メルカリで古物商許可は必要?要否の判断基準や違反した場合の罰則、堂々と転売する方法もご紹介

不要品を自由に販売することができるメルカリですが、ネット記事ではしばしば「古物商許可が必要」という文言が目につきます。

古物商許可といえば、ブックオフやゲオといった中古品買取販売店の店頭に標識が掲示されているイメージがあります。果たして個人でもそこまで大袈裟に準備しなければならないのでしょうか。

実は、メルカリで古物商許可が必要かどうかは微妙です。ただ古物商違反をすると、法律で厳しく罰せられるため軽視するのは危険でしょう。

そこで今回は、メルカリで古物商許可は必要なのか、その判断の目安や違反した場合の罰則、古物商許可の取得手順や堂々と転売を行う方法について解説します。

目次

古物商許可とは

古物商許可は、警察署に規定の手続きに沿って申請を行い、正式に許可を得る必要があります。この項目では、古物商許可がどのような場合に必要となるのか、その理由や罰則について説明いたします。

どんな場合に必要なのか

古物商許可の取得が必要なのは、以下のような場合です。

  • 一度使用された物品を仕入れて販売またはレンタルする
  • 使おうと思って買ったが使わなかった物品を販売またはレンタルする(新品のみの仕入れと海外からの中古品の仕入れは例外)
  • 上記の物品を補修したり手を加えたりして販売またはレンタルする

そしてその対象となる物品は、全部で13種類に分類されています。古物商許可を申請する場合は、以下の13種類の中から選択する必要があります。

  • 衣類
  • 時計
  • 宝飾品
  • 自動車
  • 自動二輪車
  • 原動機付き自転車
  • 自転車類
  • 写真機類
  • 事務機器類
  • 機械工具類
  • 道具類(CD/DVD・家具・おもちゃ・楽器・スポーツ用品など)
  • 皮革
  • ゴム製品類
  • 書籍類
  • 金券類

古物商許可が必要な理由と罰則の有無

古物商許可に違反すると、3年以下の懲役あるいは100万円以下の罰金、かつ5年間は古物商許可が得られないという両方の罰則が科せられる恐れがあります。

なぜここまで厳しいのかというと、盗品対策のためです。中古品の中には、どこかで盗まれた物品が含まれていることが珍しくありません。たとえば盗まれた高級ブランド品が高値で販売され、その利益を不正に取得している犯罪者が組織的に暗躍しているケースがあります。

そのような犯罪を検挙する目的で、有料で仕入れた中古品を継続的に販売・レンタルする個人や法人には、古物商許可が義務付けられているのです。

その上で、中古品を買い取る場合には、どこの誰からいつ購入したのかといった記録を必ず残しておくことが義務となっています。

メルカリで販売するうえで古物商許可は必要?

それでは前項の内容を踏まえて、本題であるメルカリで出品をする際に古物商許可が必要かどうかについて解説しましょう。

基本的には必要ない

まず結論から言うと、メルカリで出品する場合、基本的に古物商許可は必要ありません。 なぜならメルカリはフリマアプリで、その主目的は、個人が不要になった物品を販売するためのプラットフォームにすぎないからです。

つまり、わざわざお金を出して計画的に仕入れた物品を販売して継続的に利益を得るということが目的ではありません。よって、古物商許可を取得する必要はないのです。

ただし、このような使い方から逸脱する場合は、古物商許可がなければ罰せられるリスクがあります。

古物商許可が必要かどうかの判断基準

メルカリで古物商取引許可が必要と判断される典型例は、「転売」です。自宅にある不用品や、家族や知人からただでもらった物品を出品する分には、何ら問題ありません。

しかし、メルカリやブックオフなどの中古買取販売店、ネットオークションなどからお金を払って仕入れた物やそれらに手を加えたり修理したりしてメルカリで販売する転売行為は、法律上許されません。つまり古物商許可が必要ということです。

またメルカリも、個人がフリーマーケットを楽しむ場を提供することを目的としているので、営利目的の転売ヤーを歓迎はしていません。

わずかならまだしも、一度に似た商品を大量販売したり、継続的に高級品ばかりを出品していたりする場合は、事務局から目をつけられたり、ひどい場合はアカウント停止などのペナルティが科せられたりするので要注意です。

