海外に荷物を送る国際郵便は国内発送に比べるとどうしても割高となってしまいます。しかし、配送料の安い方法がいくつかあります。ここでは比較的安くて安全な配送方法を中心にまとめましたので解説します。
国際郵便の配送料を安くするコツ
国際郵便を安く利用する方法をご存知でしょうか?国際料金は少し工夫をするだけでも負担を減らすことができます。価格を安くするポイントは以下の4つです。それぞれ解説します。
1.安い配送方法を選ぶ
2.小形包装物を利用(小さい荷物のみ)
3.まとめて発送する
4.切手を使う
海外に荷物を送る際、安い配送方法を選ぶ
当然のことではありますが、安い配送方法を選択すれば送料は減らせます。海外発送ではEMSを使うのが一般的ですが、できる限り配送費を抑えたいのであれば、SAL便がオススメです。
EMSは2日~9日と素早く配送することができますが、その分配送費は割高となっています。しかし、SAL便は船便と同じぐらいの値段でありながら、船便より早く配送でき、さらにEMSと比べると安い配送料で済みます。
例えば600gの荷物を東京からカナダまで配送する場合、以下の通りとなります。
EMS | 配送料 :3,400円(特別追加料含む) 配送期間:6日 |
SAL | 配送料 :1,170円(小形包装物) 配送期間:およそ2週間(※2024年3月現在取り扱い無し) |
船便 | 配送料 :1,300円(小形包装物) 配送期間:およそ2ヶ月 |
EMSとSAL便では配送料に差があることは一目瞭然です。急ぎの荷物でない限りはSAL便を使うことによって配送料が安くなります。(国際小包になると割高となるので要注意)
しかし、海外の配送は紛失のリスクも高いので書留をつけましょう。書留をつけると郵便物が何らかの理由で破損したり届かなかったりすると賠償してもらえます。460円なので付けておくと安心ですが、補償額は6,000円までなのでご注意ください。
海外に荷物を送る際、小さければ小形包装物で送ると配送料が安い
小形包装物は小さな荷物の時に利用できる配送方法です。小形包装物は配送料が安いので、条件に当てはまっていれば使用しましょう。
・2kg以内であること
・長さ+幅+厚さ=90cmであること
参考:日本郵便
郵便局員によっては、小形包装物と伝えないと国際小包として扱われてしまうことがあるので、しっかり伝えましょう。
また、小形包装物は実は2つに分けて送ることもできます。例えば4kgの荷物があった時、一つにまとめてしまうと国際小包となります。しかし、2kgずつ分ければ小形包装物2つとして配送することができます。どれくらい値段が変わるかというと、以下の通りです。
東京からカナダまで4000gで配送するケースと2000gを2つで配送するケースを見比べてみましょう。
SAL(国際小包便) | 配送料 :国際小包便(6,400円) |
SAL(書留なし) | 配送料 :小形包装物(3,130円)X2 = 6,260円 |
SAL(書留付き) | 配送料 :小形包装物(3,590円)X2 = 7,180円 |
このように書留を付けたとしても1,000円ぐらいの差は出ています。お得なので分けられるのであれば分けましょう!
【海外に荷物を送る安い方法】海外に荷物を送る際は、まとめて出すと割引が受けられて安い
荷物を一度にまとめて出すと、荷物の数によって割引サービスが受けられます。国際小包の場合は10個以上は10%、50個以上は20%と割引金額が決まっています。引っ越しの荷物を送る時やショップのオーナーにまとめて商品を送る時は活用しましょう。
【海外に荷物を送る安い方法】切手で支払いすればお得
実は切手は金券ショップ等で購入すると現金で支払うより安く購入できます。お店によるので明確な値段ははっきりしませんが、例えば5%安く買えるだけでも1,000円であれば950円、10,000円になれば9,500円と現金で支払うより安くなります。頻繁に配送する人は特に意識してみましょう。
最短で2日以内!スピード重視のEMSを紹介!
