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輸入関税はいくらからかかるの?計算方法や関税重要ポイントも解説!

輸入関税とは、外国から物を輸入して日本国内に運び入れる際に支払わなければならない税金のことです。最近では、Amazonなどのネットショップを利用して、誰でも簡単にさまざまな物を輸入することができるようになりました。

個人輸入するときに、漠然と「関税がかかるのではないか」と考える人は多いはずですが、輸入関税について詳しく理解している人はそれほど多くいません。少額の商品を輸入する場合には関税がかからないこともあるので、混乱している人も少なくないでしょう。

この記事では、輸入関税がいくらからかかるのかということや、関税の計算方法、その他個人輸入する際の税金に関して知っておきたいことを解説していきます。これから何らかの物を個人輸入しようと考えている方は、参考にしてみてください。

個人輸入の場合も関税は必要

「関税がかかるのは輸入業者が日本国内で売るための商品を仕入れるときだけ」と考えている人もいるようですが、誤解です。個人で外国の物を購入したときも、「輸入」する以上は関税が必要になります。ただ、個人輸入の場合は貨物量が少なく、購入額も低い場合が多いので非課税になることも多く、そのために「個人輸入なら関税はかからない」と思い込んでいる人がいるのでしょう。

Amazonなどで個人輸入をしたことがある人でも、自分で関税の計算をすることはないので、関税の仕組みをよく知らない人も多いです。しかし、お金を支払うのに金額の計算根拠を知らないと損をしてしまう恐れがあります

税関では3種類の費用がかかる

税関でかかる費用のことをすべてひっくるめて「関税」と思っている人もいるはずですが、正確に言うと、関税では以下の3種類の費用がかかります。

①関税
②消費税
③通関手数料

①の関税は、外国から物を輸入することに対してかかる税金です。

②の消費税は、日本国内でかかるものです。外国の物を購入したときでも、輸入して日本国内に運び込むときには日本の消費税がかかります。

③の通関手数料は、通関業者に支払う手数料です。金額は業者によってまちまちですが、荷物1つにつき200円というような定め方をしている場合が多いです。

通関手数料がかかるのは、荷物に関税がかかるときのみです。関税が免税になる場合は通関手数料もかかりません。その場合は、消費税も課されません。

関税と消費税は変動する

関税と消費税は、商品価格によって変動します。消費税は税率が一律10%なので、商品価格が決まれば消費税額も決まります。

それに対して、関税は品目ごとに税率が多岐にわたっています。しかも、実際に適用される関税率(実行関税率)は適宜変更されるため、関税額を計算するときには税関のホームページに掲載されている最新の実行関税率表で正しい税率を確認する必要があります。

また、関税率には「簡易税率」と「一般関税率」の2種類があります。簡易税率とは、課税価格が総額20万円以下の少額輸入貨物に適用されるもので、品目による税率の分類が簡易なので税額を計算しやすくなっています。一般関税率は簡易税率が適用される場合以外に適用されるもので、数千もの品目によって税率が分類されているため、輸入する商品に該当する税率を探すのが大変です。

同じ商品にかかる税率としては、概ね簡易税率の方が低いものが多いのですが、なかには一般関税率の方が低くなっている品目もあります。簡易税率を適用できる場合であっても、一般関税率を希望する場合は一般関税率を適用することができます。一般関税率が無税とされているものについては、そちらが優先して適用されます。

なお、消費税について、税関のホームページで「内国消費税」と「地方消費税」とに分けて書かれています。私たちは日常的に「消費税」と呼んでいますが、正確にいうと、この2つを足したものが「消費税」です。輸入品にかかる消費税を計算するときにはこの2つを別々に計算してから足しますが、10%で一括して計算した場合との差額は微々たる金額になることがほとんどなので、「消費税10%」と考えておけばほぼ問題ありません。

