ネットショップはクーリングオフができない!?返金してほしいときの対処法

この記事では、クーリングオフ制度が使える場合と使えない場合について、ネットショップで返金を求める場合にはどうしたら良いかについて解説します。

目次

クーリングオフが適用されるのは一部だけ?クーリングオフとはなにか

クーリングオフとは、購入の契約を結んでから規定の日数内であれば、どんな理由であっても必ず解約ができるという制度です。無条件かつ一方的な解約が可能なため、消費者にとっては他に類を見ない最強の武器と言えるでしょう。

しかし、クーリングオフが使える場面は限られていて、すべての買い物において有効なわけではありません。ここでは、クーリングオフ制度が有効な販売契約について解説していきます。

クーリングオフ可能な販売契約6つ

クーリングオフ制度を使える契約は、以下の6つです。

・訪問での販売
消費者の自宅や勤務先で商品を販売するもの
※キャッチセールスやアポイントメントセールスも含む

・電話勧誘での販売
電話で契約に持ち込み、後日商品と契約書を配送するもの

・マルチ商法
ある商品を知人に売ることでマージンが入るというビジネス勧誘商法

・特定継続的役務提供
エステサロン、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスなど、サービスを継続的に受ける契約をするもの

・業務提供誘引販売
内職商法やモニター商法などと言われる、業務をするための必要経費だと言って先払いでマニュアルや道具を買わせるもの

・訪問購入
業者が消費者の家に来て不用品等を買い取るもの

マルチ商法と業務提供誘引販売においては契約から20日間、その他4つの契約については契約から8日間以内であればクーリングオフが可能です。

ネットで買った商品をクーリングオフしたいときはどうする?

ネットショップでの買い物は、便利な半面実際に手にとってみることができないためにイメージと違うものを買ってしまう・サイズが合わないものを買ってしまうというトラブルが起きがちです。ネットショッピングにもクーリングオフは可能なのでしょうか。ここでは、ネットショッピングでクーリングオフしたいと思ったときに使える方法をお伝えします。

ネットショッピングではクーリングオフはできない

残念ながら、ネット通販で購入した商品はクーリングオフ制度を使うことができません。なぜなら、クーリングオフ制度が生まれた背景が「本当は契約したくないにもかかわらず押し売りに負けて契約してしまった人を守るため」「冷静に考える時間を与えられずに契約してしまった人が、冷静になったときに契約解除できるように」というものだからです。

ネットショッピングの購入決定権は消費者に委ねられており、また決済をおこなう前にじっくり商品についての情報を集める時間があります。そのため、クーリングオフ制度の適用外とされているのです。

ネットショッピングで買った商品は「返品」する

ネットショッピングで買った商品をキャンセルしたい・返金してほしい場合の手段は「返品」です。ネットショップには、返品に関する特約を記載する義務があります。商品を返品したいと思ったら、まずはショップの返品特約を見てみましょう。

返品特約に記載された期限内であれば、記載されている条件で返品が可能です。ただし、中には商品に不備があった場合のみの返品受付で購入者都合の返品は受け付けないという記載がある場合もあるので注意が必要です。

無条件で返品できるクーリングオフ制度とは全く異なる手段なので、ネットショッピングでは購入前に返品可能かどうかを確認するようにしましょう。なお、返品特約の記載がない場合は、商品を受け取った日から8日間であれば返品が可能です。

クーリングオフできると思っていたら要注意!ネットショップでのトラブル事例

ここでは、ネットショップで起こりがちなトラブルを紹介します。

想定のサイズ感と違う衣料品

ネットで衣服を注文するときに気をつけなくてはいけないのは、サイズ感です。ネットでは試着もできず、生地の伸び具合、実際のサイズ感なども一切確認が取れません。Mサイズと記載されていても、サイズ感はショップによって差があるため、注意が必要です。

ネットショップで買った商品にクーリングオフ制度は使えないので、ショップに連絡をして返品という流れになります。返品特約で返品を受け付けていない場合は返品ができませんので注意しましょう。

