楽天はもう売れない?楽天出店のデメリットや売れない店舗にありがちな問題点を指摘
この記事では、楽天市場の現状と売れない店に共通する問題点を指摘し、改善方法をお伝えします。楽天市場に出店することのメリット・デメリット、具体的な売上向上テクニックも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
楽天市場は以前よりも売れにくくなっている
楽天市場は、以前までは日本のシェア率第一位のショッピングサイトでした。他のネットショップが増える前だったので、利用者が集中し、「楽天で売れば儲けられる」という時代があったのです。
しかし、近年の楽天市場は伸び悩みが目立っています。AmazonやZOZOTOWN、ヤフーショッピングなど、競合が増えたことにより、商品の値下げ争いが起きているからです。薄利多売の世界になってしまったために、以前から楽天に出店していた人は「売上が落ちた…」と嘆いているのが現状です。
では、今はもう楽天市場に出店するのは時代遅れなのでしょうか?ここでは、楽天市場に出店する前の心構えと出店のメリット・デメリットから、「楽天市場への出店は是か非か」を解説していきたいと思います。
自分で考えることをやめてしまえば退店へ一直線
誰でも簡単に今すぐに売上を上げるような、魔法のようなツールはありません。どうしたら売上が上がるかをよく考えてから実行に移し、ある程度の期間試してみないと結果が出ないのが通常です。
- 人に勧められるままに新しい手段に手を出す
- 簡単に売上が上がるという謳い文句の高額セミナーに次々と申し込む
上記のような行動を繰り返してしまうと、出費だけが多くなり、泣く泣く退店という結果になりかねません。
- 楽天に出店する前に考える
- 新しい手段を始める前に考える
などというように、行動の前に考えてみましょう。
ただし、これは「行動を起こすことをやめる」目的ではありません。ベストな方法は何かを考えるため、複数の選択肢の中から本当に必要なものに絞り込むための行為です。
軌道に乗るまでには時間がかかることを心得ておこう
現在楽天で十分な売上を上げている店も、開店当初から業績をあげていたわけではありません。試行錯誤を重ねながら商品を売り続け、結果売上がついてくるようになったのです。
そして、長年続けてきたことによる恩恵は経験値だけでなく、ショップのレビューにもあります。売上を上げるには、レビューの多さは大変重要です。実際に手にとって見たり、店員に相談したりできないネットショップにおいて、レビュー件数が少ない商品を買うのは、購入者にとってリスクが大きいからです。
しかし、レビューは購入者全員が書いてくれるわけではありません。レビューを十分に集めるには、相当数のお客さんを掴む必要があります。レビュー集めは時間がかかる作業なのです。ショップを始めてすぐはレビューも知名度もない状態なので、軌道に乗るまでには時間がかかるということを覚えておきましょう。
今から楽天市場に参入しても成功できる?
結論から言うと、今からの出店でも成功できる可能性は高いです。
理由は2つあって、まず第一に、楽天市場というサイト自体の集客力があることが挙げられます。出店ショップの知名度が低く、店名検索をする人がいなかったとしても、楽天市場に出店しておけば楽天全体の店を見ていたお客さんに見つけてもらえる可能性が高いです。
次に、楽天ヘビーユーザーの存在です。ネットショッピングを多用する人は、大抵自分のお気に入りサイトがあります。使い勝手の相性や取扱商品のジャンルなどによって、「いつも楽天」「いつもAmazon」といった具合です。
このようにいつも楽天で買物をしている人は、よほどのことがなければ楽天を使わなくなることはありません。楽天ヘビーユーザーはまだまだたくさんいて、今から出店しても誰にも見てもらえないということにはならないので、商品に魅力さえあれば十分売上をあげられます。
以前に比べれば売上が伸びなくなった、というだけで、決して売れなくなったわけではありません。むしろ、初心者にとっては自社サイトを立ち上げて集客するよりも、楽天市場という知名度の高いサイトで集客したほうが売上を上げるのは簡単でしょう。
楽天市場に出店する4つのデメリット
(1)出店費用が高い
楽天には4つの出店プランがありますが、一番安いものでも月額19500円+税がかかります。しかも、支払い方法は年間一括払いなので初期参入者には痛い出費です。今は無料で出店できるモールも増えているので、そういったところと比べると楽天の初期費用の高さはデメリットでしょう。
(2)顧客リストを楽天外で使えない
