2021年4月22日よりAmazonで「FBAパートナーキャリア・ヤマトオプション」がスタートしました。
FBAパートナーキャリア・ヤマトオプションは、大口出品者だけが利用できる、FBA納品の際に配送料金が大幅に安くなるサービスです。従来、FBAパートナーキャリアは日本郵便だけでしたが、ヤマト運輸も使えるようになりました。しかも、ヤマト運輸の方がかなり安くてお得です。加えて、2021年10月15日までの予定だった「割引プロモーション」が2022年3月31日まで延長されたので、この機会にぜひ活用しましょう。
そこで今回は、「FBAパートナーキャリア・ヤマトオプション」の始め方や、利用する際の注意点、安く抑えるコツなどについて詳しくご紹介します。
FBAパートナーキャリアって何?
まず、FBAパートナーキャリアについて説明しましょう。
FBAパートナーキャリアの基礎知識
AmazonでFBAを利用する場合は、出品する商品をあらかじめAmazonのFBA倉庫に送り届ける必要があります。
その際、通常なら出品者自らが運送会社を手配して発送します。ところが、FBAパートナーキャリアを利用すると、セラーセントラルからの手続きだけで、運送会社が自宅などに集荷の上、指定したFBA倉庫に着払いで商品を届けてくれるのです。
以前は、依頼できる運送会社は日本郵便一社に限られていました。そこに、2021年4月22日から、新たにヤマト運輸が加わったのです。
日本郵便の場合、ゆうパックと同じ料金でのサービスとなるため、手続きが楽で集荷してもらえるといったメリットくらいしかありませんでした。しかし、ヤマト運輸の場合は、通常の配送料金より最大で67%も安くなるため、日本郵便に比べてかなりお得です。
一例を挙げると、荷物の3辺(縦・横・高さ)の長さの合計が140㎝の場合、関東エリア内の配送で、通常1,850円のところ、608円まで安くなります。
大口出品でFBA倉庫にある程度まとまった商品を送り続けるなら、「FBAパートナーキャリア・ヤマトオプション(以下ヤマトオプション)」を使うのがおすすめです。
今なら「割引プロモーション」がある!
Amazonでは、今回のヤマト運輸のFBAパートナーキャリアへの追加を記念し、セラー応援の意味を込めて「割引プロモーション」を行っています。
期間は、2021年4月22日~2022年3月31日です。
この期間は、配送料金が15,000円に達するまで、すべて無料になります。しかも、プロモーション期間が終了しても、この金額枠を使いきるまで適用されます。
また、FBAパートナーキャリアサービスを初めて利用する方は、商品特典プログラムとして、別途11,000円の割引も受けられるので、合わせて26,000円分お得になります。
ヤマトオプションの活用方法
それでは、ヤマトオプションの使い方について、具体的に説明しましょう。
専用ラベルを入手する
ヤマトオプションを利用するには、ヤマト運輸の営業所で専用のラベルを直接入手する必要があります。通常の送り状の代わりに、必要事項を入力の上、必ずこの専用ラベルにプリントして使います。
専用ラベルには、「レーザープリンター用」と「インクジェットプリンター用」の2種類があります。
営業所では、
レーザープリンター用→322番
インクジェットプリンター用→396番
と数字を言えば通じます。必要な枚数分だけもらいましょう。
納品プランを作成する
まずセラーセントラルを開き、納品プランを作成します。
FBAキャリアパートナーは、「ヤマト運輸」を選んでください。
サイズと重量を入力する
次に、FBA倉庫に送る商品を梱包した箱のサイズと重量を測って入力します。
サイズは、ダンボール箱の縦・横・高さのそれぞれの長さと合計です。
サイズには、80、100、120、140、160㎝の5つの区分があります。3辺の長さの合計がそれぞれの区分内に収まっていれば問題ないので、ミリ単位まで細かく測る必要はありません。
ただし、実際は135cmにもかかわらず、大まかに測りすぎて145cmと入力してしまうと、160cmの区分に仕分けられて、配送料金が高くなる可能性があります。逆に145cmあるのに、135cmと申告するのも問題です。あまりに何度も計測間違いを繰り返すと、ヤマトオプションそのものの使用を一時的に禁じられる恐れがあるので、注意しましょう。
また、重量については、上限の15㎏(大型は25kg)迄であれば、厳密な重さは問われません。配送料金は、あくまでも3辺の長さの合計を基準に算出されます。
配送料金を計算する
サイズを入力したら、そのまま配送料金の計算に入ります。
「計算する」のボタンを押して、サイズ、重量、個数と配送料金を確認してください。
問題なければ、「請求額を承認」をクリックします。
これでヤマト運輸に正式にヤマトオプションを依頼したことになります。ただし、承認後3時間経過するとキャンセルも修正もできなくなりますので、「請求額を承認」をクリックする前に、内容に間違いがないか、しっかりと確認するように習慣づけてください。
ラベルを印刷する
次に、ヤマト運輸の営業所でもらった専用ラベルに印刷をしたら、そのまま、梱包済みのダンボール箱の天井面に貼り付けます。1箱ごとに1枚貼るようにしてください。
集荷を依頼する
梱包とラベルの貼付けが終了したら、ヤマト運輸に集荷を依頼します。
参考:ヤマト運輸/集荷申し込み
ドライバーの認識不足の可能性
ヤマトオプションが導入されてから日が浅いため、ドライバーによっては、Amazonのヤマトオプションそのものを知らないケースがあります。件数としては当初より随分少なくなっているようですが、ゼロとは言いきれません。
もしドライバーに不審がられても動揺せずに、冷静にヤマトオプションについて説明してください。ヤマトオプションを認識していないドライバーからすると、見たことのないラベルに戸惑う上に、着払い扱いで料金を受け取らないことへの抵抗感も加わるので、すんなりと集荷作業が進まなくても致し方ないでしょう。しかし、きちんと説明すれば必ず納得してもらえるので、心配はいりません。
