Facebook広告を作成するうえでメインとなる要素は、「テキスト」と「画像・動画」の2つです。
とくにテキストは、文字数を意識しなければクリエイティブの質を大きく下げてしまうおそれがあります。アレもコレも…と、つい言葉だけで何とか伝えたいと望むと、文字数ばかりが増えてしまい、かえって逆効果になりかねません。
そこで今回はFacebook広告のテキストについて、文字数の注意点やテキスト作成時に気をつけること、さらに広告効果の上がるテキストや審査をパスするコツについても詳しく解説します。
テキストの種類は3つ
まずFacebook広告におけるテキストの種類について説明しましょう。具体的には、「メインテキスト」「見出し」「説明」の3つになります。
メインテキスト
広告の中でもっとも目立つのが、この「メインテキスト」です。広告が表示された際、画面の上部に掲示されるので、ほぼ100%のユーザーが目にするといってよいでしょう。
よって、テキストの中で一番の訴求力を持つと考えてください。「読み手に最も伝えたいことを、端的に表現すること」が最大の役割です。メインテキストの完成度が高ければ、クリック率が高まり、その先のサイト閲覧や問い合わせ、会員登録へと効果的なアシストができます。そのためにも1文字も無駄にすることなく、しっかりと作り込む必要があります。
見出し
「見出し」はメイン画像のすぐ下に表示され、リンク先へと誘う役割があります。よって、3種類のテキストの中では、もっとも短くてキャッチーな表現が求められます。
「見出し」の下には、次に説明する「説明」テキストが入ります。この両方がユーザーの視界にはほぼ同時に入るので、セットで好印象を与えることができれば大変効果的でしょう。このエリアを見て、「もっと詳しく知りたい!」と思ってもらうことが重要です。
説明
メインテキストで説明しきれなかった内容を、この「説明」部分に書き込みます。よって、メインテキストとはあえて異なる視点や追加情報、キーワードなどを入れて作成することが、ポイントになります。
複数のテキストオプションもある
「メインテキスト」「見出し」「説明」は、1つの広告に対して1セットと考えがちですが、そうではありません。
Facebook広告では、3種類のテキストについて、最大5パターンまでオプション登録ができ、ユーザーや広告先に合わせて自動で組み合わせが変更されるシステムがあるのです。
よって、必ず1パターンで勝負しなければならないと思い込まずに、複数の可能性を追求しながら作り上げていくのがよいでしょう。
テキスト別文字数の目安
上記の3種類のテキスト要素には、それぞれFacebookから推奨されている文字数があります。必ず遵守しなければならないというわけではありませんが、超えると「…続きを読む」という形で省略されます。推奨文字数は、Facebook独自の分析で、広告のパフォーマンスがあきらかにアップする目安とされているため、この数以内で収めるのが好ましいでしょう。
テキストが多用される、「画像広告」「動画広告」「コレクション広告」「カルーセル広告」のそれぞれに分けて見ていきます。
メインテキスト
- 画像広告・動画広告・・・125字以内(リンクなし)
- コレクション広告・・・125文字以内(リンクなし)
- カルーセル広告・・・125文字以内(リンク付き)
見出し
- 画像広告・・・40文字以内(リンク付き)
- 動画広告・・・40文字以内(リンク付き)
- コレクション広告・・・40文字以内(リンク付き)
- カルーセル広告・・・40文字以内(リンク付き)
説明
- 画像広告・動画広告・・・25文字以内(リンク付き)
- カルーセル広告・・・25文字以内(リンク付き)
「説明」テキストに関しては、コレクション広告への掲載はできません。
評価の高いテキストとは
評価が高くなるテキストにはどのような共通点があるのか、解説しましょう。
言いたいことが100%伝わる
テキストは「その広告でもっとも言いたい内容が、だれにでも伝わること」が必須です。よって、簡潔で分かりやすい表現を使うことが求められます。要点がはっきりしない抽象的な文章は、読むと脳にストレスを与えます。その.ため多くのユーザーにスルーされやすく、広告効果を格段に下げてしまうので注意してください。
画像や動画の引き立て役である
Facebook広告を見ている人たちは、画像や動画に大きく刺激される傾向が強いです。文字から広告を理解しようとする人は、少ないと考えてよいでしょう。よって、テキストに求められるのは、ユーザーが「いいな!」と思った画像や動画を引き立てる内容が記されているということです。
「これ何?」とか「どうしてこんなに綺麗なの?」といった疑問の正体が瞬間的に伝わるようなワードを上手く織り込み、分かりやすい内容に仕上げるよう意識してください。
「必ず」「絶対」は使わない
Facebook広告では、「必ず」とか「絶対」という形で限定する表現は禁じられています。「○○g飲んだら△△kg痩せる!」という表記もダメです。人種や民族を特定するような言い方も認められません。特定の価値観を押し付けたり、決めつけたりするような表現を使わないテキスト作りを心掛けてください。
テキスト作成時の注意点
つづいて、テキストを作成する際にとくに意識したり注意したりすべき点についてお伝えしましょう。
テキスト量は画像面積の20%以下を徹底
クリエイティブによりインパクトを持たせるために、画像自体にテキストをかぶせる場合があります。
ただこの場合、テキストの割合が大きすぎるとかえって画像の邪魔をして、ユーザーが不快に感じることが少なくありません。よってこの点についてFacebookは、画像全体に占めるテキストの割合を20%以下にするのが好ましいと推奨しています。
かつては「20%以下に制限」されていましたが、現在では「制限」から「推奨」へと変わっています。極端な話、画像全体をテキストで覆ってしまってもよいわけですが、20%をオーバーすると、客観的に見てもあきらかに煩わしく見えます。また、その様な広告はユーザーにとって好ましくないと判断され、表示されなくなる可能性もあるので、決しておすすめはしません。