楽天では、顧客リストを他のモールで使うことや、楽天を通さずに顧客にメールを送ることを禁止しています。集客はあくまで楽天がおこなっていて、出店者についた顧客は楽天の顧客であるという考え方です。メルマガ配信も楽天を通さなければならず、さらに配信手数料として1通1円を楽天に支払わなくてはいけません。
(3)価格が下降しやすい
楽天市場では価格競争が頻繁に起こり、同一商品や同一ジャンルを販売している店舗同士でどんどん値下げをおこなっています。価格を安くすれば売れる確率は上がりますが、その分利益率が落ちてしまうのです。
(4)イベントが多く作業量が増えがち
楽天の集客効果は高く、自社の運営体制が整っていないうちにこなせる量より多くの注文が入ってしまうこともあります。特にキャンペーン期間中は手間もとられる上に注文数が一気に上るので、個人で経営していると大変なことも多いです。
楽天に出店する6つのメリット
(1)楽天の集客力が絶大
忙しいという意味ではデメリットにあげましたが、やはり楽天の集客力は絶大です。自社サイトで同じように売っていた場合と比較にならない量が売れていきます。
(2)イベント開催が多く売上を上げやすい
楽天が頻繁にイベントを開催してくれるので、自社でなにか新しいことをしなくても、自動的に集客と売上向上が見込めます。自分のところだけでセールをおこなう・クーポンを発行するとしても集客には限度がありますが、楽天がおこなうイベントは大々的に宣伝されるので、大きな効果が出るのです。
(3)専任アドバイザーのサポートが受けられる
楽天に出店すると、店舗に専任アドバイザーがつきます。集客方法を教えてくれたり無料の広告をくれたりと、店舗をより良くするためのサポートをしてくれるので非常に心強いです。
(4)解析ツールが優れている
楽天に出店すると、楽天内のアクセス数や顧客傾向などを解析してくれるツールを使えるようになります。使い勝手もよく、ユーザーニーズを読み取るのに役立つので、今後の店舗運営に大いに役立つでしょう。
(5)店舗同士の情報交換が容易
ショップの経営者が集まるイベントが定期的に開催されるので、同一ジャンルの経営者との情報交換ができます。お互いに得する情報を交換し合うウィンウィンの関係を築いてショップ運営に役立てましょう。
(6)楽天のブランド力・集客力の恩恵を受けられる
楽天が長年培ってきた信用・ブランド力といった恩恵を受けられます。自社に知名度がなく既存顧客を持っていない段階でも、楽天に出店することで「楽天についているユーザー」が商品を買ってくれます。
売れない店にありがちな問題点
ここでは、楽天に出店しても売れない店にありがちな3つの問題点を指摘します。当てはまる人は改善してみましょう。
自社オリジナルの商品がない
カタログ商品など、競合も売りに出しているような商品しか取り扱っていない場合、売れ行きが伸び悩みがちです。独自の仕入れルートを確保していて安く仕入れられるというのなら良いのですが、そうでない場合競合との値下げ合戦になり、利益率が落ちてしまいます。
スマホユーザーに向けた作りをしていない
スマホの普及に伴い、ネットショッピングをスマホのブラウザで済ませる人が増えています。しかし、出店する際に販売側が操作するのはパソコンで、スマホの見え方を意識していないことが多いです。
商品説明が見づらい、楽天のデフォルト設定のままでは操作しづらい、リンクの誘導が下手で変な箇所に飛ばされてしまうなど、せっかくアクセスがあっても離脱しやすいようなページは手直しを加えるべきです。
キャンペーンに参加しない
ユーザー側から見た楽天の魅力は、キャンペーン期間の商品の安さやポイント還元率の高さです。キャンペーン期間中はユーザー数も増え、売上は上がりやすい傾向にあります。
しかし、日々の業務に追われている・キャンペーンの活かし方をわかっていないなど、せっかく楽天に出店しているのにもかかわらずキャンペーン参加をしない出店者がいます。これでは売上は上がりません。
せっかく来てくれるユーザーが増えても、キャンペーン参加していないショップに魅力は少なく、売り上げは通常時と変わらないからです。ポイント還元率や割引を考えて、類似商品を売っている+キャンペーン参加中の競合に顧客をとられてしまう可能性もあるので、むしろ通常時よりマイナスになる可能性すらあります。売上を上げたいのであればキャンペーン参加は忘れずにしましょう。
売上を上げるための6つの手段
ここでは、売上を上げるためにおこなうべき手段を6つ紹介します。
自社オリジナルの看板商品を作る
