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海外から商品を輸入し、国内で販売する輸入ビジネスに必要な資格とは?

海外から輸入したものを国内で転売する海外輸入ビジネスは、魅力的な転売ビジネスの一つです。

しかし、「輸入」や「貿易」といったワードが出てくると、「国の許可なしに行ってよいものか?」「個人で手を出していいビジネスなのか?」といった不安を抱く方も多いでしょう。

そこで今回は、海外輸入ビジネスに必要な心構えや知識、知っておいたほうが良い法律や必要な免許のお話をしていきます。きちんと要点さえ押さえれば、意外と簡単です。ぜひチャレンジしてみましょう。

輸入品を国内で販売したい―必要な資格は?

「国内で仕入れた商品を国内で販売する」と違って「海外から商品を輸入する」となると、なんだかすごく難しいことをしているような気になってきますよね。国の機関、例えば、税関や税務署などに営業許可を求めたり、特別な資格を取ったりする必要がある気がしませんか?

ですが、実は「輸入品を日本で販売する」ことには、特別な資格も許可も必要ないのです。海外でよい商品を見つけ「よし、これでビジネスをしよう!」とそう思ったらすぐに始めることができます。今では、「ヤフオク」「Amazon」など気軽に海外の製品を購入できるEC市場もありますので、最低PC一台あれば明日にでも開業することが可能です。輸入ビジネスは、ほとんどの人がイメージしているよりも手を出しやすいビジネスです。しかし、例外や注意点も存在します。

医薬品の輸入販売はご法度

最も注意すべきは「医薬品」です。「医薬品」は、販売目的でない個人使用目的での輸入でも、それを証明する手続きを取らなければならないほどに規制が厳しいものとなっています。さらには、「医薬品」というくくりも広く、風邪薬のような市販品から、ドリンク剤や養毛剤などの「医薬部外品」も規制にかかってきます。大企業でさえ医薬品の輸入・販売は敷居が高いものなので、個人でのビジネスとしては扱わないほうが無難でしょう。

人気の化粧品・美容関係も要注意

残念なことに、「化粧品」も規制が厳しいジャンルです。今は海外のコスメ人気が高く、商品としては非常に魅力的ですが「販売を目的とした輸入」は個人ではほとんど禁止されているといってもよい状態です。

まず、厚生省から「製造販売業の許可」をとり、その後税関より「輸入許可」をもらう必要があります。この「製造販売業の許可」の取得が厳しく、個人ではまず条件を満たすことは不可能となっています。

さらに気を付けるべきは、「個人使用目的で輸入したものを、後々ネットオークション等で販売する」ことも法律違反です。輸入品は、その商品を使用して何か問題が起こったときは「輸入した人」が責任を負わなければなりません。「製造販売業の許可」はつまり、「何かあっても責任が取れるだけの備えがある」ことを証明するものです。この証明もなしに、あなたの輸入し転売した商品で人的被害が出てしまったとしたら?…そう考えると「化粧品」を用いた輸入ビジネスのリスクがお分かりいただけるのではないでしょうか。

お酒は資格を取れば大丈夫

お酒の輸入ビジネスは、上記の「医薬品」「化粧品」に比べると取り組みやすいものになっています。

まず、輸入するために検疫所「食品等輸入届出書」を提出すること。次に、販売するために「酒類の販売業免許」を取得すること。この免許は酒税法に基づいたものであり、コンビニ等お酒を販売しているところは必ず保持している免許です。この免許は、お酒を販売するビジネスを行うだけの資本があるかどうかといった点が要件となりますので、化粧品等に比べると個人で取得することも不可能ではないでしょう。

ちなみに、この免許は「販売する」際に必要なものなので、輸入したお酒を自分のバーなどで「提供する」だけなら不要です。

意外な規制品があることも

「医薬品」「化粧品」「お酒」など、ビジネスとしては魅力的だけれど法律の規制が存在するものを紹介しました。この3点以外にも、輸入や販売をする上で規制のかかっている物品もありますので、「輸入ビジネス」で扱いたいものを見つけた時はきちんと調べるようにしましょう。気づかないうちに法律違反を犯してしまうことのないよう気を付けてください。

本当に利益が出るの?―輸入販売は慎重に

海外のサイトで格安で販売されている売れ筋商品を発見してしまうと、だれもが一度は輸入ビジネスによる大儲けを夢見るものです。しかも、今ではPC一つで世界中のホームページが閲覧できるようになり、輸入ビジネスがより身近なものになっているのだからなおさらです。

