FBA納品にあたっては様々な規定があり、それらを確実に守らなければ荷物を送っても受け付けてもらえません。とくに注意するべきポイントが、商品を梱包してFBA倉庫に送る際のダンボールのサイズです。
商品のサイズによって使用できるダンボールのサイズが異なるため、ダンボールなら何でもいいというわけにはいきません。
そこで今回は、FBA納品の際のダンボールサイズの詳細や留意点、よくある受け取り拒否の原因について解説します。
FBA納品の際のダンボールのサイズ
FBA納品の際のダンボールのサイズ区分は、全部で3通りです。一つずつ見ていきましょう。
小型/標準サイズ
・縦・横・高さの長さ…45・35・20㎝よりも小さい
・重さ9kg未満
この商品は、小型/標準サイズに該当します。この場合、同3辺の長さが、50・60・50cmよりも小さなダンボールに入れ、商品を梱包した際の重さを30kg以下にしなければなりません。
商品がかさばる割に軽い場合は、規定ギリギリの大きなダンボールにすると、数多く入れられるので効率が良いでしょう。しかし、小さな割に重い商品は、たくさん入ると思って詰め込み過ぎると、30kgを超えてしまう可能性があります。ことによっては、ダンボールの半分しか入れていないにもかかわらず、重量オーバーになるかもしれません。この様な場合は、小さめのダンボールが適しています。
ただし、せどりの場合は、商品を仕入れた際に、メーカーのロゴやネームが印字されたダンボールに入って届くこともあるでしょう。その際は、そのままFBA倉庫に送ることができます。しかも3辺の長さが、95・69.9・50.9cmより小さければよく、40kg未満まで認められます。
大型サイズ
・縦・横・高さの長さ・・・45・35・20㎝よりも大きくて95・70・51cmよりも小さい
または、
・重量・・・9kg超で40kg未満
この商品は、大型に該当します。この場合、同3辺の合計が216cm以内のダンボールに入れて、梱包した際の総重量を40kg未満にしなければなりません。
小型/標準サイズと同様、メーカーのダンボールの場合は、3辺が95・69.9・50.9cmより小さく、40kg未満であれば受け付けてもらえます。
特大
・縦・横・高さのいずれか・・・95・70・51cmよりも長い
または、
・3辺の合計・・・260cm以内
・重さ・・・50kg未満
この商品は、特大サイズに該当します(3辺の長さが、いずれも95・70・51cm未満でも40kg以上なら特大サイズになります)。この場合は、縦・横・高さの合計が400cm以内で、もっとも長い辺が250cm未満、梱包時の総重量が80kg未満でなければなりません。
特大の場合、許されるメーカーのダンボールのサイズと梱包時の総重量は、上記と同じ条件となります。
特大サイズを超える商品は、FBAに納品できません。
15kgを超える場合の留意点
商品を梱包した際の総重量が15kgを超えた時には、商品のサイズに関わらず、ダンボールの天井面と側面に必ず「重量超過」と記載することになっています。
コピー用紙にマジックで書いても良いですし、Amazonで専用のラベルが販売されているので、定期的に納品する場合は、まとめ買いしておくと便利でしょう。
ダンボールの加工は注意!
