この記事では、ショッピングモールとショッピングカートの違いや各モールの特徴について解説していきます。ネット販売する際の出店するショップに迷っている方へ向けた記事です。
当記事を読むことで、各ショッピングモールの特徴を把握することができます。これからネット販売していく方には役立つ内容なので、是非最後までご覧ください。
ショッピングモールとショッピングカートの違いとは?
まずは、ショッピングモールとショッピングカートの違いについて解説します。
ショッピングモールの特徴
楽天やAmazonのようにネット上のショッピングモールに出店する方法です。実店舗で例えるなら、デパートにテナントとして出店するようなものです。
既に人が集まっているところに出店するため、最初からある程度の集客を見込むことができます。認知度を高めやすいのもメリットの1つです。その一方で、モール側に手数料を取られることや自由度が低いなどのデメリットがあります。
ショッピングカートの特徴
ショッピングカートは、独自ドメインを取得してネットショップを開業する方法です。実店舗で例えるなら、路面店に該当します。
モール型とは違い、規制やルールがないため自由度は高いです。手数料を支払う必要もありません。その一方で、集客を自分で行わなければならず、人を集めるのに苦労するといったデメリットがあります。
ショッピングモールにかかる費用
代表的な楽天を例に挙げると以下の通りです。
・初期費用が60000円+月額費用19500円以上+手数料最低3.5%以上+ポイント原資+システム利用料月間売上の0.1%+アフィリエイトを経由した場合は売上の2.0%~4.0%+楽天ペイ(楽天市場決済)利用料2.5%~3.5%
仮に売上が50万円だったとすると、初期費用が60000円と月額64000円以上必要です。
ショッピングカートにかかる費用
MakeShopを例に挙げると以下の通りです。
・初期費用11000円+月額費用12100円+手数料0円
売れれば売れるほどお得になり、コスト面ではモールよりも優れています。集客に自信がない場合は、価格.comなどに成果報酬で広告を掲載することも可能です。
ショッピングモールに出店するメリットとデメリット
次に、ショッピングモールに出店するメリットとデメリットについて解説します。
メリット
・主な集客はモールが行ってくれる
・少ない資金で手軽に販売できる
・購買意欲の高いユーザーが多い
モールにアクセスしてくるユーザーは、購買意欲が非常に高い傾向にあります。そのため、求められている商品を魅力的な商品ページで販売していれば、売れる可能性が高くなります。
また、モールまでの集客はモール側が行ってくれるので、独自ドメイン型に比べて人を集めやすいです。集客にかける費用や時間を最小限に抑えられる点が最大のメリットです。
デメリット
・手数料が高い
・商品によっては価格競争が発生する
・デザインの自由度が低い
モールに出店する場合、大抵販売価格の約10%が手数料として取られてしまいます。加えてモール側のルール変更などで商品の売れ行きが悪くなるというデメリットもあります。
また、商品によっては価格競争が起きてしまうため、利益を削る消耗戦になる可能性が高いです。
各ショッピングモールを比較
続いて、各ショッピングモールの特徴を比較していきます。
モールの比較表
まずは、以下の比較表をご覧ください。
ここからは、以下の5つのショッピングモールを重点的に比較していきます。
1.楽天市場
2.Yahoo!ショッピング
3.Amazon
4.ポンパレモール
5.au PAY マーケット
楽天市場の特徴
楽天市場は、Amazonに並ぶ強大なショッピングモールです。
日本のECサイトの中でも集客力があるため、出店すれば多くの来客を見込むことができます。その一方で、ネットショップ運営にかかる初期費用は、国内のショッピングモールの中では高額な出店料が必要です。
また、楽天市場はショップ数が非常に多く、商品力のある出店者も多数存在しています。そのため、ライバルに打ち勝っていくための戦略やスキルが求められます。
楽天市場のアクセス数と集客力
楽天市場では、毎月ポイントアップイベントをモール主体で実施しています。主なイベントとしては以下の通りです。
・楽天スーパーセール
・お買い物マラソン
・ポイントバック祭
上記のイベントを開催している期間は、サイトへのアクセス数が約3倍以上になると言われています。アクセスの母数が増えることによって、ショップの売上も約3倍程度アップする可能性が高いです。
楽天市場に向いている商品のジャンル
楽天市場で成功しやすいジャンルとしては、グルメ・スイーツなどの食品関連のジャンルです。消耗品で成功するためには価格競争に勝ち残ることが前提となりますが、食品関連のジャンルではオリジナリティを強みにすることができます。
事実、楽天市場に掲載されているランキングでは、ショップオリジナルのグルメやスイーツが上位を占めていることもよくあります。小規模な店舗だったとしても、オリジナルな商品がヒットすればランキング常連の店舗になれる可能性があるということです。食品関連のジャンルを扱うのであれば、楽天市場を検討してみてください。
ヤフーショッピングの特徴
Yahoo!ショッピングは、日本で最も出店店舗の多いショッピングモールです。
初期費用や出店料、販売手数料が無料化されており、ポイント原資と決済手数料意外は固定費がかかりません。(アフィリエイト経由で販売された場合はアフィリエイト手数料1%~が発生します。)
集客力は先ほど紹介した楽天市場には及びませんが、ここ数年で広告露出が非常に強化されています。人気タレントを広告塔に据えてテレビCMも行っているため、今後は立場が逆転する可能性も大いにあります。
