ネットでは、「メルカリ出品をしていたら税務署がきた」といった内容が見受けられます。その多くは、「確定申告をしていなかった」というのが理由のようです。
フリマアプリのメルカリで不要品を売っているだけで、本当に税務署がくることがあるのでしょうか。
そこで今回は、メルカリで確定申告は必要なのか、その判断基準や申告のプロセス、税務調査を回避する方法についてまとめました。
税務署がくるのは本当か?
まず、「メルカリで確定申告をせずに出品していると、本当に税務署がくるのか」について解説しましょう。
いきなり来ることは少ない
まずメルカリ出品を行っていて、いきなり税務署が自宅にやってくるということはほとんど考えられません。ただし、税務調査が入る可能性がなくはないので、そのパターンについて3つ紹介しましょう。
調査が入るパターン1 収入があるのに確定申告をしていなかった
まずこれは極めて当たり前のことなのですが、れっきとした収入があるにもかかわらず確定申告をしていなかった場合、税務署(正確には国税庁)がくる可能性があります。
ちなみに「本当に税務署の職員が、突然インターフォンを鳴らして訪問してくるのか」というと、そうではありません。まず確認のための文書が郵送されてくるか、電話連絡があるかのどちらかです。そのうえで必要と判断されれば、税務署への出頭か自宅訪問があるかもしれません。
よって問題は、
- メルカリの売り上げが、税務上でいう所得に当たるか
- 所得に該当するにもかかわらず、確定申告をしていなかったのか
という点が重要になります。
調査が入る理由2 納税していなかった
確定申告をしていないだけでなく、意図的に納税を行っておらず、納税期限を過ぎていたり、何年分も累積していたりする場合は、調査が入ることがあり得ます。
調査が入る理由3 申告額が間違っていた
確定申告をしていたとしても、その申告額に誤りがある場合は調査が入ることがあります。
とくに所得を過少申告している場合は、そこを厳しく追及されることがあるでしょう。それが客観的に事実と判明すれば、追徴課税を支払わなければなりません。
メルカリにおける確定申告の基礎知識
では、「メルカリ出品で本当に確定申告が必要なのか、必要ならどのようなケースが該当するのか」について掘り下げていきましょう。
確定申告が必要な場合
上述のように、確定申告が必要かどうかは、所得が存在するのかという点が争点となります。
しかも、その所得が一定以上に及ぶ場合には申告が必要ですが、そうでない場合は所得があっても申告義務は生じません。
具体的には、
- 勤め先から給与所得を得ている場合・・・給与所得以外の所得が20万円を超えた場合に申告義務が生じる
- 個人事業主や専業主婦など給与所得がない場合・・・48万円を超える所得で申告義務が生じる
つまり、それぞれの条件に対して、決められた所得額(20万円or48万円)以下であれば確定申告は必要ないということです。
メルカリの売上は所得か?
それでは、「メルカリの売上は所得に当たるのか」について説明しましょう。
メルカリの本来の目的は、ネット上で「フリーマーケット」の場を提供することです。つまり、個人が不要品を出品して希望者に売るというのが趣旨となります。そして、洋服や生活用品等の不用品の売却による売上は、税務上「譲渡所得」に該当し、所得は課税されないというのが原則です。
例えば、会社員の方が、家中の要らなくなった洋服や家具、家電製品などを大量に出品し、21万円の売り上げがあったとしても、所得ではないため確定申告を行う必要はありません。主婦の方が50万円を売り上げたとしても、納税義務はないのです。
ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価格が30万円を超えるものの譲渡による所得については、仮に不要品であっても所得税の課税対象となります。
また、自宅に出品対象となる不用品がなくなり、どこかから有料で仕入れて販売する場合、つまり「転売(せどり)」を行ったとしたら、ビジネス目的となり売り上げの一部が所得とみなされる可能性が出てきます。あるいはそうでなくとも、あまりに高額な商品を次々と販売して、取引が成立している場合も、怪しいと疑われるおそれがあります。もちろん、即納税義務が生じるかは別です。
また、ハンドメイドの品や農産物など、自ら手作りした商品の販売による売上も、課税対象となります。
詳しくは下記のページを参照してください。
参考:mercari/メルカリの売上は確定申告が必要ですか?