出品する商品によって大きさや形は様々です。手配したダンボールの形やサイズが合わないため、変形させたリ、別の箱同士をつなぎ合わせたりしたい場合もあるかもしれません。
しかし、FBA納品ではダンボールの加工は禁止されています。どれだけ綺麗に梱包しても受け取ってもらえないため、絶対にやめましょう。
ダンボールに関する以外の注意点
ダンボールのサイズや重さ以外にも、FBA納品の際に注意するべき点が2つあるので、お伝えしておきましょう。
納品先を間違えないようにする
FBA倉庫は、全国に50か所近くあります。送る商品のカテゴリーによって、どの倉庫に送るかはAmazonから指定されるようになっています。しかも全国にまんべんなく散らばっているわけではありません。極端な場合、北海道在住でも(北海道にはFBA倉庫はありません)九州の倉庫を指定されることもありえます。
思いがけない場所を指定されるかもしれませんが、送り先を間違えると受け付けてもらえないため、注意が必要です。
元払いを徹底する
FBA納品は、元払いが原則です。着払いで送ってしまうと、そのまま逆に着払いで送り返されます。すると、再度送る場合は、本来の3倍の送料を支払うことになり、無駄なコストがかかります。
先ほど述べたように、納品する倉庫は自分では選べないため、遠方の倉庫を指定された場合は、残念ながら送料が多くかかります。しかし、全額自己負担がルールのため、着払いとしないように気をつけてください。
ダンボールに関する理由で納品拒否される3つの原因
FBAに納品する際によくある、ダンボールの状態によって受け取り拒否される3つの原因について解説しましょう。
破損
送ったダンボールが破損している場合は、受け取ってもらえないことになっています。破損がひどければ、商品の一部がそこから落ちて紛失したり、商品が故障したりする可能性があります。これらは、後々トラブルの原因となりかねません。
このようなことのない様に、できるだけ丈夫なダンボールを選ぶのが望ましいでしょう。梱包もぬかりなく丁寧に行い、ダンボール内にスペースがある場合は、緩衝材を入れるようにしてください。
サイズ超過
ダンボールのサイズが規定より大きい場合も受け取ってもらえません。少々ならオーバーしていても受け付けてもらえるケースもあるようですが、それを期待するのはおすすめしません。もし受け取り拒否された場合は、その後の処理が大変になるので、サイズ超過しそうな時はダンボールを変えたり、梱包の仕方を改めるようにしましょう。
加工
ダンボールは、そのままの形で使うのが原則です。商品の形に合わせて、ダンボールに切り込みを入れて形状を変えたり、他のダンボールをつなぎ合わせてカスタムしたりした場合は、受け取りを拒否されます。他のダンボールを蓋代わりに上からかぶせるのも禁止されているので、注意してください。麻袋などで商品を包んだだけの場合も受け取ってもらえません。
ダンボールの入手方法
FBAの納品には不可欠なダンボールの入手方法についてお伝えしましょう。ダンボールは、多ければ年間に数百枚単位で必要となるため、できるだけ予算を抑えて手配できると良いでしょう。
購入する
破損やサイズオーバーのリスクを低くするためにも、ダンボールは購入するのが最適です。Amazonや楽天で多数取り扱っていますし、それ以外にダンボール専門の通販サイトもあります。
同じサイズのものを必要な枚数揃えるのは結構大変ですが、ネットで購入すれば、それが可能です。市販の場合は、例えば「160cm」というサイズであっても、実際にはそれより若干小さめの作りになっているので、絶対にサイズが超過することはなく安心です。
もらってくる
近所のスーパーや行きつけの八百屋さんなどで使わないダンボールをもらってくるのも一つの方法です。最近は専用のスペースが設けられていることも少なくありません。その場で縦・横・高さの3辺の長さを確認するは少し面倒かもしれませんが、そこからサイズの合うものを探してもらってくれば経費はかかりません。
ただし、もともと入っていた商品に合わせた形状になっていることが多いので、市販のダンボールに比べると変わった形をしていたり、持ちやすいように穴が開いていたりすることがあります。野菜や果物の皮などが付着して汚れていたり、傷んでいたりすることも珍しくありません。
できれば車を使って複数の店舗を回って探すのが良いでしょう。もし近所にドラッグストアや家電量販店、ホームセンターなどがあれば、比較的使いやすいダンボールが入手できるのでおすすめです。ダンボールをもらえる店舗を複数把握しておくと、大量にFBA納品しなければならない時に助かります。