輸入関税を計算してみよう

実際に輸入関税を計算してみましょう。個人輸入で海外製品を購入しようとする場合は、「できるだけ関税がかからない範囲内で輸入したい」と考える人も多いでしょう。そこで、輸入関税がいくらからかかるのかについて先に結論をお伝えすると、「課税価格の合計が1万円を超える場合」に輸入関税がかかります

ただし、個人使用目的で輸入する場合と商売目的で輸入する場合とでは計算方法が違います。購入価格が同じ商品を輸入する場合でも、個人使用目的なら輸入関税がかからず、商売目的だと輸入関税がかかるというケースも発生します。これらを順に、説明していきます。

個人使用目的の場合、関税がかかるのはいくらから?

関税がかかるのは、「課税価格の合計が1万円を超える場合」です。ということは、「課税価格」の計算方法が問題となります。

個人使用目的で輸入する場合は、次の計算式を使います。

課税価格 = 商品代金 × 0.6

この計算式で計算した金額が1万円を超えれば関税がかかり、1万円以内なら関税はかからないことになります。商品代金でいえば、1万6666円以内なら関税はかかりません。例として、次の商品Aと商品Bの2つを個人使用目的で輸入するとして計算してみましょう。個人使用目的の場合の関税の計算には、保険料や送料は含まれません。

 商品A商品B
商品代金50ドル100ドル
保険料5ドル
送料20ドル

商品代金は、150ドル(50ドル+100ドル)です。課税価格は、90ドル(150ドル×0.6)となります。

1ドルが108円だとすれば、課税価格は9,720円(90ドル×108円)なので1万円以内となり、関税はかかりません。仮に1ドルが112円だったり、商品Aの代金が100ドルだったりした場合は課税価格が1万円を超えるので、関税がかかることになります。

個人使用目的の場合、いくら関税がかかる?

個人使用目的で輸入する場合に関税がかかるケースで、具体的にいくら関税がかかるのか、例をあげて計算してみましょう。たとえば、海外製のアクセサリーを購入して輸入するとします。

ここで注意が必要なのは、関税率には「簡易税率」と「一般関税率」の2種類があるということです。

・課税価格が総額20万円以下なら簡易税率
・20万円を超える場合は一般関税率

この2つが適用されます。

課税価格は「商品代金×0.6」ですから、商品代金が約33万3333円以内なら簡易税率、それを超える場合は一般関税率を適用することになります。アクセサリーの関税率は、簡易税率で5%、一般関税率で5.2%~5.4%とされています。ここでは、一般関税率5.2%として計算してみます。

【33万円のアクセサリーを個人輸入する場合】

33万円×0.6×関税率5%=9,900円

関税として9,900円を支払うことになります。

【35万円のアクセサリーを個人輸入する場合】

35万円×0.6×関税率5.2%=10,920円

関税として10,920円を支払うことになります。当然ですが、商品代金額が低いほど関税額も低くなります。

商売目的の場合、関税がかかるのはいくらから?

商品を誰かに売るなどの商売目的で輸入する場合には、関税額の計算方法が個人用目的の場合とは異なります。「課税価格の合計が1万円以内」まで関税がかからないことは個人使用目的の場合と同じですが、課税価格の計算方法が異なりますので、ご注意ください。

商売目的で輸入する場合は、次の計算式を使います。

課税価格 = 商品代金+配送料金+保険代金+その他費用

商品代金だけではなくいろいろな費用を加算しなければならない上に、個人使用目的の場合のように「×0.6」は認められません。例として、先ほどと同じように商品Aと商品Bの2つを、今度は商売目的で輸入するとして計算してみましょう。

 商品A商品B
商品代金50ドル100ドル
保険料5ドル
送料20ドル

課税価格は50ドル+100ドル+5ドル+20ドル=175ドルとなります。1ドルが108円とすると、175ドルは18,900円となり、1万円を超えているため関税がかかります。仮に商品Aだけを輸入するなら、課税価格は75ドルとなり、1ドル108円で計算すれば8,100円となって、1万円以内なので関税はかからないことになります。

商売目的の場合、いくら関税がかかる?

