サイズ
それでは、ここからFacebookの動画広告の種類や動画サイズについて具体的に紹介していきましょう。
Facebook広告の動画サイズとアスペクト比
Facebook広告における動画広告には、「フィード」「インストリーム」「ストーリーズ」の3種類があり、それぞれにFacebookが推奨しているフォーマットや動画サイズがあります。このサイズを把握したうえで動画コンテンツを作成しなければ、閲覧時に動画が画面サイズにうまく収まらなかったり、テキストが挿入できなかったりする恐れがあるので要注意です。
とくに、動画サイズと横と縦の比率をあらわすアスペクト比について、神経を配る必要があると認識してください。以下に、Facebook広告の種類をそれらの推奨される動画サイズやアスペクト比とともに紹介しましょう。
フィード
Facebookを開くと最初に飛び込んでくる画面が、フィードです。全ユーザーにとってもっとも馴染みが深く、目にもとまりやすいのが、フィード広告といってよいでしょう。
Facebook広告におけるフィード広告での推奨される動画サイズは、1,080×1,350pxで、アスペクト比(横:縦)は、4:5です。動画の再生時間は、最大240分のサイズまで対応可能です。
インストリーム
インストリーム広告とは、動画の途中で表示される広告のことです。動画再生の冒頭部で配信される「プリロール」、動画の再生途中で表示される「ミッドロール」の2種類があり、1分以上の動画コンテンツに対して15秒以内で配信することができます。
それ以上の長さがある動画については、「続きを見る」が表示され、希望するユーザーのみに視聴されることになります。
インストリーム広告の推奨される動画サイズは、1,080×1,080px、アスペクト比は、16:9です。対応再生時間のサイズは、5秒~10分です。
ストーリーズ
ストーリーズ広告は、投稿後24時間で自動的に消える、5~15秒までのサイズの動画広告になります。視聴可能な期間を短く区切ることで、ユーザーの興味を強く引く狙いがあります。動画広告内に、ランディングページへのリンクを埋め込める機能もあるので、ユーザーがわざわざ検索し直す手間を省くことが可能です。
ストーリーズ広告の推奨の動画サイズは、1,080×1,920pxで、アスペクト比は、9:16です。対応再生時間は、1~120秒です。
配置される場所
次にFacebook広告の動画広告が配置される場所について説明しましょう。具体的には、Facebook、Instagram、Messenger、Audience Networkの4種類です。
適切な配置場所を選ぶ重要性
動画広告はただ闇雲に好きなところに出稿すれば効果が上がるものではありません。配置場所によって、例えばFacebookならビジネスマンや30〜40代以上とか、Instagramならコスメやファッションに興味がある女性といった具合に、Facebook広告を強く訴求できるターゲットとそうでない相手があるからです。
よって、自社の動画広告がどの配置場所で効果が上がりやすいかをよく見極める必要があるのです。
すでにお伝えしたように、Facebookでは、フィード、インストリーム、ストーリーズの3種類の動画広告が投稿できます。
とくにストーリーズ広告は、Instagramと連携して、どちらにも出稿することができるので、ピンポイントで訴求力を高めたいときにおすすめです。フィード(タイムライン)の上部分にあるストーリーズセクションに配置されます。
Instagramでは、フィードとストーリーズに動画広告が配信できます。ストーリーズについては、上述のようにFacebookとの連携が可能です。また、画面の上部に表示され、希望者のみが閲覧するかたちとなるので、いたずらにユーザーの邪魔にならないように動画広告を配信できるという特徴があります。
Messenger
Messengerは、世界的に見るとユーザー数がLINEよりはるかに多いため、広告媒体としても非常に有効です。
Messengerには、ユーザーがクリックしてリンク先へ移動する前に、広告画面内でユーザーと直接コンタクトをとってメッセージをやり取りできる機能があります。「何か困っていることはありませんか?」などと語りかけることで、ユーザーからの問い合わせなど、具体的なアクションを引き出す機会が増やせるでしょう。現に利用者には、顕著な成果が出ているケースが多いので、ぜひ検討してください。
Audience Network
Audience Networkは、Facebookが提携している数千以上にものぼるモバイルアプリやサイトのことで、こちらにも動画広告を配信することができます。
グノシーをはじめとするメジャーなアプリも多数存在するので、FacebookやInstagramなどとは違ったターゲット層にアピールすることができるでしょう。
動画広告のメリット
動画広告のメリットについて掘り下げましょう。
自動再生される
フィードに出稿した動画は、音声をオフにしたままで自動再生される仕組みになっています。
ユーザーが閲覧中やスクロールしている最中に広告の場所にくるとタップせずとも動画がスタートするので、画像だけの広告に比べると訴求力が高まると期待できます。
予算を調整できる
Facebook動画広告は予算の範囲内でオークションに入札し、採用された場合もその金額以内の支出しかありません。
よって、想定以上に広告費がかかることがないので、安心です。もちろんFacebook広告にかかる予算は、都合に合わせて自由に変更可能です。
拡散の可能性が高い
Facebookではユーザーが動画広告をみて楽しいとか面白いと感じた場合に、Facebookで拡散してもらえるケースがよくあります。
Facebookのユーザー数は、SNSの中でも群を抜いて多いため、短時間の間に広く波及していく可能性は十分にあるでしょう。「まさか」の効果が期待できる点は、Facebook広告ならではの大きなメリットです。
