FBAマルチチャネルサービスの手数料はどれくらい?利用する際の注意事項も徹底解説!

FBA(フルフィルメント by Amazon)は、梱包や出荷などをAmazonが代行してくれる、せどりを行う出品者にとっては非常に使い勝手のよいサービスです。

これに加えて今回ご紹介するのが、「FBAマルチチャネルサービス」です。

「FBAマルチチャネルサービス」を利用すれば、Amazon以外のECサイトで販売している商品でも出荷などを代わりに行ってくれるので、今よりもっと稼ぐために販路を拡大したいと考えている方には特におすすめです。

そこで本記事では、「FBAマルチチャネルサービス」の手数料や利用する際の注意事項について詳しく解説します。

目次

FBAマルチチャネルサービスとは?

まず「FBAマルチチャネルサービス」とはどういったサービスなのか解説いたします。

どのECサイトからでもFBAサービスが使える

「FBAマルチチャネルサービス」とは、Amazon以外のサイトで受けた注文でも、24時間・365日、Amazonが在庫管理や梱包・出荷を代行してくれるというものです。

例えば、自社サイトや楽天などに出品している商品が購入された場合に、「FBAマルチチャネルサービス」を使えば指定した住所へ責任をもって発送してくれます。

「FBAマルチチャネルサービス」を利用するには、大きく2つの条件が必要になります。以下で詳しく見ていきましょう。

FBA納品している商品であること

FBA納品」とは、FBAのサービスを使って出品するために、事前にフルフィルメントセンターというFBA専用の倉庫に商品を送っておくことです。「FBAマルチチャネルサービス」が利用できるのは、そのFBA納品している商品に限ります。

つまり、Amazonには出品せず自社サイトや楽天などの他サイトにのみ出品している商品については、「FBAマルチチャネルサービス」の対象外となります。

大口出品者であること

Amazonで出品する際には、必ず「大口出品」か「小口出品」のどちらかの出品形態を選択しなければなりません。そして、「FBAマルチチャネルサービス」は大口出品者しか利用することができません

「大口出品」とは、月額4,900円(税抜き)を支払うことで、商品がいくつ売れても、一切それ以上の成約料を支払わなくて良いという出品形態です。

一方の「小口出品」は、商品が1点売れるごとに、成約料100円(税抜き)を支払う出品形態です。

月の売り上げが50個以上という場合は大口出品が、48個以下であれば小口出品が得です。

つまり、月間でおおむね50個以上の継続した販売実績があるか、これから販路を増やして月の売上を50個以上に拡大したいと考えている方には、「FBAマルチチャネルサービス」の活用がおすすめです。

FBAマルチチャネルサービスのメリット

この項目では、FBAマルチチャネルサービスのメリットについて詳しく解説していきます。

販路の拡大が容易になる

FBAマルチチャネルサービスのもっとも大きなメリットは、あまり負担を抱えずにネットビジネスの販路を広げることができる点です。

先述のようにFBAマルチチャネルサービスは、Amazonでセラーとしてビジネス展開している、あるいはこれからしようとしている方が対象です。しかし、Amazonはライバルが多いため、価格を安くしたり品揃えを工夫したりしても、なかなか売上が伸びないケースもあるでしょう。そこで、打開策として他のECサイトでも出品してみるという方法は非常に有効です。

ECサイトが異なれば、アクセスしてくるユーザーの傾向や属性だけでなく、売れやすい商品も違ってきます。Amazonでは平均的な価格でも、Yahoo!ショッピングや楽天など別のECサイト内では他よりも安値となり、あっという間に買い手がつくことも珍しくありません。

また、自社サイトだけで出品している場合も、販路を拡大するのは簡単なことではありません。その点FBAマルチチャネルサービスを使えば、Amazonのみならず、それ以外のECサイトユーザーにもアプローチがしやすくなるので、売上アップが見込めます。

加えて、FBAマルチチャネルサービスは、代引サービスも使えるため、クレジット決済を好まない高齢者をターゲットにすることも可能になります。健康グッズや家電、飲料水など、日常的にニーズが高かったり、重くて運びにくかったりするカテゴリーを上手くチョイスすれば、高齢者からの注文の増加が大いに期待できるでしょう。