使い回す
もう一つ経費がかからない方法として、ダンボールを使い回すのも良いでしょう。ネットショップで買い物をした場合、多くはダンボールに梱包されて届きます。FBA納品に使えそうなサイズのものは保管しておいて、使い回せば便利です。
ただし、保管スペースを有効活用するためにダンボールをたたむ場合は、ガムテープや送り状などを綺麗に剥がすようにしてください。雑に解体すると一部が薄くなって強度が下がり、納品の際に破損する恐れがあります。屋外で保管する場合は、野ざらしにすると湿気や日焼けによりダンボールが傷みやすくなります。あれば倉庫内に入れるか、できれば屋内で保管する方が無難でしょう。
FBAの納品で配送料金を抑えるコツ
最後に、FBA納品の配送料金を安く抑えるために利用できるサービスを3つご紹介しましょう。
プライスター急便
「プライスター急便」はFBA納品専門のサービスで、ダンボール1個からでも集荷してくれる上、FBA倉庫まで配送してもらえます。縦・横・高さの合計が160㎝以下(FBA規定の小型/標準サイズ)で30kg未満までの荷物しか依頼できないものの、下の表にあるように、最低価格が980円という安さが特長です。
プライスターに登録して月額5,280円(税込)を支払う必要がありますが、FBA納品を継続依頼するならかなりのメリットが期待できるでしょう。自宅など指定した場所まで集荷に来てくれますが、配送ラベルをダンボールに貼っておけば、玄関先での受け渡しのみで済み、1~3日以内で納品が完了します。しかも、商品リサーチや仕入れた商品の即時出品など、Amazonのせどりに特化したプライスターならではの様々なツールが利用できるので、売上アップにも役立つに違いありません。
参考:プライスター
近隣なら一律1,280円のエコムー便がお得
先ほどのプライスター急便と業務上で協力関係にあるSUNPORTという会社が提供している「エコムー便」もFBA納品に特化しており、安くておすすめです。
エコムー便の料金体系は非常にわかりやすく、縦・横・高さの合計が160cm未満、30kg未満の荷物限定ですが、同一県や近隣エリアなら一律1,280円という安さです。同じ県内で、3辺の合計160cmで30kgの荷物を郵便局の「ゆうパック」で送ると1,970円かかることを考えると、かなりお得です。プライスター急便のように毎月の手数料を支払う必要がない点も魅力です。
ただし、全国エリアへの配送はできません。例えば東京都からであれば、都内以外に神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、福島県、栃木県、静岡県、山梨県、群馬県、宮城県、山形県、長野県、新潟県、石川県、福井県、愛知県、富山県、岐阜県、三重県に1,280円で送ることが可能です。
近隣のFBA倉庫に送る機会が多い方には、特に便利でしょう。
参考:エコムー便
複数口送る場合はヤマト運輸か日本郵便
小さなダンボールで複数口送る場合は、月額手数料が必要なプライスター急便や一律料金のエコムー便よりも、ヤマト運輸と日本郵便の割引サービスの方が得なケースがあります。
ヤマト運輸なら複数の荷物の場合、2個目から100円、日本郵便の「ゆうパック」なら60円値引きされます。どちらも小さなサイズなら1個につき数百円で送れるケースがあるので、その場合は、この割引サービスがおすすめです。
また、佐川急便はこの様なサービスは行っていませんが、複数個の荷物の3辺のサイズの合計が、260cm以内、50kgまでなら、1つのラージサイズの荷物として『飛脚ラージサイズ宅急便』が利用できます。
まとめ
FBA納品をする際のダンボールサイズについて詳しく解説しました。
FBA納品では、商品サイズによって、使えるダンボールのサイズが異なります。規定に反すると、せっかく送っても着払いで送り返されてくるので、無駄なコストがかかります。輸送中に破損しても受け取ってもらえないため、丁寧に梱包する必要があります。
送る回数が多くなると、ダンボールの代金や配送料金にもかなりの予算が必要になります。購入せずに済む方法を工夫したり、安い運送サービスを利用したりして、コストカットに努めてください。最初は大変ですが、慣れれば難なくこなせるようになります。FBAは非常に便利なシステムのため、ぜひ上手く使いこなしてください。