左側を重視する
自分に当てはめて考えてみると分かりやすいと思いますが、とくにスマホ画面でテキストを読む際、人は画面左側を優先的に見る傾向が強いです。横書きのテキストは左から右に向かって書かれているので、自然と文字を左から追いかける癖があるのです。
そのためレイアウト上は、あえて左側に重要なキーワードがくるような調整を心掛けてください。すると伝えたい大事な情報が、読み手の印象により強く残りやすくなります。
誤字や嘘に注意する
広告のテキストで誤字や脱字、また嘘の記述は厳禁です。
限られた少ない文字数とスペースで、字や表現の間違いは非常に目立ちます。嘘やオーバーな書き方も読み手に多大な損失を与えかねないうえ、ことによっては著しく信用を失墜する恐れもあります。テキストが完成したら、何度も声に出して読んでみたり、できれば複数の目で確認したりして、くれぐれも誤りや事実に反する内容を記載しないように注意してください。
必ずプレビューで確認する
上記の誤字や嘘がないかの確認に加え、全体の見た目などをチェックするためにも、出稿前には必ずプレビューを行ってください。
実際の画面になると印象が違って見えたり、修正すべき点が発見できたりすることがあります。テキストの字体や文字数はもちろんですが、画像とのバランス、画面から見切れていないか、も含めて隅々まで細かく確認してください。
テキストをレベルアップさせるコツ
評価が高いテキストや、テキスト作成に際しての注意事項は理解できたでしょうか。次はテキストをより洗練した内容に仕上げるためのコツについて、さらに解説していきます。
インパクトのあるワードを選択する
先ほども述べたように、ユーザーの多くは、画像に目が行きやすく、興味が湧けばテキストにも目を通します。よって、より強く惹きつけるためには、インパクトのあるワードを効果的に使うのがおすすめです。
具体的には、【必見】【無料】【ただ今キャンペーン中!】【先着500名様にプレゼント】といった内容をテキストの先頭に持ってきます。
すると先ほど説明したように、画面内の左側、しかも一番上にきますから、非常に目につきやすくなるでしょう。
空行・改行・スペースを多用しない
とくに「説明」のテキストは、メインテキストで説明しきれなかった内容を効果的に伝える役割があります。しかも、推奨文字数は20~25字のため、空行や改行、スペースを入れてしまうと、伝えたい内容が満足に伝わらない、あるいは読まれずに終わってしまう可能性があります。適宜、文字は詰めるようにして、行やスペースの無駄を作らないように工夫してください。
「短くて読みやすい」が鉄則
SNSは、本や雑誌と比べると、かなりの高速で閲覧しているユーザーが多いです。興味のないページは、すぐにスクロールされ、まったく見向きもされません。ましてや、テキストがダラダラと長く綴られていると、余計に関心をそいでしまう可能性が高まります。
よって、テキストは短く簡潔にすることが、一番です。目安は1文10文字以内を目指し、それ以上は句点(「。」)を入れてつなぐようにした方がずっと読みやすくなるでしょう。そのためには、主語や接続詞、長い修飾語は極力使わないで、端的に表現するようにしてください。
数字を多用する
テキストには数字を上手く交えると、印象が強まる効果があります。
「リピート率95%」「300名先着」「8月末まで3割引」など、具体的な数や日付が含まれていると、自然と目が行き、記憶に残りやすくなるのです。
審査をパスするためのコツ
Facebook広告は、出稿にあたり必ず審査があります。これをパスしなければ広告を表示することはできません。
そのためには、Facebookが掲げている広告ポリシーを正しく理解しておく必要があります。本記事では、とくに「暴力やセンシティブな内容」「年齢制限に関わる内容」「個人の特定に関わる内容」について解説しますが、詳しくは下記のページを参考にしてください。
参考:広告ポリシー
暴力やセンシティブな内容に注意
武器や凶器、弾薬など暴力的な商品やその付属品の販売は禁止されており、これらを想起させるようなテキスト表現も厳しく審査されます。暴動や暴力行為を扇動するような広告も禁止されています。
また個人の健康に関して、ネガティブな思いを抱かせるような表現も使ってはいけません。例えば「腹筋が6パックに割れていなければダメ」、「太っていることは人として劣っている」、「肌は白くないといけない」という表現である一定の価値観を強く押し付けて、ユーザーの気持ちや生きる気力を奪う恐れがある表現は控えてください。
年齢制限に関する表記に注意
成人向け商品やサービスの販売につながる広告も禁止されています。
画像はもちろんですが、テキストもとくに性的描写や表現については厳しい審査の対象になるので、気をつけてください。
個人の特定に注意
特定の人種や民族、思想、宗教、嗜好、病気、障がい、ジェンダーなどについて特定し、差別につながるような表現も禁止されています。
まとめ
Facebook広告について、とくにテキストに関連する注意事項や効果が高まるコツなどについて、まとめました。
全世界の月間アクティブユーザーは29億人を超え、国内でも、広告を共有できるInstagramと合わせると、その数は6,000万人にもおよびます。
その発信力と影響力は絶大なため、広告効果も大いに期待できます。ただし、その分、広告を見るユーザーの目も肥えているといえます。よって、テキストと画像、動画を使っていかに訴求力の高い広告を作り上げるかが、大きくものを言うでしょう。
とくにテキストに関しては、文字数や表現、キーワードの位置に最大限の配慮と工夫をし、ライバルに負けないインパクトのある内容に仕上げる必要があります。ぜひ研究と研さんを重ねて、確実に売り上げ向上につながる広告作りに励んでください。