「海外輸出をしたいけどやり方が分からない」
「個人輸出ビジネスを始める方法を知りたい」
「海外のどこに販売したらいいの?」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
海外輸出を個人で行うのはとても難しいイメージも強いかもしれませんが、インターネットが普及した影響で始めるハードルは下がっています。加えて日本製品は海外で評価が高いため、輸出ビジネスは魅力的なビジネスの1つです。ただしトラブル防止のためにも、しっかり準備する必要があります。
そこで今回は
- 個人で輸出する方法やビジネスの始め方
- 海外向けECサイトの立ち上げ方
- 海外向けのおすすめの販売先
これらを徹底解説します。
この記事を読んで、あなたも海外輸出にチャレンジしてみてください。
海外輸出を個人でする方法は3つ
個人で海外輸出する方法には、大きく分けて3つあります。
【海外輸出を個人でする方法】1.海外向けECサイトの運営
1つ目は、自分で海外向けのECサイトを作成して商品を販売する方法です。
サイトの運営から集客までを全て自分でやるのは大変ですが、販売システムを確立できれば資産になるというメリットもあります。
【海外輸出を個人でする方法】2.海外向けECモールへの出店
2つ目は、AmazonやeBayといった海外向けECモールに出店する方法です。これが最も一般的です。
自分で集客する手間がほとんどかからないため、利益を早く出すことができます。しかし、出店には各種手数料がかかりますし、ECモールの規約に違反すると出店停止になることもあります。
手数料・利用料は各ECモールによって違います。月額で固定の利用料がかかるモールや、月額利用料が無料な代わりに商品が売れる毎に販売手数料がかかるモールもあれば、両方かかるモールもあります。販売手数料は10%前後だと思っておいてください。
一見すると、販売手数料だけで月額利用料がかからないECモールの方がお得なように思えますが、売上が増えてくると販売手数料の金額も高くなります。例えば、販売手数料が10%だとすると、月の売上が10万円のときの手数料は1万円ですが、月に500万稼げるようになると手数料は50万円に跳ね上がります。したがって、長期的に考えると、販売手数料をとられるECモールより、月額の固定利用料を支払って利用するECモールの方がお得です。
【海外輸出を個人でする方法】3.ASPの利用
3つ目は、Live Commerceなど多言語対応のASPを利用する方法です。
これは同時に多言語のネットショップを作成・利用できるサービスです。広告サービスも用意されているため、集客の必要はありません。また、販売手数料はかかりますが月額費用(決済がStripeクレジット決済、PayPalの場合)がかからないという特徴があります。
個人輸出ビジネスの始め方
続いて、個人輸出ビジネスの始め方を解説します。
個人輸出に必要なもの
個人輸出ビジネスを始める上で最低限必要なものは以下のとおりです。
- ネット環境
- パソコン
- クレジットカード(無い場合はデビットカード)
- 銀行口座
海外輸出では電子決済が主流です。したがって、クレジットカードや、PayPalアカウントがあると良いです。
また、輸出先によっては現地の銀行口座が必要な場合があります。
個人輸出に必要な外国語力
個人輸出は外国人相手の取引になるため、外国語の知識が必要です。特に英語力は必須です。
しかし、そこまで高度な英語力は必要ありません。ビジネス英語は伝われば良いので、中学英語レベルの文法が分かれば十分です。それに困ったときはGoogle翻訳などの各種翻訳ツールを利用すればいいだけの話です。
翻訳ツールを利用する際のコツは、「主語と述語をはっきりさせる」ことと「できるだけ一文一文を短く区切る」ことです。この2つを意識すると翻訳の精度が上がります。
海外発送は国際郵便がおすすめ
また、個人で輸出する場合は、自分で配送手段を手配する必要があります。
日本から海外配送してくれる業者には、ヤマト運輸、佐川急便、DHL、FedExなどたくさんあります。しかし、一番のおすすめは郵便局です。EMSなどの国際郵便は信頼性が高く、送料も安くなっています。
ただし、国際配送はトラブルが多いです。荷物が破損・紛失したときのために、追跡番号が発行されて、なおかつ補償がある配送サービスを利用しましょう。
現在はコロナ感染症の影響により各国・地域宛の航空便の減便等が継続していることから、差し出された国際郵便物のお届けに遅延が生じる恐れがあることをあらかじめ確認してください。
日本の輸出制限の確認
また、日本からの輸出が禁止されている商品もあります。個人輸出を始める前に、税関のホームページで輸出が禁止されている物品や規制されている品目を確認しておきましょう。
販売先の国の輸入制限の確認
また、販売先の国にも独自の輸出入ポリシーがあります。日本郵便のホームページで確認してください。
海外輸出を個人で行うと税金が免除される
海外輸出ビジネスを個人で行う場合、国内での売買だと通常発生する税金が免除されます。
消費税を免除される
輸出免税といって、日本国内から海外へ輸出する商品に消費税を課さない制度があります。
本来商品を販売する場合は消費税がかかりますが、海外へ輸出して販売する場合は消費税を免除されます。消費税はあくまで国内で適用されるものであり、海外で消費されるものには税法上課税できないからです。
海外に輸出する商品を国内で仕入れるときには一旦消費税を払っています。ただし、海外輸出の取引きの場合は仕入れ時に負担した消費税額を控除することができます。
課税仕入れ金額には商品の購入代金だけでなく、海外輸出をするために必要な備品の購入や広告宣伝費、接待交際費などの経費も含まれます。
免税される商品の種類
海外輸出の場合はおもに
