ポートレート撮影のコツとは?基礎から丁寧に解説

人物を撮影する方法の一つに、「ポートレート」と呼ばれるものがあります。ポートレートをよい作品に仕上げるためには、一体どうすればよいのでしょうか。

この記事では、人物写真を撮る時のコツや、カメラについての基本的なことも併せて解説していきます。初心者の方や、人物写真についてマスターしたいと思っている方はぜひ参考にしてください。

目次

2種類の撮影スタイル

人物を撮影する方法は、大きく分けて「スナップ」と「ポートレート」の2種類があります。まずは、この二つの違いを解説していきます。

スナップとポートレートの違い

2種類の撮影スタイルの大きな違いは、「被写体がカメラを意識しているかどうか」にあります。「スナップ」は被写体がカメラを意識しておらず、日常の1コマを切り取ったような仕上がりになるのが特徴です。

対して、「ポートレート」は「肖像画」とも呼ばれ、被写体が主役の写真となっています。なお、カメラ目線かどうかは関係ありません。被写体がカメラを意識していれば、カメラ目線でなくてもポートレートとなります。

ポートレート撮影のコツ

ポートレート写真を魅力的に見せるには、6つのコツを押さえる必要があります。この項目では、人物写真を撮る際に考慮すべきポイントを解説していきます。

テーマを考える

撮影の前には、あらかじめテーマを考えておくのが一般的です。考えたテーマに合わせて、撮影する場所や時間帯を変えましょう。

このとき、撮影場所が明るいかどうかがポイントになります。暗い場所での撮影は人物が綺麗に撮りづらくなり、ハードルが高いため、初心者にはおすすめしません。カメラの扱いに慣れるまでは、簡単に撮影ができる明るい場所を選択するのがベストでしょう。

太陽の位置を決める

写真撮影に関しては光をどう当てるかが重要で、当て方によって写真の雰囲気がガラリと変わります。光は「順光」「サイド光」「逆光」の3種類に分類されます。それぞれの特徴は以下の通りです。

順光

順光は、被写体を正面から照らした状態を指します。コントラストが強く出て、色がはっきり見えるのが特徴です。

サイド光

サイド光は、左右のいずれかから被写体を照らした状態を指します。立体感を出したい時に有効です。

逆光

後ろから被写体を照らした状態を指します。柔らかい雰囲気を出したい時におすすめです。

これらのライティングには、もちろん欠点もあります。デメリットもしっかり理解して、適切に使いこなしましょう。それぞれの欠点は以下の通りです。

順光のデメリット

順光は、奥行きが出ないことがデメリットとして挙げられます。また、被写体の目の前に太陽があるため、まぶしくて目が開きにくいのも難点です。

サイド光のデメリット

サイド光は、影が強く出過ぎるため、シワなどの余計な肌の凹凸が目立つのがデメリットです。

逆光のデメリット

逆光を使用すると、顔が暗く写ってしまうことがあります。また、背景との明暗差が強く出過ぎるのも難点として挙げられます。

以上のポイントを意識し、テーマに合ったライティングを選びましょう。

構図を決める

よいポートレートに仕上げるには、構図選びが重要です。ポートレートでよく使われる構図の一つとして、「三分割法」が挙げられます。三分割法とは、画面を縦と横に三等分する線を引き、その交点となるポイントにモデルを置く手法です。

この構図は、人物の撮影以外にも広く用いられるので、よく覚えておきましょう。

背景をぼかすコツ

被写体を引き立たせるには、背景をぼかすのも一つの手です。背景をぼかすためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。

・F値(絞り値)を低くする

・焦点距離を長くする

・被写体に近付く

・被写体を背景から離れた場所に立たせる

以上の条件をクリアすることで、被写体にだけピントが合っている状態になり、被写体がよりくっきりと浮かび上がって見えるでしょう。

ピント合わせのコツ

背景をぼかす際には、被写体のどの部分にピントを合わせるべきなのでしょうか。写真のピントを合わせる際には、一番注目が集まりやすい部分に設定するのがベストです。人物の中で最も注目を集めるパーツは、「」と言われています。

つまり、人物にピントを合わせたい時には、目に焦点が合うように設定すればよいのです。なお、人物を斜めに撮影する場合には、カメラに近い側の目にピントを合わせましょう。