クオリティの高い梱包が可能

FBAマルチチャネルサービスでは、クオリティの高いAmazonの梱包が活用できる点もメリットです。

Amazonからの商品を受け取った経験のある方はよくご存じでしょうが、Amazonの梱包は非常に綺麗でしっかりとしています。ダンボールが破れたり型崩れしたりということは、滅多にありません。同じレベルで荷造りを行うのは、特に初心者には非常にハードルが高いでしょう。

きっちりとした状態で送れば、商品を傷つけないだけでなく、ユーザーからの信頼と安心も得られるので一石二鳥です。

業務効率化が実現する

FBAマルチチャネルサービスを利用すれば、梱包から発送までを一任できるため、作業工程が大幅に削減できます。

これらの業務を自分でこなそうと思えば、まず在庫スペースやダンボールの確保が必要となります。そして何より、自前で荷造りをし運送業者を手配したうえで、多数の届け先に送らなければなりません。

とりわけ副業でせどりを行うとすると、梱包や発送業務は時間の面でも体力的にもかなりの負担となるでしょう。よって、FBAマルチチャネルサービスを使って、せどりに関する業務の省力化を実現できるメリットは非常に大きいといえるのです。

FBAマルチチャネルサービスの手数料

次は、FBAマルチチャネルサービスの手数料について説明します。

FBAマルチチャネルサービスの手数料には、「配送代行手数料」「在庫保管手数料」「代引き手数料」の3種類があります。

配送代行手数料

FBAマルチチャネルサービスでは、商品1点のサイズや重量によって、配送代行手数料が細かく規定されています。

「通常配送」に加えて、「お急ぎ便」と「お届け日時指定便」の3種類の方法が、それぞれ別々に料金設定されています。

もともと「お急ぎ便」と「お届け日時指定便」の料金は同一でしたが、2021年8月30日出荷分より別々となりましたので、注意してください。

FBAマルチチャネルサービスの配送代行手数料は、FBAよりも若干高めとなっています。詳細は、以下のページをご覧ください。手数料の金額は、消費税込みです。

参考:FBAマルチチャネルサービス集荷依頼のFBA配送代行手数料

在庫保管手数料

FBAマルチチャネルサービスで、フルフィルメントセンターに商品を預け、出荷まで管理を依頼するには、「在庫保管手数料」が必要となります。

在庫保管手数料については、FBAで納品した場合と同じ額になります。

保管依頼する時期によって料金が異なります。以下に在庫保管手数料の計算式をご紹介しますが、「小型」「標準」などの商品サイズの区分は下記のページをご参照ください。

・1~9月

「小型・標準サイズ」→5.676円×{商品サイズ(立法cm)/1,000}×{(保管日数)/(当月の日数)}

「大型・特大サイズ」→4.370円×{商品サイズ(立法cm)/1,000}×{(保管日数)/(当月の日数)}

・10~12月

「小型・標準サイズ」→10.087円×{商品サイズ(立法cm)/1,000}×{(保管日数)/(当月の日数)}

「大型・特大サイズ」→7.760円×{商品サイズ(立法cm)/1,000}×{(保管日数)/(当月の日数)}

(計算例)大きさが10cm×10㎝×10㎝、重さが500gの標準サイズの商品を1点、4月に15日間保管依頼した場合
5.676×{1,000(立法cm)/1,000}×{(15日)/30日間}=2.838円→在庫手数料の金額

服やファッション小物、シューズ・バッグの場合は、以下の通りです。

・1~9月

「すべてのサイズ」→3.10円×{商品サイズ(立法cm)/1,000}×{(保管日数)/(当月の日数)}

・10~12月

「すべてのサイズ」→5.50円×{商品サイズ(立法cm)/1,000}×{(保管日数)/(当月の日数)}

(計算例)大きさが20cm×50cm×10cm、重さが800gの標準サイズの商品を1点、11月に6日間保管依頼した場合
5.50×{10,000(立法cm)/1,000}×{(6日)/30日間}=11円→在庫手数料の金額