EMSは日本郵便で推奨されている配送方式です。国にもよりますが最短で2日以内と配送スピードの速さがウリです。EMSの特徴について解説します。
国際郵便で最も早く届けられる
郵便局で海外発送をしたいと言うと、まず紹介されるのがEMSです。EMSはサービスが充実していて、以下のような特徴があります。
・国際郵便最速
・120か国以上の国に対応
・最大30kgまで配送可能
・荷物の追跡、紛失破損時の補償あり
EMSでの配送方法
EMSでは以下の通り手続きを進めます。
1.送れるかどうか確認する
2.料金・日数を確認する
3.包装し、必要書類を確認する
4.郵便局、もしくは集荷で配送
配送料は郵便局で重さを測ってもらって決めます。コンビニの窓口やポスト投函は受け付けていませんのでご注意ください。
荷物の梱包は自分で行う
EMSで荷物を送る際、いくつか注意事項があります。
1.海外に発送不可の荷物がないかチェックする
国によって異なりますが、禁制品があるのでご注意ください。たとえば、お酒や香水などの航空危険物は国際郵便では送ることができません。
2.国によって荷物の大きさと重さに制限がある
国により多少の違いはありますが、大抵の国で、基本最大重量は30kgです。長さについては次の通りです。
長さ1.5m/長さ+胴回り3m
参考:日本郵便
3.しっかり梱包すること
海外の配送は日本と違って雑に扱われることがあります。クッション材を入れて対策をしましょう。
送り状の書き方
2024年3月1日から、全ての国で手書きの送り状では送れません。
パソコン・スマートフォンから「国際郵便マイページサービス」を利用して、送り状や必要書類を作成しましょう。インボイスや税関告知書も自動で作成されます。詳細は後ほど説明します。
インボイスとは?EMSには必要?
インボイスとは税関への申告、検査で必要となる書類のことを指します。EMSで荷物を送る際、送り先の国によってはインボイスが必要なこともあります。事前に郵便局のサイトで調べることもできます。
参考:EMSの発送に必要な書類
個人の場合、インボイスが必要となるケースはありません。ただ、ショップオーナーに送る商品の場合は必要となるケースもあります。インボイスは郵便局の窓口でもらうか、下記URLから印刷しましょう。「国際郵便マイページサービス」を使えば、送り状といっしょに作成できます。
参考:インボイスについて
郵便局の窓口に持って行く
EMSの伝票を荷物に貼れば、あとは送るだけです。郵便局の窓口へ持っていくと重さを測ってもらえます。それから配送料の会計を行います。以上で配送は完了です。
EMSには追跡番号が付きます。
伝票の上に記載してある問い合わせ番号が追跡番号です。下記から荷物がどこまで配送されているのかを確認できます。ただし、即時状況が反映されるわけではなく、時間がかかりますのでご注意ください。
参考:EMS配送状況
とにかく配送料を抑えたい人向け!SAL便(エコノミー航空)を紹介!
SAL便は航空便よりも安く、船便よりも早く配送できます。輸送には飛行機を利用しますが、SAL便は飛行機の空きスペースを利用して荷物を送ります。配送日は約2週間程です。EMSと比べて配送料が安くなることが最大のメリットです。ここではSAL便を使用する方法を解説します。
SAL便で配送するには?
SAL便を使った配送は次の通り手続きを進めます。
1.荷物を包装する
2.送り状・必要書類を作成する
3.郵便局窓口で手続きしてもらう
包装時のダンボールや封筒は自分で用意します。送り状は「国際郵便マイページサービスで作成しましょう。
SAL便は追跡番号や補償がない
SAL便の小形包装物は料金は安くなりますが、追跡番号が付きません。追跡番号がないと荷物の状況が把握できなくなり、紛失時や破損時に補償されません。海外の発送は雑に扱われることもあり、無事荷物が届くかもわからないので、書留をつけましょう。
書留にすると+460円で追跡番号がつき、6,000円までであれば補償してもらえます。安全に確実に送りたい場合は書留にしましょう。
書留をつけると画像のようにオンライン上で確認することができます。
SAL便に対応していない地域に注意
SAL便を利用する際には注意事項があります。まず、SAL便に対応していない国があります。
平常時から対応していない国もありますが、現在は新型コロナウイルス蔓延の影響により、全ての国・地域が未対応となっています。情勢により変更がありますので、送る前には必ずHPをチェックしましょう。
参考:国・地域別の差出可否
また、書留をつけられない国もあります。対象外の国に書留をつけてしまった場合、送付自体はできますが追跡もできず補償も受けられないので460円が無駄になってしまいます。
また、SAL便では手紙を送ることができませんが、短い文章のメモ程度であれば送ることができます。どこまで問題ないのかの線引きは難しいですが、メモを入れるのであれば2~3行ぐらいの範囲にしましょう。手紙を入れる場合は別の配送手段で送りましょう。
EMSよりも安く、SAL便よりも早い国際eパケット
国際eパケットはEMSよりも安く、SAL便よりも早い発送方法でしたが、2023年9月30日をもって取扱いを終了しました。荷物が2kg以内、かつ長さ・幅・厚さの合計が90cm以内の荷物であれば利用することができました。