では、個人使用目的で輸入する場合に関税がかかるケースで、具体的にいくらの関税がかかるのか、先ほどと同じように海外製のアクセサリーを輸入する例で計算してみましょう。

商売目的の場合も、課税価格が総額20万円以内かどうかで「簡易税率」と「一般関税率」のどちらかが適用されます。ここでは、アクセサリーを輸入する際に保険代金として1,500円、運賃が3,000円かかったとして計算してみます。関税率は先ほどと同じで、簡易税率5%、一般関税率5.2%とします。

【33万円のアクセサリーを個人輸入する場合】

(33万円+1,500円+3,000円)×関税率5%=16,725円

関税として16,725円を支払うことになります。

【35万円のアクセサリーを個人輸入する場合】

(35万円+1,500円+3,000円)×関税率5.2%=18,434円

関税として18,434円を支払うことになります。個人使用目的の場合よりも関税がかかりやすく、かつ関税額も高くなりますが、輸入目的を偽って申告するとペナルティがあるので、正直に申告するしかありません。

個人輸入の関税についてのアドバイス

個人使用目的の場合と商売目的場合では、輸入関税の金額がずいぶん違ってくることがわかります。ここからは、個人使用目的で輸入する場合の関税についていくつかアドバイスをします。

なお、前の計算例は、税関のホームページに掲載されている実行税率表を見て関税率を調べて正確に計算しましたが、もっとざっくりと概算する方法もあります。簡易税率を適用する場合には、平均的な関税率が10%と言われているので、おおよその関税額が分かれば十分という場合には、とりあえず関税率10%で計算してみましょう。実際の関税額とは数%分の誤差が出ますが、大ざっぱにでも関税額を把握したい場合にはオススメの計算方法です。

「個人使用目的」の意味を正確に知っておこう

個人使用目的で輸入することも、商売目的で輸入することも、個人で輸入する場合は「個人輸入」だと思っている方が多いですが、この理解は正しくありません。「個人輸入」とは個人使用目的で輸入することを意味します。商売目的で輸入することは「小口輸入」といいます。

関税上は「個人輸入」か「小口輸入」かで輸入目的を判断されるので、この点は正確に理解しておきましょう。ここでは、個人輸入の「個人使用目的」の意味を詳しくみていきましょう。

まずは、次の表をご覧ください。個人使用目的に当たる場合と当たらない場合をまとめてみました。

個人輸入した物を個人的に使用する
誰かに無償であげる×
誰かに貸す×
誰かに売る×
個人輸入を誰かと一緒に行う×

個人使用目的とは、輸入した物を自分で個人的に使用する目的をいいます。それ以外の目的があると「個人使用目的」とはいえなくなります。他人に売ることはもちろん、誰かに無償であげることも、誰かに貸すことも、誰かと共同で輸入することも「個人使用目的」には当たりません。

家族や友人などに頼まれて、代理で輸入する場合もダメです。自分が使用するために自分が輸入する場合のみが、「個人使用目的」に当たります。

個人輸入の関税上のメリット

「個人使用目的」と認められるのは、輸入した物を自分だけで使用する場合に限られますが、個人使用目的と認められれば、2つの大きな関税上のメリットがあります。

①関税額が低い
②関税がかからないことも多い

先ほどの計算例からも明らかですが、この2つは「商売目的」の場合とは異なる「個人使用目的」の大きなメリットになります。①の「関税額が低い」のはなぜかというと、課税価格を低く評価できるからです。「課税価格」とは、税金の計算をするときに税率をかける対象となる金額のことです。

個人使用目的で輸入する場合の課税価格は、「商品価格×0.6」です。商売目的の場合の課税価格が「商品価格+配送料金+保険代金+その他費用」であるのと比べると、かなり有利であることが分かります。個人使用目的の場合は「商品価格」のみが対象となり、しかも60%に軽減されます