システムを理解せずにサンプル申込をすると大変なことに

美容品やサプリメントの広告でよくあるのが「送料さえ負担してもらえればサンプルを無料で差し上げます」というものです。こういった物を頼むときには、かならず契約の詳細にまで目を通しましょう。

サンプル到着後、規定の日数以内に連絡がなかった場合には自動継続として判断すると書いてある場合もあり、気づかずにいるといきなり商品が自宅に届く・しかも数カ月間は契約解除ができないなんてトラブルが発生することもあります。

ネットショップで買った商品の返品方法と注意点

ここでは、ネットショップで買った商品を返品したいと思ったときにするべきこと、返品における注意点を解説していきます。

まずは返品特約を確認する

ネットショップで商品を販売する場合には、返品・交換に関する条件や送料の負担などについて記載された「返品特約」を提示する義務が生じます。その際、ショッピングサイトに載せているだけでは十分に消費者に伝達したとは認められず、購入前の確認画面においても再度返品特約を記載もしくは返品特約ページに誘導していないといけません。

ネットショップで買った商品を返品したいと思ったら、まずは返品特約を確認しにいきましょう。特約の条件に当てはまっていれば返品が可能で、もし仮に返品特約の記載がないネットショップだった場合には、商品受け取り日を含む8日以内での返品ができます。

返送料は基本的に消費者負担

無条件かつ一切の負担なく返品ができるクーリングオフとは違い、ネットショッピングで買った商品を自己都合で返品する場合には返送料の負担が必要です。大型家具や家電などを返品したいと思ったときには、返送料が思わぬ負担になることも多いので、買う前に「型番は合っているか」「本当にネットで買うべき商品か」など、よく確認しておくことが大切です。

返品後に返金されないトラブルはクレジットカード会社に連絡することで解決

ネットショップで買った商品を返品するときには、消費者が商品を返送→返送品を確認してからショップが商品代金を返金という流れになるのが一般的です。通常であれば、返送品の確認ができた時点で返金処理がされるので商品を送り返したあと、消費者はただ待っていれば良いです。

ただ、中には返品しても一向に返金処理をおこなってくれない悪徳なショップもあります。ひどいところになると、わざと不良品を送りつけて返送させ、返金をしない、音信不通になる、などという詐欺ショップもいるのが現状です。そういった返金してもらえないトラブルが起きたときには、決済に利用したクレジットカードの会社に連絡を入れましょう。

クレジットカードには、販売業者に問題が合った場合には消費者は支払いをしなくて良いという制度があり、状況を説明することで支払い停止の手続きをおこなってもらえます。販売者に問題がある場合の例としては、商品説明と実際の商品が噛み合っていない・返品特約がない・商品が破損しているなどです。

どの場合も本来であれば、ショップとのやり取りだけで返金対応してもらえるのですが、それに応じてもらえずどうしようもないときはクレジットカード会社を頼ればよいのだと覚えておいてください。ただし、この制度は1回の支払額が4万円以下の価格の安い商品には適用されません。また、クレジットカードでの支払いをしていない場合は使えない制度です。

注文直後のキャンセルも受け付けてもらえない?返品できなくて困ったときに確認すること

クーリングオフ制度が使えないネットショッピングでは、想像と違う商品が届いてしまった場合やまりが得て注文してしまった場合には購入者都合での返品をする他ありません。しかし、返品ができるかどうかはショップの返品特約によって定められており、場合によっては返品ができないというトラブルになることもあります。ここでは、キャンセル・返品ができないときに確認するべきことや、返品不可と言われても実際は返品できるケースについて紹介します。

キャンセル・返品は受け付けていないと言われたらどうする?

