副業をするなら、ネット物販がおすすめです。パソコンとネット環境などがあれば、特別なスキルがなくとも好きなときに始められるからです。
売れ筋商品をリサーチして出品したり、オリジナルグッズを販売したり、自宅にある不要品を売ってみたり、とその方法は様々です。いずれにせよ、ネット上で自分好みのショップを開設し、買い手がついて利益が出たときの達成感は、とても大きなものがあるでしょう。
そこで今回は、ネット物販のメリットや始める手順、上手くいくためのコツなどについて解説します。
ネット物販とは
まずネット物販について、基本的なことを解説しましょう。
初心者でもできるネット物販
ネット販売は、商品を卸売業者や商社、メーカー、ハンドメイド作家などから仕入れてECサイトで販売することを意味します。
せどりや転売と似ており、ひとくくりに扱われることもあります。ただ厳密には、せどりや転売は、卸売業者やメーカーではなく、小売店から仕入れた商品に利益を上乗せして販売することを指します。なお小売店とは、家電量販店やディスカウントストア、ドラッグストア、ホームセンターなどです。
ネット物販のメリット
ネット物販にはどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。
スキマ時間でできる
ネット物販は、パソコンとプリンター、そしてネット環境が整っていれば、自宅でもできます。家事や子育て、介護の合間や仕事が休みの時など、スキマ時間を使ってできる点が、メリットです。
実店舗であれば、客対応や商品陳列、店舗の掃除などで大幅な時間と手間が取られます。会社勤務であれば、通勤に時間が割かれることでしょう。しかし、ネット物販ならその必要がありません。
初期費用が少なくて済む
ネット物販は、初期費用があまりかからないのも利点です。パソコンやプリンターを持っていれば、わざわざ買いそろえる必要はないですし、自宅スペースを使えば賃料も発生しません。光熱費もほぼないに等しいでしょう。通勤費やガソリン代も不要です。あとは、文房具や商品を梱包する際に必要なダンボール箱、緩衝材、ガムテープなどがあれば、始めることができます。
特別なスキルが必要ない
ネット物販は、特別なスキルがいりません。アルコールやその他の食品、医薬品などを扱う場合は、特別な許可が必要ですが、それはごく限られたパターンと言ってよいでしょう。
副業から本業に切り替えたり、副業でも売上が相当額にのぼったりした場合は、個人事業主あるいは法人設立を考えようかという話にもなります。しかし、それはずいぶん先の話です。とりあえずサイドビジネスとして無理なく始める程度なら、スキルや許認可がなくともスタートできるので、おすすめです。
ブルーオーシャンの副業に関してはこちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:ブルーオーシャンの副業は?【コツコツ派向け】 | ひよこSEのつぶやきブログ
ネット物販のデメリット
次は、ネット販売のデメリットについて解説しましょう。
コストがかかる
先ほどの「初期費用が少なくて済む」というメリットに矛盾するようですが、ネット物販は本格的に始めると、ある程度の運転資金は必要になります。
具体的には、商品の仕入れ費用です。売れた分だけメーカーや作家に支払うという契約スタイルであれば、あまり心配いりません。あるいは、ドロップシッピングというかたちで、無在庫でショップを運営し、売れた時点でメーカーや卸売業者から直接商品を発送してもらう場合も問題ないでしょう。しかし、実費で仕入れる場合は、商品が売れなければ収入は発生しません。売れないままなら赤字です。
扱う商品や数量にもよりますが、とくに単価の高いアイテムの場合は、ある程度の運転資金を用意しておく必要があります。
在庫管理が大変
自宅でネット物販を行う場合は、在庫管理スペースが必要になります。これも商品の大きさや数量によりますが、梱包用のダンボール箱を収納したり、梱包作業を行ったりする場所も考えると、少なくとも一部屋は占めることになるでしょう。
集客が大変
一からネット物販を始める場合は、集客にも労力がいります。よほどのヒット商品や売れ筋アイテムであれば、ユーザーの方からサイトを訪れてくれることもありますが、それは非常に稀です。