カタログ商品など、誰にでも仕入れられる商品を売っていても利益率は上がりません。仕入れにかかる金額も販売価格もある程度固定されるため、利率があげづらく、また競合との価格競争にも巻き込まれてしまいます。今は気軽にオリジナル商品を作れるサービスなども充実してきていますので、自社オリジナル商品を開発して、それを売上のメインに据えましょう。
そして、重要なのはカタログ商品をゼロにはしないことです。ショップへのアクセスの殆どは、商品ページです。商品数が10のショップに比べて、商品数100のショップはそれだけ検索にひっかかりやすく、自店ページに誘導できる確率が上がります。この入口として有効なのがカタログ商品です。ショップへのアクセス経路としてカタログ商品を置き、ショップに入ってきたらうまく自社オリジナル商品に誘導するようなサイト作成をしていきましょう。
ショップページをスマホ画面で使いやすいように改善する
わかりやすい店舗内検索窓の設置や文章の改行などを、スマホユーザー目線で整えることが大切です。思い立ったら即日できて効果抜群な手段なので、ぜひやってみてください。
なお、改善案を出すときはスマホの扱いに慣れていない人に自社ページを操作してもらうのがオススメです。スマホ慣れしている人だと「説明されなくてもわかるだろう」と、適切な改善案が出てこない可能性があります。
楽天のキャンペーンには必ず参加する
ポイントアップやラ・クーポン、楽天スーパーセールなど、楽天がおこなうキャンペーン企画には必ず参加しましょう。普段よりも多くのアクセス数が見込めるので、ショップの知名度を上げたりレビューを集めたりするチャンスです。割引やポイントの負担は楽天ではなくショップにかかってくることが多いため利益率は高くありませんが、今後の顧客を増やすための種まきとして非常に有効に働きます。
リピーター獲得に力を入れる
マーケティング用語に1:5の法則という言葉がありますが、これは「新規客を獲得するためにはリピーターを獲得するためにおこなう行為の5倍コストがかかる」という意味で使われています。「新規客を獲得するためにお金を使って、以前購入してもらった客にはアフターフォローなし」の運営では、ずっと多くのコストをかけ続けなくてはいけません。
売上を上げていきたいのなら、リピーターに得が多いショップ運営をしていくべきです。
定期的にクーポンを発行する
クーポン発行対象は、目的に応じて変わってきます。
- とにかく集客したい
→ショップにアクセスしてきた人全員に対してクーポンを発行する - レビューを集めたい
→購入者に対してレビュー投稿でクーポンをプレゼントするとアナウンス - リピーターを増やしたい
→以前購入してくれた客にクーポンを発行する
クーポンによって利益率は下がりますが、目的に合わせて上手に活用すれば、結果的に売上を上げることが可能です。クーポンの有効期限は取得時期によって差が生まれないよう、定期的に更新しましょう。
フォローメールを送る
商品発送後、商品が顧客の手元に届いたタイミングを見計らって、フォローメールを送ります。商品を購入してもらったことへの御礼や不備がなかったかの確認とともに、レビュー投稿を促せると効果的です。
なぜレビュー集めが重要なのか?
ここでは、レビュー集めが集客に与える影響について解説します。
情報化社会になったことで商品情報を持っている顧客が増えた
以前は、売り手側が公表した情報をもとに買い手側が選ぶという、売り手側が強い構図でした。しかし、今は個人でも情報が発信できる時代です。実際に購入した人がSNSやブログで使用感を書き込むことも容易ですし、買う前に公式サイト以外の場所から情報を集めるユーザーも増えています。
今では、買い手は公式以外が発表したデータまで持った上で購入に踏み切るのです。よってレビューのない商品は購入を決めるための判断材料が足りず、候補から外れてしまいます。
レビューの影響力は絶大
広告代理店バズエージェントは、肯定的なレビューの価値は1件あたり300ドルと言っています。それだけレビューがもたらす効果は大きいということです。しかも、レビューというのは一度書き込まれたら、ずっとその商品の付属情報として扱われます。広告のように打ったぶんだけ効果が出るというものではないので、永続的に商品価値をあげ続けてくれる非常に優秀な集客ツールなのです。
まとめ
楽天は、たしかに以前と比べれば売れにくい市場になっています。しかし、まだまだ有名かつ利用者が多い市場であることに変わりありません。楽天に出店しても売れないという人は、売り方やアプローチ方法が合っていない可能性が高いので、自社商品やサイトの見直しをおこないましょう。