また、Yahoo!ショッピングで買い物をすると「PayPayポイント」が貯まるため、ポイント目的のリピーターを獲得しやすいです。初期費用も抑えられるので、初心者の方は楽天市場よりも出店しやすいでしょう。
ヤフーショッピングのアクセス数と集客力
Yahoo!ショッピングは、Yahoo!プレミアム会員とソフトバンクユーザーに対して、PayPay支払いによるPayPayポイントの高還元を実施しています。加えて5のつく日はさらに還元率が上昇することから、PayPayポイント目的のユーザーを集客しやすいです。ポイントアップ期間の間は、通常よりも多くのアクセスを期待することができます。
ヤフーショッピングに向いている商品のジャンル
Yahoo!ショッピングで売れやすい商品は、低価格の商品やお試しグルメです。1000円前後で送料無料の商品をフロントエンドとして販売できるのであれば、ショップの認知度アップや売上アップを期待できます。
Amazonの特徴
Amazonで出店する際は、小口出品、もしくは大口出品のどちらかのプランで出店します。
ネットショップを開業するというよりは、ショッピングモールへ商品を出品するという感覚に近いです。
Amazonは売上の80%をプライム会員が捻出していると言われています。それほどプライム会員の利用者が多いため、Amazonに出店するだけでリピーターを確保できる可能性はアップします。他のモールのようにネットショップの特色を打ち出すことは難しいですが、商品1点突破型の販売方法で大きな売上を狙えるショッピングモールです。
Amazonのアクセス数と集客力
2021年のAmazonの流通総額は約5.4兆円とも言われています。国内でネット販売するのであればAmazonへの出品は避けては通れないと言っても過言ではありません。それほど集客力があるモールです。
Amazonに向いている商品のジャンル
Amazonでは、最安値に近い価格で販売されている商品が非常に良く売れる傾向にあります。Amazonでは商品ページの仕組み上、同じ型番の商品は同一ページに統合される仕組みになっているからです。また、同じ商品を販売している出店者が複数いる場合は「ショッピングカートを獲得している出品者」の商品が売れやすくなります。
ポンパレモールの特徴
ポンパレモールは、リクルートのグループ会社である「リクルートライフスタイル」が運営しているモールです。楽天市場やAmazonに比べると集客力が劣るというデメリットがあります。また、流通総額も大きくないため、楽天市場やAmazonで売れている商品でもポンパレモールでは売れ行きが悪くなる店舗も多いのが実状です。
ただ、ポンパレモールではローソンやGEOなどで使える「ponta(ポンタ)」ポイントやdポイントなどを貯めることができます。そのため、「ponta(ポンタ)」ポイントやdポイントをメインで貯めているユーザーに上手くアプローチすることができれば、リピーターになってもらいやすくなります。また、ポンパレモールは楽天市場のバックヤードを参考に開発された部分が多いため、楽天市場のRMSに慣れている方は利用しやすいでしょう。
ポンパレモールのアクセス数と集客力
ポンパレモールは、以前に比べて圧倒的に売れにくくなっています。主な原因としては、Yahooショッピングの集客強化やWowmaの新規顧客獲得のためのプロモーションなどが挙げられます。
ポンパレモールは集客力があるとは言えないため、退店する店舗も増えているようです。しかし、この状況は「競争が少ないモール」とも言えます。楽天市場やAmazonに比べて商品数も少ないですから、一発当てれば大きな売上が期待することもできます。
ポンパレモールに向いている商品のジャンル
ポンパレモールで売れやすい商品は特に決まっていません。そもそもAmazonや楽天に比べてアクセスが少ないですし、ヒットする店舗も出てきていないからです。商品のジャンルよりも「売り方」に拘る必要があります。
au PAY マーケットの特徴
au PAY マーケット(旧Wowma!)は、2017年にDeNAショッピングとauショッピングモールが合併、リニューアルしてできたショッピングモールです。
auコマース&ライフ株式会社(旧KDDIコマースフォワード)という会社が運営しています。KDDI資本の会社が運営しているためか、利用者はauユーザーの割合が高いです。
au PAY マーケットは、スマホからの利用者を意識したレイアウトになっているため、楽天市場やAmazonと比較してもスマホからの流入が圧倒的に多いです。「利用ユーザーの約97%がスマホ経由である」との公式データもあります。
今のところ、au PAY マーケットの出店者数は約15000店舗と言われています。まだまだ出店者数の少ないショッピングモールですが、先ほど紹介したポンパレモールの規模を大きく上回る可能性があります。
ちなみに、DeNAショッピング時代の年間流通総額は約600億円超でした。同じ時期の楽天市場は2兆円でしたので、DeNAショッピングの規模がまだまだ小さいと言えます。しかし、伸びしろがある上にライバルが少ないため、可能性の高いショッピングモールと言えます。
au PAY マーケットのアクセス数と集客力
KDDIグループ企業が運営しているため、主要顧客はauキャリアユーザーです。auユーザーに向けて高還元の販促イベントを実施しています。イベント期間中は、auキャリアユーザーのアクセスを期待できます。
au PAY マーケットに向いている商品のジャンル
利用者の中には若い女性が多いということもあり、コスメや化粧品、アパレルやグルメ、スイーツジャンルなどが非常に売れやすい傾向にあります。その他では、飲料製品や消耗品なども売れやすいです。
まとめ
今回は、ショッピングモールとショッピングカートの違いや各モールの特徴について解説してきました。ネットショップの出店先を探されている方は、是非当記事の内容を参考にしてみてください。