現代はまさに副業の時代です。これまで副業を認めてこなかった企業の多くも副業を解禁し、多くの人が自分の力で副収入を得ることができるようになりました。副業にもさまざまなものがありますが、その中でも王道と言えるものの一つが「電脳せどり」です。
この記事では、電脳せどりでどうやって稼げば良いのか分からない人、あるいはそもそも電脳せどりとは何なのかはわからない人に向けて、具体的なやり方や稼ぎ方を解説していきます。この記事を最後まで読んでいただくことで、電脳せどりによって月に数万円から、多ければ100万円以上の収入を得ることも可能になるでしょう。
電脳せどりのメリットとデメリット
電脳せどりは再現性の高いビジネスであり、手堅く稼ぐことのできる方法として多くの人が実践しています。この項目では、そのビジネス形態の簡単な全容と、具体的なメリット及びデメリットについて解説していきます。
電脳せどりとは何か?
せどりとは、どこかから安く仕入れてきた商品を別の場所で高く売ることで利ざやを稼ぐビジネスです。電脳せどりは、そのインターネット版であると表現するのが最も適切でしょう。
従来のせどりは、とにかく足を使ってあちこち移動し、めぼしい商品を発掘して回るというイメージがありました。それに対して電脳せどりは、商品の仕入れから販売までの全てをネットで行うため、自宅にいながらにして全てを完結させることができます。
その実行のしやすさから、電脳せどりはサラリーマンや主婦の副業として注目されているわけです。ちなみに、昔ながらのせどりは、電脳せどりと区別するために「店舗せどり」と呼ばれることがあります。
店舗せどりと電脳せどりの大きな違いは仕入れ先です。店舗せどりの場合、色々な店を回って、セールや在庫処分の対象となっている商品を探し、なるべく安い値段で購入します。一方の電脳せどりは、ヤフオク!やメルカリ、楽天市場などのECサイトやオークションサイトを利用して安い商品を探すことになります。
メリット1:少ない資金でも始められる
電脳せどりのメリットとして最初に挙げられるのは、少ない資金で始めることができるという点です。もちろん資金はあるに越したことはありませんが、電脳せどりの場合はイニシャルコストもランニングコストもほとんどかからないので、まとまった資金がほとんど必要ないのです。
必要な経費といえばせいぜい、Amazonの大口出品登録をするのに月額4,900円が必要になることくらいでしょうか。メルカリなどは無料で利用することができるため、0円でスタートすることができます。
では一体、稼ぐためにはどのくらいの資金があればいいのでしょうか。それは、あなたがどれくらい稼ぎたいのかによって変動します。
例えば3万円の自己資金でいきなり月収10万円を達成するのはほとんど不可能です。しかしその3万円をまずは4万円にして、その4万円を5万円にして……という風に少しずつ増やしていき、やがて月収10万円に到達するのは現実的な話です。利益率を20%とするなら、月収10万円を得るためには運転資金が50万円あれば良いということになります。少しずつ地道に続けていくことで、そのように規模を拡大していくことができるわけです。
メリット2:副業として気軽に始めることができる
次に挙げられるのは、副業で始めることができるという点です。実際のところ、電脳せどりをやっている人の多くは副業として始めており、最初から専業でスタートする人はほとんどいません。
ビジネスの規模を大きくするにはそれなりのリスクが必要になるので、まずは小さく始めることがオススメです。ある程度軌道に乗ってきたところで、より大きな利益を求めて専業にシフトするのがよいでしょう。
副業として電脳せどりを行うメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 副収入が増える
- 心理的で余裕が生まれる
- 将来的な可能性が広がる
現代においては「自分だけの力で稼ぐこと」が重要視されつつあるので、電脳せどりは時代に合ったビジネスと言えるのではないでしょうか。
デメリット1:リサーチを間違えると在庫が増える
気軽に始めることのできる電脳せどりにもメリットだけではなく、デメリットがあります。その代表的なものが、在庫を抱えるリスクです。
商品を仕入れる際には、その商品がしっかりとした価格で売れるかどうかを見極めてから仕入れることになるわけですが、その見極めが常に当たるとは限りません。読みを間違えてしまうと、高額で仕入れた商品、あるいは大量に仕入れた商品がさっぱり売れないということにもなりかねないのです。
一つの例として、過去にトレンドになったけれども現在ではそうではないという商品に手を出してしまうということがあります。手持ちの情報を最新のものにアップデートしなかったがゆえに、リサーチに失敗してしまった例ですね。このようなリスクと隣り合わせであるということは、あらかじめ理解しておく必要があります。
デメリット2:検品やクレーム処理に手間がかかる
