ネットショップを経営している方の中には、「自分のオリジナルブランドを立ち上げたい」という夢をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そんな方におすすめなのが、独自のブランド製品を中国で生産して販売する「中国輸入OEM」という方法です。
今回は、そんな中国輸入におけるOEMの手順からおすすめの代行業者までを詳しくご紹介します。
中国輸入OEMの方法と手順
OEMとは、「Original Equipment Manufacturing」の略称であり、「相手先ブランド製造」という意味です。
つまり、自分で設計した商品の製造を委託先の会社に行ってもらい販売する手法のことです。委託先次第でかなり費用を抑えることができるので、今では頻繁にOEMが利用されています。Apple社のiPhoneの製造もOEMによって行われています。
中国輸入におけるOEM販売は、個人でも始めることはできます。しかし、正しい方法を把握していなければ、成功につなげることはできません。
そのため、中国輸入OEMの方法と手順についてしっかりと理解しておきましょう。
1.販売商品のリサーチ
OEMでまず行うべきことは、「販売商品のリサーチ」です。販売したい商品のリサーチは、オリジナル商品を開発する上での大きなヒントとなるため、特に重要です。
商品のリサーチは、以下の点を念頭に行いましょう。
【他製品の情報収集】…他のショップで販売されている商品の情報を集めることで商品のメリットや問題点がわかりやすくなります。
【商品の生産コストの計算】…販売商品の生産コストは今後の資金繰りに大きく影響しますので、念入りに計算しておきましょう。
【オリジナル商品の利益率】…利益率が低いと資金繰りや不良在庫のリスクが大きくなるので、オリジナル商品の利益率はしっかり計算するようにしましょう。
2. 市場・競合調査
商品のリサーチ後は、市場や競合の調査を行いましょう。特に以下の3つのポイントが大事です。
1.需要の高い商品・カテゴリか
2.市場に参入して勝てる見込みがある商品か
3.自信や情熱を持って取り組める商品か
いくら素晴らしい商品でも、需要がなければ商売になりません。できるだけ需要の高い市場に参入しましょう。 とは言え、需要が高い市場は競合が多くなるため、競合に勝てる見込みがあるのかもチェックしてください。
また、商品に対する自信や情熱を持てなければ長続きしにくいので、その点もしっかり見極めましょう。
3.商品のオリジナルブランド化
市場と競合の調査を行った後は、いよいよ商品のオリジナルブランド化(ブランド名やオリジナルロゴの作成)に進みます。
なお、オリジナルブランド商品を中国で作る際には「JANコード」の申請が必要なので、JANコードを忘れずに申請しておきましょう。
JANコードとは、商品についているバーコードのことで、世界共通の商品識別番号となっています。
国際的にはEANコードやGTIN-13、GTIN-8と呼ばれています。
4.仕入れ先の選択・サンプルの発注
商品のブランド化が完了したら、次は仕入れ先を選びます。
まずは、販売戦略に適した仕入れ先をしっかりリサーチしましょう。気になる仕入れ先を何社かピックアップしたら、商品の品質をチェックするために、「サンプル発注」を行ってください。
サンプルを発注すれば会社ごとの品質を比較しやすくなりますし、品質に問題が見つかった場合でも本発注ではないので、気兼ねなく仕入れ先を変更できます。
5.商品の本発注
仕入れ先を決定したら、商品の本発注を行います。その際の支払い方法としては以下の3つの選択肢があります。
1.直接支払う(海外送金・オンライン決済サービスなど)
2.代行業者を介して支払う
3.現地のパートナーを介して支払う
支払い方法は仕入れ先によって異なります。ご自身の経営状況に合った適切な方法を選びましょう。
6.商品ページの作成
本発注が終わったら、ネットショップの商品ページを作ります。商品の写真撮影や画像設定、商品説明の作成などを行い、いつでも消費者に商品を届けられる状態にしておきましょう。その際は、できるだけ消費者にとってわかりやすい内容にするのがポイントです。
中国輸入でOEMを成功させるためのコツ
ここまで、中国輸入におけるOEMの具体的な手順を紹介してきました。しかし、OEMで利益を上げるためには、ちょっとしたコツを理解しておく必要があります。
そこで、中国輸入OEMを成功させるために、以下の4つのコツをご紹介します。
1.商品のリサーチをしっかり行う