そんな輸入ビジネスで失敗することのないように、あらかじめ気を付けておくべき点を確認していきましょう。

商品価格以外のコストを把握する

海外から商品を仕入れるとなると、日本国内では考えられないほど長い距離を輸送する必要が出てきます。もちろんその分送料は高くつきますし、手数料や保険料といったものがかかってくる場合もあります。さらに、それらの料金すべてに「関税」がかかってきます。仕入れる前にきちんと商品の代金だけでなくその他もろもろの経費や税金もきちんと計算に入れ、そのうえでの利益計算をしておきましょう。

利益の計算がきちんとでき、儲けが出せることがわかっても油断してはいけません。商品が税関で引っ掛かり、無事に手元に届かない可能性や、売り物にならないような難のある商品が届く可能性だってあります。さらに言うと、うまく輸入できたとして、すべて売り切ることができずに在庫を抱える可能性だってあります。これらすべてのリスクを検討したうえで、それでも手を出すべきビジネスなのかどうか、冷静に見極める必要があります。

送料等は輸送会社によっても変わってきますし、関税は税率を見ることのできるサイトもあります。ぜひ活用してください。

参考:実行関税率表(2020年10月1日版)

その商品は大丈夫?輸入の規制や禁止の確認

先にもお話したとおり、輸入するにあたって規制がかかっていたり、そもそも輸入自体が禁止されている商品というものは存在します。代表的な例を提示しておきますので、確認していきましょう。

先にもお話したとおり、輸入するにあたって規制がかかっていたり、そもそも輸入自体が禁止されている商品というものは存在します。代表的な例を提示しておきますので、確認していきましょう。

食品や食器…基本的に口に入るものには食品衛生法などに基づいた審査や検査が必要となっています。それに準じて、食品に直接触れる食器も対象となります。どちらとも、厚生労働省の検疫所へ「食品等輸入届出書」を提出して許可をもらいましょう。

お酒…こちらも食品と同様に人体に取り入れるものですから規制がかかっています。同じように厚生労働省の検疫所へ届け出る必要があります。なおかつ、酒類の販売には免許も必要ですので、そちらも忘れずに取得しておきましょう。

健康食品、ドリンク剤など…海外では「医薬品」の取り扱いでなくとも、国内で「医薬品」と見なされれば個人での輸入販売は認められていません。薬事法にひっかかり、最悪の場合は没収される恐れがあるのでリスクが高いといえます。

玩具類…子どもが遊ぶものですが、誤って口に入れる恐れがあるため、食品と同じように素材や材質の安全を証明する必要があります。

衣類…繊維製の衣類に関しては特に輸入規制は存在しませんが、革や毛皮を用いたものはワシントン条約に基づいて輸入に規制がかかっていることがありますのでそちらもよく確認しましょう。なお、素材の如何にかかわらず「偽ブランド品」や「原産地の偽表記」があるような商品の輸入は禁止されています。輸入者が偽物と知らなかった場合でも処罰される可能性があります。十分注意しましょう。

いかがでしたでしょうか。意外なものや非常に身近なものにも規制がかかっていたり輸入が禁止されていたりしますので、税関のHPを確認したり問い合わせたりして入念な確認を行いましょう。

輸入者の責任―国内販売の規制について

日本国内で販売された商品は、何らかの事故が起き購入者が被害を被った場合は「メーカー」が責任を負い、補償します。では、海外からの輸入品はどうなるのかというと、その責任はすべて「輸入者」が負うことになります。したがって、輸入者が海外輸入の商品を日本国内で販売する場合、国内の企業がしているのと同等の検査や審査、そして安全を証明するための表示などを行う必要があります。例えば、食品の「食品表示」、衣類の「洗濯マーク」電化製品の「PSEマーク」などがそれにあたります。

参考:食品表示企画

参考:電気用品安全法

参考:家庭用品品質表示法

これらの表示が義務付けられているのはもちろんのこと、日本国内の製品には「消費生活用品安全法」「家庭用品品質表示法」「電気用品安全法」など、消費者に対して安全を保障する様々な法律があり、その基準をクリアする必要があります。その基準を満たすための検査や審査が厳格で、個人での販売がほぼ不可能なのが輸入に関する資格の項目でお話しした「化粧品類」というわけです。輸入し販売した商品で事故が起こった場合、損害賠償責任が生じてきますので、扱う商品の製造方法やリスク等はしっかりと把握することが肝要です。

このように、輸入すること自体は可能であっても、その後国内で販売するまでに数多くの手順が必要で手間のかかる品目が存在します。せっかく輸入できた商品が国内での販売に至らず宝の持ち腐れとならないよう、輸入する前に国内販売までに必要な諸手続きの下調べをしっかりとしておきましょう。

正規輸入品、並行輸入品って何?

