Amazonでの販売には、販売手数料がかかります。また、FBAを利用した場合だと保管料や配送代行手数料などが加わるため、利益額を計算しようとすると複雑になりがちで、面倒だと感じる方もいることでしょう。
そんなときにおすすめなのが、「FBA料金シミュレーター」です。
FBA料金シミュレーターは、Amazonでの販売利益を正確に計算できる便利なツールです。 また、PCだけでなくスマホでも利用できるので、各種の数値が知りたくなったときにすぐに計算できます。
そこで今回は、AmazonのFBA料金シミュレーターの基礎知識や使い方について詳しく解説します。これからAmazonで転売ビジネスを始める方や、安定して利益を出したい方はぜひ参考にしてください。
FBA料金シミュレーターのの基礎知識と利用方法
まずは、FBA料金シミュレーターの基礎知識とその利用方法について解説します。
FBA料金シミュレーターとは?
FBA料金シミュレーターとは、利益や手数料を瞬時に計算できるAmazonの無料ツールです。
商品原価と販売価格を入力するだけで、純利益や利益率、損益分岐点などを算出できます。また、自己配送とFBAの両方のパターンの計算も可能です。
以前はセラーアカウントがなければ利用できませんでしたが、2021年現在ではゲストの方でも利用できます。ただし、ゲストの方は1日5回までの利用に制限されています。
参考:FBA料金シミュレーター
FBA料金シミュレーターの使い方
FBA料金シミュレーターの使い方はとても簡単です。
1.FBA料金シミュレーターを開きます。
2.「商品名」「商品のバーコードの数字」「ASINコード」などのいずれかを入力します。ちなみにASINコードはAmazon専用の商品管理番号であり、一つの商品に一つのコードしか割り当てられないので、より商品を特定しやすくなります。
3.自己発送の場合は、「①商品代金(販売価格)」→「②配送料」→「③出品者出荷の費用」→「④商品原価(仕入れ価格)」の順に入力します。
4.FBAサービス利用の場合は「①商品代金」→「②Amazonへの納品(FBA倉庫までの送料)」→「③商品原価」の順に入力します。
5.最後に「計算」をクリックして完了です。
上記3(自己発送)と上記4(FBAサービス利用)の両方を入力して計算結果の比較ができるようになっています。
FBA料金シミュレーターの計算例
FBA料金シミュレーターの計算例をご紹介します。
たとえば、
商品価格:24,000円
Amazonへの納品:700円
商品原価:15,000円
の商品(FBA出品)の純利益を計算してみましょう。それぞれの数値を入力すると以下のような計算が瞬時に自動で行われ、純利益が5,452円、利益率が23%であることがわかります。
また、以下の青色の手数料の数字をクリックすると、手数料の詳細も確認できます。
FBA料金シミュレーターの入力項目を徹底解説
FBA料金シミュレーターで数値を入力する主な項目は以下の通りです。
1.商品価格
2.配送料
3.Amazonへの納品
4.商品原価
ここでは、これらの項目の具体的な内容と、入力時のポイントについて詳しく解説します。
1.商品価格
商品価格は、Amazonでの販売価格を意味します。 シミュレーターの入力欄は、左側が出品者出荷、右側がAmazon出荷(FBA出品)と別れています。また、Keepaなどのツールを使って、商品の最安値価格を反映させると良いでしょう。
Keepaは、Amazon商品の価格やランキングの変動をはじめ、新品や中古の価格の推移や平均価格、ランキングなどがわかる便利なツールです。
なお、競合が多い場合は価格競争に巻き込まれる可能性もあるため、値下げを前提とした利益計算をしておきましょう。
参考:Keepa
2.配送料
配送料は、出品者出荷の場合に購入者に負担してもらう送料です。
Amazonの商品ページには配送料の目安が書かれていることが多く、プライムマークが付いていないものは自己配送(出品者出荷)の可能性が高いので参考にしましょう。
なお、配送料は自分で決められますが、相場よりも高い値段を入力するとカートが獲得できない可能性があります。そのため、運送業者などのホームページなどで適切な送料を確認することをおすすめします。
3.Amazonへの納品
Amazonへの納品は、Amazon出荷(FBA出品)の場合に入力する項目です。
FBAとは、Amazonに商品を納品しておくだけで梱包や発送といった作業を代行してもらえるサービスのことです。このサービスを利用すれば、迅速な出荷や配送料の削減が期待できます。
このAmazonへの納品の項目には、Amazon倉庫へ納品する際の送料を入力します。なお、商品を単体で倉庫に送ることはまれであり、段ボールに複数の商品を詰めて配送するケースがほとんどです。また通常、段ボールのサイズが小さいほど送料が安くなります。つまり、まとめて配送するほどお得になるため、効率的に梱包するようにしましょう。
参考:Amazon FBA
4.商品原価
商品原価は、商品の仕入れ価格のことです。数値の入力は、①出品者出荷、②Amazon出荷と別れていますが、どちらか一方を入力すれば反映されます。
商品原価の入力パターンは「仕入れ値のみ」と「手数料も含めた仕入れ値」の2種類があります。正しい利益を把握したいのであれば、手数料込みの仕入れ値の入力をおすすめします。
FBA出品関連の手数料を把握しよう
FBA出品の手数料には、「FBA月額保管手数料」と「配送代行手数料」の2種類があります。ここでは、それぞれの詳しい内容をご紹介しましょう。
FBA月額保管手数料とは?
