メルカリショップスで売れないものはあるの？手元にない商品は？特徴やおすすめポイント・注意点を徹底解説！

2021年10月よりメルカリの新サービスとして登場した「メルカリショップス」では、メルカリのアプリ内で本格的なECショップが開設できます。従来のメルカリでは、個人が不要品などを出品するフリーマーケットとしての役割がメインでしたが、メルカリショップスでは個人事業主だけでなく法人も店舗展開できるようになり、利用者の幅がグンと広がりました。

そこで今回はメルカリショップスについて、基本的なことからメリットや売れない商品についても詳しく解説します。

メルカリショップスの特徴

まず、メルカリショップスの基本情報や特徴について詳しく解説していきます。

メルカリショップスはモール型のECサイト

「メルカリショップス」は、2021年10月7日よりメルカリが新たにサービス提供を開始したECプラットフォームです。

フリマアプリのメルカリとは異なり、20歳以上の個人事業主や個人だけでなく、法人も利用できるモール型ECサイトとなっています。つまりAmazonや楽天と同じで、個別ではなく他のショップとともに自社の商品が画面表示されるスタイルが特徴です。

メルカリでは1ページにつき1商品を出品するのがルールですが、メルカリショップスは一度に大量の商品を出品できます。よって、せどりや一からショップ経営する場合はもちろん、既に実店舗運営していたり、ECで販売していたりする場合でも、販売ルートを増やす手段に活用できます。

メルカリを利用している方は、取得済みのアカウントを使って簡単に始めることができるので便利でしょう。

参考：メルカリShops（ショップス）

販売手数料について

メルカリショップスの販売手数料は、メルカリと同様に商品の10％となります。

ただし、2021年10月7日（木）の10時～2022年4月30日（土）の23時59分までに購入されたか、この期間より前でも2021年10月7日（木）10時～2022年5月10日（火）の23時59分までに発送通知を行った商品については、販売手数料が無料となるキャンペーンが行われています。

なお、販売手数料が無料となるのは1ショップにつき10万円までが上限で、10万円を超える商品についてはキャンペーンの対象にはなりません。

また、2021年12月31日（金）までに開設したショップについては、2022年3月31日（木）でキャンペーンは終了しています。

値下げ交渉に応じなくてよい

メルカリでは、出品した商品に対してユーザーが値下げを持ちかけることができます。一方、メルカリショップスの場合は、購入前のコメント機能がありません。そのため、出品者が提示した価格が正式な販売価格となり、購入希望者は一切値下げ交渉をすることはできません。

運営者情報を開示する必要がある

メルカリショップスはメルカリと異なり、運営者の情報開示が義務化されています。よって、個人で開設する場合は「氏名」「住所」「電話番号」などが不特定多数のユーザーに知られることになります。

ただし商品画面すべてに表示するのではなく、運営者情報の開示請求を行った相手に対してメールで通知する形が取られています。

アカウントの使い分けは可能

メルカリの場合、複数アカウントは禁止されています。しかし、メルカリショップスに限っては、メルカリで出品している場合でも、専用の別アカウントを持つことができます。

これにより、あくまで個人的で不要なものはメルカリで売り、ビジネス目的の商品はメルカリショップスを活用するという使い分けが可能です。もちろん、同じメルカリのアカウントをメルカリショップスで使い回すこともできます。

振り込み申請は5,000円から

メルカリショップスでは、売上が5,000円以上となった時点で振り込み請求が可能となります。言い換えれば、たとえ数多くの商品が売れても、その合計が4,999円以下なら売上金は口座に振り込まれないということです。5,000円を超えて一旦振り込み請求をしたら、その次も売上金の総計が5,000円に到達するまでは、受け取ることができません。

ただし、メルカリと違って購入者が受取評価を行わなくても、購入手続きが済んだ時点で売上として計上されます。

メルカリショップスのおすすめポイント

この項目では、メルカリショップスのメリットや、使うと得するポイントについて具体的にご紹介いたします。

圧倒的な集客力の高さ

メルカリショップスの大きな魅力の一つとして挙げられるのは、集客力の高さです。メルカリの月間ユーザーは、2,000万人にもおよびます。メルカリにアプリ登録してショッピングをしているユーザーは、そのままメルカリショップスも利用できるので、相当数のターゲットを獲得できる可能性があります。メルカリは特に若年層のユーザーが多いため、業種によっては顧客層の拡大にも役立つでしょう。

