SNSの代名詞と言えるサービスの1つがFacebook。昨今では若い年代の利用者はあまりいませんが、ビジネスシーンにおいては未だ重宝されているSNSです。そんなFacebookに広告を出稿することを検討したことはあるでしょうか。
Facebookは全世界で利用されているSNSですので、広告がもたらす効果は絶大だというイメージがあると思います。そうなると気になるのは、広告を掲載するための費用です。広告表示のされ方と費用はどういった関係があるのか。どうすれば広告を出稿できるのか。今回はそういったポイントを中心に掘り下げていきます。
Facebook広告の種類とは
Facebookの広告は、パソコンやスマートフォンのブラウザやアプリを使用してFacebookを閲覧しているときに表示されます。まずはFacebook広告の種類はどのようなものがあるのか見ていきましょう。
画像の広告
最も標準的な広告がバナー広告です。バナー広告は友だちやフォローしているアカウントの間に、さも一般的な投稿であるかのように表示される広告となっています。広告内容の簡単な説明文とともに、広告元へのリンクが入っている「詳しくはこちら」のようなボタンが載っています。
画像を使った広告は他にも、複数枚の画像を用いたカルーセル広告や、オンラインショップで販売している商品の画像などを貼り付けられるコレクション広告があります。
動画の広告
Facebookでは動画による広告もよく目にすることと思います。こちらも一般的な投稿の合間に表示されるもので、画像による広告と比較すると、より多くの情報を見せることが可能です。
動画を見せる広告はスライドショー形式で複数の画像を見せるスライドショー広告などが存在します。また、上の項目で紹介したカルーセル広告とコレクション広告に動画を用いることも可能です。
ダイナミック広告
ダイナミック広告は、ユーザーが閲覧したページの情報を元にして選ばれた広告が表示されるものです。参考にされるデータは「いいね!」を押した投稿や公式アカウント、フォローしているアカウントが投稿した内容の閲覧など、様々なアクションが反映されます。
Facebook広告の掲出場所
次に紹介するのは、Facebookの広告が表示される場所です。場所によって最適な広告の形が存在し、出稿する際には場所に応じた形の広告を用意することになります。昨今ではパソコンのブラウザよりもスマートフォンアプリで閲覧する人が増えているため、そのような利用実態に応じた広告の表示場所も用意されています。
フィード上
最もスタンダードな表示場所がタイムライン上です。この場所を「フィード」といいます。上の項目でも少し触れましたが、公式アカウントや友だちの投稿に挟まる位置に表示されます。Facebookユーザーの誰もが目にする位置ですので、パソコンとスマートフォンの両方に対して効果があります。
画面右側の広告枠
次はパソコンでFacebookを開いたときに表示される広告です。タイムラインの右側に画像と共に表示されています。
タイムラインはスクロールさせると画面外へと出てしまいますが、こちらの広告は画面内にとどまらせることが可能です。ただし広告表示される場所が画面の端という目に入りにくい場所であるため、フィードと比べると目立たない印象です。それでも画面内に有り続ける事は、広告としての強みと言えるでしょう。
ストーリーズ動画
Instagramでお馴染みのストーリーズ動画にも広告が挿入されます。パソコンよりはスマートフォンユーザーを意識した形の広告で、ランダムに表示されるものや、アクションの履歴に基づいた内容のものまで様々です。1本で完結するものだけでなく、数本が組み合わさって1分程度の動画になっているものもあります。
スマートフォンで閲覧する場合は全画面表示になります。動画は表示されたら自動で再生が始まるので、現代においては最も効果的な広告の1つと言えるでしょう。
広告を出稿する目的
Facebookに広告を掲載する際には、狙いを明確にさせてからおこなうと効果的です。目的に応じた広告を的確に用意できるので、無駄な費用をかけてしまうことの防止にも繋がります。
Facebook向けに限らず、広告を掲載する目的について想定されるものを挙げていきます。
認知度の向上
目的の1つが認知度の向上です。いわゆるブランディングと呼ばれる行動の1つなのですが、これはある商品を購入してもらう際に、自社の商品を真っ先に思い起こしてもらうための広報活動でもあります。街中にある看板やテレビCM、折り込みチラシと同じ事をしていると表現するとイメージが湧きやすいでしょうか。
広告をクリックして自社のブランドサイトに訪問してもらうことを目的としていないので、売り上げの伸びと広告の効果の関連性を示すことは難しいです。アクセスのデータを集めやすいWEB上という環境とも相性がよくない目的と言えるでしょう。しかしながら、不特定多数の人々の目に留まるという点においてはFacebookの利用が優れています。
ダイレクトな集客
広告を掲出する目的の2つめが、広告から自社サイトへのアクセスを促すというものです。WEB上に出稿する際は、こちらの方式をとる方がより効果的に売り上げに繋げられるほか、広告の効果がどの程度発揮されたかを示すのも容易です。
この場合、出稿する広告は思わずクリックしてしまうようなものにすることが望ましいです。アクセスした先のページでユーザーに商品の購入やサービスへの加入を促すことは、それ用のセールスレターの役割になります。Facebookからは自社サイトへのアクセスだけさせられれば、出稿した広告の役目としては満点だと考えましょう。
Facebook広告の課金方式
実際にFacebookへと広告を出稿すると、費用はどのぐらいかかるのでしょうか。この項目では、Facebookへの支払いが発生する課金形式について2つ解説します。
インプレッション課金
課金方法の1つめが、インプレッション課金です。こちらはユーザーが開いたページに広告が表示されるだけで課金される方式であり、1,000回表示あたりの単価となります。リンクのクリック数や、「いいね!」などのリアクション数は金額に影響しません。