たとえば、海外のAmazonで商品を購入して輸入する場合に関税がいくらかかるのかを知りたい場合、個人使用目的の場合は画面上に表示されている商品価格だけを見ればわかります。その商品価格に0.6をかけた金額が課税価格になり、課税価格に税率をかけた金額が関税額になります。税率は品目ごとに多種多様ですが、おおよその関税額を知りたい場合は10%で計算すれば、正解に近い金額を割り出すことができます。

②の「関税がかからないことも多い」というのも、課税価格を低く評価できることによる結果です。個人使用目的でも商売目的でも、課税価格が1万円以下であれば免税されるのは同じです。個人使用目的の場合は課税価格の計算方法が有利になっているので、商売目的の場合よりも関税がかからないケースが多くなるのです。

前述の「個人使用目的の場合、いくらから関税がかかる?」と「商売目的の場合、いくらから関税がかかる?」でご紹介した計算例をもう一度確認してください。同じ商品を輸入する場合でも関税がかかるかどうかの結論が違ってきます。商品価格が合計150ドルの商品Aと商品Bを購入して輸入する場合、個人使用目的なら関税がかからず、商売目的なら関税がかかるという結果になっていました。

個人輸入の関税を計算するときの注意点

これまでにも関税の計算例をいくつか紹介してきましたが、どれもわかりやすいようにシンプルな例をあげてきました。ここでは、実際にアメリカのAmazonの画面を見ながら関税を計算するときの注意点を確認していきましょう。関税を計算するときの注意点は、以下の3つです。

1. 海外小売価格を確認し、その価格に0.6をかける
2. 段ボール1箱の中の商品の「合計価格」を計算する
3. 2の金額で計算した課税価格が「20万円以内か」に注目する

1. 海外小売価格を確認し、その価格に0.6をかける

海外小売価格というのは、アメリカのAmazonで商品を購入するときに商品の画面に表示されている価格のことです。

こちらの例では、海外小売価格は14.99ドルです。関税は日本円で計算するので、この金額にまず「為替レート」をかけます。

為替レートというのは、1ドルが何円に相当するかという比率のことです。為替レートは税関のホームページの「外国為替相場」を見て確認するのが最も正確です。

海外小売価格に為替レートをかけ、さらに0.6をかけた金額が課税価格となります。課税価格が1万円以内なら関税と消費税は免税になります。今回の例で、仮に為替レートが1ドル=108円として課税価格を計算してみましょう。

14.99ドル×108円×0.6=971円

課税価格は971円となり、1万円以内なので関税と消費税は免税となります。

2. 段ボール1箱の中の商品の「合計価格」を計算する

商品を購入するときに、一度に複数の商品を購入することもあるでしょう。その場合は、一つひとつの商品価格に注目するのではなく、段ボール1箱の中に梱包する商品の「合計価格」に注目しましょう。

関税を計算するときは、この「合計価格」に為替レートと0.6をかけた金額が課税価格となります。こちらの例で計算してみましょう。

アメリカのAmazonで、7.19ドルの商品と14.99ドルの商品を同時に購入して、1つの段ボール箱で送ってもらうとします。為替レートが1ドル=108円とすると、この場合の課税価格は以下のようになります。

(7.19ドル+14.99ドル)×108円×0.6=1,437円

課税価格は1,283円となり、1万円以内なので免税となります。仮に、もう1つ150ドルの商品を購入して、上の2つと合わせて3つの商品を1つの段ボール箱で送ってもらう場合なら、課税価格は以下のようになります。

(7.19ドル+14.99ドル+150ドル)×108円×0.6=11,157円

この場合は課税価格が11,157円となり、1万円を超えるので関税がかかることになります。なお、一部の商品には、この「課税価格1万円以内は免税」というルールが適用されないので、注意してください。