そして、検品の手間やクレームに対する対応にそれなりのコストがかかるということもデメリットの一つです。電脳せどりにおいて扱う商品は、その多くが中古品です。誠実にビジネスを行う場合、中古品を販売する際にはしっかりと検品をしなければいけません。万が一にも不良品があっては、お客様の迷惑になるばかりでなく、あなたが登録しているショップの評判にも関わるからです。
例えば家電品であれば、しっかり動作するかどうか、傷がついていないかどうか、汚れがないかどうかといった点がチェックポイントになります。ブランド品であれば、その商品が本物であるかどうかというチェックが大事になってくるでしょう。
このような検品をしっかりと行ったとしても、やはりお客様からクレームが来てしまうことはあり得ます。その場合には返品や返金などの対応をしなければいけません。このことは少なからずリスクになりますし、いつでも対応できるように準備を整えておくにはコストもかかります。
電脳せどりに必要なもの
この項目では、電脳せどりを始めるために必要なものを一通り解説していきます。
パソコン
パソコンは電脳せどりにおいて最も重要な道具です。仕入れの際にも販売の際にも必要になります。高いスペックは必要ないので、手頃なもので十分でしょう。
インターネット環境
仕入れから販売まで全ての作業をインターネットで行うのが電脳せどりなので、ネット環境が必須となります。大量のデータをやり取りするわけではないので、それほど高速な回線である必要はありません。
スマートフォン
パソコンだけでなく、スマートフォンを持っていると便利です。パソコンで行う作業を全て代替することはできませんが、リサーチ作業などの業務の一部はスマートフォンでもこなすことができます。例えば外出先で隙間時間を利用してビジネスを進めることができます。
クレジットカード
商品を仕入れるためのクレジットカードも用意しておきましょう。仕入先ごとに、より多くのポイントが付与されるカードを複数枚持っておくと、お得に活用することができます。
専用の銀行口座
普段使っている銀行口座を電脳せどりのために利用することも可能ですが、できれば新しく銀行口座を開設しましょう。その方が経理処理が楽になります。商品を仕入れる際の支払いと、売上の振込の両方を専用口座で行えば、確定申告の際に楽になります。
古物商許可
古物商許可とは、中古品を仕入れて販売するときに必要になる免許のことです。免許といっても、取得するために特別な勉強をする必要はありません。所轄の警察署に申請し、手数料を払えば誰でも取得することができます。
電脳せどりの具体的なやり方
電脳せどりというビジネスには再現性があります。100%とは言いませんが、高い確率で誰でも確実に稼ぐことができるのです。
この項目では、その具体的なやり方を一から解説していきます。いずれも稼ぐためには絶対に必要な知識ですので、しっかりと身につけるようにしましょう。
販売先での商品リサーチ
電脳せどりにおいてまず重要なのは、仕入れる商品に関して販売先でしっかりとしたリサーチを行うことです。このリサーチが正しくなければ、利益の出る商品を仕入れることはできません。基本的には、以下の3つのチェックが必要になります。
- 需要のチェック
- 商品価格のチェック
- ライバルのチェック
しっかりと利益の出る形で売れるかどうかをリサーチするには、専用のツールを使います。たくさんのツールが存在しますが、そのうちの一つとして「デルタトレーサー」をオススメします。Amazonで商品を販売する際に便利なツールです。
このツールは有料なので、利用される場合は有料プランに申し込みましょう。
損益分岐点を計算する
商品に需要があることが分かったら、次は損益分岐点の計算を行います。損益分岐点とは、利益と損失がゼロになる地点のことであり、それよりも高く売ることができれば利益を得られるということになります。
例えばあなたが3,500円で仕入れた商品が、Amazonで最安値4,500円で売られているとしましょう。その場合、少し値下げをして4,200円くらいで販売することができれば、顧客はあなたの商品を選んでくれますし、あなたの元にもきちんと利益が残ることになりますよね。
Amazonで電脳せどりを行う場合には、損益分岐点の計算方法としてAmazonの公式ツールであるFBA料金シミュレーターを使いましょう。利用するためには出品者として登録することが必須です。
このツールを利用して、どれくらいの価格で販売するとどれくらいの利益が残るのかを正確に計算してから仕入れるかどうかを決定します。
参考:FBA料金シミュレーター – Amazon Seller Central
仕入れ先でリサーチをする
損益分岐点が分かったら、その価格を基に仕入れ先でリサーチを行います。電脳せどりの場合、仕入れ先として主に利用するのはヤフオク!やメルカリです。
同じ商品でも価格は出品者によって全く違っているので、チャンスはいつどこに転がっているか分かりません。できるだけ多くの時間を使って、念入りにリサーチを繰り返すようにしましょう。この段階に時間を割くことはとても大切です。
