物販をするならアプリの選択が重要です。どのアプリを使って販売するかで、ユーザー層や売れ行き、コストなどに随分と違いが出るからです。
集客しやすいアプリと、自分で集客しなければ顧客を獲得できないアプリがあり、目的やショップのテイストによって使い分けすることも大切でしょう。
そこで、今回の記事では物販でおすすめのアプリをご紹介します。物販アプリの選択基準や注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
集客しやすいECアプリ
物販でおすすめのアプリは、大きく以下の3種類に分けることができます。当記事では、種類ごとのおすすめアプリを具体的に解説していきます。
- 集客しやすいECアプリ
- フリマ・オークションアプリ
- 集客が必要なECアプリ
まずは、集客しやすいECアプリからご紹介いたします。まったく集客が必要ないというわけではありませんが、いずれも圧倒的に知名度が高い人気アプリのため、すでにネットショッピングに慣れたユーザーが多数存在するのが大きな特徴です。
Amazon
国内のみならず、世界中に物販を広めた立役者とも言えるAmazon。出品方法は大口出品と小口出品の2種類からなります。
大口出品は、月額4,900円に加えて、売れた商品1点につき販売手数料が請求されます。小口出品は、商品1点につき100円と、各商品に対して販売手数料がかかります。販売手数料はカテゴリーによって6.5〜15%の範囲で変動します。
出品にあたっては審査があり、約10日かかります。専用の倉庫に商品を預けて、受注から梱包、発送、カスタマー対応までをAmazonが代行してくれるFBAが利用できます。
参考:Amazon
楽天市場
楽天市場は、国内発のECアプリでは、圧倒的な知名度と、楽天ID保有者1億1,590万人というユーザー数の多さを誇ります。ただ手数料が他に比べると高いため、いきなり利用するのはハードルが高いかもしれません。
出店プランは以下の3種類です。
- がんばれ!プラン:月額25,000円(年間一括払い)
- スタンダードプラン:月額65,000円(半年ごとの2回分割払)
- メガショッププラン:月額130,000円(半年ごとの2回分割払)
出店に際しては審査があり、結果が出るまで約2週間〜1ヶ月かかります。
参考:楽天市場
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングは、月間ユーザー数5,000万人超の人気ECアプリです。初期費用は必要ありませんが、手数料の種類が多いので、ひとつひとつしっかりと把握しておきましょう。
- ストアポイント原資負担:1〜15%(1%は必須)
- キャンペーン原資負担:1.5%は必須
- アフィリエイトパートナー報酬原資:1〜50%(1%は必須)
- アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナー報酬原資の30%
- 入金サイクル手数料:選択した入金サイクルによって手数料が変化
- 決済サービス個別手数料:3%〜
参考:Yahoo!ショッピング
スニーカーダンク
スニーカーダンクは、通称「スニダン」で有名なスニーカーに特化したアプリです。物販でスニーカーを専門に扱いたいという方には特におすすめです。
販売手数料は、会員ランク(レギュラー・ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ)に応じて9.5〜7%の範囲で変動します。
参考:スニーカーダンク
フリマ・オークションアプリ
続いてご紹介するのは、フリマアプリとオークションアプリです。タイプとしてはこれらも集客しやすいアプリに含まれますが、特徴に違いがあるため別枠で解説します。
フリマアプリもオークションアプリも審査がなく、インストールすればスマホひとつで商品登録から画像掲載など簡単に物販が始められるので初心者にはおすすめです。
メルカリ
メルカリはフリマアプリの代表格で、月間ユーザー数も2,200万人以上を誇る超人気アプリです。販売手数料は10%と高めですが、アクティブユーザー数が多いため高い回転率が期待できます。
商品数もカテゴリーの種類も多いので、仕入れ先としてもおすすめです。
他のアプリと大きく異なる点としてフリマアプリは匿名配送が利用できることが挙げられます。匿名配送とは、出品者も購入物も互いの住所や氏名を相手に知られずに取引ができる発送法です。
しつこい苦情や嫌がらせなどを回避できるため、多くのユーザーから支持されており、利用頻度を増やす要因となっています。
参考:メルカリ