商品を受け取ったあと、返品したいと思ってショップに連絡をしてみても「自己都合のキャンセル・返品については一切受けていない」と突っぱねられてしまうことがあります。しかし、返品を依頼したタイミングで初めてキャンセルできないことが知らされた場合には返品できる可能性があるのです。

というのも、ネットショップでの販売においては、必ず返品・交換に関する決まりごと=返品特約を提示するようにと法律で決められています。ネットショップを見直してみて、返品特約が見つからなければ、商品受け取り日を含む8日間は返品が可能です。また、返品特約に「自己都合のキャンセル・返品は受け付けていない」と書かれていたとしても、注文直後からキャンセルができないような一切の返品猶予を与えない規約だった場合には不合理だと認められて返品ができるケースもあります。

商品を「間違えて」注文した場合には返品できる可能性が高い

ネットショップでの買い物では、実際に商品を見ることができないため、商品画像と商品説明を読んで注文をすることになります。そのため、商品画像には入っているものが入ってない・商品画像が1個だったのに実際に届いたら1ケース10個入りだった・加工の関係で色合いが異なって見えたなどのトラブルも起こり得るのです。そういったように「間違い」「勘違い」で注文した場合には、返品が可能となる可能性が高いです。

ネットショップ運営者には、以下の義務があります。

・消費者に誤解を与える説明をしていないこと
・商品選択画面が購入を選択する画面だと認識させること
・購入確定前の画面で注文内容に間違いがないかを再度確認すること

上記の確認がないままに商品を売っていて、消費者が間違えて購入してしまった場合には、返品が認められます。

ネットショップ利用での疑問やトラブルを相談できるのはこの機関

ここでは、ネットショップ利用で困ったときに相談窓口として使える5つの機関を紹介します。

消費者ホットライン

電話番号:市外局番なし188
受付時間:各都道府県の相談窓口によって異なる

188に電話を掛けると、消費者ホットラインに繋がります。はじめは自動音声が流れ、住んでいる地区の郵便番号を入力することで管轄の相談窓口につながる仕組みです。消費者ホットラインという名称の通り、消費活動全般におけるトラブルの相談に乗ってくれる機関です。

国民生活センター

電話番号:03-3446-1623
受付時間:土日祝日・年末年始を除く日の10~12時・13~16時

平日に消費者ホットラインに電話をかけて電話がつながらなかった場合には、上記の国民生活センター平日バックアップ相談窓口に電話をかけます。

通販110番

電話番号:03-5651-1122
受付時間:土日祝日・年末年始を除く日の10~12時・13~16時

通販協会が運営している相談窓口で、消費生活アドバイザーなどの有資格者が相談に乗ってくれます。問い合わせフォームも存在しますが、折返し電話を依頼するだけのものですので注意が必要です。メールや文書での回答には対応しておらず、すべて電話での受け付けとなります。

警察署の相談窓口TELや最寄りの警察署への訪問

電話番号:9110
受付時間:地域により異なるが、基本は平日の8:30~17:15分

警察への連絡となると110番を思い浮かべがちですが、110番は緊急性が高いときにかける番号なので間違わないようにしましょう。相談レベルであれば、上記の番号9110に電話します。電話のほか、最寄りの警察署に直接出向いて相談する方法もあります。警察は通販110番や消費生活センターなどの相談窓口と違って消費活動のみを専門としているわけではありませんが、必要であれば他の専門部署への引き継ぎもおこなってくれるのが安心です。

弁護士

有料になりますが、弁護士に相談するという手もあります。高額の商品でショップ側に不備があるにもかかわらず返金してもらえないというときには、料金と相談しつつ頼ってみましょう。

まとめ

インターネットやスマホの普及に伴いネットショップで買い物をする機会が増えていますが、ネットショップでは実際に商品を見て選べないため注意が必要です。商品が届いてから思っていたのと違うなどの理由で返品をしたいと思っても、クーリングオフ制度は使えません。

ネットショッピングの場合は、購入店舗の返品特約を確認して条件に当てはまった場合のみ返品が可能で、返送にかかる配送料は基本的に購入者持ちです。ネットショップで買物をするときには、かならず返品について確認を取るようにしましょう。

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この記事を監修した人

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