手頃な価格で販売されている商品が見つかったら、実際に仕入れとなります。ヤフオク!の場合は、実際にいくらで入手することができるか事前には分かりませんので、自分の中で上限となる金額をしっかり定めておくようにしましょう。
実際に商品を仕入れる
利益の出せる商品が見つかったら、いよいよ実際に仕入れる段階に移ります。
しかしその前に、送料などのコストを確認した上で、改めてFBA料金シミュレーターで利益計算をしておきましょう。面倒くさいようですが、少しでも計算が狂っていたら、せっかくの仕入れが無駄に終わるばかりか、場合によっては損をしてしまうこともあり得ます。ここはしっかりとチェックをしておくべきところです。
販売先で販売する
無事に商品を仕入れることができたら、あとはあなたの決めた販売先で販売するのみです。先ほどからAmazonで販売することを例に挙げて解説をしていますが、ヤフオク!やメルカリも販売先として利用することができます。メルカリで仕入れたものをメルカリで販売するということさえ、十分にあり得ます。しかし一般的には、商品の回転率の高さなどを考慮したうえでAmazonに出品するのがオススメです。
Amazonに出品をするには、出品者としてのアカウントを作る必要があります。アカウントを作ることで、あらゆる情報を管理するセラーセントラルというページにログインできるようになります。後は出品を完了して、自己配送かFBA納品かを選ぶだけで大丈夫です。
ちなみに、FBAとはAmazonの倉庫にあなたの商品を納品し、商品の販売に関するさまざまな作業をAmazonに代行してもらえるサービスです。具体的には、売れた商品の梱包や発送、顧客対応やアフターフォローといったことを全て担ってくれます。商品を仕入れることに集中したい人は、FBAを利用することをオススメします。FBAを利用することで、あなたの仕事は商品を仕入れと検品のみになるからです。
電脳せどりにおけるリサーチのコツ
電脳せどりのコツで特に重要なのは以下の4つです。この項目ではAmazonで商品を販売することを前提にしています。
- Amazon本体が出品している商品は避ける
- プレミア価格がついている商品をリサーチする
- ライバルの商品を真似する
- 自己発送者がカートを取っている商品を仕入れる
いずれも重要なことですので、一つ一つ解説していきます。
Amazon本体が出品している商品は避ける
商品をリサーチしていて、利益の取れそうなものが見つかったとしても、もしAmazon本体が出品しているのであれば、それは避けるようにしましょう。なぜなら、Amazon本体から「カート」を奪うことは非常に難しいからです。
カートとは、Amazonにおいてある商品ページに出品しているすべての出品者を代表する枠のことです。購入者が出品者を一切選ばずに購入のボタンを押した場合、カートを獲得している出品者の商品を購入することになりますので、カートはとても重要な概念となります。
Amazon本体がカートを取っている場合、仮にあなたがその商品の値段を下げたとしても、Amazon本体がすぐに同じ値段に合わせてくるため振り切ることができません。以下の画像のように、出荷元・販売元が「Amazon.co.jp」と表示されている場合は、Amazon本体がカートを取っていることを示しています。このような商品は勝ち目がないので避けてください。
Amazon本体が参入していない商品を選別する方法としては、次のようなものがあります。まず、検索した後に表示されるURLの末尾に「&pct-off=-0」と付けてenterキーを押します。すると、Amazon本体が出品していない商品のみが一覧で表示されます。
この指定はどういう意味かというと、「定価から0%引きの商品」、つまり「プレミア商品のみを表示せよ」ということです。Amazon本体が出品している場合は基本的に定価以下で販売していますので、このような指定をすることで、Amazon本体が参入している商品を表示させないことができるのです。
プレミア価格がついている商品をリサーチする
Amazonでプレミア価格になってる商品を定価付近で仕入れて転売する方法は、利益率も高いので非常にオススメです。
プレミア価格の商品を見分ける方法は、意外と簡単です。例えば以下の画像の商品のように、定価の数字に打ち消し線が入っていなければ、それはプレミア価格で販売されているということになります。
Amazonで使える便利なコマンド
プレミア価格の商品を見分けるコツとしては、先ほども紹介したURLの末尾に「&pct-off=-0」をつける方法が一番手っ取り早いでしょう。
それ以外にも、Amazonで使える便利なコマンドがたくさんありますので、ここでは代表的なものを紹介しておきます。
検索結果を並び替える
&sort=-priceまたは&sort=price-desc-rank:価格の高い順に並び替え
&sort=priceまたは&sort=price-asc-rank:価格の安い順に並び替え