「正規輸入品」「並行輸入品」、皆さんも聞いたことのある言葉だと思いますが、言葉の意味は知っていましたか?このふたつは「流通経路」の違いによって区別されています。詳しい意味を確認していきましょう。

正規輸入品は正規の代理店が輸入したもの

海外のメーカーが日本国内で自社製品の流通を図る場合、契約した正規の代理店を通して製品を輸入させ、その代理店から小売業者、販売店へと卸していくことがあります。この流れを経て日本に輸入される商品を「正規輸入品」と呼びます。

並行輸入品は正規の代理店を経由しないもの

並行輸入品は、海外のメーカーが商品を卸した現地の小売店や販売店を通じて購入・輸入された商品です。メーカーが管理していない輸入ルートで第三者が買い付け、日本の小売業者や販売店へ卸していくことになります。

個人輸入って何?

「正規輸入」「並行輸入」とも違う「個人輸入」という言葉も存在します。これはその名の通り「個人が自身で利用する目的で海外から輸入する」ことです。

「個人輸入」には、輸入の際の様々な手続きや万が一のトラブルにも自身で対応しなければならない辛さはありますが、あくまで個人使用目的での輸入であるため、販売目的の「業務輸入」とは異なり税額が安いなどのメリットも存在します。

個人輸入の線引き―「個人での使用目的」は転売も含むのか

個人使用目的と商用目的との境界は、実は曖昧です。個人使用目的での輸入であれば税率が安くなるのをよいことに転売目的を秘して個人使用目的として輸入するのは違法となるはずです。しかし、「個人で転売に使用するために輸入すること」は特に違法ではありません。これは「個人輸入」ではなく「小口輸入」と呼ばれる貿易手段です。

では、「個人輸入」と「小口輸入」の違いはどこで決まるのでしょう?これは自己申請などではなく、税関の裁量次第です。輸入するものの量や合計金額によっては、たとえ本当に「個人での使用が目的」だとしても、「小口輸入」と同等の課税がなされる場合もあります。輸入された後実際どのように使用されるかなんて税関では確認のしようがありませんから、税関を通過する際の情報だけで税率を設定するわけですね。

税関の判断はおもに輸出入に必要な書類であるインボイスをもとに行われます。もちろん、税率を安くしたいがためにインボイス等で虚偽の金額や量を報告してしまうと立派な脱税行為となりますので、税関の下す判断にはおとなしく従っておきましょう。

関税に関して不明点や不服な点があった場合は、税関に聞けばきちんと対応してくれますので遠慮せずに問い合わせましょう。

ちなみに、関税がかかるのは「輸入」する際だけなので、「輸出」に関しては関税が不要なこともあわせて覚えておきましょう。

並行輸入の特徴と注意点

自身で輸入ビジネスを行う場合は「並行輸入品」を扱うことがほとんどだと思います。それでは、並行輸入の特徴や注意点をより詳しく見ていきましょう。

並行輸入のメリット-購入価格が安い

正規輸入だと、当然、メーカーの定めた価格で販売されるので大きく値崩れしたり特売されたりすることはありません。ブランド品の価格はそのブランドのイメージを守るための大事な指標の一つですし、大幅な値下げはブランド価値を下げることにつながりますから当然と言えるでしょう。

ですが、並行輸入品はこの限りではありません。一度、メーカーの手を離れ販売店などに卸されたものですから、その店独自の価格設定に変わったり、為替の影響などもあって販売価格が安くなっていることもあります。

日本未発売品が購入できる

並行輸入品だと、正規輸入では日本に入ってこないような商品を購入できるのも大きなメリットです。

日本にはないカラー展開のものだったり、海外独自のデザインだったりすると、国内での需要の高さや価値は当然高いものとなるでしょう。

並行輸入品のデメリット―補償の有無

もちろん、メリットばかりではありません。正規の代理店を通らずに輸入されてきた製品ですから、メーカーのアフターフォローが受けられない可能性があります。

輸入業者によっては独自でアフターフォローをサービスに謳っているところや、場合によってはメーカーの恩赦で保証をしてくれることもあるかもしれませんが、万全な対応は期待しないほうが良いでしょう。メーカーの用意した正規のルートを通さないだけでなく、正規の価格も払わずに手に入れたものを販売していた場合もあるでしょうし、メーカーのフォローがないのは当たり前といえるかもしれません。

万一製品に不具合が生じた場合でも、自己責任として何の保証もされない可能性を念頭に、並行輸入品を購入するようにしましょう。

結局、並行輸入品って安全なの?