たしかに、ブックオフやゲオなどの中古買取販売業者が、メルカリで出品している例はまず見受けられません。もしあったとしたら明らかに違和感があるでしょう。

メルカリは、あくまでも個人が不要になったり、買ったものの使わなかったりした物品の売買を楽しむ場なのです。その枠から外れて有料で仕入れたものを出品するのかどうかが、古物商許可が必要か否かの判断基準と考えてください。

古物商許可の取得手順

この項目では、実際に個人が(法人ではなく)古物商許可を取得するための手順について解説いたします。

欠格要件に該当していないかどうかを確認

古物商許可には欠格要件が設けられているので、まずは自分がそれらに該当しないことを確認してください。もし該当する場合は、残念ですが古物商許可は取得できません。

欠格要件は、古物営業法第4条に規定されています。難解な表現が多く、少し複雑なため簡単に要約したものを以下に記載します。

  • 破産手続き開始の決定があったものの、まだ復権を得ていない
  • 禁錮以上刑を受けている、もしくは執行猶予期間にあるか、その執行が終了して5年経過していない
  • 暴力団員
  • 住所不定
  • 古物商許可を取り消されたり、返納したりしてから5年が経過していない
  • 心身の不調によって適正に業務が営めない
  • 管理者が未成年

管轄の警察署を把握

古物商許可を申請するのは、最寄りの警察署になります。具体的には、以下の警視庁の専用サイトから確認してください。

なお、古物商許可申請の手順や必要書類は、警察署によって若干異なる場合があります。本記事ではもっともオーソドックスな手順を紹介しますが、警察署によっては他の手続きや書類が必要になることもあるので、必ず個別に確認するようにしてください。

参考:警察署一覧 – 警視庁

「個人で」取得する

古物商許可は、「個人」と「法人」で要領が異なります。申請時には「個人」と「法人」のいずれかを選択しなければなりません。特に法人の場合は、申請内容は個人と比べて複雑になり、提出書類も格段に多くなります。

今回は、個人がメルカリで古物商許可を取得して出品するケースを想定しているので、ここでは「個人」を選択することを基本とします。

ちなみに法人が個人と偽って古物商取引を行うと法律違反となるので気をつけてください。その逆に個人が法人と偽るのも禁止されています。

品目を選択する

続いて、どのような品目を販売するのか選択します。

冒頭で紹介した13品目のうち該当するものはすべて選びますが、さすがに自動車や自動二輪車を扱うというケースは珍しいでしょう。もちろん該当するなら構いませんが、あきらかに可能性がないとわかっているものは除外しましょう。

たとえば「金券」の多くは、メルカリでの出品が禁止されています。また、自動車を扱う場合は、駐車場の賃貸契約書の提出を求められるので申請がややこしく面倒になる恐れがあります。

申請書の作成

次は、「古物商許可申請書」の該当欄に必要事項を記入します。

以下の警視庁のサイトで記入例が掲載されているので参考にしてください。なお「個人」の場合は、「法人等の種別」欄は「6. 個人」に丸をつけます。

参考:申請書の記入例(PDF)

必要書類の準備

古物商許可を申請するために必要な書類を揃えましょう。必要書類は、以下の通りです。

古物商許可申請書

  • 古物商許可申請書
  • 略歴書(直近5年間の職歴、学歴など。管理者の略歴書も必要)
  • 誓約書(欠格要件に該当していないことを誓約する)
  • 身分証明書(自己破産していないことを証明するためで、本籍地の役所にて発行されたものでなければならないほか、運転免許証やパスポートなどは不可)
  • 住民票(申請書に記載した住所に住んでいることの証明)

場合によっては以下の書類も必要になります。

  • 営業所の賃貸借契約書の写し
  • 営業所に登記事項証明書の写し
  • 使用承諾書
  • URL使用権限証明資料

書類を提出して手数料を納付

上記の書類一式を準備して最寄りの警察署に申請します。その際は、一律19,000円(税込)が必要です。

記載内容や方法に誤りがあった場合は、訂正印が必要になるため印鑑の持参をおすすめします。

審査結果が出るには、約40日かかります。許可されるまで古物商取引は禁止されている状態と理解し、出品を早まらないようにしてください。

古物商違反が発覚するパターンと注意事項

古物商許可を取得していなくてもバレないと考える方も多いでしょう。実際にバレずにメルカリで転売をしているユーザーが存在するのも現実です。

しかし、思わぬ原因で古物商違反が発覚することもあるので、よく覚えておいてください。繰り返しますが、悪質と判断されると罰せられるため、違反はしないよう十分に注意しましょう。

