危険物と聞くと、特別な資格がないと取り扱えないもののような印象を受けます。しかしAmazonのFBAでは、ルールに則れば誰でも危険物の取り扱いが可能です。
もちろん一般の商品より難易度は上がりますが、その分ライバルが少ないため、利益を大きく上げるチャンスと言えます。今回は危険物をFBAに納品する手順やルールについてご紹介します。ぜひこちらの記事を読んで、危険物せどりにも挑戦してみてください。
危険物とは?
そもそも危険物とはいったい何なのでしょうか。なんとなく危ないものだとは分かっていても、具体的にどの品物のことを言っているのかよく分かっていない人もいらっしゃるでしょう。
まずは、FBAにおける危険物の定義から解説します。どんな品物がどのような理由で危険物指定されているのか、しっかり頭に入れておきましょう。
危険物の定義
危険物とは、一言でいうと、法律で決められた特定の成分を含んだ品物のことです。可燃性が高かったり、人体に悪影響を及ぼしたりする可能性のあるものが危険物に指定されています。
FBAにおいても、危険物として取り扱えるものと取り扱えないものがあります。手続きをしたとしても全ての危険物を取り扱えるわけではなく、数量が限定されていたり全く取り扱えなかったりする品物も多いです。
危険物の一覧や取り扱える品物の詳細は、下記のガイドラインを参考にしてください。
参考:危険物確認ガイド
危険物の一例
危険物の成分を見てもいまいちピンとこない人のために、具体的な商品名の一部をご紹介します。意外と身近に使われているものでも危険物指定されている商品は多いものです。特に下記の商品を扱う際は注意してください。左側が危険物指定の原因となる物質で、右側がその物質をもとに製造される製品の代表例です。
リチウム電池:カメラ、スマホ、充電器など
磁性材料:スピーカー、ヘッドホンなどの電子機器
引火性ガス:ライター、ガスボンベなど
引火性液体:インク、香水、接着剤など
腐食性物質:洗剤、漂白剤など
毒物類:農薬、殺虫剤など
危険物の確認方法
日常生活で何気なく利用しているものの中にも危険物に指定されているものはたくさんあります。これらをせどりで扱うためには、危険物かどうかを事前に見極めなければいけません。
続いては、危険物かどうかを確認するための方法をご紹介します。危険物に精通していなくても簡単に確認できる方法ですので、ぜひ覚えておきましょう。
ASIN検索を活用
ASINとは商品の識別コードです。バーコードのようなものだと思ってください。
商品ごとに割り振られたASINコードからステータスを確認することで、危険物かどうかを判定することができます。その方法は以下のとおりです。
Amazonにサインインした上で、下記のリンクをクリックし、危険物確認ガイドページを開いてください。
「危険物の分類を管理する」という項目にある、「ASINの検索」にチェックを入れて「次へ」をクリック。
空欄にASINを入力して「ステータスを確認する」をクリック。
これで検索した商品が危険物かどうかを自動で判定してくれます。ちなみにASINコードが分からない時は、Amazonの商品ページをチェックしてください。
参考:危険物確認ガイド
Amazon Sellerの活用
Amazon Sellerは、販売や在庫管理などをサポートしてくれる便利なアプリです。このアプリを利用すると、商品画面を確認しただけでその商品が危険物かどうか判別できるようになります。
まずは「Amazon Sellerアプリ」のトップページの右上の「カメラマーク」をタップします。
画像の解析画面へと切り替わるので、スマホのカメラを商品に向けてください。
商品のスキャンが終わると、商品の一覧が表示されます。販売したいと考えている商品をタップしてください。
商品ページへ切り替わります。ここで以下の画像のように、「Requires Approval」(承認が必要)と表示された場合、スキャンされた商品は危険物だと判断できます。
参考:Amazon Seller(App store)
参考:Amazon Seller(Google Play)
危険物を納品する手順
危険物をFBAに納品するためには、決められたルールに則った手続きが必要です。無許可での危険物販売は、最悪の場合、アカウントが止められてしまうので絶対にルールに従って納品してください。
続いては、危険物を納品する具体的な手順をご紹介します。手順通りにすればすぐに終わりますので、分からない人は参考にしてください。
危険物の確認
商品が危険物かどうかによって納品の手順が異なってくるため、危険物かどうかFBAに納品する前に確認しておきましょう。
日用品の中にも危険物扱いの商品はあります。うっかり一般の商品として納品しないよう注意しましょう。危険物のチェックには、前述したASIN検索やAmazon Sellerを活用してください。
商品の申請
危険物だった場合は、その旨を納品前に申請する必要があります。下記の「危険物の取り扱いフォーム」から商品申請を行ってください。
各項目を入力した後、チェックボックスにチェックを入れ、画面右下の「>>」をクリックすれば申請完了です。申請が承認されるには最大で1週間ほどかかるため、早めの申請を心掛けましょう。
なお、危険物の申請は大口出品のアカウントでしか行えません。つまり、小口出品では、そもそも危険物が取り扱えないということです。危険物の取扱いを検討しているのであれば、大口出品のアカウントを取得しておきましょう。
参考:Online Survey|危険物の取り扱いリクエストフォーム
危険物納品申請(引火性液体のみ、現在は不要)
引火性液体に分類される危険物を納品するためには、追加で危険物申請を行う必要がありました。2021年12月時点では事前の申請は不要になっていますが、また申請が必要になる可能性もありますので、頭の片隅に入れておきましょう。