「一部の商品」は関税定率法施行令第16条の3に定められています。主な商品としては、酒、たばこ、革製のバッグ、パンスト、タイツ、手袋、靴(革靴)、スキー靴、ニット類などがあります。

3. 2の金額で計算した課税価格が「20万円以内か」に注目する

2では1つの段ボール箱の中の商品の合計価格で計算した課税価格が「1万円以内か」に注目して、関税がかかるかどうかを判断しました。その課税価格が1万円を超える場合は関税がかかりますが、次は「20万円以内か」に注目します。

20万円以内なら少額輸入貨物の「簡易税率」を適用できますが、20万円を超えると「一般関税率」しか適用できないことになります。たとえば、商品価格1,500ドルの商品A、1,000ドルの商品B、500ドルの商品Cの3つを同時に購入して1つの段ボール箱で送ってもらう場合、為替レートが1ドル=108円だとすると、課税価格は以下のようになります。

(1,500ドル+1,000ドル+500ドル)×108円×0.6=194,400円

課税価格は194,400円となり、20万円以内なので簡易税率を適用することができます。商品価格の合計が約3,087ドル以上になると課税価格が20万円を超えるので、一般関税率を適用しなければならなくなります(1ドル=108円の場合)。

一般関税率は数千もの品目ごとに税率が細かく分類されているので、購入する商品にかかる税率を調べるのが大変です。それに対して簡易税率は、ざっくりと7つの区分に税率を分類しているので、簡単に調べることができます。また、同じ商品に適用される税率も、簡易税率の方が概ね低い場合が多いというメリットもあります。

なお、特定の貨物については課税価格の合計が20万円以内でも簡易税率を適用することができないので、ご注意ください。「特定の貨物」は関税定率法施行令第1条の3に定められています。主な貨物としては、コメ、ミルク、ハムなどの食肉製品、たばこ、塩、旅行用具、革製品、ニット類、履物などがあります。

輸入代行業者の関税計算はざっくりしている

個人輸入をする場合、多くの人は輸入代行業者を利用しています。Amazonで海外製品を購入する場合も、Amazonが手配した業者が輸入手続きや配送を行うことになります。

輸入代行業者を利用する場合は関税の支払い手続きも代行してくれます。ほとんどの場合は関税の見積額を提示してお金を預かり、納税後に精算するという形をとります。

この輸入代行業者が提示してくる見積額は、法律で決められたとおりに正確に計算した金額ではなく、ざっくりと計算した概算額であることが多いです。それも、実際の関税額よりも見積額の方が高い場合がほとんどです。これは、もし見積額が実際の関税額よりも低ければ、足りない分を業者が立て替え払いした上で顧客に追加請求しなければならず、業者の取りっぱぐれが生じる恐れがあるためです。

見積額が実際の関税額よりも高ければ、業者は納税後に余った金額を顧客に返金すれば済むので、取引をスムーズに進めることができます。業者は毎日膨大な作業をこなさなければならないので、このように概算で見積もりを出して、多めの金額を預かるようにするしかないのでしょう。

Amazonなどで海外製品を購入して費用を前払いするときに「関税額が高すぎる気がする…」と感じる人も多いはずですが、それはこのような事情が原因です。正確な関税額との差額は精算してもらえるので、ご安心ください。

では、以上の内容についても計算例をあげてみましょう。例えば、衣類、靴、ジーンズを同時に購入して1つの段ボール箱で送ってもらう場合、関税率と海外小売価格が以下のとおりだとして、関税額を計算してみます。

品名関税率(実際の関税率とは異なる販売価格
衣類10%5000円
靴(革靴以外)3%20000円
ジーンズ5%60000円

【衣類にかかる関税額】
5,000円×0.6×10%=300円

【靴にかかる関税額】
20,000円×0.6×3%=360円

【ジーンズにかかる関税額】
60,000円×0.6円×5%=1,800円

3つの商品で合計2,460円(300円+360円+1,800円)の関税がかかります。これが法律上正確な関税額であり、税関で支払う金額になります。

しかし、輸入代行業者が見積もりを出すときには、このように正確な計算は行いません。どのように計算するのかというと、複数の商品の関税率のうち、最も高い税率を全品に適用して計算することが多いです。今回の例でいえば、衣類の関税率10%が最も高いので、これを靴にもジーンズにも適用して計算します。