ブログや動画など、訴求力のあるコンテンツや見映えのするサイト作り、SNSによるユーザーの発掘など、かなり地道な作業が必要になるでしょう。
ネット物販を始める手順
ここからは、ネット物販を開始するまでの手順を解説します。
商品を絞り込む
ネット物販の主役は言うまでもなく出品する商品です。すべては、「何を売るか」から始まります。
自分が好きで収集してきたグッズや趣味で使うアイテムなら、ストレスを感じずに楽しみながらリサーチや出品作業ができるかもしれません。実際に使ってみて感動した便利グッズでもよいでしょう。
これといって売りたいものがないという方でも、心配はいりません。専門知識や予備知識がない方が、かえって先入観がないので、消費者目線に立てて上手く売り込むことができる場合があるからです。
例えば、Amazonのリサーチツールを利用すれば、初心者でも人気のショップがどの様な商品をどれくらい販売しているかが簡単に調べられます。商品がいつ頃よく売れて、その時の最高価格や最低価格、平均価格がいくらだったかを過去にさかのぼって調べることも可能です。実際に、ネット物販で成功を収めている人の中には、もとはその分野の素人だったというケースも少なくないので安心してください。
物販の経験があるかどうかよりも、売れ筋商品を見つけたり、売り込み方をしっかり研究したりする情熱や勉強心があるかどうかが、決め手といえるでしょう。
ECサイトを決める
続いては、商品を売るためのECプラットフォームを決めます。
Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどが非常に有名ですが、知名度が高いメリットはあるものの、販売手数料も高いというデメリットもあります。初心者の場合は、登録手続きにも時間がかかることがあるので、初めはメルカリやラクマなどのフリマアプリから始めるという手もあります。
手作りの商品を売りたいなら、ミンネやクリーマ、イイチなどもおすすめです。
バイマの様に、独自のサイトを立ち上げる方法もありますが、上記の様なECプラットフォームと異なり、一から集客しなければならない点が、大きな課題となります。
扱う商品や自分が展開したいネットショップのイメージに合ったサイトを選択してください。
出品作業を行う
商品とECサイトが決まったら、次はいよいよ出品作業に移ります。仕入れの段取り、商品説明や画像の準備、決済方法や梱包・配送手段、返品・カスタマー対応などの決め事をすべて済ませ、必要事項をプラットフォームに入力したり、アップロードしたりします。
どんなECサイトでも出品作業が済めば、あとは自分の好きなタイミングで販売をスタートできます。ただし一旦開始すれば、24時間・365日、いつ、どれだけの注文が入るか分かりません。遅延等でユーザーに迷惑がかからないように、梱包・出荷の段取り、在庫の追加作業など、あらゆる状況を想定したうえでのシミュレーションも怠らないようにしてください。
ネット物販で上手くいくためのコツや仕入れ先
ネット物販開始までの流れが分かったところで、さらに上手く経営するためのポイントや仕入れ先候補について、掘り下げましょう。
コストをかけずにスタートする
副業でネット物販を始める際は、できるだけコストをかけずスモールスタートを心がけてください。
最初から大量に仕入れたり、取り扱うアイテムの種類を増やしすぎたりすると、計画通りに売れなければ、在庫と支払いだけが残ることになりかねません。それよりも、長続きしている例で多いのは、最小限からスタートして、少しずつ販売数やアイテムを増やし、徐々に規模を拡大していくパターンです。
とくに副業の場合、ネット物販に割ける時間は限られているため、スタートしてから慣れるまでにある程度時間もかかるはずです。初めから無理をすると、後でしわ寄せがきて続けることが難しくなるので、欲を出さずに少しずつ手を広げるようにしてください。
検品を重視する
ネット物販では、不良品をなくすことがユーザーから高評価を得る上で非常に大切です。動作不良や破損、欠品などがあると、楽しみにしていたユーザーにとっては興ざめで、二度と買ってもらえなくなる可能性が高いからです。その様なことがないように、梱包前に必ずしっかりと検品を行ってください。