高いターゲティング精度
Facebookは、実名登録になるため、年齢や住所、業種、趣味など、プロフィールや関心ごとについてのデータが非常に豊富です。それらの情報をもとに広告を配信できるので、適切なターゲット設定ができれば、高い効果が期待できるでしょう。
スマホ画面に無理やり割り込んでくる広告は、ユーザーにとって大きなストレスとなりやすいです。ことによっては、好印象を与えるどころか、悪いイメージだけを残してしまう恐れもあるでしょう。よって、情報を必要としている可能性が高いユーザーに向けてターゲティングすることは、非常に重要なのです。
テキストとの組み合わせで効果が倍増
Facebook動画広告画面にはテキストを載せることも可能です。動く画面によって広告の内容を印象づけると同時に、文字でその情報を重ねて発信できます。さらにその内容を音声にし、聴覚にも上乗せして訴えることで、単に画像で見せる広告より何倍も効果を増やすことができます。
人によって、目から情報を得るのが得意なタイプと、聴覚からの情報の方が記憶に残りやすいタイプがいます。よって、視覚にも聴覚にも訴求できる動画広告作りは、多くのターゲットにリーチする意味で、大変有効といえるでしょう。
有効なデータが収集できる
動画広告はただ配信するだけでなく、広告を見たユーザーのさまざまなデータが大量に収集できるメリットがあります。
年齢や性別、業種や、どこに配置されたどの広告への反応がよかったまたは悪かった、といった情報がまとめて手に入ります。したがって、効果の薄いコンテンツは削ったり配信する場所を変えたりして、広告の費用対効果を高めることができるでしょう。
動画広告の課金の種類
動画広告には、「クリック課金(CPC)」と「インプレッション課金(CPM)」「Thurpay(CPV)」の3つの課金パターンがあります。これらの仕組みを理解して、広告予算を有効活用してください。
クリック課金(CPC)
「クリック課金(CPC)」は文字通り、クリックされたときに課金される仕組みです。1クリックごとの価格がオークションを経て決定されるので、一定ではありません。
ただユーザーが閲覧しただけでは課金されません。よって、閲覧されたら必ず課金されるインプレッション課金よりは、費用対効果が高いといえるでしょう。
お問い合わせや体験サービスの申し込み、購入といったコンバージョンに結び付けたいときに有効です。
インプレッション課金(CPM)
「インプレッション課金(CPM)」は、広告が表示された回数に合わせて課金されます。
具体的には、1,000回表示された際の価格がオークションで決定します。企業名や商品名、ブランドなどの認知度を高めたい場合に有効です。
Thurpay(CPV)
「Thurpay(CPV)」は、動画が1回再生されるごとに課金されます。
設定した時間まで再生されるか、15秒以上再生された場合にカウントされます。設定した時間というのは、5秒、8秒というように、15秒以内の任意のタイムで、最後まで視聴された場合のみ1回とみなされます。途中で停止されたり、離脱されたりした場合は対象になりません。
動画広告作成のポイント
最後に、効果的な動画広告を作成するためのポイントについて解説しましょう。これらを意識して制作するのと、そうでないのとでは、訴求力に大きな開きが出るので、しっかりとチェックしておいてください。
テキストを適度に使う
動画広告には、テキストを併用して出稿すると訴求力がグンと高まります。全画面にまんべんなく入れるとクドイですが、要所にキャッチーなワードや強く訴えたいインパクトのあるメッセージを挿入するのはおすすめです。
ただし、とくに静止画面や画像の場合、テキストの割合が20%を超えると広告効果が著しく下がるとの指摘がFacebookからもあります。よってサムネイルについては、この範囲を超えないように心掛けてください。また、テキストが20%を超えた場合は、ユーザーへの利益を損なう理由からFacebookで広告が表示されなくなるケースもあるので、注意してください。
適切な配置場所を選ぶ
広告は配置場所によって、効果の出方が大きく異なることが珍しくありません。よって、広告内容に合う場所を選択することが、重要です。
Facebookなら30~40代、しかもビジネスパーソンへの広告が非常に有効と言われています。
Instagramなら10~30代で、コスメやファッション、アクセサリーなどに興味のある女性への広告に適しています。
Messengerは、人材派遣や金融系の広告がおすすめです。
Facebook広告の動画広告は再生時間や動画サイズをコンパクトに仕上げる
同じ動画でもとくに広告の場合は、じっくりと長い時間をかけて最後まで視聴してくれるユーザーはごく一部に限られます。とりわけ何が言いたいかよく分からない動画は、一瞬で停止されたりスル―されたりする確率が高いです。
目安は長くても30秒です。メリハリをつけて再生時間も動画サイズもコンパクトにまとめることに徹してください。
最初の3秒が肝心
動画広告は、最初の3秒が大事と言われます。正確には、3秒未満といってよいでしょう。
ユーザーの大半が、観る価値があるかどうかを、それくらい一瞬で見分けているということです。よって、冒頭にもっとも関心を引くインパクトのある場面とサウンドをもってくるようにしてください。
まとめ
Facebook広告の中でも、動画を用いたクリエイティブは、非常に効果が高いです。その証拠に、大手や業績を伸ばしているスタートアップは、こぞって動画広告を有効活用しています。
Facebook広告の動画広告は、画像以上に作り手のセンスが問われ、企業イメージも大きく左右しますが、うまく作成できれば、驚くほどコンバージョン率がアップするでしょう。早速、Facebookで動画広告の作成に取りかかって、一日も早く素晴らしい結果を手に入れてください。