2.品質管理がしっかりした工場を選ぶ
3.商品ページを充実させる
4.日本語の説明書を作成する
1.商品のリサーチをしっかり行う
先ほども説明しましたが、商品のリサーチは、中国輸入OEMでオリジナルブランドを制作するにあたって非常に大切です。
なお、OEM商品は、検索した際に「ノーブランド」と表示されることが多くなっていますが、Amazonなどで調べることができますので、商品の種類や価格、ユーザーの評価などをチェックするようにしましょう。
2.品質管理がしっかりした工場を選ぶ
OEM商品の販売で成功するためには、品質管理をきちんと行っている工場を選ぶことも重要です。
・商品を仕様書通りに完成させているか
・納品する数量を達成しているか
・商品にゴミや汚れ、傷などがないか
・丁寧に梱包されているか
などをしっかりチェックして、品質管理が行き届いた工場を選びましょう。また、品質管理の他にも、原価やロット、納期などについても確認しておく必要があります。
3.商品ページを充実させる
OEMの商品ページを作成する際は、たとえノーブランド商品でも、消費者が安心して購入できるようなページになるように留意しましょう。
そのためには、まずもって人の目を引ける魅力的な画像を商品画像に選ぶ必要があります。
次に、キーワードやタイトル、商品説明文を決めるときは、ターゲットとなる人物像をイメージしながら行うのがポイントです。 そして、ターゲットとなる消費者が検索しそうなキーワードを選出し、そのキーワードを基にタイトルや商品説明文を考えれば、より消費者にアピールできるようになります。
4.日本語の説明書を作成する
中国輸入のOEM商品の中には、中国語の説明書しか入っていないものもあります。
商品を購入したユーザーによって「中国語の説明書しかなく、使い方が分からず困った」といったレビューが投稿されたりすると見込み客を逃してしまうことにもなりかねません。このような事態を避けるためにも、必ず日本語の説明書を作成しておきましょう。
中国語が分からない場合は、代行会社やクラウドソーシングサービスなどを利用して日本語の説明書を作成してもらいましょう。
中国輸入OEMで代行業者を利用する3つのメリット
中国輸入OEMを成功させるには、代行業者の利用がおすすめです。ここでは中国輸入の代行業者についてご紹介します。
中国輸入OEMを確実に行うには代行業者の利用が必須
中国輸入OEMは、個人でも行うことが可能ですが、売れる商品を確実に仕入れたり、製造したりするためには代行業者の存在が必須です。
なぜなら、中国輸入にはトラブルが発生しやすく、個人で行うにはリスクがあるからです。
その点、代行業者は輸入に関するプロであり、トラブルが発生しやすいケースや注意点を熟知しています。したがって、安全かつ確実に輸入を行うためには、代行業者を利用する方が良いでしょう。
中国輸入は交渉が常識!
中国輸入では、購入時に商品の詳細や不良品の対応方法、値段交渉など、ショップに対して様々な事項を確認することになります。 さらにOEMの場合は、オリジナルロゴの入れ方等に関して工場と綿密な打ち合わせをする必要もあります。これらの業務を自分一人で中国語を使って行うのは非常に大変です。
その点、代行業者に依頼すれば、このような面倒な交渉をすべて任せられます。おかげで、その分の時間を他の業務に使うことができるのでとても効率的です。
トラブル対応も代行業者におまかせ
中国輸入では、「商品が届かない」「不良品が届いた」「発注した商品と違うものが届いた」といった商品に関するトラブルが頻繁に発生します。 その他にも、国際輸送や通関などでも問題が起こることがあります。
このようなトラブルに遭遇したときでも代行業者に依頼していれば、その業者がすぐに問題解決のために動いてくれるので安心です。
もちろん、すべてのトラブルを解決できるわけではありませんが、もしものときに頼れるパートナーを確保しておけばリスクヘッジになりますし、何より安心してビジネスに取り組めるのが大きなメリットです。
中国輸入代行業者を選ぶ際のポイント6選
中国輸入代行業者を選ぶ際には、以下の6つのポイントに注目しましょう。
1.送料
2.発送スピード
3.代行手数料
4.対応力
5.メールのレスポンス
6.日本語対応
それぞれ詳しくご紹介します。
1.送料
送料は、代行業者を選ぶ際の重要なポイントです。送料が高いと仕入れコストが上がり、経営を圧迫する原因になるからです。
おすすめなのは、月額費を固定にすることで送料を安くしている代行会社です。例えば、1kg当たり200円台(11~16元)で商品を送ってくれる業者などです。