必要経費がものを言う
さらにここで重要となるのが、所得は純粋な売上金額を意味するのではないという点です。厳密には、売上金額から必要経費を差し引いた金額が所得だからです。しかもこの額が20万円あるいは48万円を超えなければ、納税義務は生じません。したがって、確定申告を前提に考えた場合、必要経費がいくらだったかを把握する必要があります。
仮に、会社員の方が有料で仕入れた100着の洋服が、合計25万円で売れたとしましょう。しかし仕入れに10万円かかっていたとしたら、所得は差額の15万円となります。補修が必要なアイテムがあり、それを2万円で手直ししたとします。すると所得はさらに減って13万円に、加えて出品専用のデバイスを5万円で購入した場合は、8万円まで減額するので、確定申告はいりません。
確定申告の対象となるのは、毎年1月1日~12月31日までの全取引における売上金額と必要経費です。両者の差額(もちろん売上金額の方が多い場合)が、20万円または48万円を超えるかどうかが、判断基準となることを理解してください。よって必要経費を明細とともに保管のうえ、正確に算出できるようにしておくことが望ましいでしょう。
確定申告と古物商許可はセットで考える
自己所有のものではなく、継続的に中古品を仕入れて販売する場合は、古物商許可が必要になります。これは最寄りの警察署に有料で許可申請しなければなりません。
転売ビジネスを行う場合、確定申告だけでなく、古物商許可についての義務を怠っていても処罰の対象となる可能性があるので、注意してください。つまり、「確定申告と古物商許可はセット」くらいに認識しておくと間違いないでしょう。
こんな場合は要注意
念の為、確定申告に関連して注意すべき点について触れておきます。
高額品を繰り返し販売している
ブランド品や宝飾品などの高級品を多数販売している場合は、何かと目立つため税務署から警戒されやすいです。
メルカリは、あくまで不要品を販売するのが原則で、一般的に個人が次々とブランド品ばかりを出品していること自体、非常に珍しいですし、違和感が否めません。転売が疑われる場合は、税務署以前にメルカリ事務局があらゆる方向から厳しくチェックしており、悪質な場合はアカウント停止、売上金も没収されることがあります。もちろん警察や国税局への通報もありえるでしょう。
また、先ほど説明した古物商許可が義務付けられている理由の一つとして、「中古品市場が、コピー品や盗品を取引する犯罪の場として利用されるケースがあるから」という点が挙げられます。今やメルカリは、世界トップのユーザー数を誇るフリマサイトに成長しました。その分、取引額が増加しているうえ、違法な行為の温床にもなり得るため、さまざまな角度から監視されているのも事実なのです。メルカリを多用する場合は、そのような側面があることをあらかじめよく認識しておくことが大切でしょう。
確定申告には2パターンある
確定申告には、「白色申告」と「青色申告」の2つのパターンがあり、都合に合わせて選択することができるので簡単に説明しておきましょう。
白色申告とは
事業主ではない個人が確定申告を行う場合は、白色申告を利用するのがほとんどです。
非常にシンプルで、売上と必要経費が分かれば、比較的容易に申告手続きが済み、あまり細かい点まで尋ねられることもありません。よって不慣れな場合は、白色申告がおすすめです。
青色申告とは
青色申告は、決められた書式の帳簿を作成しなければならず、白色申告に比べて会計処理も専門的でやや複雑になります。開業届を税務署に提出していることも条件になります。ただ、最大で65万円の特別控除が受けられ、家族への給与は全額必要経費として計上することが許されるので、特典が大きいのも特徴です。
加えて、収支が赤字になると、最長でその翌年から3年間の繰越制度が適用されます。例えば、今年が30万円の赤字だったとして、来年に30万円の黒字が出ても前年の30万円が繰越となり赤字額が相殺されるので、所得は「0円」とみなされるのです。この場合、納税する必要はなくなります。
確定申告のプロセス
確定申告のプロセスを見ていきましょう。
売上を正確に把握する
確定申告は、毎年2月中旬~3月中旬までの期間に行います。前年の1月1日~12月31日までの所得を申告し、納税額を確定します。
よってまず、メルカリを通じていくらの売り上げがあったかを正確に計算する必要があるのです。
必要経費を正確に把握する