ヤマトオプションを利用する際の注意事項
ヤマトオプションを利用する上で、知っておくべき注意点についてお伝えしましょう。
送れるサイズと重量が決まっている
ヤマトオプションでは、送れる荷物のサイズと重量が決まっています。
具体的には、小型・標準サイズの荷物1つにつき、3辺の合計が160cm、重さ15kgまでです。大型は25kgまでOKです。サイズと重量は、どちらか一方がオーバーしても受け取ってもらえません。特大サイズの荷物や、冷蔵や冷凍など温度管理が必要な物、危険物も受け付けてもらえません。
もし、規定を超えた場合は、そのまま送り返されます。その際は、FBA倉庫までの往復に加え、再度の配送で、約3倍の料金がかかることになるため、くれぐれも気をつけましょう。
承認後3時間経つとキャンセル不可
ヤマトオプションは、いったん請求額を承認して3時間が経過すると、依頼をキャンセルすることができなくなります。また、内容を変更したくても修正もできません。実際に荷物を送る必要がなくなった場合でも、配送料金は変わらず請求されるので、請求額を承認する際は、間違いがないかどうかを入念に確認してください。
配送料金についての注意事項と安く抑えるコツ
配送料金について注意すべき点や、少しでも配送料金を安く済ませるコツについて解説しましょう。
配送料金が計算エラーになることがある
ヤマトオプションで配送依頼をする際、事前にサイズなどの情報を入力して料金を計算します。ところが、計算結果がエラーとなって配送料金が表示されない場合があります。
その理由の一つとして、ヤマトオプションを取り扱っていないFBA倉庫(フルフィルメントセンター=FC)を指定しているケースがあります。たとえ、せどりのマーケティング上、最適な場所にあるFBA倉庫を選んだとしても、ヤマトオプションに対応していない場合は、サービス自体を受けることができません。その場合は、ヤマトオプションを取り扱っているFCに変更するしかありません。具体的なFCは以下のページで確認できます。
ダンボール箱のサイズを工夫してコストカット
ヤマトオプションでは、すでに述べたように、ダンボール箱の3辺の長さの合計によって料金が異なります。80、100、120、140、160cmの5段階に分れますが、同じ商品でも梱包する箱のサイズによって配送料金に差が出るので、損をしないように工夫しましょう。
例えば、3辺の長さの合計が60㎝の箱を10個で送るより、160cmの箱1個にまとめる方が配送料金が安くなる、という具合です。これは少し極端な例かもしれません。しかし、商品の詰め方によっては、箱の数を減らしてコストカットできる可能性は十分にあるので、判断に迷う場合は、セラーセントラルのヤマトオプションの専用ページでサイズを実際に入力して、見積りを確認しましょう。
配送用の段ボールについての注意事項
ヤマトオプションの配送用段ボールについて、注意すべきことをお伝えしましょう。
譲り受けたダンボール箱は要注意
Amazon FBAで数多くのダンボール箱を使う場合は、誰もが少しでもコストを抑えようと考えます。そのため、スーパーや八百屋などから、すでに何度か使用された古いダンボールを無料で譲り受けるケースがよくあります。引っ越し後にいらなくなったダンボールもあるかもしれません。
しかし、このような使い古しのダンボール箱はおすすめしません。ダニやゴキブリが棲みついていたり、卵を産みつけていたりする可能性があるからです。果汁や漏れたオイルなどで汚れている場合もあります。
これらが万が一商品に付着してユーザーの元に届けられた場合は、大きなクレームにつながる恐れが多分にあります。そこまででなくとも、FBA倉庫で働いているスタッフに迷惑になる上、印象も良くありません。
また、強度の面でも心配が残ります。運送途中で崩れて荷物が散乱したり、破損したりすると大変です。ヤマトオプションで、FBA倉庫までの輸送中に商品が破損した場合は、Amazon側が弁償することになっています。しかし、この手のトラブルは、在庫不足につながる恐れもあるので、いずれせよ回避できた方が良いでしょう。
そのためにも、ダンボールは新品を手配しましょう。
新品のダンボール箱を購入しよう
ヤマトオプションで荷物を送る際は、新しいダンボールを購入するのがおすすめです。慣れない方からすると、ダンボール箱を購入するのは勿体ないと感じるかもしれません。
しかし、前述のようなケースでトラブルやマイナス評価につながるよりは、はるかに良いでしょう。しかも、ダンボールはまとめて買うと1枚につき200~300円弱で購入できます。ヤマトオプションを使って一部の配送料金が浮いた分をダンボール代に回すと考えると、さほど大きな負担にはならないはずです。
まとめ
Amazonの「FBAパートナーキャリア・ヤマトオプション」について、基本的なことから使い方、注意事項などを詳しくお伝えしました。
FBAは、セラーに変わってAmazonが注文から配送、カスタマー対応まで代行してくれるとても便利なシステムです。しかし、一方で商品を納品するにあたってはルールが厳しく、上乗せされる手数料も少なくありません。そこで、ヤマトオプションが導入されたことは、セラーにとって、とてもラッキーです。しかも2022年3月31日までなら「割引プロモーション」によって、15,000円分の特典もつきます。
ヤマトオプションは、最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえばとても簡単で便利です。手間がかからなくなった分だけ、新商品の発掘など、コアな業務に注力できるメリットもあります。早速、今日からでも活用してみてください。