Amazonに返品された商品の中には、「販売不可在庫」というものがあります。自分の所有している在庫の中から販売不可の商品が発生した場合、倉庫から返送してもらう手続きをしなければなりません。適切な対処を行わないと、大きく損をしてしまうことになりかねないのです。
この記事では、販売不可在庫の確認方法と、返送をしたい場合の手順について解説していきます。Amazonで品物を販売している方にはとても重要なトピックなので、是非参考にしてください。
2種類の返品
買い手から返品された品物は、大きく2種類に分けることができます。
そのうちの一つは再販売ができる在庫で、このようなケースでは特に必要とされる手続きもありません。
そして、もう一つは販売が不可となる在庫です。販売不可在庫となった商品は、そのままでは二度と販売することができません。再販売したい場合には、品物の状態に応じた対処を行う必要があるので、十分注意してください。
再販売ができる商品への対処
買い手側の個人的な理由などによって、未開封の状態で返品された商品は、また販売することができます。この場合、セラー側は特に何もする必要がなく、自動的に処理されます。
これに該当するのは、買い手が間違えて購入した場合や、そもそも商品を受け取らなかったなどといったケースです。
再販売ができない商品への対処
商品に不備があったなどの理由による返品の場合は、販売不可在庫となります。再販売ができない品物が発生した場合には、セラーが自ら対処しなければなりません。そのため、販売不可の在庫が発生していないかどうか、定期的にチェックする必要があるのです。
自分の在庫の中に、販売不可のものがないかどうかを確認するには、セラーセントラルから在庫の画面を確認してください。在庫の数が表示されている部分をクリックすると、さらに詳しい情報を確認することができます。
この中の「販売不可」という項目に注目してください。この部分が「0」になっていない場合は、販売不可の在庫を抱えているということになります。
販売不可在庫の有無を確認する方法
では、すべての在庫の中から販売不可のものを探すにはどうしたら良いのでしょうか?
まずは、簡易的に販売不可の品物を確認する方法から紹介していきます。これは、あくまでも販売することができない在庫がどれほどあるのかを確認する方法です。
全ての品物を倉庫から返送してもらう必要があるという訳ではないので、対処の仕方を考えるにはさらに詳細な情報が必要になります。
販売不可の在庫の有無だけを確認したい場合
返品に至った詳しい理由などは確認することができないものの、販売不可の在庫がないかどうかを簡単に確認する方法があります。
ここからは、その手順について詳しく解説していきます。複雑な操作などは必要なく、簡単にチェックすることができるので、小まめに確認をすることをおすすめします。
セラーセントラルにアクセス
はじめに、セラーセントラルの画面から在庫の管理画面を開きます。
販売不可在庫の数を確認
次に、ページ上部の「販売不可在庫の返送/所有権の放棄」という部分を確認してください。この項目の後に数字が表示されている場合、現在販売不可の在庫があるということになります。
返送/所有権の放棄を依頼する
そして、「販売不可在庫の返送/所有権の放棄」をクリックします。すると、商品の一覧の画面へ移動するので、「返送/所有権の放棄依頼を作成」というボタンをクリックしてください。ここから各手続きを行うことができます。
販売不可在庫の詳細を確認する方法
買い手から商品が返品された期間やその理由など、更に詳しい情報も含めて確認したい場合には「返品レポート」を確認しましょう。
品物が破損していた場合でも、セラー側に不備が無かった場合には、Amazonに補填を依頼することもできます。損をしないためにも、基本的にはこちらの方法で確認をするのがおすすめです。
セラーセントラルからレポートを確認
まずはセラーセントラルにアクセスし、画面上部のレポートという項目を選びます。すると、プルダウンメニューが開くので「フルフィルメント」をクリックしましょう。
返品レポートの確認
ページの左側にあるメニューの「商品の返品や交換」という項目の中から「返品レポート」を選択します。
期間を指定する
次に、レポートを表示したい期間を選択し、「レポートの生成」をクリックしましょう。
一覧を確認する
移動したページの右側にある「商品の状態」と「購入者の返品理由」という項目から、詳しい情報を確認することができます。これらのデータをしっかりとチェックして、それに応じた方法で対処しましょう。
購入者から届いた返品理由には、苦情内容が記載されている事が多いです。Amazonではこれらの苦情コメントの内容でアカウントの停止を判断するため、放置してしまうと知的財産権侵害や真贋調査などでアカウント停止になってしまう場合があります。
販売不可在庫への対処方法
販売不可の在庫が発生してしまった場合、30日以内に何らかのアクションを取らなければなりません。特に品物を返送してもらいたい場合には、必ず期限以内に手続きを行いましょう。期限を守らなかった場合、大きな痛手を負う可能性もあるので十分な注意が必要です。
販売不可在庫にも保管手数料がかかるので注意
販売不可の在庫の状態によっては、倉庫から返送してもらわなければならないものもあります。
もちろん、返送してもらうには手数料が掛かってしまいますが、販売できない品物を放置しておくことで発生する損害に比べれば、大した額ではありません。返品されてしまった商品の中には、工夫次第でまた売ることができるものもあります。
そういった品物を放置していたために、余分な費用を負担することになったり、商品そのものを失ってしまう可能性もあるのです。
在庫が多ければ多い程、保管にかかる手数料もかさみます。少しでも無駄を削減する為に、品物の状況のチェックは欠かさず行いましょう。
破損している商品への対処方法
販売不可となった理由が「破損」である場合、大きく分けて2種類の対処法があります。