楽天ラクマ
楽天ラクマもフリマアプリの草分け的存在で、月間ユーザーは1,049万人に上ります。ダウンロード数は3,000万を突破しているので、かなりの集客効果が望めます。
販売手数料は、使用頻度や販売金額によって4.5%〜10%の範囲で変動します。メルカリ同様、匿名配送が利用可能なのが安心できる点です。
参考:楽天ラクマ
Yahoo!オークション
Yahoo!オークションは、オークションサイトの中では圧倒的な人気と知名度を誇ります。月間アクティブユーザーは5,400万人を超えるので、物販の出品先としてはかなり有望です。
手数料は、落札代金の10%と高めですが、月額508円のYahoo!プレミアム会員になると8.8%になります。
オークション形態のためユーザーにはマニアも多く、出品価格よりも落札価格が大幅に引き上げられることもあります。Yahoo!フリマと同時出品できるのも利点で、匿名配送も利用可能となっています。
参考:Yahoo!オークション
Yahoo!フリマ
Yahoo!フリマは、販売手数料が5%と非常にリーズナブルなのが特徴です。しかもYahoo!オークションとの同時出品も可能なため、併用すると回転率が高まる可能性があります。
売上金は手数料0円でPayPayにチャージでき、匿名配送も利用可能です。
参考:Yahoo!フリマ
集客が必要なECアプリ
次に、集客が必要なアプリをご紹介していきます。アプリサービスを使って自社サイトは構築できますが、集客はゼロからのスタートになります。
独自性はアピールできるものの、SNSなどでフォロワーやファンなどを持たない物販初心者にはハードルが高いと言えるでしょう。
BASE
BASEは、好みに応じて自社サイトを構築できるサービスです。料金プランは、スタンダードプランとグロースプランの2種類があり、いずれも初期費用は無料です。
- スタンダードプラン:1商品につき決済手数料3.6%+40円、サービス利用料3%
- グロースプラン:1商品につき決済手数料2.9%、月額費用16,500円(年払いの場合)月払いは19,980円/月
参考:BASE
Shopify(ショッピファイ)
Shopifyは、カナダ発のECアプリで、利用者は175カ国とグローバルに広がっています。Amazon、楽天市場、Instagram、Facebookといったさまざまなチャネルと連携可能です。
機能が豊富で多くのデザインテンプレートが用意されているため、質の高いブランディングができます。4つの料金プランが用意されており、それぞれの料金は以下のようになっています。
- ベーシック:月額4,850円(年払いでは月額3,650円)
- スタンダード:月額13,500円(年払いでは月額10,100円)
- プレミアム:月額58,500円(年払いでは月額44,000円)
- Plus:最低月額2,300ドル
ベーシック、スタンダード、プレミアムの3つのプランは、いずれも最初の1か月間の料金は月額150円です。Plusは1年契約、または3年契約で利用可能のプランとなっています。
参考:shopify
カラーミーショップ
カラーミーショップは、350以上の機能が使えるうえ、電話やメールでのサポートが受けられるECアプリです。また、Amazonとの連携が可能となっています。3つの料金プランがあり、それぞれの料金は以下の通りです。
- レギュラープラン:月額4,950円
- ラージプラン:月額9,595円
- プレミアムプラン:月額39,600円
参考:カラーミーショップ
物販アプリの選択基準
物販アプリといってもさまざまな種類があるため、どのように選べば良いか迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで、この項目では物販アプリの選択基準について解説します。当項目を参考にして、ご自身の目的に最適なアプリを選んでください。
集客に自信がない
物販で成功するのに欠かせないのが集客です。いくら素晴らしい商品を販売しても、それがターゲットの目に触れなければ絶対に売れません。
そのため、もし集客に自信がないなら、Amazonや楽天市場、メルカリ、Yahoo!ショッピングといった人気の物販アプリがおすすめです。
これらのアプリは、国内ユーザーがすでに数百万〜数千万人規模に達しています。そのため、自分で無理して集客しなくても、出品すれば多くのターゲットの目に触れることが期待できます。
例えばメルカリなら、出品と同時にユーザーが閲覧するアプリ画面の上部に自身の商品が表示されます。上手くいけば出品後、数十秒後には落札というケースもあり得ます。このシステムは、特に物販初心者には大きな利点となるでしょう。