被写体を生き生きと見せるコツ

被写体を魅力的に見せるポイントは、最も注目を引くパーツを綺麗に見せることです。人物の場合であれば、特に強い印象を与えるポイントである「目」が魅力的かどうかで写真の仕上がりが決まります。

目の美しさには、「キャッチライト」の有無が関係しています。キャッチライトとは、目の中に入る光のことです。瞳に光が入っていないと、暗い印象を与えてしまいます。

対して、しっかりと目に光が入っている場合には、被写体が生き生きとして見えます。

この際、目に光が入らない場合には、人工的にキャッチライトを作ればOKです。レフ板や照明などを使い、人物の目に光が入るように調整してみましょう。

写真の明るさを決める3つの要素

写真撮影の際には、明るさが上手くコントロールできるかどうかが大切です。この項目では、写真の明るさを決める3つのポイントを解説していきます。

シャッタースピードの速さ

写真の明暗には、シャッターが開いている時間が関わっています。例えば、シャッタースピードを速くするとブレにくくなる一方で、仕上がりが暗くなるというデメリットが発生します。

対して、シャッタースピードを遅くすると、明るくなるもののブレやすくなってしまいます。

この特性を理解し、適したシャッタースピードを設定する必要があります。

例えば動きのあるポートレートを撮影したい場合は、シャッタースピードを遅くするとブレてしまうでしょう。この場合、速いシャッタースピードでも問題なく仕上がるよう、明るい場所での撮影をする必要があります。反対に、十分な光量がない時には、三脚などを使ってカメラを固定し、ブレないように対策を講じなければなりません。

F値

F値」とは、レンズの絞りの大きさを表す数値です。この値が大きくなるほど、レンズの絞りが小さくなりレンズを通る光の量が減っていきます。

つまり、明るく撮影したい場合には、F値を小さくすればよいのです。

また、F値は写真の背景のぼけにも影響します。ピント外のぼけは、F値が小さくなるほど強くなるため、背景を大きくぼかしたくない場合は、他の項目の設定を変えて、明るさを調整しましょう。

ISO感度

ISO感度」とは、カメラの中で光を増幅させる機能です。この感度を高めることにより、写真をより明るく仕上げることができます。反面、ISO感度を高くして撮影された写真は、ざらつきなどが出て、美しく見えない場合もあるので注意してください。

この点からISO感度は、なるべく低い設定を保ったまま撮影をするのが理想です。他の設定項目で明るさの調整をするのが難しい場合にのみ、補助的にこの値を高めてみましょう。

おすすめの構図とテクニック

続いては、ポートレート写真のクオリティーを上げるためのコツをご紹介していきます。人物を撮影する際には、当項目でご紹介するポイントを意識してみてください。

2種類の構図

人物の撮影に適した構図は、三分割法と日の丸構図です。 日の丸構図では、人物を写真の中央に配置します。

一般的に避けた方がよいとも言われるこの構図ですが、撮り方次第ではポートレートに活用することができます。なお、避けるべきと言われている理由としては、ありきたりな印象を避けるためです。写真全体の余白・明るさのバランスなどをきちんと考慮し、被写体を引き立てることができていれば問題ないと言えるでしょう。

また、どの構図にも言えることですが、人物をどこまで捉えるかということも重要です。写真に人物を収める基準としては、「顔」「上半身」「全身」の3つのパターンがあります。この時、意識すべきポイントは「首」です。例えば、顔のアップを撮影する時に、人物を首の上で切ってしまうと、違和感のある印象になってしまいます。

この場合、胸の上あたりまで入れると構図が安定します。

「手首」や「足首」も同様で、そこで写真を切ると違和感が出ます。

ポートレートを撮る際には、人物をどこまで入れ込むのかも意識して構図を決めましょう。

被写体を魅力的に見せる背景

背景がシンプル過ぎると、物足りない印象になってしまいがちです。写真の魅力をアップさせるには、背景にある程度の情報を取り込むのがおすすめです。木や花などの植物、鮮やかな色の背景を取り入れることによって、華やかな印象に仕上げましょう。

ただし、あまりにも背景に情報が多くなりすぎるとごちゃごちゃした印象になってしまいます。人物が主役として引き立つように、ぼかしを入れるなどして適度な情報量を保ちましょう。

背景と人物の関係

人物写真は、人が主役の写真です。前述した通り、背景に情報が多くなり過ぎると、主役が引き立たちません。背景が賑やかな場所で被写体を引き立てたい時には、ぼかしをうまく取り入れてみましょう。