なお、上記の金額は、すべて消費税込みです。在庫保管手数料は、毎月7~15日の間に前月分が計算され、次の決済時にAmazonアカウントに登録した口座から引き落とされます。

参考:商品のサイズ区分

代引手数料

代引き手数料は、1件の受注につき330円となり、アカウントの口座から前月分が次の決済時に引き落とされます。

FBAマルチチャネルサービスの利用手順

この項目では、FBAマルチチャネルサービスの利用手順について解説していきます。

セラーセントラルにログイン

FBAマルチチャネルサービスを使うには、セラーセントラルからログインします。

この際、FBAの大口出品に登録している必要があるので、未登録の場合は、以下のページの「FBAに参加する」から手続きを行います。

参考:フルフィルメント by Amazon(FBA)

依頼する商品の選択

次に、FBAマルチチャネルサービスに依頼したい商品を選びます。

商品の選択方法は、「1点ずつ指定」と「複数の商品を同時指定」の2種類があります。

1点ずつ指定

在庫管理画面の商品リストから依頼したい商品をみつけ、右側の「詳細を編集」を選んで「FBAマルチチャネルサービス依頼内容を新規作成」をクリックします。

複数の商品を同時指定

在庫管理画面の「選択中の1商品を一括変更」を選んで、依頼したい商品の左のチェックボックスにチェックを入れ、「FBAマルチチャネルサービス依頼内容を新規作成」をクリックしてください。

お届け先情報の入力

購入者の住所、氏名、電話番号、メールアドレスを入力します。次に商品を追加で商品名や代引きの選択と必要に応じてコメントを入力します。最後に配送スピードを選択します。

FBAマルチチャネルサービスの利用手順は以上となります。

FBAマルチチャネルサービスについての注意事項

この項目では、FBAマルチチャネルサービスを利用するにあたっての注意事項を伝授いたします。

ダンボールにはAmazonのロゴが入る

FBAマルチチャネルサービスは、Amazonの倉庫から商品が直送されるため、基本的にダンボールにはAmazonのロゴが入ります

Amazon以外のECサイトで買った購入者の中には、Amazonの箱で届いて戸惑う人もいるでしょう。他サイトを使った転売を疑われるなどして、評価が下がり、トラブルのもとにもなりかねません。

ダンボールについては、一定の条件を満たしたうえで申請をすれば、無地ダンボールへの変更も可能です。ただ、それが完了するまでは、購入者には前もってAmazonのロゴが入ったダンボールで届く旨を伝えておく方が無難でしょう。

小型商品は不向き

FBAマルチチャネルサービスは、書籍やCD・DVDなどの小型サイズの商品にはおすすめできません。それ以外の大きなサイズの商品に比べると割高となっているため、コスパが良くないからです。

そのため、日本郵便の「ゆうメール」やヤマト運輸の「ネコポス」などの利用をおすすめします。

配送業者が選べない

FBAマルチチャネルサービスでは、配送業者を指定することができません。佐川急便やヤマト運輸、日本郵便によって届けられる場合もありますが、それ以外の業者も多数利用されているため、配送業務のクオリティが下がる可能性があります。

利用できるのは国内のみ

FBAマルチチャネルサービスは、国内限定のサービスです。海外への発送には非対応のため、依頼しても拒否されるので注意してください。

カスタマー対応の対象外

FBAマルチチャネルサービスでは、FBAとほぼ同等のサービスが受けられますが、カスタマー対応の対象とならないため要注意です。

返品希望があったり、商品についてのクレームがあったりした場合は、すべて自分で対応しなければなりません。そのため、商品ページには返品条件や返金対応についての規定を詳細に記載しておくようにしてください。

まとめ

FBAマルチチャネルサービスは、ネットビジネスで販路を拡大したい場合にとても便利です。

梱包や出荷のプロセスをAmazonに委託できる点も、見逃せないメリットでしょう。

ご紹介した3つの手数料が大きな負担とならず、利用する価値がありそうなら、ぜひ導入してみてください。

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この記事を監修した人

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