また、代行業者に依頼すれば、別の顧客から依頼された荷物とまとめて送ってもらえるので、より送料が安くなる傾向があります。
2.発送スピード
代行業者を選ぶ際は、発送のスピードもチェックしましょう。質の低い代行会社だと、発送に1週間近くかかったり、週末や春節などの行事前になると送ってもらえなかったりすることもあります。
ちなみに、クーリエやEMSなどのスピーディな配送方法を使っている会社がおすすめです。
3.代行手数料
送料同様、代行手数料にも注意しましょう。
送料が安くても代行手数料が高い場合や、その逆のパターンもあります。また、代行手数料が無料の会社もありますが、為替レートに料金を上乗せするなどして利益を出している場合もあります。そのため、トータルのコストを計算して選ぶようにしましょう。
4.対応力
OEMの場合、商品を仕入れる中国のショップだけでなく、オリジナル商品を製作する中国の工場と交渉する必要もあります。
そこで、組み立てやラベル張りは可能か、検品をどこまでやってくれるかといった細かい事項に関する交渉をスムーズに行える対応力があるかも、業者を選ぶ際の重要なポイントになります。
5.メールのレスポンス
メールのレスポンスの早さは、非常に大事なポイントです。
返信が遅かったり、質問への回答に全く反応しなかったりする業者は、販売機会の損失やトラブルを招く可能性があります。できるだけ2営業日内に返答がある会社を選びましょう。
skypeやチャットワークなどを使ってやり取りできる会社であればコミュニケーションがとりやすいのでおすすめです。
6.日本語対応
日本語の対応力が高いかもポイントです。
OEMは細かい打ち合わせが多いにもかかわらず、言葉の微妙なニュアンスの違いが理解できないとあっては希望する内容が伝わりにくくなってしまいます。
そのため、日本人か、もしくは日本語が堪能な人が在籍している業者を選ぶのがベターです。
中国輸入OEMにおすすめの代行業者5選
最後に、中国輸入OEMにおすすめの代行業者をご紹介します。
1.Amacon(アマコン)
Amacon(アマコン)は、あらゆる代行サービスを提供している会社で、本格的なOEMに力を入れています。
ハイクオリティなOEM商品の制作代行以外にも、マーケティング関連のアドバイスをもらうこともできるので、これからOEMを始めたいという方に特におすすめです。
参考:Amacon(アマコン)
2.OEMパートナーズ
OEMパートナーズは、良心的な価格設定とレスポンスの早さが特徴の中国輸入代行業者です。
特にOEMは、顧客が実現したい商品を形にするために、手間を惜しまずアドバイスやサポートを提供してくれます。
OEM初心者の方でも安心して利用できる代行業者です。
参考:OEMパートナーズ
3.THE直行便
THE直行便は、中国の輸入代行をはじめ、OEM代行や商品リサーチ、商品撮影、翻訳まで、中国輸入ビジネスのあらゆる業務をサポートしてくれる代行業者です。
輸入量が多い方や、OEMビジネスの面倒な業務をすべて誰かに任せたいという方におすすめです。
参考:THE直行便
4.CiLEL(シーレル)
CiLEL(シーレル)は、独自の発注システムで、20種類以上の物流加工サービスを行う中国輸入代行業者です。OEMにも精通し、的確なサポートを提供してくれます。
また、日本事務所の日本人コンサルタントが電話でサポートしてくれるので、非常に頼りになります。
その他にも、資金調達支援や中国輸入ビジネスを永続させるセミナーなども定期的に開催しており、堅実に中国輸入ビジネスを進めていきたい方におすすめです。
参考:CiLEL(シーレル)
5.誠
誠は、OEMに精通した代行業者で、アパレル用品や日用品、スポーツ用品などのOEMに対応しています。
また、日本以外の国や地域への国際転送も可能となっているだけでなく、AmazonのFBA倉庫を利用したスピーディな発送にも対応しています。
参考:誠
輸入代行業者を利用すれば、より安全で確実なOEMができる!
今回は、中国輸入におけるOEMの手順やおすすめの代行業者などを詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたか?
中国輸入OEMで利益を上げるには、商品を徹底的にリサーチし、正しい手順を踏んで行うことが大切です。その際、中国輸入の代行業者を利用すれば、より安全で確実にOEMができるのでおすすめです。
今回ご紹介した情報を参考にして、ぜひ中国輸入OEMに挑戦してみてくださいね。