こちらの方式は、広告を表示させることが目的の広告と相性がいいです。上の項目で紹介した、認知度向上を目的とした広告を掲載する際にはこちらを利用するといいでしょう。
クリック課金
課金方法の2つめがクリック課金です。こちらはユーザーがリンクをクリックして自社サイトにアクセスしない限りは課金が発生しないシステムです。広告が表示されるだけでは、課金は発生しません。
こちらはクリックしてもらうことを目的とした広告を出稿するのに有効な課金方式です。クリックされない限りは余分なコストも発生しないので、費用対効果の高さも優れています。
2つの課金方式を組み合わせて活用しよう
広告の出稿は、表示させたい広告の種類に応じて課金方法を変更することができます。その際は、広告の目的に応じて最適化させることが重要です。
紹介した2つの課金方式を組み合わせることで、広告を出稿する目的に応じた最適な表示方法をとることが可能になります。最小限のコストで最大限の結果を得るためにも、広告を表示させるターゲットを明確に設定することが大事です。
広告費を設定する
Facebookに広告を出稿する際は、あらかじめ広告費の上限を設定することができます。一体どのようにして設定するのでしょうか。広告の予算やそれに応じた細かい表示設定など、5つの設定方法をご紹介します。
アカウント内での上限設定
まず1つめが、アカウントで上限を設定する方法です。1つのアカウントに対し、例えば10万円を上限として設定したとします。するとFacebook上においては、10万円分の課金がおこなわれるまで広告が表示されるという流れになります。期間の設定ではなく、金額が上限に達するまでの広告出稿です。
この設定だけをおこなうと、複数のキャンペーン広告を出稿したとしても上限が共有されることになります。インプレッション課金ばかりが発生し、クリック課金が発生しないまま上限を迎えるという状況を迎えることも考えられます。それを防ぎたい場合には、次の項目で紹介する設定をしましょう。
キャンペーン別の上限設定
キャンペーンごとに広告費の上限を設定することも可能であり、これを有効に使いこなすことで広告の表示に関する無駄を省くことにも繋がります。
キャンペーンを作成してターゲットを設定すると、設定した予算に応じてどの程度の成果が得られるかのシミュレーション結果が表示されます。これを見ながら、一方のキャンペーンの上限を引き下げて、もう一方のキャンペーンの上限を引き上げるといった調整が可能になります。アカウントに設定した予算を効果的に振り分けるよう設定することも、無駄なコストをかけないコツです。
掲載期間と予算の設定
予算と掲載期間に関しては、細かい設定が可能です。
予算に関しては、定めた期間内の金額を決めることができます。設定できる期間は1日あたりか、その下にあるスケジュールの項目で決めた期間内などから選べます。スケジュールの項目では広告の出稿開始日時をいつにするかを設定でき、任意で終了日時も決められます。
オークションの入札単価設定
Facebook広告では、出稿を希望している広告のターゲットが被った場合は広告枠を競り落として勝ち取らないといけません。これはFacebook広告における広告オークションと呼ばれるシステムで、通常は広告主が定めた入札単価の上限を元に、Facebookのシステムが自動で最適な価格で競り落としてくれます。ですので広告主としてやることは、入札単価の上限を設定するだけです。
インプレッション課金の場合は、1,000回表示にいくら出せるのか。クリック課金では1クリックに対していくらを出すのか。それを決めるのが入札単価設定の項目です。
リーチ&フリークエンシー
最後に紹介するのが、広告予算に応じたリーチ&フリークエンシー購入を使用するやり方です。あらかじめ設定された価格と広告内容を元に、一定期間内における広告表示の頻度や人数などを細かく調整することができるようになります。
ある程度の期間だけ同じ広告を目にしても、何のアクションを起こさなかったユーザーに対してしつこく広告を表示させるのは効果的ではありません。むしろ無駄な広告費をかけてしまうだけです。リーチ&フリークエンシーを利用すれば、これを未然に防ぐようにして広告を出稿できます。
Facebook広告の相場とは
広告を出稿するための上限予算について解説しましたが、効率よく広告を出稿するためにはどうすればいいのでしょうか。
相場内で最大限の効果を出す
できることならば、限られた広告費の中で最大限の効果を発揮させたいものです。では費用対効果を上げる方法とは一体何なのか。それは1つひとつのキャンペーンの効果を分析し、より効率的に出稿する方法を考えて実行に移すことです。
Facebook広告の支払い方法
最後に紹介するのは、Facebookの広告料金を支払う方法です。日本で利用できるFacebookへの支払い方法は2つあります。
まずはクレジットカード(American Express 、JCB、MasterCard、VISA)、または国際ブランド付きのデビットカードです。
もう1つがPayPalです。こちらはアカウントに紐付けた上で自動決済にしておくと便利に利用できます。PayPalの手数料はFacebook側で負担してくれるので、ユーザーが負担するのは広告費のみとなります。
支払い失敗に注意
仮に広告費の決済が失敗してしまった場合は、広告が出稿されなくなってしまいます。支払いが滞ることなく進められるかをきちんと確認しましょう。特にクレジットカードの場合、ほかの支払いと合わせると残高不足になるというケースが起こりえます。クレジットカードは複数登録しておけるので、そうしておくことで残高不足のトラブルを防ぐことができるでしょう。
Facebook広告を効果的に打ち出そう
Facebookは実名での登録や出身地、会社なども入力できるSNSです。そのため利用するユーザーの情報が豊富に揃っていて、狙ったターゲットに対する効果的な広告を打ち出せます。はじめのうちは最適な広告の出し方が分からずに苦労するかもしれませんが、慣れると最小限のコストで最大限の効果を得ることもできるでしょう。
自分のサービスを誰かに広めたいときには、Facebook広告の活用を検討してみてはいかがでしょうか。