商品が売られる際の値段の決め方!注意点やコツ・AIを使った値段の決め方も解説

ECを使って物販を行う際、もっとも重要なことのひとつが、商品の値段をいくらにするかどうかです。高すぎるとお客様から敬遠されかねません。かといって安くしすぎると売れたとしても赤字で苦しむ恐れがあるでしょう。つまり、適切な値決めができるかどうかが、ショップの業績を大きく左右すると言えるのです。

そこで、今回は商品が売られる際の値段の決め方についてまとめました。具体的な値決めの方法や注意点、さらに近年積極的に活用されるようになったAIを使った値段調整についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

値決めの基本知識

まずは「原価率」「利益率」といった、値決めを行うにおいて絶対に頭に入れておくべき基本知識について解説します。

これらを正しく理解して値決めをしなければ、ただ他社と同じように値引きをして売れたとしても儲けが出せるとは限りません。はじめに、この両者の関係性についてわかりやすく説明いたします。

原価について

原価」とは、その商品を売るまでにかかったすべてのコストを意味します。具体的には、以下のものが該当します。

  • 仕入れ代金
  • 製造するための材料費
  • 人件費
  • 配送費
  • 梱包費
  • 光熱費
  • オフィスの賃借料
  • パソコンやプリンターなどの備品

これらを総合して商品1点あたりにつき、いくらかかったかを「原価」として割り出します。

原価率について

原価率」とは、商品を販売する値段に対して、原価がいくらかかったかどうかの割合を意味します。原価率は、「原価÷売上代金=原価率」という式で算出できます。

例えば、1,000円で売る商品の原価が400円だとすると、400÷1,000=0.4となり、原価率は「40%」となります。原価率が高ければ儲けは減り、逆に低ければその分儲けが増えることになります。

利益率について

利益率」とは、商品の売上代金に対する利益の割合を指します。利益率は、「利益÷売上代金」という式で算出できます。

先ほどの原価率の例で言うと、売上代金から原価を差し引いた金額が「利益」となります。よって、「(1,000−400)÷1,000=0.6」となり、利益率は60%になることがわかります。

つまり価格が同じ場合、原価率が高ければ利益率が下がり、逆に原価率が下がると利益率は上がるという相反関係にあるのです。

値段の決め方

実際に、原価率や利益率を考慮しながら値段を決めるプロセスを見てみましょう。儲けをしっかりと確保したければ、利益率を「○○%!」と最初に決めたいところですが、実際には原価がいくらになるかを割り出すことが先です。

もし、消しゴム一つの原価が100円として、利益率を50%としたらどうなるでしょう。この場合、消しゴムの値段は200円にする必要がありますが、今どき百均で当たり前のように買える消しゴムを200円で販売して売れるでしょうか。よほど特別な機能や付加価値がなければ売るのに苦労するのは目に見えています。

ここで考えなければならないことは、ふたつです。 ひとつは、原価を抑える工夫をすることです。そしてもうひとつが、利益率を50%より下げるということです。

その結果、原価を70円にできたとします。次に利益率を30%に下げたとすると、消しゴムの値段は「100円」に設定することが可能になります。これなら他社といい勝負ができるかもしれません。

値決めについての留意点

続いて、値決めをする際の留意点について解説していきます。

値段だけに固執しすぎない

値段をいくらに設定するかが大切なのは言うまでもないですが、ビジネスはそれだけで勝負するわけではありません。

それ以外に、お得感を高めるサービスを追加したり、品質を向上させたり、ブランドイメージをアップさせたりといった総合的な工夫と努力によって、お客様がその値段を高いと捉えるか、安いと感じるかが決まるのです。

例えば、コンビニで買う100円コーヒーと人気高級ホテルで飲む1,000円のコーヒーを値段だけで単純に比較するのは、現実的ではありません。セルフで淹れるのと、注文を受けてから一流のバリスタが超高級な豆で淹れてくれたものを極上の空間でたしなむのとでは、目的も満足度も異なるからです。