集客に自信がある
SNSやYouTube、その他ライブ配信アプリなどで、すでにまとまったフォロワーやファンを抱えている場合は、集客にあまり気を使わなくてよいかもしれません。
こうしたケースでは、プラットフォーマーの集客力を必要としないBASEやShopifi、カラーミーショップなどがおすすめです。
独自性を重視したい
Amazonや楽天市場、メルカリなど集客力はありますが、ライバルが多いためせっかく出品してもその他大勢の中に紛れてしまう可能性があります。
例えばAmazonなら相乗り出品で、同じ商品は同一ページにまとめられます。したがって、例えば人気の加湿器であれば同じページに数十〜数百のショップの商品がまとめられ、カートを獲得しなければ自身のページがトップに表示されることはありません。そのため、独自性を打ち出すことが難しくなります。
そこでショップの個性を際立たせたい、独自性のあるブランディングをしたいという場合は、集客の課題をクリアしなければなりませんが、BASEやShopifyといったアプリがよいでしょう。
物販アプリの注意点
この項目では、物販アプリを利用するうえでの注意点について解説します。
物販ビジネスを成功に導くためにも、注意点もしっかりと把握しておきましょう。
販売手数料が必要
物販アプリを利用する場合、販売手数料が必要になることが多いので注意が必要です。多くはアカウント登録が無料で、商品が売れた場合にその価格に対して一定割合の販売手数料が請求されるというパターンです。
ただし、楽天市場のように初期費用がかかるものや、BASEのように売れ行きに関係なく、利用する機能によって手数料が加算されるケースもあります。特に初心者の場合は、どれだけ売れるか未知数のため、売れた分だけ手数料が発生するタイプを選択する方が無難でしょう。
物販は、販売手数料以外にも意外とコストがかかるため、アプリにかかる費用が高額になると資金繰りが厳しくなる恐れがあるためです。以下に列挙したコストも考慮してアプリを選択するようにしてください。
- 仕入れ代金
- 送料
- 仕入れやリサーチにかかる交通費
- 梱包資材費用
- パソコンやスマホ代金
- 通信費や光熱費
ライバルが多い
一から自分のサイトを構築するのではなく、アプリを使うと手間と時間、コストが大幅に削減できるので非常に便利です。
しかしそれは、裏を返せば参入障壁が大変低いことを意味します。その分ライバルが多いため、価格競争に巻き込まれたり、思ったほど売れなかったりするリスクがあります。
したがって、あまり市場に出回っていないレア品やビンテージ品などを取り扱ったり、他の商品とのセット販売をおこなったりなど、ライバルとの差別化を図る工夫が求められるでしょう。
二重出品
物販を本格的に行う場合は、複数のアプリを使って出品するケースが多いでしょう。しかしその際に気をつけなければならないのが、多くのアプリで禁止されている二重出品です。
二重出品とは、同じ商品を同時に複数のアプリやECサービスで出品する行為のことです。これは、同じ種類ではなく、まったく同じ商品が対象です。
例えば、一点しか在庫がない商品をメルカリとAmazonで販売するとします。万が一、同時に売れた場合は、いずれかのユーザーに商品が届かないことになります。
これは、ユーザーへの背信行為であり、損失を与えることにもなるため、固く禁止されているのです。中には注文が入ってから商品を手配するケースもありますが、これもアウトです。
もし手配できない場合、やはりユーザーに多大な迷惑を与えかねないからです。もし二重出品が発覚した場合は、アカウント停止など厳しいペナルティを科される恐れがあるので要注意です。
同時に複数のアプリで同じ種類の商品を出品する場合は、必ず利用しているアプリと同じ数の商品を確保するようにしてください。
まとめ
物販をするなら、目的に合わせて上手くアプリを活用するのがおすすめです。一からサイトを構築するより、時間も手間もコストも大幅に削減できるからです。
ただし、販売手数料がかかるうえ、アプリによってユーザー層や売れやすい商品に違いがあるので、特徴を知って適切なものを選択する必要があるでしょう。
特に初心者の方は、初めからコストをかけすぎると資金繰りを圧迫するため、低予算で利用できるものをおすすめします。多くのアプリは出品までは無料で、いつでも辞めることが可能です。
使ってみないと良し悪しが判断できないことも多いので、最初から一つに絞らず気になるアプリは一通り試してみるのもよいでしょう。そして自分なりの最適なビジネスモデルを確立してください。