(5,000円+20,000円+60,000円)×0.6×10%=5,100円

見積額は5,100円となります。業者は顧客から5,100円を預かり、税関で2,460円を納税し、差額の2,640円を顧客に返金することになります。輸入代行業者を利用する場合には、関税の見積額が高くなるということを覚えておきましょう。

個人輸入の関税について重要ポイントをおさらい

個人輸入をした場合の関税について、重要なポイントをおさらいしておきましょう。

課税価格が20万円以内なら簡易税率を適用できる

課税価格が20万円を超えると、一般関税率しか適用できないことにご注意ください。簡易税率は一般関税率よりも多くの品目で税率が低くなっていますが、中には逆転して一般関税率の方が低くなっている商品も一部あります。

簡易税率を適用できるケースでも、希望すれば一般関税率を適用することができます。しかし、その逆に、一般関税率を適用すべきケースで簡易税率を適用することはできません

また、「20万円以内かどうか」の対象となるのは「課税価格」です。課税価格は、個人使用目的の場合は「商品価格×0.6」ですが、商売目的の場合は商品価格に配送料金や保険代金、その他の費用を加えた金額の100%になるのでご注意ください。商売目的の場合は、配送料金や保険代金、その他の費用を抑える工夫をすることによって、関税をある程度抑えることができます。

簡易税率についてのおさらい

簡易税率を適用するメリットは、

・購入する商品にかかる税率を探しやすい
・概ね、一般関税率より税率が低く設定されている品目が多い

という2点にあります。

できれば、簡易税率表と一般関税率表を、税関のホームページでご覧になることをオススメします。

参考:税関 少額輸入貨物の簡易税率

参考:税関 主な商品の関税率の目安

衣類について見ると、一般関税率は衣料品の種類ごとに細かく分類されているのに対して、簡易税率では一律10%となっています。なお簡易税率は、海外へ旅行して帰国する際の携帯品及び別送品や、関税が無税となるもの、免税されるもの、日本の産業への影響を考えて簡易税率を適用することが適当でないとされ商品には適用されないのでご注意ください。

課税価格とは、購入価格の6割のこと

関税を計算するときにうっかりしていると、「購入価格×関税率」で計算してしまうことがあります。正しくは「課税価格×関税率」であり、課税価格は「購入価格×0.6」です

たとえば、5万円の衣類を購入して輸入する場合、課税価格は5万円×0.6=3万円となります。関税額は、これに税率をかけて計算します。簡易税率を適用するとすれば、衣類の関税率は10%なので、3万円×10%=3,000円が関税額となります。

なお、輸入する際に購入価格が不明確な場合は、後日、税関から購入価格を尋ねる照会書が届きます。もし、これが届いたら適当に回答せずに、明細書やレシート、ネットで購入した場合は決済画面をプリントアウトするなどして正確に回答してください。

消費税の計算について補足

消費税は、実は「内国消費税」と「地方消費税」を合計した税金のことを言います。国の機関である税務署がいったん事業者から消費税を徴収し、「内国消費税」を国の収入にした後、「地方消費税」を地方自治体に分配するというシステムが取られているのです。

現在は、内国消費税が7.8%、地方消費税が2.2%の合計10%になっています。

私たちが普段、日本国内で買い物などをする際は「10%」の税率だけを意識しておけば足りますが、税関では内国消費税と地方消費税を別々に計算して端数処理を行うため、10%で計算する場合とは消費税額が異なります。少し細かいですが、計算方法を紹介します。5万円の衣類を購入して輸入する場合を例として計算してみましょう。