東京からアメリカ(ニューヨーク州)に1kgの荷物を送る場合、EMSだと「5,300円」(特別追加料金を含む)で3日。SAL便(国際書留付)だと「2,030円」で2週間。国際eパケットだと「2,320円」で7日と、EMSより安く、SAL便よりも早いです。また、補償金額は6,000円まで付いていました。
ここでは現在はサービスが終了していますが、他のサービスとの比較として国際eパケットの利用方法について解説します。
参考:国際eパケット
国際eパケットを利用する事前準備
国際eパケットを利用する際には事前に準備が必要です。また、送り状を自分で作る必要があるのでパソコン(スマホやタブレット)とプリンターが必須です。
まず、国際郵便マイページサービスへ登録する必要があります。会員登録を進めましょう。
次に専用パウチを郵便局でもらいます。国際eパケットは専用パウチに送り状を入れる必要があります。パウチは一枚単位からもらうことができますが、在庫状況は郵便局によって異なります。また、大量にパウチが必要な場合は余裕を持って請求する必要がありますので、事前に郵便局に相談してください。なお、パウチは無料で利用することができます。
国際eパケットで配送する
専用パウチを郵便局で受け取りましたら、送り状を作成します。
1.国際郵便マイページへログイン
2.「送り状作成」を選択
3.ご依頼主を選択する(初回登録時のみ、次回以降は省略可)
4.新規ご依頼主登録
差出人の情報を入力します。必須項目を全て入力しましょう。入力を終えたら「次へ」ボタンをクリックします。
登録した住所のラジオボタンを選択し、「お届け先の選択」ボタンをクリックします。
5.お届け先を選択
海外のオークションサイトの落札者に商品を送る場合、アドレスを登録していないので「お届け先の入力」を選択します。もし、家族や友人といった今後も継続して送るような相手の場合は「お届け先住所を追加」で登録します。次回から入力する手間が省けます。
6.お届け先の住所を入力
必須情報を全て入力します。入力が終われば「登録」ボタンをクリックします。
7.発送種別を選択
国際eパケットを選択します。国際eパケットは航空便のみなので、発送方法の選択はできません。
8.内容品を入力
内容品名と単価と個数を記入します。HSコードと原産国名は無記入でも問題ありません。重さは郵便局の窓口で記入を指示されることがありますので、可能であれば記入します。記入したら右端にある「削除」をクリックします。
内容品種別を選択します。内容品総額は内容品名と単価と個数を登録すると自動で記入されます。危険物についての確認にチェックを入れます。これは危険物が入っていないことを示すサインです。内容に問題がなければ「発送関連情報の入力へ」ボタンをクリックします。
9.発送関連情報登録
発送予定日を入力します。必須登録ではありますが、送り状に表示はされません。総重量を入力すると郵便料金が表示されます。
インボイスは必要な国であれば指定します。個人であればほとんど必要ありません。
配送ステータスメール設定にチェックを入れておくと、追跡状況が即時に分かるわけではありませんが、取引から3ヶ月間、追跡情報を取得することができます。
内容に問題がなければ、「次へ」ボタンをクリックします。
10.登録内容確認
誤りがあれば修正します。問題がなければ「送り状を登録する」ボタンをクリックします。
11.送り状を印刷する
注意事項に同意して、「送り状を印刷する」ボタンを押下します。印刷用のPDFが出力されますので印刷します。なお、プリンターにもよりますが、中国語を含む場合は専用のフォントをインストールする必要があります。
12.送り状を貼り付け、配送する
まず、印刷した送り状を切り取り線に沿って切り取ります。
送り状、受付控え、ご依頼主控えの3つに分かれます。
送り状の署名欄に日付を記入します。
荷物に専用パウチを貼り付けます。
パウチの中に送り状を入れます。後は郵便局窓口へ持っていきます。依頼主控えと受付局控えも合わせて提出します。
小形包装物が海外に荷物を送る安い方法
小形包装物は安く配送できますが、補償や追跡サービスはつきませんし、地域・重さによって料金が変わるので要注意です。
小形包装物も、送り状は先ほど紹介したのと同じように「国際郵便マイページサービス」で作成します。税関通知書も同時に作成されます。
東京からアメリカ(ニューヨーク):1kgの例
航空便 | 2,720円(配送期間:14日) |
SAL便 | 2,320円(配送期間:2週間)(※2024年3月現在取り扱い無し) |
EMS | 5,300円(配送期間:11日)(特別追加料金を含む) |
追跡番号がないので書留をつけよう
小形包装物には追跡番号がつきませんので、追跡番号や保証が必要な場合は+460円で書留をつけましょう。また、手紙も送ることができないため、郵便局でチェックされることもありますので注意してください。
海外に荷物を送る安い方法まとめ|荷物によって適切な配送方式を選択しよう!
郵便物は荷物のサイズによって料金が変わり、その都度適切な配送方式を検討する必要があります。条件によってはSAL便とEMSで大差がないこともあります。また、高額品であれば補償額が大きいEMSを選ぶなど、配送のメリットデメリットを押さえた上で選択していくことが大切です。
新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、配送自体ができないケースや、大幅な遅延が起きるケースもあります。
配送の際には、配送の可否についてしっかり確認し、遅延のリスクも加味して日程を検討するようにしましょう。