1つ目は商品が初めから破損していたケースで、この場合は仕入れ先に連絡する必要があります。品物を新しいものと交換するか、メーカーに依頼し修理してもらいましょう。
2つ目のケースは、買い手側もしくはAmazonに原因があって商品が破損したケースです。この場合は、テクニカルサポートからAmazonに対して説明をすることで品物を補填してもらうことができます。このように、場合によってはセラーが負担を負うことなく問題を解決できるケースもあります。
そのため、返品に至った理由や、商品の状態についてはしっかりと確認をする必要があるのです。
30日以上放置すると廃棄されるので注意
販売不可の在庫に対して何のアクションも起こさないまま30日以上経過すると、自動的に処分されてしまいます。
そうならない為にも、頻繁に在庫の状況をチェックしましょう。また、販売不可在庫が発生した場合、メールでも通知されます。
返送にかかる手数料は1つあたりの計算になるので、まとめて送ってもらうメリットはありません。そのため、販売不可の在庫が出たらその都度対応するのがおすすめです。
商品が廃棄されるまでの流れ
販売不可在庫が発生してから廃棄されるまでの間には、何通かのメールが送られてきます。これらの連絡をすべて無視していると、所有権を放棄したとみなされ処分されてしまうのです。
では、具体的にどのようなメールが送られてくるのでしょうか?順を追って説明していきます。
まず、販売不可の在庫が発生したタイミングで、お知らせのメールが送られてきます。メール本文中に期限が記載されているので、その日までに何らかの対処を行う必要があります。
何のアクションも起こさないまま期限日が近づいてくると、在庫の所有権を放棄したとみなされます。そして、最終通知としてAmazon側で所有権の放棄依頼を作成したことを知らせるメールが届き、期限が過ぎると品物が廃棄されてしまいます。
この放棄依頼は自動的に作成されるもので、返送依頼を行わない限り取り消されることはありません。また、廃棄の際の費用は、セラー側が支払うことになっているので注意してください。
期限日を過ぎると、廃棄が完了した旨のメールが届きます。
このように、定期的にメールや在庫の状況を確認しないと、自分の知らない間に商品が捨てられてしまうのです。大切な商品を失ってしまうことが無いように、丁寧な在庫管理をしましょう。
自動返送設定を行うと安心
商品を勝手に廃棄して欲しくないという方は、自動的に返送してもらえるよう設定しましょう。まずはセラーセントラルにアクセスして、「全在庫の管理」より自動返信したい商品を選択して、左上のタブより「返送/所有権の放棄依頼を作成」を選択します。
次の画面で「自動返送/所有権放棄の設定を表示する」を選択しましょう。
次の画面では「設定管理」を選択しましょう。
次に、メールアドレスや返送先の住所など、必要な情報を入力しましょう。
マメに在庫をチェックできることが一番望ましいですが、この手続きを行っておくことで、万が一販売不可在庫の発生に気付かなくても、品物が捨てられてしまう心配が無くなります。
返送手続きの方法
では、販売不可在庫の返送を希望している場合にはどうしたら良いのでしょうか?
この項目では、その具体的な手順について解説していきます。やり方をしっかり確認して、いざという時に困らないようにしましょう。
返送の手順
まず、セラーセントラルを開き「在庫管理」をクリックして販売不可在庫の一覧を表示します。
次に、返送を希望している商品の右側にある「返送/所有権の放棄依頼を作成」のボタンをクリックしてください。
返送か廃棄を選択する画面になるので「配送先住所」の項目を選び、必要であれば配送先の住所を設定し直しましょう。
そして、倉庫から返送する品物の数を入力し「確認」を押します。さらに「確定」を押せば手続き完了です。
何も設定していない状態では、返送先の住所が自分のものになっています。しかし、送り先を変更することもできるので、外注先に送りたい場合なども対応可能です。
返送・廃棄依頼の手数料
品物を返送してもらう場合も、廃棄を依頼する場合も料金は同じです。金額は大きさや重さによって異なり、商品1つにつき手数料がかかります。金額の一覧は以下のようになっています。
宅配料よりも安価なため、販売不可になっていない在庫であっても場合によっては返送依頼をするとお得な場合もあります。品物を倉庫に保管しておくだけでも手数料が取られるので、売れる見込みのない商品を一時的に引き上げたい場合などにも有効な手段です。
返送された商品をまた売りに出すには?
買い手から返品された商品をまた販売するためには、それぞれの状況にあった対処をしなければなりません。例えば、品物に不具合などがある場合は、仕入れ先やメーカーに問い合わせる必要があります。修理や交換など、適切な対応を行ってもらった後に再出品をしましょう。
そして、買い手によって開封された後に返品された商品ですが、品質に問題がない場合は中古として出品し直します。不備があった品物を修理した場合なども同様です。
また、消費期限があるものに関しては、更に注意が必要です。期限が過ぎたものを販売するわけにはいかないので、自分で消費するなどして対処してしまう方が良いでしょう。
商品を廃棄されないようにするためにはこまめな確認が大切
販売不可在庫を放置することの危険性について、十分理解していただけたでしょうか。
面倒な作業になってしまいますが、貴重な商品を失ってしまうのは大きな痛手です。多くの場合、修理や交換などでまた品物を売りに出すことができます。中には品質に問題がなく、直ぐに売りに出せるものも混ざっているので、検品はくまなく丁寧に行いましょう。
こうして、念入りに在庫を管理することで無駄な損を減らし、少しでも利益になるよう心がけることが大切なのです。いきなり販売不可の品物があると聞かされると、不安になってしまう方もいるでしょう。もしも在庫の扱いに迷う様なことがあった時には、この記事が参考になれば幸いです。