メルカリショップスでもメルカリ同様に、商品名やキーワードを登録しておけば検索対象としてヒットするので、的を射た対策をとれば売上アップも十分に期待できます。また、InstagramやFaceBook、Twitter、TiktokといったSNSとも連携できるため、これらを宣伝媒体として使えるだけでなく、フォロワー数を増やすのにも役立ちます。

無料で出品できる

メルカリショップスは、ショップ開設や出品自体には一切お金がかかりません。スマホやパソコンがあれば、初期費用はかなり安価に抑えることができます。

もちろん、店舗経営やせどりの経験がなく、一からショップ経営を始める場合は、在庫の保管場所やダンボール・緩衝材・テープなどの梱包材が必要です。しかし、自宅で在庫保管や梱包、出荷作業ができるなら、その経費も最小限で済むので、メルカリショップスでショップを開設すればかなりのメリットがあるといえるでしょう。

在庫管理ができる

メルカリショップスでは、各商品につきシステム内で最大9,999個まで在庫として管理できます。それに加えて、複数の異なるカラーやサイズなどがある場合、1つの商品につき、最大10種類までは在庫登録可能です。

在庫管理ができれば、どの商品がどれだけ売れたかが一目瞭然であるうえ、在庫切れによる機会損失を回避することもできます。メルカリショップスでは、24時間・365日、いつでも購入可能です。そのため、夜中や休日で不在のときなどに在庫不足を起こしてしまうと、売れるはずの商品を売り損ねる可能性があります。ですので、在庫管理ができるのとできないのとでは、大きな違いがあるのです。

値下げ交渉に応じる必要がない

繰り返しますが、メルカリショップスでは、値下げ交渉のシステムがありません。

メルカリでは、購入希望者が出品者に値下げを持ちかけることが可能です。これもメルカリの一つの魅力であり、醍醐味ともいえるでしょう。しかし、メルカリの出品者にとって値下げは決して気持ちのよいものではありません。それなりの理由があって値付けを行っているうえ、値切られては利益が圧迫されるからです。

その点、メルカリショップスの場合、出品者は値切られることはないため、その都度交渉に応じる必要はないのです。

ただし、相場やライバルの価格などを常にチェックし、自社の価格が高くなり過ぎないようにしなければ、購入者から見向きもしてもらえなくなるリスクもあります。そうなると値下げ交渉されないことが、逆にデメリットにもなり得るので気をつけてください。

メルカリショップスで手元にない商品は売れる？

メルカリショップスでは、手元にない商品など販売できない商品があります。たとえ故意でなく知らずに販売したとしても、ペナルティの対象となったり、違法行為と見なされたりすることがあるので、注意が必要です。

法律で禁止されている商品

メルカリショップスでは、法律で禁止されていたり、その可能性があったり、法令違反を誘発しかねない物品の販売を固く禁じています。

具体的には、以下の商品の販売が禁止されています。

• 窃盗や詐欺、恐喝などによって手に入れた商品やその疑いがあるもの
• 知的財産権を侵害したり、個人情報を含んだりした商品や個人情報を不正に利用したもの
• 「種の保存法」によって登録が義務付けられている希少性の高い動植物
• 武器や麻薬、危険ドラッグなど
• 医薬品や医療機器
• 農薬や肥料
• チケット類

メルカリでは手元にない商品は売れない

メルカリショップスでは、手元にない商品を売る無在庫販売を禁止しています。商品が手元にないにもかかわらず、画像をアップしていかにも在庫があるように装ったり、販売前の商品を予約受付したりする行為は、ペナルティとなります。外部サイトから直接送り届ける行為や、配送代行を使ったサービスの利用も禁じられています。手元にない商品を販売して違反した場合は売れたものでもキャンセルになったり、商品が削除されたりするので要注意です。

物ではないサービスなど

メルカリショップスで出品が許可されるのは、実体のある物品のみです。

自宅やレンタルスペースの賃貸サービス、SNSなどのアカウントや宿泊施設の使用権利の提供、宿題や論文などの代行、情報商材の販売などは、違反とみなされます。

メルカリショップスはどんな人に適している？

この項目では、メルカリショップスがどのような人に向いているのか、具体的に解説したいと思います。

大量に出品したい場合

メルカリショップスは、まとまった数の商品を販売したい人や法人におすすめです。同じ商品を9,999点まで在庫として登録できるので、メルカリでフリーマーケットを行うのとは、扱える数量の規模が桁違いです。