つまり、値段はもっとも大切な要素の一つである反面、それだけに固執するのは的外れであると認識することが大切なのです。

安ければ良いとも限らない

値段が安ければ、多くのお客様やターゲットの目を引くのは間違いないでしょう。しかし安いからといって売れるかどうかは、また別の話になります。

安く売ることは、訴求力を高めるもっとも手っ取り早い方法かもしれません。その反面、「何か裏がありそう」「すぐ壊れるのでは」「買い直さなければならないとすると、結局高くつく」などと疑われるリスクがあることを理解しておく必要があります。

悪い評判や憶測は、レビューやSNSであっという間に拡散されてしまい、それがショップにとって致命傷となる恐れがあるため、十分に注意が必要です。

下げるのは簡単だが上げるのは難しい

値段を下げるのは簡単ですが、いったん安くしたものを高くするのは非常に難しいです。ですので、安易に値下げするのは注意が必要です。

よほどコアなファンなら高くても買ってくれるかもしれませんが、そうでなければ客離れを起こす可能性の方が明らかに高いからです。誰もが納得するような理由でもなければ、売上を維持することは至難の業です。

最近の値上げラッシュを例にとるとわかりやすいでしょう。新型コロナウイルスや国際紛争に起因するサプライチェーンの分断と資源高などにより、ほぼ全業種で値上げラッシュが行われています。しかも同じ商品が、わずか1〜2年の間に複数回値上げされている例も散見されます。

しかし世の中は、賛同するとはいかないまでも、これだけの異常事態が重なることでやむを得ないと捉え、暴動が起きるようなことはありません。特に食品や日用品については、買い控えをしながらも値上げを了承せざるを得ないという非常に珍しい状況になっています。

この流れで、便乗値上げをしているところがないとはいえません。逆に、値上げせずに企業努力で乗り切ろうとしているところは顧客からの評価もグンとアップするでしょう。

いずれにせよ、値上げを受け入れてもらうのは、決して簡単なことではありません。そうと理解して、いたずらに安値で販売することには十分注意する必要があるのです。

値段の決定方法

この項目では、値段の決定方法について、代表的なものを6つご紹介すると共に、AIを用いた方法についても併せてご紹介いたします。

コストプラス法

もっともオーソドックスな値付け方法が、この「コストプラス法」になります。

これは上記で説明した方法で、原価に利益を加えて、値段を決めるというやり方です。この方法で決めた値段で順調に売れれば、経営状態は理想に近い形で安定します。

市場価格追随法

その商品の市場価格がどれくらいなのかを基準にして値段を決めるのが、「市場価格追随法」です。

言い換えれば「いくらなら買ってもらえるか」というリアルな相場観を的確に把握して、その価格で販売できるように社内の体制を整えていくということです。

プライスリーダー追随法

プライスリーダー追随法」は、業界内でトップセールスを記録しているような企業の値段を基準にして値決めをする方法です。新規開発した目新しい商品というより、すでに世間にある程度浸透し、認知度が高い商品を売る際に有効です。

ただし、プライスリーダーの存在が圧倒的な場合、それより少々安くしたところでよほど品質が良くなければシェアを奪うのは容易ではありません。よって、値段以外の要素で訴求力を高める必要があるでしょう。

慣習価格法

慣習価格法」は、多くの消費者にとってその商品のカテゴリーに深い馴染みがあり、昔から価格帯が慣習として決まりきっている場合に、その金額に合わせて値決めする方法です。

缶ジュースや日用品など、特に安価な商品が当てはまります。缶ジュースを300円で売ると、相当の違和感を抱かれるでしょうし、ごく普通のボールペンを500円で売っても、よほど特殊なアピールポイントがなければ苦戦するでしょう。

したがって、販売しようとしている商品に慣習価格があるかを事前に確認し、ある場合は、その価格で収益化が可能かを十分に検討する必要があります。

名声価格法

名声価格法」は、同じカテゴリーでも、ブランドのシンボル的な存在としてあえて高い値段に設定する方法です。マグロやメロンの初競りで驚くような価格が付くことがありますが、まさに名声価格の典型例と言ってよいでしょう。