引火性液体とは、環境によって燃えたり爆発したりする可能性のある液体です。日用品だと、化粧品やアロマオイルなどが該当します。
なお、引火性液体を含む危険物の申請は、エクセルかセラーセントラル経由で行ってください。
納品ルールの確認
危険物は、通常の場合よりも納品に関するルールが多いのが特徴です。申請方法から納品のための梱包に至るまで様々な制約が定められています。
大まかなルールは以下の通りです。
・返送や廃棄をする時はテクニカルサポートに連絡をとって対応
・FBAパートナーサービスの不使用
・ラベル、梱包の指定
・一般の商品とは分ける
・梱包ルールの順守
1度間違えた程度なら商品が返送されるだけですが、何度も間違えると危険物を取り扱えなくなる可能性があります。したがって、納品前に上記のルールを十分に確認しておきましょう。
納品作業
申請が承認されたら、最後に商品を梱包してFBAに納品する作業を行います。後述するルールに則って危険物の梱包を行ってください。
なお、危険物の梱包に利用できる緩衝材は紙類に限定されています。一般的な緩衝材では、危険物が気化した際に発火するリスクが高いからです。
手元にちょうどいい紙がなければ、新聞紙を利用しても構いません。万が一このルールを守らずに配送先でトラブルがあった場合、アカウントを止められる可能性が高いため必ず守るようにしてください。
危険物の梱包方法
危険物に対しては、梱包に関しても細かいルールが定められています。発送時や保管中の事故を防止する意味合いがあるため、必ずルール通りに納品してください。
続いては、危険物の梱包方法についてご紹介します。1つずつ手順を追って解説していきますので、最初の内はこの手順通りに梱包してみてください。
危険物在中ラベルについて
危険物を梱包したものには、危険物在中ラベルを貼り付ける必要があります。複数の箱を納品する場合は、箱ごとに1枚張り付けてください。
ラベルのサイズはA5以上で、箱の分かりやすい場所に貼りつける必要があります。ラベルの貼り付けミスは、1発でアカウントの停止対象となる重大ミスとして扱われることもあるため、絶対に貼り忘れのないよう気を付けてください。
納品サイズ
納品するサイズにも指定があり、小型か標準サイズでの納品が求められます。具体的には、45×35×20cm未満かつ9kg以内となっています。
納品する商品が多い場合には、箱を分けて小型サイズと標準サイズで納品する必要があります。大型や特大型サイズで納品しても返送されてしまいますので注意して下さい。
危険物とそれ以外のものを分ける
危険物と一般の商品を同じ箱に詰めて納品することはできません。必ず危険物は危険物、一般の商品は一般の商品として梱包する箱を分けてください。
危険物は管理方法や保管場所が異なるため、一緒に納品できないことが理由です。危険物と一般の商品は、手間でも1点ずつ包装を行ってください。
危険物審査中について
通常、危険物の審査は1週間程度で完了します。しかし中には、いつまでたっても申請が完了しないケースもあります。
主な原因としては、審査に必要な情報が不足していることが考えられます。これは出品者側が必要情報を明記していないだけでなく、Amazon側に情報がない場合も少なくありません。
続いては、終わらない危険物の審査を完了させる方法をご紹介します。ただ待っているだけではいつまで経っても審査が完了しないため、早めの行動を心掛けましょう。
対策
具体的には、以下の書類を提出してください。
・安全データシート
・適用除外シート
ちなみに他の人が同じ商品に対して上記の書類を提出していればあなたの審査もすぐに完了しますが、そのような状況になる可能性は非常に低いでしょう。したがって、それぞれの書類の提出方法について確認しておきましょう。
安全データシートを提出する
商品に含まれている成分の有害性を示す資料が、安全データシート(以下SDS)です。商品の危険性を判断するのに役立ちます。
SDSは販売先の企業やメーカーから入手するか、インターネット上で公開されているものを用意しましょう。なお、SDSは過去5年以内に作成または更新されたものしか使えません。詳しいSDSの提出条件は以下を確認してください。
適用除外シートを提出する
SDSの提出が不要な以下の2種類の商品は、適用除外シートを提出することで審査が可能です。
・電池および電池駆動製品
・有害化学薬品を含まない製品
いずれのシートも以下の「危険物の分類を管理する」ページから、「書類をアップロード」をクリックし、提出することが可能です。
参考:危険物の分類を管理する
審査が終わらない場合
上記の対応をしても審査が終わらない場合は、商品の状態が「出品者出荷」になっている可能性を疑ってください。FBAに出品を代行してもらうのではなく、自分で発送を行うことを出品者出荷と言います。
危険物を審査してもらうためには、出品者出荷ではなくFBAの在庫として登録されている必要があります。そのため商品の状態を変更してFBAを利用することを明確にし、その上で審査をしてもらいましょう。1度審査が完了した商品はその情報が登録されるため、次回からは出品者発送も可能になります。
まとめ
危険物を扱うせどりはライバルが少ないため、上手く販売できれば大きな利益を得ることができます。危険物と言っても香水や化粧品のような日用品も多数含まれているため、需要は十分です。
危険物をFBAに納品するには、指定されたルールに従った手続き・梱包・納品が必要となります。手続きを間違えると返送されてきたり、アカウントを止められたりする可能性もありますので十分に注意してください。
慣れてくれば一般品とそう変わらない手順で納品できるため、危険物だからと敬遠するのはもったいないです。今回ご紹介したルールを参考に、ぜひ危険物せどりにチャレンジしてみてください。