続いて必要経費を計算します。メルカリでは、出品者が送料を負担することが多いため、たくさんの商品を売った場合、送料だけでも結構な金額になることがあるでしょう。よって、仕入れ額のみならず、送料の合計、さらに梱包に使ったダンボールやガムテープなどの雑費についても、正確に把握しておく必要があります。
所得を正確に把握する
売上金額と必要経費が算出できたら、その差額を申告します。この額が、給与所得を得ている場合は20万円超え、給与所得がない場合は48万円超えとなっていれば、納税義務が生じます。
税務調査を回避する方法
最後に税務調査を回避する方法を紹介しましょう。といっても、特別扱いをうけて納税しなくて済むという意味ではありません。
不要品を売って純粋にフリーマーケットを楽しむのなら、まず確定申告をする必要はありません。しかし前述のように、出品回数も売上金額の規模も個人が行うフリマの範囲を大幅に超えるようであれば、転売や脱税など何かと疑いの目を向けられるリスクが高まります。これは決して気持ちのいいものではありません。
それなら最初から、堂々とビジネスとしてメルカリを利用する方がよいでしょう。はなから商売としてサービスを利用し、古物商許可を得て、確定申告も行えば、税務署やメルカリ事務局の目を恐れる必要はなくなります。
そこでおすすめするのが、「メルカリshops」です。
「メルカリshops」とは
2021年7月よりフリマサイトに加えて、個人のみならず、ネットショップや法人が商品販売の場として利用できる「メルカリshops」が新たにスタートしました。
「メルカリshops」なら、新品でも中古品でもハンドメイドでも、仕入れ販売や転売でも構いません。利用するにあたっては審査がありますが、余分なことに神経を使ってビクビクするよりも、堂々と売りたいものを出品してビジネスとして利益を獲得すれば、何の遠慮も必要なくなるので、おすすめです。
下記の公式ページを見るとわかりますが、楽天やYahoo!ショッピングといったECモールさながらのテイストです。もちろんこれは、あくまでも選択肢の一つです。所得が継続的に、20万円または48万円を超えそうな規模でないなら、無理にシフトする必要はないでしょう。
「メルカリshops」の手数料
「メルカリshops」の手数料は、商品代金の10%(税込)になります。これ以外に初期費用や月額手数料などは、一切かかりません。
メリットが多い
メルカリshopsのメリットは以下の通りです。
- 集客力がある
- サービス手数料が要らない
- 在庫管理ができる
- 売上管理ができる
- 値下げ交渉に応じなくてよい
ネットショップ経営で大きな課題となるのが、集客力です。例えば、ネットショップ開設サービスの「BASE」や「STORES」の場合、無料で開設できても、集客は一から自分で行わなければなりません。そのための手間や経費は決して少なくないでしょう。その点、「メルカリshops」は、メルカリを主とする約2,000万人にもおよぶアクティブユーザーが存在するところからのスタートになります。これは大きなメリットといえるでしょう。
売上も、必要に応じてずい時確認できるため、確定申告の際にも便利です。
参考:メルカリshops
まとめ
「税務署がきた!」と聞くと、ものものしい雰囲気がするうえ、何をされるのか、と戸惑ってしまう方も多いかもしれません。
しかし、フリマサイトとして普通に利用し、不要品を売っているだけでは、いくら稼ごうが税務署がくることはまずありえません。わざわざ「メルカリで○○円利益が出ましたね」などと個人に向けて問いただしてくるということはないので、安心してください。
ただし、せどりや転売という形でビジネス目的の利用となると、確定申告や納税義務を問われる可能性が出てきます。この辺りの考え方、そして申告が必要な所得金額をよく覚えておいて、疑わしい場合は早めに対策を講じるのがおすすめです。堂々とビジネスとして活用したいなら「メルカリshops」への移行も検討してみてください。
ところで、ビジネスで成功するためには独学よりも体系化された教材やサービスを活用して学ぶ方が結果が早く出ます。
ここではアクシグ編集部が予め登録した上で責任者に直接取材をし、有用性を確認した教材やサービスのみを厳選してご紹介します。無料ですのでお気軽にご登録またはご相談ください。
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