名声価格が成立するには、「商品の品質が明らかに高いこと」「それを正当に理解する消費者が一定以上存在すること」などが条件となります。

ジュエリーやバッグ、腕時計や高級車など、高く買うことにこそ意味があるという価値観が広く共有されていることが必須と言えるでしょう。

端数価格法

上記の値決め法とは少し趣旨が異なりますが、「999円」や「2,999円」などといったようにあえて端数にして安く見せる「端数価格法」というやり方もあります。

コストプラス法や慣習価格法などで、たとえば「5,100円」が適正価格となった場合に、そこから値引きを考えるなら「5,000円」よりも「4,999円」とした方が、お客様の心象を良くすることができます。特に「10,000円」を「9,999円」というように一桁減らすのも、需要を喚起するために有効でしょう。

ダイナミックプライシングもおすすめ

最近では、さまざまな業界で「ダイナミックプライシング」という価格調整方法が導入されています。「ダイナミックプライシング」とは、時期や時間帯によって価格に変化をつける値付け法です。

スポーツやコンサートの観戦チケットで多用されているのですが、チケットが売れ残っている場合に、開演時間の数時間前などにAIの判断で明確な値下げを行なって1席でも多く売るやり方です。利益率は減りますが、売れ残るよりは得でしょう。

何度も繰り返していると、値下げを狙ってあえて買わずに待つ人が増えるかもしれません。そこはAIのアルゴリズムの精度を上げながら値下げ額とタイミングを常に最適化していくことが大切です。

値段を決める上での注意点

この項目では、値段を決める上で注意すべきことについて解説いたします。

原価の抑制とサービス向上を怠らない

繰り返しますが、値決めとは、原価を1円でも安く抑えて、サービスを最大化する努力を怠らないというのが基本です。

原価を安くできれば、利益率の調整幅が大きくなります。しかし原価が高いと、どうしても利益率を高くするのが難しくなってしまいます。原価が安ければ、競合との競争にも余裕を持ってのぞめるはずです。

どうしても原価が下げられない場合は、それを補うサービスを考えます。たとえばセット販売にしてお得感を演出するのもよいでしょう。

市場価格を意識する

社内で採用している方法で算出した値段が、市場価格と著しく差がある場合は要注意です。多くの顧客は、商品の値段の高低を単独で判断するのではなく、他者商品との比較によって高いか安いかを相対的に判断する傾向が強いからです。

特に市場価格より高くする場合は、それを補うだけの品質やサービスといったメリットが明確であることが求められます。その点で差別化が難しい場合は、市場価格に寄せることも検討する方がよいかもしれません。

値段は調整するのが当たり前

一部のカテゴリーを除いて、商品の値段をずっと同額にしたままというのは現実的ではありません。昨今のように、やむを得ない世界情勢や経済事情によって値上げラッシュが起きることもあるからです。

そもそも一般的な商品は、導入期→成長期→成熟期→衰退期というプロセスをたどります。開発が済み、市場に売り出す導入期である程度売れれば、さらに製造や販売数を増やす成長期を迎えます。

ここで圧倒的な売れ方をした場合は、値上げしたり、さらにクオリティの高い商品の単価をアップして販売したりといった戦略もありえるでしょう。

しかし、ある程度製品が普及し、それ以上の広がりが難しくなる成熟期には、逆に値下げが必要になることもあります。さらに衰退期に移ると、値下げだけでなく、販売の継続自体を検討する必要も出てくるでしょう。

このように、市場や消費者心理は常に生き物のように複雑かつ頻繁に推移する面があるので、値段調整を行うのは当然のことです。ですので、必ずしも値上げが悪とも言い切れないのです。

ただし前述のように、いったん値下げしたものを値上げする際は、かなり慎重に行う必要があることだけは念頭に置いておきましょう。

まとめ

商品の値段の決め方には、さまざまな方法があります。ただし価格だけに執着するのではなく、原価を抑えたり、付加価値をつけてサービスを向上させたりといった工夫と努力があってこその値段であることを忘れてはなりません。

さらに、適切な値決めを行うためには、常に市場の動向に気を配り、顧客心理を把握することも大切です。

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