FBA月額保管手数料とは、FBA倉庫に保管してもらうのに必要な費用です。毎月7日~15日の間の手数料が計算され、翌月に請求されます。
手数料は、商品の体積(3辺の合計)を用いて計算されるため、サイズが大きいほどコストがかかります。
月額保管手数料の価格は、FBA料金シミュレーター内の「在庫保管手数料」→「販売された商品あたりの在庫保管手数料」で確認できます。
配送代行手数料とは?
配送代行手数料とは、商品の個数や区分に応じた手数料で、全国一律の料金で計算されます。なお、2021年6月16日から新しい料金体系に改定されます。
この配送代行手数料は、FBA料金シミュレーター内の「フルフィルメントby Amazonの手数料」の金額の横にある「V」をクリックすれば確認できます。
FBA手数料が計算できないときの対処法
FBA料金シミュレーターでは、商品の寸法サイズや重量情報がAmazon商品ページに未登録の場合、以下のような表示が出て、手数料の自動計算ができないことがあります。
この場合は、Amazon商品ページで商品サイズと重さを確認すればシミュレーションが行えます。もし、Amazonにサイズが載っていない場合はインターネットなどで調べましょう。なお、商品サイズは商品自体の大きさではなく、箱のサイズを入力してください。
FBA料金シミュレーターで商品のサイズがわかる
FBA料金シミュレーターの配送代行手数料を見れば、その商品のサイズがわかります。
2021年5月現在、小型から標準サイズの配送代行手数料は282~548円、大型サイズは589円~1,756円、特大型は3,061円以上となっています。
このように、商品のサイズで配送代行手数料が異なるため、料金を見るだけで事前にサイズが把握できます。
FBA料金シミュレーターの注意点
FBA料金シミュレーターは優秀なツールですが、使用する際に注意すべきポイントがあります。
ここではその注意ポイントについてご紹介します。
販売手数料に消費税が含まれていない
まずは、以下の画像をご覧ください。これは、6,000円のおもちゃをFBA料金シミュレーターにかけた結果を示したものです。
販売手数料として、販売価格の10%である600円が「Amazon出品サービスの手数料」に入力されています。
しかし、実際の明細では販売手数料にも消費税10%がかかり、660円が引かれます。つまり、FBA料金シミュレーターには消費税が含まれないため、利益率の計算に誤差が生じるということです。
ただし、誤差と言ってもほんのわずかであり、支障をきたすレベルではありませんが、多少のズレが生じることは把握しておきましょう。
手数料割引キャンペーンが反映されないことがある
Amazonでは、過去に手数料の改定が何度か行われていますが、FBA料金シミュレーター上でも改定後の手数料がきちんと反映されています。
しかし、特別な割引キャンペーンの場合、反映が遅れたり、行われなかったりする場合があるため、しっかり確認しておきましょう。
FBA料金シミュレーターの便利な使い方
最後に、FBA料金シミュレーターの便利な使い方をご紹介します。
拡張機能でFBA料金シミュレーターに直結!
グーグルクロームの拡張機能に「Amazon FBA Calculator Widget(カルキュレーターウイジェット)」というツールがあります。
このツールを入れておけば、Amazonの商品ページから、その商品のFBA料金シミュレーター画面にリンクできるので大変便利です。
右上のアドレスバーに表示される「笑顔のアイコン」をクリックすれば一気にシミュレーターまで飛べるので、商品を取り違えることもありません。
参考:Amazon FBA Calculator Widget
スマホでFBA料金シミュレーターを使うなら「セラーセントラルアプリ」から
FBA料金シミュレーターは、パソコンだけでなく、スマホでも使用できます。スマホなら外出先からでも手軽に利益計算できるため大変便利です。
しかし、FBA料金シミュレーターはスマホ表示に対応していないため見にくいのが難点です。そのため、スマホでFBA料金シミュレーターを使う場合は、「Amazonセラー」を使用しましょう。
Amazonセラーは、スマホでのセラーセントラルの閲覧や管理、利益計算に対応しているため、スマホからちゃちゃっと確認したいときに使えます。
FBA料金シミュレーターはAmazon転売ビジネスの必須ツール!
今回は、AmazonのFBA料金シミュレーターについて詳しく解説してきましたが、いかがでしたか?
このツールは無料で使えますし、商品原価と販売価格を入力するだけで純利益や手数料を瞬時に計算できるので使わない手はありません。また、自己配送とFBA配送、両方のパターンでの計算が可能なため、大変便利です。これからAmazonで転売ビジネスを始める方や、継続して利益を出したい方は積極的に活用すべきツールと言えるでしょう。
Amazonを利用した物販事業で利益を出していくには各種数字の把握が欠かせません。ぜひこちらの記事でご紹介したツールを試してみて、その機能を実感してみてください。