単品ではなく、セット販売やお試し販売も可能なため、自由度の高い売り方ができます。また、メルカリが主催するポイント還元祭りが不定期で開催されるので、うまく利用すると売り上げの大幅アップも期待できるでしょう。

在庫管理が必要な場合

まとまった数の商品を継続して出品するには、在庫管理が不可欠です。どの商品がどれくらい売れて、何点残っているかを常に把握する必要があるからです。在庫の枯渇はせっかくの販売チャンスを逃すことにもなるので、要注意です。

万が一在庫をゼロにしてしまったり、仕入れたくても仕入れ先に在庫がなかったりする場合でも、入荷の際に購入希望者に入荷通知を送るサービスがあります。在庫管理機能と合わせて活用すると便利でしょう。

短期で集客したい場合

メルカリではアカウントを作って出品さえすれば、その日からでも販売可能です。しかも、月間ユーザー数は2,000万人規模ですから、ショップや商品の認知度を短い期間でアップするにはうってつけです。

自社サイトで一から集客するのは、決して容易ではありません。SEO対策やSNS、動画配信サービスを活用しても、成果をあげるには数カ月かそれ以上かかるのが一般的です。その点、メルカリショップスはECモール型で、あらかじめ必要なフォーマットが用意されています。そのうえ、マーケットがある程度確保されているというのは、大きな利点となるでしょう。

メルカリショップスの注意点

メルカリショップスはメリットが非常に多い反面、利用するうえで気を付けておきたい点がいくつかあります。この項目では、その注意点について伝授したいと思います。

配送手段が限定される

メルカリショップスで商品が売れたら梱包して出荷作業に入ります。その際の配送業者は自分で手配することになりますが、メルカリ専用のサービスを利用する方が楽なうえ安価なのでおすすめです。

ただし、ヤマト運輸の「らくらくメルカリ便」はメルカリと同様に利用できますが、メルカリで使える日本郵便の「ゆうゆうメルカリ便」は利用できません。そのため、郵便局のサービスを利用したいという方には不便かもしれません。

「らくらくメルカリ便」は、「ネコポス」「宅急便コンパクト」「宅急便」の3種類があり、匿名配送も可能です。匿名配送とは、氏名や住所などの運営者情報を伏せて送ることができるサービスです。ただ、先に述べたようにメルカリショップスでは、運営者情報を請求者には開示することになっているので、匿名にする意味は薄いといえるでしょう。

参考：らくらくメルカリ便

プランの選択ができない

メルカリショップスでは、自分で販売し、梱包して送るという一つのプランしか選択できません。

例えば、Amazonなら、追加料金を払えば「フルフィルメント by Amazon」という、受注、梱包、発送、カスタマー対応といった一連の業務をAmazonが代行するシステムが利用できます。他のネットショップ開設サービスでも、有料で追加できるオプションプランが用意されていることがあります。しかし、メルカリショップスではそのようなサービスの区別はなく、だれが開設しても同じ出品条件となります。

中古品販売には許可が必要

メルカリで中古品を売る際には問題になりませんが、メルカリショップスで継続的に中古品を売るとなると「古物商許可申請」が必要となります。最寄りの警察署で申請すれば、特別な資格がなくても有料で許可をもらえます。「古物商許可」を申請せずにせどりを行っている人も多いですが、厳密には違法となるので注意してください。

参考：古物商許可申請 – 警視庁

メルカリショップスで手元にない商品など売れないもの｜まとめ

メルカリは、あくまで個人を対象にしたフリマアプリという特徴が色濃くありました。よって、大々的にせどりをしたり、ショップ経営ができたりするシステムではありませんでした。

しかし、メルカリショップスなら、メルカリアプリ内に堂々とネットショップを開設できるので、多くの出品者にとって朗報といえるでしょう。そしてこれから新規でネットショップをオープンしたい個人や法人の皆さまにとっても、とても使い勝手のよいプラットフォームです。ただし、メルカリショップスで手元にない商品など売れないもの・禁止されているものなどルールをしっかりと守りましょう。

まだサービスが開始されて間もないため、これからもっと利用しやすい環境が整ってくると期待できます。メルカリショップスをうまく活用して、ぜひ素敵なショップ作りを楽しんでください。