また、立体感を意識することも大切です。背景をぼかしている場合は、同時に立体感も表現できるため特に気にする必要はないでしょう。

では、シンプルな壁を背景にする際など、ぼかしを使わない場合はどのような点に気を付けるべきでしょうか?シンプルな背景の場合、被写体を壁のすぐ前に立たせるのはNGです。画面全体がのっぺりとして見える上に、窮屈な印象を与えてしまいます。壁との間に空間を開けて、奥行きのある写真に仕上げることで、立体感が生まれます。

人物写真に適したカメラ設定

この項目では、人を撮るときにおすすめのカメラの設定方法を解説していきます。

マニュアルモードにする

写真の仕上がりを思い通りに調節したい場合は、マニュアルモードがおすすめです。設定に不慣れな時には、オートが便利に感じるでしょう。しかし、人物の写真の場合、オートでは上手く撮れない場合が多いです。

人物は髪と肌の色の差が大きいため、自動機能だけでは適切な設定を導き出すことが難しいというのが大きな理由です。マニュアルモードに切り替えることで、繊細な調整が可能になり、被写体を美しく見せることができるでしょう。

F値は低めにする

人物を引き立たせるには、背景をぼかして撮影するのがおすすめです。背景を完全にぼかすためには、F値を2~4程度に設定しましょう。

ただし、ある程度背景の情報が分かるようにしたい場合は、F値を5以上まで上げる必要があります。背景をどこまで目立たせたいかによって、F値を調整してみましょう。

シャッタースピードは速めがおすすめ

人物の写真を撮る際には、被写体や撮影者のどちらも動きが多くなります。そのため、シャッタースピードを遅くするとブレやすくなってしまいます。目安として1/250秒以上に設定すると、ブレずに撮影が行えるでしょう。

ISO感度の設定について

ISO感度の設定は、基本的にはオートがおすすめです。ただし、感度が上がり過ぎる時には、画質の低下を招くので設定を変更した方が無難です。

この場合は手動で具体的な数値を設定するか、もしくは上限を設定することによって、感度の上がり過ぎを防くことができます。

人物撮影におすすめのレンズ

この項目では、ポートレート撮影におすすめのレンズを紹介していきます。人物撮影に適したレンズを探している方は、ぜひ参考にしてください。

Viltrox 56mm F1.4 オートフォーカスレンズ

背景のぼけが綺麗に出やすく、瞳AFにも対応しています。瞳AFとは、モデルの目を自動で認識して焦点を合わせてくれる機能のことです。手動でピントを合わせる必要がないため、カメラ操作に慣れていない初心者の方でも簡単にポートレート撮影ができるでしょう。スッキリとした色味が特徴で、全体的にソフトな印象の写真に仕上がるのも魅力です。

参考:Viltrox 56mm F1.4 オートフォーカスレンズ – Amazon

Canon EF50mm F1.8 STM 単焦点レンズ

暗い場所でも、シャッタースピードを落とすことなく撮影可能で、綺麗なぼけを出すことができます。非常に軽量で、持ち運びも楽です。

参考:Canon EF50mm F1.8 STM 単焦点レンズ – Amazon

PENTAX-DA 35mm F2.4AL

人物から風景まで、幅広い用途に使用可能な万能レンズです。F値を低くすれば、暗い場所でも綺麗な写真を撮ることができます。軽量でコンパクトなため、カメラにつけっぱなしにしても邪魔になりにくいでしょう。以上の特徴から、常用レンズとして使用するのもおすすめです。

参考:PENTAX-DA 35mm F2.4AL – Amazon

コツを意識してポートレートの撮影に挑みましょう

人物の写真を撮影する際には、主役を魅力的に見せるため、さまざまなポイントを意識しましょう。例えば、構図やライティングです。テーマや被写体の個性に合わせて、適した構図・光の当て方を選択する必要があります。

また、カメラの設定が狙いに適しているかも重要です。特にポートレートを撮影する場合、被写体や撮影者が動くためブレやすいという欠点があります。この問題に対処するためには、シャッタースピードやF値を調整する必要があるでしょう。

人物を撮影する際には、以上のポイントに気をつけてみてください。きっと素敵な作品に仕上がるはずです。

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この記事を書いた人

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