ユーザーからの通報

古物商違反が発覚するケースとしてまず挙げられるのは、メルカリのユーザーによる事務局への通報です。以下のようなケースから転売を疑われることが多いため、気をつけましょう。

  • 同じ商品を大量に出品している
  • 価格が高すぎる

また、以下のように半ば報復的な理由で通報される恐れもあります。

  • 値下げ交渉を断られた
  • 自分と同じような商品ばかり売っていて不愉快だ
  • 購入した際の印象が悪かった
  • 自分たちは古物商許可を得ているのにそうしていないのは許せない

警察の捜査

警察の捜査線上で盗品と見なされた物品を、自身が何らかの方法で取得して出品した場合に、古物商違反が発覚するケースもあります。

この場合は、悪質とみなされ古物営業法違反以外の理由も含めて捜査対象となってしまう恐れがあるため、怪しいルートで仕入れた商品は出品しないようにしましょう。

事務局からの指摘

メルカリの事務局も、プラットフォーム内で不正行為がないか、AIを使ったりスタッフが監視したりして常にチェックしています。その網に引っかかった場合も、古物商違反が発覚することがあるので要注意です。

許可を得た場合は標識の掲示義務がある

参考までですが、古物商許可を得た場合は個人と法人に関わらず、必ず古物商許可を得たことを証明する「標識」を事務所や店舗に掲示しなければなりません。

自宅を使ってメルカリで売る場合も例外ではありません。誰の目にも留まらないと思っても、自宅の玄関などに必ず掲示するようにしてください。

ビジネス利用したいなら「メルカリShops」がおすすめ

あくまで個人として不要品を売ったり、時々どこかで購入したものを出品したりするくらいならあえて古物商許可を取得する必要はないでしょう。

しかし将来的に、販売を前提に仕入れた商品を大々的にメルカリで出品したいと考えている方には、古物商許可を得たうえで、ネットショップが開設できるメルカリShopsの利用をおすすめします。メルカリShopsなら、遠慮せず堂々と転売ができるからです。

メルカリShopsとは

メルカリShopsとは、メルカリユーザーを相手に、個人や個人事業主、法人がネットショップを開設して自由に商品販売できるサービスです。もちろん自分1人で中古品販売業を営むことも可能です。

メルカリShopsだけでなく、月間2,000万人を超えるメルカリの全ユーザーを対象に販売できる点は大きな魅力と言えるでしょう。

メルカリShopsのメリット

メルカリShopsのメリットは以下の通りです。

  • 初期費用や月額費用が無料で、売れた分だけ手数料を支払えばOK
  • メルカリユーザーに向けて販売できるので集客の手間が省ける
  • 最大50個の商品をひとつのカテゴリーとして販売できる
  • らくらくメルカリ便などを使い安価で全国一律発送できる
  • 注文内容や売上明細などをCSVで一括ダウンロードできる

商品の出品方法

メルカリShopsに登録するには、以下の「アカウント作成画面」から手続きを行います。個人で利用する場合は、以下の書類が必要です。

  • 古物商許可など許認可証の画像
  • 売上金の振り込み口座情報

参考:メルカリShopsに新規登録 – メルカリShops

出品禁止商品に注意

メルカリShopsでは出品禁止商品が規定されています。中古品だからといって何でも売って良いわけではないので気をつけてください。禁止商品の例は以下の通りです。

  • 法令に違反するもの
  • チケット類
  • 自動車
  • 自動二輪車
  • 手元にないもの

詳しくは以下のページを参照ください。

参考:禁止商品一覧 – メルカリShopsガイド

まとめ

メルカリでは、基本的に古物商許可を取る必要はありません。ただし継続して転売を望む場合は、古物商許可を取得したうえで出品する方が無難です。個人の場合はさほど難しくないので、取得しておくと安心でしょう。

もし品数が多いなど大々的に行う場合はペナルティの対象となる恐れがあるので、頃合いを見てメルカリShopsにシフトするのもおすすめです。

ところで、ビジネスで成功するためには独学よりも体系化された教材やサービスを活用して学ぶ方が結果が早く出ます。

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