- 国内からの輸出として行われる資産の譲渡または貸付け
- 国内と国外との間の通信または郵便もしくは信書便
上記2つが免税の対象になります。
国内から商品を海外へ輸出して販売する形式はおもに前者に含まれます。後者は国際電話や国際郵便などが該当します。
消費税の還付対象
どのような場合に還付対象となるのでしょうか。
例えば海外輸出で1000円の売上があったとします。その売上を作るために500円で仕入れを行いました。消費税10%が発生するので実際に店舗等に払うのは550円です。
輸出免税により1000円に対しては消費税は課税されていません。ただし、国内の仕入れには一旦課税されているため、差額の50円が還付される形です。
輸出免税によって消費税の還付を受けられるのは、消費税の課税事業者のみです。そもそも消費税を免除されている場合は対象外です。
(個人事業主)
- 前々年の1年間における課税売上高が1000万円を超える
- 前年の1月1日から6月30日までの期間に課税売上高が1000万円を超えた
(法人)
- 前々事業年度の課税売上高が1000万円を超える
- 事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間に課税売上高が1000万円を超えた
上記の条件を満たすと課税事業者となります。
海外輸出を頻繁に行う場合は金額も大きくなるので、必ず輸出免税の手続きを行いましょう。
海外向けECサイトの立ち上げ
ここからは個人輸入の具体的な始め方を解説します。
まずは自力で海外向けECサイトを立ち上げて販売する方法を説明します。
販売先の決定と関税の確認
まずは販売先となる国を決めましょう。そうしないとサイトの言語表記などが決められません。
販売先が決まったら、その国の輸出入規約を調べてください。また、関税率についても調べておきましょう。
配送ルートの確保
次に配送ルートを確保しましょう。
自分で発送する場合は、日本郵便のどの配送サービスを利用するのか、配送会社を利用する場合はどの会社にするか決めましょう。
サーバーレンタル&ドメイン取得
次に、レンタルサーバーを契約して、サイトドメインを取得しましょう。
エックスサーバーなど国内のレンタルサーバーでもサイトは作れます。海外のレンタルサーバーを利用することも可能ですが、国内サーバーで慣れてからにしましょう。
参考:エックスサーバー
サイト作成
サーバー・ドメインが用意できたら、テンプレートなどを使って早速サイトを作りましょう。最初は他のECサイトのレイアウトを真似ると良いでしょう。
言語表記は利用者側で選択できるように多言語を用意しておきましょう。
販売開始
準備ができたら、早速商品ページを作成して販売を開始しましょう。商品ページに必要な項目を以下に示します。
- 商品タイトル
- 商品写真
- 商品説明文
- 決済方法
- 配送方法、配送料
- お問い合わせフォーム
おすすめ海外向けECモール
続いて、個人輸入におすすめの海外向けECモールを紹介します。
越境ECモールに出店するのが一般的
サイト作成・SEO集客などの知識がある場合は別ですが、素人が個人輸入をする場合、まずは海外向けECモールに出店するのが一般的です。
おすすめの海外向けECモールを5つ紹介します。
eBay
1つ目は「eBay」です。
eBayは世界最大級のオークションサイトです。オークションサイトと謳っていますが、固定価格での出品が主流です。eBayは初期費用無料、誰でも250点まで無料で出品できるようになりました。出品し始めて間もない間は、1ヶ月10出品・500ドルまでという出品制限がありますが、上限は徐々に上がっていきます。むしろ、この出品制限のおかげでライバルが少ないためおすすめです。
Amazon
2つ目は「Amazon」です。サイトのデザイン・レイアウトが日本のサイトと変わらないため非常に使いやすいです。
以下の22カ国にはAmazonがあります。
- 日本
- アメリカ
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- カナダ
- 中国
- イタリア
- スペイン
- ブラジル
- インド
- メキシコ
- オーストラリア
- オランダ
- トルコ
- アラブ首長国連邦
- サウジアラビア王国
- シンガポール共和国
- スウェーデン
- ポーランド
- エジプト
- ベルギー
京東商城 JD.com
3つ目は「京東商城 JD.com」です。これは中国国内シェア第2位を誇るECモールです。中国向けに輸出する場合におすすめです。
中国国内ECシェア第1位は「天猫 Tmall.com」ですが、「天猫 Tmall.com」は出店基準が厳格なため、個人での出店は難しいです。
一方「京東商城 JD.com」は出店基準がそこまで厳しくなく、日本企業の誘致にも力を入れています。したがって、個人で中国輸出をするなら「京東商城 JD.com」がおすすめです。
タオバオ
4つ目は「タオバオ(淘宝网)」です。これまた中国輸出向けのサイトです。
タオバオはCtoCのECサイトです。日本でいうところのヤフオクやメルカリと同じように、個人同士の取引市場となっています。しかし、市場規模は日本のそれとは桁違いです。会員数は5億人以上、出品商品数は8億点以上に上ります。
Etsy
5つ目は「Etsy」です。
Etsyはハンドメイドに特化した世界最大級のECサイトです。770万人以上の販売者と、9400万人程の購入者が利用しており、およそ1億点の商品が出品されています。
EtsyはアメリカのECモールですが、日本語に対応しているため出店手続きが非常に簡単です。
個人で輸出ができる時代
日本製品は海外での需要が高くなっています。そのため、輸出業は利益を出しやすいビジネスです。この機会にぜひ始めてみてはいかがでしょうか。