【内国消費税】

(課税価格3万円+関税額3,000円)×内国消費税率7.8%=2,574円

100円未満は切り捨てることとされているので、2,500円が内国消費税額となります。

【地方消費税額】

地方消費税額は内国消費税額の17/63(100円未満切り捨て)とされています。

2,500円×17/63=674.6円(端数処理で600円)

600円が地方消費税額となります。

内国消費税2,500円+地方消費税600=3,100円

購入価格5万円の衣類を輸入する場合にかかる消費税は3,100円ということになります。単純に5万円に10パーセントをかけると5,000円ですから、輸入消費税は一般の消費税よりも少しやすくなります。

個人輸入の関税について注意すべきこと

個人輸入するときの関税について、お話ししました。関税の大まかな仕組みを図にしてみましたので、確認してみてください。

あと、注意すべき点がいくつか残っているので、お伝えします。

免税対象外の商品がある

課税価格の合計が1万円以内の場合は免税となりますが、なかには免税対象外の商品もあります。主な商品としては、革製のバッグや手袋類、ニット製のTシャツやセーター等、スキー靴、革靴、その他本底が革製の履き物類などがあります。

通関手数料は通関業者によってまちまち

個人輸入をするときに関税がかかる場合、通関業者を利用するなら通関手数料を業者に支払う必要があります。主な業者の通関手数料を調べてみたところ、国際郵便が200円、フェデックスが500円、DHLが735円、UPSヤマトは0円となっていました。

なお、以上の料金は荷物1つにつきかかる金額です。0円から735円まで、けっこう幅があります。

関税の支払い方法

輸入代行業者を利用する場合の関税の支払い方法は、前払い・代引き・後払いの3種類があります。前払いはAmazonを利用する場合が典型例です。

Amazonを利用するときは決済のときに関税の見積額を前払いします。通常は実際の関税額よりも高めの見積もりになっているので、後日、差額が返金されます。

代引きは、配送業者が配達に来た際に、配達員に関税額を支払って商品を引き渡してもらう方法です。後払いは、商品を受け取った後に、業者から届く振込用紙などで振り込む方法です。

個人輸入の関税と消費税の関係で注意すべきこと

個人輸入の関税についても、消費税についてもいろいろと解説してきましたが、最後に1つ注意点をご説明します。それは、関税がかからない場合に消費税だけがかかる場合があるのか?ということです。

関税がかからず、消費税だけがかる場合とは?

個人輸入する商品の課税価格の合計額が1万円以内なら、関税はかかりません。このことを「免税」といいます。免税される場合は、消費税もかかりません

これに対して、条件付きで免税されるのではなく、初めから「無税」とされている品目があります。無税の品目に対しては、関税はかかりませんが、消費税がかかります。税関のホームページで簡易税率表を見ると、ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品が無税となっているのがわかります。

参考:税関 少額輸入貨物の簡易税率

これらの商品を輸入する場合は、「無税」とはいっても消費税はかかりますので、ご注意ください。

まとめ

個人輸入をするときに関税がいくらからかかるのか、関税や消費税に関することをひと通り解説してきました。最後に、ポイントをまとめます。

・個人で輸入するときの関税は、個人使用目的か商売目的かで大きく違う。

・個人使用目的の輸入では、海外小売価格の0.6倍が課税価格となる。

・この課税価格には、配送料金や保険代金などの費用は含めなくて良い。

・課税価格が1万円以内なら免税となる。

・1万円以内かどうかは段ボール1箱内の合計額で決まる。

・免税の場合は消費税も免税。

・ただし、「無税」の場合は消費税がかかる。

・課税価格の合計が20万円以内なら簡易税率を適用できる。

・関税額を見積もるときは、税率10%でざっくりと計算する。

この9点の重要項目を忘れずに、活動をしてください。関税や消費税が気になる方の参考に少しでもなれば幸いです。