梱包は丁寧に
検品と並んでとても重要なのが、梱包です。実店舗で商品を購入するわけではないため、ユーザーにとっては届いたときの印象が非常に大きくものを言います。
ダンボール箱が破けていたり、汚れていたり、商品が破損していたりすると、たちまち評価が下がります。とくにAmazonや楽天などのECプラットフォームでは、ユーザーの利益を非常に重視します。あまりにレビュー内容が悪かったり、ユーザー評価が低かったり、同じミスの繰り返しで迷惑をかけ続けると、アカウント停止処分を下されることもあります。
スーパーなどから無料でダンボールをもらえることがありますが、形が崩れていたり、中身と合わないデザインがあしらわれていたりすると、イメージがよくありません。有料になりますが、新品のダンボールを使うことをおすすめします。
多くの宅配業者では、箱の縦・横・高さの3辺の長さの合計で送料を区分しています。ヤマト運輸や日本郵便、佐川急便といったメジャーな業者は、このサイズ区分がほぼ同じで、それに合わせた大きさのダンボール箱が、物販やせどり業者向けにまとめて安く売られています。もったいないと感じるかもしれませんが、これはショップの評判を高めるための必要経費と割り切って、購入するのがよいでしょう。
仕入れ先その1. 卸問屋・問屋街
ネット物販の仕入れ先としておすすめするのが、卸問屋です。通えるエリア内に問屋街があれば、ぜひ足を運んでリサーチしてみましょう。
店頭には、お馴染みの商品も数多く並んでいますが、プロが使うものや通が好みそうなアイテムも発掘できます。しかも市場より安く売られているため、利益が確保しやすいでしょう。繰り返し利用していると、顔なじみとなりさらに値引きしてもらえることもあります。どこまで値切って安く仕入れることができるかは、あなた自身の才覚です。ぜひ交渉術も勉強してみてください。
仕入れ先その2. メーカーや制作者
メーカーや個人で制作している作家などに直接取引を申し込むのも良いでしょう。大手メーカーはハードルが高いかもしれませんが、中小・零細企業であれば取引できる可能性は十分にあります。
ハンドメイド出品者なら、ダイレクトメッセージを送り、作品の良いと思う点や販売したい理由などを伝えて販売にこぎつける方法もあります。
とても優れた魅力ある商品にもかかわらず、販売ルートが上手く見つからずに埋もれてしまっている残念なケースが非常に多くあります。作品を作るのと、それを上手く売り込むというのは、まったく別次元の話です。有名画家の絵画を画商が売るように、良き売り手となることで、互いにとって利益となるウィンウィンの関係を築くことも可能でしょう。
家族や知人でハンドメイドが上手な人がいれば、話を持ちかけてみるのもよいかもしれません。
仕入れ先その3. OEM
自分でオリジナルグッズを販売したい場合は、OEMという方法もあります。
「OEM」とは、「Original Equipment Manufacturing」の略で、生産を他社に委託して自社ブランドとして販売する方式のことです。
あらゆる生活雑貨や衣料品、家電や自動車に到るまで、製造業の世界では、OEMが当たり前のように行われています。ロゴやブランド名は違うけれどそっくりな商品や、色やデザインが違うだけで原型は同じというアイテムを見かけたことがある方も多いでしょう。
生産能力のある業者に持ちかけて、条件を交渉し、利益が期待できそうなら話を進めてみましょう。国内では人件費が高いため、中国の企業と組んでOEMを行う例も非常に多いです。最初からすべてOEMというのは、現実的ではありません。まずは仕入れ販売をして、売れ行きを見ながら需要があるようなら、少しずつオリジナル商品を増やすのがおすすめです。
まとめ
ネット物販は、だれでも簡単に始められるため、ライバルが多いのも確かです。しかし、同じ商品でも売り方やタイミングを工夫することで、驚くほど売れ行きに差が出ます。
自分なりにあらゆる手を使って市場動向やユーザーの好みを分析し、売れ筋商品を最良のタイミングで販売できるように努めてください。