&sort=titlerank :アルファベット昇順に並び替え
&sort=-titlerank:アルファベット降順に並び替え
&sort=salesrank:売れている順に並び替え
&sort=-salesrank:売れていない順に並び替え
&sort=-releasedate:発売日の新しい順に並び替え(発売日未定商品を含む)
&sort=date-desc-rank:発売日の新しい順に並び替え(発売日の記載がある商品のみ)
&sort=popularity-rank:人気度の高い順に並び替え
&sort=review-rank:レビューが良い順に並び替え
&sort=-review-rank :レビューが悪い順に並び替え
検索結果を絞り込む
&pct-off=○○-:○○%OFF以上の商品を表示する
&pct-off=-××:××%OFF以下の商品を表示する
&pct-off=○○-××:○○%~××%OFFの商品を表示する
&low-price=○○:○○円以上の商品を表示する
&high-price=××:××円以下の商品を表示する
&low-price=○○&high-price=××:○○円~××円の商品を表示する
ライバルの商品を真似する
しっかりと利益を上げていると思われるライバルが出品している商品をリサーチし、それを真似して仕入れることであなたも利益を上げることができます。真似をするのはかっこ悪いと考える人もいるかもしれませんが、法律に違反しない限り、他人の良いアイデアを取り入れるのは重要なことです。Amazonにおける具体的な方法を解説していきます。
まず、商品ページの右側にある「新品/中古の出品を見る」という部分をクリックします。すると出品者の一覧が表示されます。
ここで注目するべきなのは、それぞれの出品者の評価の数です。大体評価が50個から200個程度の出品者をチェックしましょう。50個以下の出品者はまだ初心者の可能性がありますし、逆に200個以上ある場合はあなたが真似できないような大規模なビジネスを展開している出品者である可能性があるからです。
ちょうど良い出品者を見つけることができたら、その出品者名をクリックしましょう。すると、以下のような画面が表示されます。
この画面の中の「○○のストアフロント」ボタンをクリックすると、その出品者が出品している商品の一覧が表示されます。この中から、あなたでも安く仕入れることができそうな商品をリサーチしていきましょう。
自己発送者がカートを取っている商品を狙う
自己発送に設定している出品者がカートを取っている人気商品は狙い目です。なぜなら、FBAで出品すれば、それより少し高い値段に設定してもカートを取ることができますし、それにより高い利益率を得ることができるからです。例えば以下のような商品です。
値段の下に、配送料に関する記載が確認できると思います。この記載があるということが自己発送者であるという証拠になります。この送料が高ければ高いほど、あなたが参入してきちんとした利益を上げる可能性が高まります。相手が送料込みの計算なのに対し、あなたがFBAを利用しているのであれば、その計算をせずに価格設定をすることができるからです。
電脳せどりを行う際の注意点
この項目では、電脳せどりを実際に行う上での注意点をいくつか解説します。いずれのケースも重大な問題に発展する可能性のあることですので、絶対に覚えておくようにしましょう。
チケットの転売は禁止されている
チケットを転売することは、「チケット不正転売禁止法」という法律により禁止されています。あなたがまともに活動をしている限りは、チケットを間違えて仕入れてしまうというようなことはないとは思いますが、知識として覚えておくことはとても大切です。
酒類販売業免許なしでのお酒の転売は禁止されている
お酒を継続的に販売する場合は、酒類販売業免許の取得が義務付けられています。あなたがその免許を持っていないのであれば、お酒を販売することはできません。
新品の本を販売するときは再販価格維持制度を守る
新品の本をAmazonに出品する場合、必ず定価で販売しなければいけません。再販価格維持制度という法律があり、新品の書籍は定価より高く売るのも安く売るのも許されていないのです。
実際にAmazonをチェックしてみると、このルールを守ることができていない出品者が多数散見されます。しかし、だからといって「自分もやっていいのだ」とは思わずに、しっかりと法律を守るようにしましょう。
電脳せどりで確実に稼いでいこう
以上、電脳せどりの実態及びその具体的な稼ぎ方について解説しました。
電脳せどりは、数ある物販ビジネスの中でも比較的稼ぎやすいジャンルですし、完全な在宅ワークで続けることができるため、非常に人気があります。もちろん全員が稼げるようになるわけではなく、辞めていく人も大勢います。その原因の大半は、必要なノウハウをきちんと身につけていなかったことにあります。
この記事で紹介した知識をきちんと自分のものとし、王道の手法から外れることなく、着実に電脳せどりで稼いでいきましょう。