「並行輸入品」って、偽物のことなんじゃないの?そう思う方もいるかもしれませんが、ここまで説明してきた通り「並行輸入品」とは正規のルートを通らず輸入されてきた商品のことなので、一概に「偽物」を指すわけではありません。

ただ、「正規のルートではない」ということは、商品の品質は保証されていないとも言えます。業者によっては、並行輸入品を謳って偽物を流している可能性もあり得ます。並行輸入品がメーカーの保証を受けづらいのは、メーカー側も正規で卸したもの以外が本物である保証ができかねるから、ということでもあります。保証書の有無を確認したり、正規品の特徴をしっかりと把握したりなど、自衛する意識が必要でしょう。

古物商許可って知ってる?

みなさんは、「古物商許可」という言葉をご存じでしょうか?これは「一度消費者の手に渡ったもの」、つまり「古物」を取引する際に必要となってくる免許のことで、行政に発行してもらうことができます。

古物を取引する場合、自身が意図せず盗品等を取り扱ってしまうといった危険があります。そのため、日本では「古物営業法」という法律によって古物の取引に一定のルールを設けることで盗品等の犯罪被害品が市場に流通することを防ごうとしています。その「古物営業法」に基づいて古物を扱う許可を得た証が「古物商許可」というわけです。

この「古物商許可」は、輸入転売ビジネスにも少なからずかかわってくるものではありますが、古物を輸出するのか輸入するのか、はたまた直接なのか間接なのかといった条件により、免許が必要な場合とそうでない場合とが出てきます。

それでは、どういう状況で「古物商許可」を必要とするのか、場合分けしてみていきましょう。

古物許可証が必要な例・不要な例

1、海外で買い付け、日本で販売するパターン

海外へ「直接」出向いて、現地で中古品を買い付けた場合は古物商許可は必要ありません。その後日本で販売するとしても、古物を買い付けたのが海外なので、日本の法律の適応外となるわけです。

2、日本の業者が輸入、その後買い付けのパターン

自らが現地に赴くのではなく、日本の業者が輸入したものを購入し転売する際は古物商許可が必要になってきます。先ほどの例と比べて、今回は古物を買い付けるのが日本の法律の適応される国内で、しかも日本の業者相手だからですね。

「古物を買い付けるとき」に、日本の法律が適応される場所か、取引相手は日本国内の業者かどうかで判断しましょう。

3、日本国内にいて、海外の業者から買い付けるパターン

それでは、「古物を買い付ける場所は日本国内」だけれど、「取引相手が海外の業者」という複合パターンではどうなるのでしょうか?

この場合は、「取引相手に法律が適応されるかどうか」の方が重視され、原則古物商許可は不要とされます。しかし、判断に迷うパターンなので、管轄の警察によっては許可を求められる可能性もあり得ます。

そのため、事前に警察署に確認し、少しでも免許が必要な可能性がある場合は先に取得しておいたほうが無難でしょう。

4、日本国内で買い付け、海外へ輸出するパターン

上記3パターンを学んだあとなら、このケースの考え方も大丈夫ですね?「古物を買い付けるとき」に日本国内にいて、なおかつ日本の業者相手に取引しているので古物商許可が必要です。

以上の4パターンから分かるように、実は「自分で古物を売る際」は古物商許可は必要ありません。あくまで「古物を有償で買い入れる際」に必要な免許です。

迷ったときはどう判断する?

古物商許可が必要なのかそうでないのか迷った際は、「なぜ古物商許可が存在するのか?」に立ち返って考えてみましょう。先にお話ししたように、「盗品等の犯罪被害品を買い付けてしまうことを防ぐため」でしたよね?ですので、「有償で」盗品を買い付け「犯罪者に利益を与えてしまう」おそれがある場合以外は古物商許可は必要ありません。

例えば、自分で使用していた中古品を販売したり、無償で得た中古品を転売したりといった際には古物商許可は必要ないということです。

どうしても判断に迷った場合は、やはり専門家に聞くのが一番安全です。遠慮せずに管轄の警察署に問い合わせましょう。

輸入ビジネスはやりがいがある!

 

「輸入したものを国内で販売する」こと自体は、禁止されているわけでも規制があるわけでもありません。しかし、扱う商品や輸入するルートによっては規制が存在したり、そもそも法律で禁止されていたりするものがあることをおわかりいただけたと思います。

大事なことは、輸入ビジネスで扱いたい商品があった場合に、輸入経路から販売まで明確にイメージし、その間で必要になりそうな資格や免許を洗い出した上で必要な手続きを行うことです。不明点は遠慮なく行政に問い合わせましょう。

輸入ビジネスは、しっかりとした手順を踏めば非常に有益なビジネスとなります。気づかないうちに法律違反を犯してしまわないよう、万全に準備した上でチャレンジしていきましょう。